【幼い子供は守るもの】
ママンに優しく正しい男になるべく育てられているテツオ君。
近所の学童保育でボランティア活動をしています。
学童保育とは親が共働きだったり、様々な理由で放課後に家で1人になってしまう小学生児童に対して、適切な遊び場所などを与える保育施設です。
テツオ君も小学生ですが、元大人です。
いわゆる体は子供でも心は大人です。
ですので分別もあり勉強も出来ます。
なので、学童保育では低学年児童の遊び相手になったり、勉強を見てあげたりしています。
「テツオにーちゃん、ここ分からないの」
「ははは、兄ちゃんに任せろ、これはここをこうしてだな」
勉強が分からない子がいれば分かりやすく教え、
「テツオ兄ちゃん、こっちで遊ぼうよー」
「ははは、いいぞ、何して遊ぶんだ」
「戦隊ごっこー、テツオ兄ちゃんは怪人ね」
「いいぞ、ははは、お前ら纏めてかかってこーい」
怪人役になってヒーロー役の子供たちにパンチされたりキックされても笑顔を絶やさず付き合います。
子供はバットで殴ったりなどの無茶もしますが、この程度ママンの折檻に比べたら蚊に刺された程度です。
何でも言えば付き合ってくれる頼りがいのあるお兄ちゃんとして、テツオ君は子供たちに大人気です。
また勉強や遊びに付き合うだけじゃなく、子供たちが危ない目に合わないように注意しています。
今もタンスの上に登ろうとして後少しの所で手を滑らせ落ちてきた子を目にも留まらぬ速さで下に回り込み受け止めています。
そうかと思ったら次の瞬間には階段で足を滑らせた子の元に移動し、落ちないように支えてあげます。
本来なら大人の人が注意していなければいけませんが、子供の数も多く、全員に目が行き届くわけではありません。
テツオくんはそんな目が向いていない子達の危険を察知してフォローしてあげています。
子供達というのはとにかく落ち着きがなく好奇心が強く、危険がいっぱいなのです。
テツオくんはそんな子供達を転生チートを駆使して助けて回っています。
それは何も学童保育の中だけではありません。
道路で車に轢かれそうになっている子供を車を跳ね飛ばしてでも助け出したり、
子供を誘拐しようとする悪人を叩きのめしたり、
いじめられている女の子がいれば助けてあげたりしています。
彼の転生チートは生命の危機の際を除いて、使おうとすれば理性がだんだんと無くなって行き、戦闘狂となってしまいます。
戦闘に入って直ぐに全く制御が効かなくなるわけではありませんが、それでもチート中は細かい制御などが苦手です。
なので、チート状態で子供を受け止めようとしたり支えようとすれば、そのまま握りつぶしてしまいかねません。
ですが、何故か「子供を守る」場合のみ、理性を保ったままチート行使が可能となります。
おそらくチート元の人物の願いが影響されているのかもしれません。
もっとも、そんな原理なんてテツオ君からすればどうでもいいのです。
子供を守れればそれで全部オールオッケーです。
学童保育で、遊び疲れて眠っている子供達を、テツオ君はとても慈愛に満ちた顔で見守っています。
特に小さい女の子達を。
「ちっぱい尊い…」
ママンの黒光りするおっぱいを幼児期に吸わされた事によって、おっぱいへの幻想を木っ端微塵に砕かれたテツオ君。
見事に『ロリコン』へと進化していました。
改めて言います、テツオ君は体は子供でも心は大人です。
なので、それは犯罪ですよ。
ママンが早くテツオ君の性癖に気付いて修正することを願います。
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【キングが来た】
『おもちゃの鉄腕』に今日も子供達の声が響き渡ります。
「キングがきたぞー」
「キング!今日こそ決着を付けてやる!」
お店の入口には高級なスーツを着て、王様が羽織るようなマントを付けた少年が立っていました。
その少年の左腕には今では懐かしいアイテム『デュエルディスク』が装着されています。
「はっはっは、愚民共。畏れ敬え、俺様こそがキング・ダッカー様だ」
そうです、彼はダッカー君です。
彼は近隣の小学生の間では伝説のキングとして有名でした。
有り余るお金でトレーディングカードゲームを箱買いし、
レアカードを詰め込んだデッキをいくつも用意し、
相手がどんなデッキを組んできても直ぐ様対応してきます。
そして圧倒的な力で相手を殲滅するその力。
遥か高みから薙ぎ払うプレイングは正に王の戦いです。
故に付けられた名が『キング・ダッカー』なのです。
だけど、キングはただ傲慢なだけではありません。
挑戦者には常に受けて立ち、そして彼を称える者には鷹揚でした。
もう使わなくなったレアカードなどや箱買いした際に出る余りカードを
