月夜の黒豹団   作:ちあさ

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こだわりのある革命家

私が死んだあの日の事を今でも鮮明に思い出せます。

 

 

あの日は愛しいあの人のバースデーを二人っきりで祝っていた。

華やかに飾り付けした部屋。可愛らしくデコレーションしたバースデーケーキ。

朝から準備して作った料理。あの人の好きな卵焼き、シーザーサラダ、そしてちょっと焦げてしまったハンバーグ。

 

 

赤く染まった。

 

 

去年は色々な悲しい事があり、祝うことのできなかったあの人のバースデー。

全て終わった今年こそはと、そしてこれからの幸せを祈って盛大に用意した数々のサプライズ。

そのサプライズの一つとしてやってきた『子犬』

去年から行方の分からなかったその『子犬』を見て、あの人もびっくりしていたし、そして無事を喜んでいました。

 

 

そんなあの人は赤く染まった。

 

 

本当はお世話になったあの子達にも来てもらいたかったけど、都合が悪いそうで断られてしまいました。

二人の仲を見せつけられるのは御免だと冗談っぽく言っていたけど、気を使ってくれているのは分かりました。

『子犬』も会えないのが寂しいのでしょうか、なんだかしょんぼりして見えました。

それでもバースデーを存分に楽しみました。

沈みゆく夕日を3人で見ながら、

 

 

最後に『子犬』は言いました。

 

 

「もう満足したよね」

 

 

愛しい愛しいあの人は赤く染まりました。

吹き出た血飛沫がまるで雨のように部屋中へと降り注ぎ。

部屋は赤く染まり、

残った料理やケーキは赤く染まり、

あの人にあげたマフラーは赤く染まり、

そしてあの人の死を見届けた私は赤く染まりました。

 

 

次に『子犬』の牙は私へと突き立てられ。

 

 

最後に私の意識は黒く染まりました。

 

 

私は犬が嫌いです。

 

 

+++++

 

 

「我々は『こだわりのある革命家たちの集い』である。大人しく指示通りにすれば命の保証はする」

 

黒板の前で銃を持った大人たちが声を張り上げました。

 

 

今日もいつもと同じ憂鬱な一日が始まるのだと思っていました。

ですが、始業の数分前、階下や廊下で誰かが走り回る音と子供達の驚く声がして。

すぐに私がいるクラスへも扉を乱暴に蹴り破って銃を持った大人たちが入ってきました。

抗議しようとした先生は銃で殴りつけられて動かなくなってしまいました。

彼らは映画で見るような兵隊が着るようなまだら模様の服を来ていて、兵隊が持つような銃を持っていました。

たしか、あの人さんが持っていた…AKでしたでしょうか。

一度だけ見たことがありました、多分それに似ている気がします。

どうしてでしょう、私と同期だった人なのに名前が思い出せません。

名前を思い出そうとすると頭が痛くなってきます。

 

 

考え事をしている間も事態は動いていました。

私とクラスの皆さんは教室の後ろへと集められました。

兵士さん達は何やらアンテナの付いた機械で私達の事を調べていて、

「こいつは違う」と言われた子達は廊下へと出されています。

そういえばいつもはクラスの中心となって騒いでいる4人の姿が見えません。

こういう時は歯向かっていくイメージだったんですが。

でも、結構な頻度で遅刻したり、遅刻ギリギリで駆け込んで来るので、それで巻き込まれていないのかもしれません。

外では通報を受けて来たのか、パトカーの音やヘリの音がしています。

遅刻していたのなら入れないでいるのでしょうね。

 

 

「こいつが当たりか。中々の数値だ、見つかったぞ!」

 

 

私へとアンテナを向けた兵士さんが声を上げ少し距離を取ります。

他の教室にいた兵士さん達がこちらへと銃を向けてきました。

 

 

「おい、お前!撃たれたくなければ手を上げてゆっくりと前に出ろ」

 

 

なんでこんなことに…結局憂鬱な事には変わらないんですね。

私は立ち上がりゆっくりと教室の前の方に歩きます。

兵士さんは緊張した顔でゆっくりと近づき、私の腕を取ると両手に手錠をかけました。

そして他のクラスの子にまたアンテナを向けて調べ、最終的に教室には私と兵士さん達だけが残されました。

どうやら廊下に出された子達は解放されていっているようです。

兵士さんはスーツケース大の機械を持ち出してきて私のことを念入りに検査しています。

その間に胸に勲章をいくつも付けた偉そうな人が入ってきて、機械に繋がっているモニターと私を交互に見ていいました。

 

 

「観測された魔力パターンとはまた別だな。複数いるということか」

 

「この教室の残存魔力から観測データと同一のパターンが検出されているので、このクラスが当たりだと思うのですが」

 

「今日は欠席していたってことか。残念だが一人確保出来ただけで良しとするか」

 

 

そして通信機で色々指示を出しています。

おそらくあの人が隊長とかそういう役職の人なんでしょう。

 

 

「警察の特殊部隊が来るまではまだ時間がかかるだろうし、他の奴らがこいつの仲間ならそれまでに来るかもしれん」

 

「それまで待ちましょうか?」

 

「いや、ガキどもの解放に合わせて撤収する。藪をつついて蛇を出す結果は望ましくない」

 

 

