今日のレベル上げを終えたケイタ君達4人は車座に座り休息がてら雑談をしています。
「結構俺達強くなったと思うんだよな」
「ドラゴンっぽいのもソロで倒せるようになったし、それなりには強いはずだ」
ちょっと自信が出てきたテツオ君の発言にササマル君が同意します。
「チート才能なササマルほど戦闘才能は無いけど、俺もレベルが上って魔法の威力も上がったしな」
「まぁ俺のチートは射出速度が上がったぐらいしかレベル恩恵はないが、肉体的な強さは結構向上している」
ケイタ君とダッカー君も強さの向上を感じています。
そして彼らが強さを求める理由はサチちゃんを守ることですが、
何より大前提としてソードアート・オンラインで生き残るためです。
「実際、今の俺達でソードアート・オンライン、何処まで行けるだろうか」
「出てくる敵はアニメとかの描写ではイノシシみたいのから巨大なデーモンみたいなのまで色々いるしなぁ」
「とりあえずなんとかっていうピンク髪の女とキリトさんが戦ったドラゴンなら倒せるって考えて良いんじゃないか」
「まぁあれなら俺の魔法とダッカーの射撃で落とした後、ケンタとササマルが斬り込めば倒せるな」
「ただ、アニメ描写だから、実際の速さとか攻撃の威力が分からないのが難点だな」
4人はソードアート・オンラインに出てくる敵に対してあーでもないこーでもないと語り合います。
そして、
「そういえばキリトさんってどれぐらい強いんだ?」
この疑問にたどり着きました。
「主人公だから当然最強だろう」
脳みそが筋肉でできているテツオくんらしい単純な答えは他の3人に不評です。
「おいおいテツオ、そりゃ最強なのは分かるけど、実際俺達がどれ位キリトさんに迫れるのか、それが大事なわけよ」
「サチちゃんがキリトさんとくっついた後、サチちゃんがキリトさんについていって最前線の攻略組に入ることになった場合、俺達もサチちゃんを守るために最前線に行かなきゃいけないよな。その時、俺達が足手まといだったらサチちゃんを守るどころか、逆にサチちゃんを危険に巻き込むことに成りかねないんだ」
ケイタ君はテツオ君に説明します。
「そのためにはキリトさんが実際どれぐらい強いかを知り、それに追いつくために努力しないといけないんだよ」
「うむー、でも俺、サチちゃんが出てこなくなってからあんまり見てないからなぁ」
「確かに俺もサチちゃんが復活する一縷の望みを賭けてSAO編とALO編は見た、だけどほとんど流し見だったし、その後は見てないからな」
「俺も見てないけど一応Wikiとかアニメサイトとかでその後の簡単な流れぐらいは見たな、ケイタはどうなんだ?」
「おなじく俺も1期以降は見てない、2期のシノンとかキャラとかおおよその流れぐらいは知ってるけど見てはいないな」
4人はサチちゃんにしか興味が無いのでその先の詳しい内容は分かりませんでした。
「でもSAOでは凄い強さだったよな。たしかなんとかっていうロリっ子のときは全身を切り刻まれても全く倒れないで治癒力が上回ってたし」
「耐久力が一番のテツオでも剣で斬られたら痛みを感じるし、蘇生能力は一度では12回が上限だからそれ以上の耐久力って訳だな」
ケイタは懐からメモ帳を取り出し、『耐久力…テツオ以上。剣で斬っても倒せない』と書きました。
「2期では銃で戦ったらしいんだが、マシンガンや対物ライフルの弾を剣で切り払ってノーダメージらしいぞ」
2期を見てはいないけどアニメサイトやWikiで知っていたダッカー君が「同じこと出来るか?」とササマル君に聞きます。
「まぁ正面からなら飛んでくる弾を見て斬るだけだからできるけど。
こっちが気付いてない所を狙撃されたら終わりだし、そもそもそんな事をしたら剣のほうがあっさり砕け散るだろうな。
おそらく剣に衝撃を与えないように弾丸の回転方向と回転速度に合わせて切り払うことで弾道を逸らしているんだろう。
単発の拳銃ならともかく、マシンガンの連射速度や対物ライフルの威力に合わせて、そんなことができればの話だが。
俺にはそんな絶技、到底出来ないよ。おそらく剣Lv3の逸脱者クラスの剣技だろうな。