始めたばかりの初心者や、お小遣いが少なくてあまり買えない子供達に配ったりしてます。
他にも頼まれごとをされるとついつい請け負ってしまう面倒見の良い一面もあります。
「ねぇキングー。新しいゲーム欲しいんだ。買ってよキングー」
「はっはっは、いいぞいいぞ、何でも買ってやるぞ」
キングと呼ばれ気分の良いダッカー君は言われるがままにゲームを買い与えてしまいます。
「流石キング!僕、喉乾いたんだ、ジュース買ってきてよキングー」
「はっはっは、いいぞ、だって俺様はキングだからなー。ちょっとまってろよー」
キングとおだてられて調子に乗ったダッカー君は猛烈な速さで自販機まで買いに行きます。
「キング様すごーい、私にはアイス買ってきてー」
「はっはっは、買ってきてほしいものは全部言え、キングに買えないものはないのだー」
更に気分の良くなったキング君はコンビニに皆が欲しいお菓子を買いに行きます。
賢明な皆さんにはもうお分かりでしょう。
ダッカー君は子供達のお財布にされているのです。
ですが本人はどうやら気付いていないようです。
生粋のパシリ、ダッカー君の明日はどっちだ。
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【今日のサチちゃん】
今日もサチちゃんは路地裏で子犬を蹴り殺しています。
その時のサチちゃんの笑顔はとてもドス黒くて背徳的で素敵です。
普段の儚そうな顔や、好きな花を見ている時にする仄かな笑みも素敵です。
ですがやっぱりこの見下すような、ゴミを見るような笑顔は最高です。
いつか、この俺の事も踏んで欲しい。
この駄犬!とか言われてムチで叩かれたい。
探査魔法のモニターに映るサチちゃんの映像を見ながらケイタ君はハァハァ息を荒げています。
実際サチちゃんはケイタ君達が想像していたような天使とは少し違いました。
どうやら犬が大嫌いなようです。
成犬はなんとか我慢できるようですが、子犬が特にダメなようで目の前にいると発作的に蹴りつけてしまいます。
その際に、魔力反応があり、無意識的にか身体強化をしているのを魔導師であるケイタは気付いていました。
リリカルな世界と繋がった結果、サチちゃんにも魔力的な才能が備わってしまったのでしょうか?
サチちゃんはソードアート・オンラインでヒロインの一角になるキャラです。
それだけのキャラならリリカル世界でもメインキャラには負けない魅力的なキャラだとケイタ君は考えていました。
なので魔法の才能が付与されたとしても不思議ではない、いや付与されないなんて逆に考えられない。
脳天気にそう考えて納得していました。
子犬に対してちょっと過激なところもケイタ君的にはチャームポイントです。
ヒロインが暴力的とか美少女アニメだと日常茶飯事なので、この程度バッチコーイです。
できれば自分のことも蹴り飛ばして欲しいぐらいです。
ケイタ君的にはバリアジャケットがあるので多少のことでは壊れないのでおすすめなぐらいです。
いまさらサチちゃんに変な所が多少あってもその程度で引くぐらいなら転生してまで想い続けることはありません。
逆にケイタ君はちょっとマゾい所があったようなので逆にご褒美だったのでしょう。
今までリーダーの割には他の3人よりキャラが薄い印象があったケイタ君。
無事に新しい属性を手に入れることが出来たようです。
ちなみにケイタ君の部屋には壁一面にサチちゃんの盗撮写真がこの数日で貼られるようになりました。
どうやら別の属性も手に入れつつあるのでお巡りさんこっちです。
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【ササマルの夢】
『早く体をよこせ』
今日もいつもの夢を見る。
『俺様と変われ、そうしたらサチちゃんとも楽しくエッチできるぞ』
俺はそんな目でサチちゃんを見ちゃいない。
『ガハハハハ!俺様だったら直ぐに世界中の女の子と仲良くなれるのにな』
暗闇の中、目の前に立つ緑色の服と鎧を着た口の大きいガサツそうな男がこちらを侮蔑した目で見てくる。
俺はおまえじゃない!
俺の体は俺のものだ!
それにサチちゃんはキリトさんと幸せになるんだ!
俺なんて半端者が手を出していい存在じゃないんだ!
『お前にも分かってるんだろう?それは本当の気持ちじゃないってことを。ただそう思い込みたいだけだってことを』
『何も我慢することないじゃねーか。それに難しいことじゃない。ガバっと押し倒してガンガン突いてアヘーって気持ちよくなるだけだぞ』
そんなサチちゃんの気持ちも考えず自分本位な欲望なんて。
『欲望も神様が保証してくれた人間の権利だよ、汝の欲するところをなせ。そんな他人がどうとか気持ちよくなってから考えようぜ』
お前は!
お前なんかランスじゃない!
確かにランスは女好きだし、自分勝手で女の子の気持ちをないがしろにしてまでエッチにおよぶことだってある!
だが神様が保証してくれるなんて言い訳をするような奴じゃない!
そんなマヤカシに俺の体を渡せるわけない!
『ならお前は誰だい?』
俺はササマルだ!
『それは与えられた役割だろう?本当のお前は誰だ?』
役割…
本当の俺は…
『お前は誰だ?』
俺は…
『自分の名前も分からないのか?』
俺は…誰だ?
分からない…俺は…誰だったんだ…。
『お前は誰だ?』
なんで…確かに生まれ変わる前に俺はいた。
『本当にいたのか?』
死ぬときの光景は今だって忘れられない…俺はいた。
死んだときの光景が目の前に浮かび上がる。
マンションの一室で飛んでくるタンクローリーを呆然とした顔で見ている4人の姿が…
『どれがお前なんだ』
そんなの決まっている…俺は…………どいつだ?
『4人の誰かがお前だとして、なんでその4人をお前は見ているんだ?』
俺は…いや、俺はいたんだ…俺は…確かにいたんだよ…なのになんで…
『じゃあ、それより以前は?お前は誰でどんな風に生きてたんだ?』
俺はサチちゃんが好きで…それで…どんなやつだった?俺は誰だったんだ?
分からない、自分の部屋は?
あそこは別の奴の部屋だ、誰の部屋?分からない。
俺は誰なんだ?
誰が俺なんだ?
誰が俺で、誰がケイタで、誰がテツオで、誰がダッカーだ?
誰が誰なんだ?
それに…この4人の顔にまったく見覚えがない。
そもそもこの4人は誰なんだ?
『自分すら分からないのになんでサチちゃんの事が分かるんだ』
だってサチちゃんは…
『なんでサチちゃんにこだわる?』
だって、俺はサチちゃんを…。
『本当にそれはお前の思いなのか?』
『その思いは本当にお前の思いなのか?』
『お前はいるのか?お前の思いは本物なのか?』
『お前こそ作られたニセモノなんじゃないのか?』
……違う。
『身体をよこせニセモノ』
違う…俺はいる。
『お前はいない。早く身体をよこせ』
サチちゃんを思う気持ちだって本物だ。
『その思いはニセモノだ。もう諦めろ』
いいや本物だ!
『お前は誰だ?』
いいか!俺は!
「俺はササマルだ!!!」
布団を跳ね飛ばし、起き上がる。
「おはようお兄ちゃん」
隣に寝ていた妹がじっとこちらを見て今日も不機嫌そうに挨拶してくる。
「…おはよう…俺はササマルだよな?」
「うん、お兄ちゃんはササマルだよね」
毎朝同じ問いかけと同じ返答。
いい加減飽き飽きだよお兄ちゃん、そんな表情だ。
「そうだな、俺はササマルだ」
でも俺を俺と認識してくれる。
ただそれだけで救われた気になる。
そうだ、俺は俺だ。
下半身に、おむつの中に感じる温かい感覚。
この感覚を気持ちいいと感じるのも、俺が俺だっていう確かな証。
そしてサチちゃんへの思いも、俺が思い続けている限り本物だ。
「いい加減一人で寝れるようになってよね、来年中学生でしょお兄ちゃん」
その言葉を華麗にスルーして俺は恒例のサチちゃんへの祈りを行う。
「しょうがないお兄ちゃんだよ本当に…」
しょうがないじゃないか、俺が俺であるためなんだ。
チートを使えば使うほど濃くなってくるナニカ。
俺という意識を食い潰して乗っ取ろうとするナニカ。
確かに俺の転生チートはハズレだ。
『鬼畜戦士ランス』
才能限界の上限無し、剣Lv2とレベル神の召喚。
神様は派手さがなく人気がないからレアリティは最低のノーマルだなんてほざいていたっけ。
だが、剣Lv2は必殺技の使用も可能な天才級の剣の才能。
レベル神でランス世界のように経験値を稼ぎレベルを上げ、際限なく強くなれる。
能力的にはレアリティがもっと高くてもおかしくない。
確かに完全にソロだったらつらいものがあったかもしれない。
つまり額面通りのチートではなかった。
俺の能力だけ才能まで付与された理由、チートがあり得るものとして世界に認識されるというシステム。
それらをよく考えるべきだった。
確かにランスなら持っていて当然の能力だ、正真正銘の自身の能力なのだから。
あり得るものとして扱うならチートの持ち主は俺ではなくランスでなくて位はいけない。
つまり『鬼畜戦士ランス』の能力を扱うチートではなく、『鬼畜戦士ランス』になる能力というわけだ。