まさに化け物だキリトさん、まったく勝てる気がしない」
想像して戦慄しているササマル君。
「俺のゲート・オブ・バビロンで剣を降らせても簡単に迎撃されるな、それに虎の子の銃火器もキリトさん相手には無意味だ」
がっくりしているダッカー君。
ケイタ君のメモ帳に『銃弾の雨を容易く切り裂く剣技。おそらく剣Lv3の逸脱者。ササマル以上。ダッカーのチートも効かない』と書き加えられます。
そして書いてる途中で思い出したようにケイタ君が発言します。
「たしか。読んではいないしWikiで書いてあったのを見ただけなんだが、キリトさんはアリ何とかゼーション編で心意攻撃で軍隊相手に戦って勝って世界を救うらしいんだ」
「世界まで救っちゃうのかよ!流石キリトさん、ハンパねー」
こりゃ参ったとテツオ君も呆れています。
「心意攻撃?どっかで聞いたことあるような」
「アクセル・ワールドじゃないか?たしか同じ作者だっただろう」
ダッカー君とササマル君はアクセル・ワールドを多少読んでいたので心意攻撃という単語を知っていました。
「たしか心の力で世界を塗り替えて発動する技だったはずだ」
「レーザーソードとかって使ってたよな。あとはビーム出したり炎出したり」
「ササマル!ダッカー!詳しく話してくれ」
ササマル君とダッカー君は覚えている限りの心意について説明します。
「手からレーザーソードやレーザーランスをだし、舞を舞ったら炎で辺り一面焼き尽くし、ありとあらゆる物を切り裂く斬撃を飛ばし、いかなる攻撃も弾く盾を出し、自身を守る風の結界を展開し、流水体へと体を変化させる。
そして敵の能力を奪うことまで可能…正に何でもありだな心意攻撃」
ケイタ君のメモ帳に書かれているキリトさんはもう凄まじい事になっています。
『世界を改変するありとあらゆる事ができる心意攻撃を自在に操り、不死の身体でどんな攻撃も耐えきり、神の領域へと至った剣技を使う。そして軍隊相手に無双して世界を救う救世主』
一体どこの『ぼくのかんがえたさいきょうのしゅじんこう』でしょうか。
それを見て4人は驚愕に震えています。
「なぁもうキリトさんだけいればそれでいいんじゃないか、リーダー」
「なんとなく俺もそんな気がしてきた」
脳天気なテツオ君も「SAOって世界救っちゃう系ファンタジーだったのかー」と自信なさげにぼやいています。
「だが、それでも俺達はやらないといけない。サチちゃんの為に、そうだろう、ケイタ」
決心を固めたササマル君が珍しく真顔で言います。
「例え、キリトさんの足元にも及ばない力しか持ってない俺達でも、それでも一撃だろうが肉壁として役に立てるなら。それでサチちゃんの為に死ねるなら、それだけでも転生してきた意味があるんじゃないのか」
そしてササマル君は剣と新しいおむつを手に立ち上がります。
「弱いとしれただけで十分だ。それを知らないまま天狗になってたら、そのせいでサチちゃんを喪っていたら。俺はそれが一番怖い。弱いなら強くなればいい。もっと、もっと強くだ。例えキリトさんが手の届かない高みにいるとしても、それでも諦めずに手を伸ばせば指ぐらい届くかもしれないじゃないか。それに俺は剣を振るしかできないからな、余計な事を考えるより一回でも多く剣を振ってサチちゃんの敵を斬る。何を言ってるか分からないが、とにかくそういう事だ。ケイタ、俺はもう少しここで戦っていきたいんだがいいか?」
「構わないさ、それに俺も付き合うよ、じゃなきゃお前帰れないだろう」
ケイタ君も"レイジングハート弐式"を手に立ち上がります。
そしてそれに続くようにテツオ君とダッカー君も。
「まってろキリトさん。最前線でサチちゃんと二人っきりイチャイチャなんてさせないぜ。俺達何処まででもついていってやるからな」
ケイタ君は「行くぞ!」と気合を入れ、みんなもそれに続くように走り出しました。
ところで、『ソードアート・オンライン』は『ゲーム』です。
彼らは果たして『ゲーム』と『現実』の区別が付いているのでしょうか?
こうしてキリトさんのハードルが密かに上がるのでした。
頑張れキリトさん。
さすがキリトさん、最強ですね。
よし、これでまた暫くの間SAO要素は大丈夫だな。