故に使えば使う程ランスが俺に成り代わろうとする。
否、ランスに似たナニカが俺に成り代わろうとする。
そのナニカが本当にランスならばまだ託せるだろう。
だがアレはランスの負の側面だけを抽出して悪意で捻じ曲げ形成したナニカだ。
そんなものが解き放たれればどうなるか分かったものじゃない。
それに俺たちの誰かがサチちゃんに手を出そうものなら、
全員が一気にサチちゃんを奪い合い、最悪殺し合いになりかねない。
そのユダの最有力候補が俺というわけだ。
『サチちゃんを自分だけの物にしたい』
俺だって男だ。
そんな思いがないなんてあり得ない。
だが、それでもサチちゃんには幸せに笑っていてほしいんだ。
その為なら自分の気持ちは二の次で構わない。
今はまだ、俺は俺でなくちゃいけないんだ。
今日履くおむつを吟味しながら、それでも思考は回る。
ランスはおむつプレイなんて絶対に許容しない。
こうしておむつプレイを楽しんでいるうちは、俺は俺ってことでいいんだよな。
ナニカは日に日に俺を否定して、俺という自己を消し去ろうとしてくる。
だからこそ、こうしておむつを楽しみ、自分という存在を肯定させてやる。
着替えを呆れた目で見ていた妹に今日も大丈夫だと笑顔と鍛え上げた肉体で答えてやる。
「よし!今日も元気にランニングと早朝トレーニングだ!」
頬に気合を入れて、今日もいっちょ走ってくるか!!
俺は俺、生きてる間は全力でいく!
そしてどうしようもなくなったら、その時は頼んだぞ、お前らが俺を殺してくれ。
馬鹿で笑顔の頼もしい3人を思い浮かべながらササマルは今日も走り出した。
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【そして日常の終わり】
「○市にある○○小学校周辺で魔力の反応が多数確認されている」
「リーク通りだと無所属の魔法使い、もしくは魔法少女の可能性が…」
とある建物の一室。
PCモニターで情報を確認しながら複数の人物が話し合っています。
その人物たちは野戦服のような服を着ている方が多数と、白衣を来た研究者然とした人が少数と言った感じです。
中には拳銃などを机の上に出して弄っている男もいて、どう見てもまともな組織ではありません。
「あの辺りは霊脈も全くないし、先天的な魔力保持者は生まれにくいはずなんだがな」
「複数確認されてるから他から引っ越してきた家族の子供が複数偶然的に一箇所に集まったことで共鳴して潜在的な能力が開花した可能性が考えられる」
「もし複数で実際に魔法戦闘が出来るなら戦力的に厳しいな」
「幾ら生まれつき魔力があろうが、自己流で魔法を使えるようにはならないよ。心配しすぎだぜ」
白衣を来た人たちは魔力保持者がどうしてそんな場所にいるのかを、野戦服の人たちは実際に魔法戦闘が起きるのかを話し合っています。
ですが幾ら考えても情報自体が少なすぎて推論の域をでません。
そんな不毛なやり取りを黙って聞いていた一人の男が言いました。
「理由は何にしろ、あそこは何処の機関も手を付けられていないはずだ。本当に何も知らないガキなら、拉致って教育してやれば良い戦力になる」
男は勢いよく立ち上がり、指示を出します。
「災厄が動く前に総動員で動いて拉致る。戦闘準備だ!もし拉致対象が魔法で攻撃してくるようなら…頼みますよ、先生」
そしてその男は最期に今まで黙っていた女性に言います。
いえ、女性というよりは少し若い、10代後半ぐらいに見える少女です。
ただその風貌は奇抜で、鋲とトゲが施された革製の服は、見るものにパンクな印象を与えます。
また、ドクロのアクセサリーをつけ、斧のようなギターを手に持ち、この場所にいるにはどう考えても不釣り合いです。
そんな彼女は笑顔を浮かべて答えます。
「安心してね、あんたらを手助けするように上から言われてるし、トットも十分なお金は貰ってるからね」
そして、そんな彼女を胡散臭そうに見ている他の男達を一瞥して言います。
「それと…あんまり舐めちゃだめだよ…魔法少女をね」
4馬鹿それぞれの日常です。
いまいち作者的にキャラが薄かったケイタ君に新しいキャラ属性を付けれて満足です。
そろそろ話が動くかも。