どうやら私は攫われるということでしょうか。

私以外の誰かさんの助けは期待できそうにないようです。

ならば撤収の準備をしている今が一番逃げるのにいいかもしれまんせん。

まだあの『子犬』を見つけていない状況で目立ちたくはなかったのですが。

正面戦闘は数人相手ならなんとかなるはずです。

あとは逃げに専念すれば離脱は可能でしょう。

でも、その後はやっぱり家には帰れませんね。

本当に憂鬱です。一体どうしましょう。

 

 

撤収が始まるのでしょう、兵士さんが私の腕を乱暴に掴んで、引っ張って行こうとしました。

ですが私の腕を掴んだ士さんの腕は半ばで取れてしまいました。

いえ、スッパリと斬られていました。

 

 

「サチちゃんに手を出すって事は、つまり死にたいって事でいいんだな」

 

 

私の直ぐ横で声がしました。

驚いて振り返った先には、抜身の剣を手に持ったクラスメイトが立っていました。

 

 

+++++

 

 

毎度のごとく遅刻ギリギリに登校したら、学校がテロリストに占拠されてました。

 

 

校門には通せんぼするように装甲がゴテゴテ付いたトラックが止めてあり、車上に取り付けられた機関銃を兵士が構えて警戒していました。

他にも校舎の入り口前にも装甲車が止まってあり、周りに武装した兵士が銃を手に立っています。

それを警察のパトカーやヘリが遠巻きにしながら、拡声器で交渉しようとしています。

警察官たちは児童が人質に取られている現状では無闇な行動に出れないようで、交渉以外では野次馬達を近寄らせないようにするぐらいしか出来ていないようです。

 

 

「おいおい、どういう冗談だこれ」

 

 

校舎が見下ろせる近くのマンション屋上。

兵士達が校内を闊歩する光景を見ながらダッカー君がぼやきます。

どうやら見える限りでは惨劇などは起きていないようで、児童達は教室から廊下に出され移動させられているようです。

移動させられる児童の中にササマル君の妹が見え、ササマル君はひとまず安堵しています。

 

 

「今からサーチャーを飛ばして中の様子を探る」

 

 

ケイタ君が探査魔法を展開してサーチャーを校舎に向かわせました。

同時に空中へと投影されたモニターに映像がどんどん出てきます。

校舎の外には重火器が装備された装甲車やテクニカル車両が何台も止まっていて、警察の火力ではお手上げでしょう。

兵士が持っているのは武装はAK-47です。

バリアジャケットで物理防御の上がるケイタ君とチートで肉体強度を上げれるテツオ君以外は撃たれれば死ぬ可能性があるので注意しないといけません。

それに車両に搭載されている重機関銃はケイタたちでも防御を突破される可能性があります。

サーチャーは更に校内を捜索し、彼らのクラスまで来ました。

 

 

「な!サチちゃんが!」

 

 

モニターの中には手錠をかけられ乱暴に腕を引かれ連れて行かれそうになっているサチちゃんの姿がありました。

周りには銃を持った兵士がいます。

謎の機器を外へと持ち出そうとしているところからすると撤収しようとしているのでしょう。

このままではサチちゃんが攫われてしまう。

まさに一刻の猶予もありませんでした。

 

 

「ケイタ!俺を教室に飛ばせぇ!!!」

 

 

ササマル君はダッカー君から剣を渡されてケイタ君に転移魔法を要請しました。

ケイタ君も室内戦闘でもっとも頼りになるのはササマル君だと瞬時に判断し、そして転移魔法でササマル君を教室へと飛ばしました。

そしてテツオ君とダッカー君にも指示を飛ばします。

 

 

「テツオは狂化して外の敵を!ダッカーはその援護を頼む。俺はここで情報を探って支援する」

 

「おう!」「任せろ!」

 

 

テツオ君はダッカー君を肩に担いでマンションの屋上から校舎に向かって飛んでいきました。

モニターの中ではササマル君が教室の兵士を斬ってサチちゃんを助けだしています。

直ぐに校舎の外で爆発音と銃撃音、そして雄叫びが聞こえるのでテツオ君達が戦闘を開始したのが分かりました。

ケイタ君はその間に、兵士達の動向を探ろうとサーチャーを各所に展開させます。

児童達は校舎の玄関外へ出され、装甲車や兵員輸送車両の近くに立たせられています。

どうやら脱出の際の人質にされるのかもしれません。

でも、テツオ君達が派手に戦闘をはじめた為、そちらへと兵の多数が移動していき、見張りの数は少ないです。

この人数ならケイタ君の魔法誘導弾を多数同時射出して倒すことができます。

ケイタ君は屋上から身を乗り出し、児童達がいる場所を直接確認して魔法を展開。

発射のタイミングを狙っていた時です。

 

 

「妙な感じがあったからね、探してみたらビンゴなのね。トットはやっぱり運がいいのね」

 

 

その声にケイタ君はビクッとして振り返るのと、ケイタ君の腹に斧型のギターが叩き込まれるのは同時でした。

 

 

+++++

 

 

 

「サチちゃんに手を出すって事は、つまり死にたいって事でいいんだな」

 

 

何とか間に合ったか。

ケイタの転移魔法はまさに絶妙な位置へと俺を転送してくれたな。

目の前にちょうどサチちゃんのたおやかな手首を握りしめているゴミの腕があったんでついつい斬ってしまったよ。

でもその後の俺のセリフ、なかなかにカッコよかっただろう。

日頃からカッコいいセリフを練習しておいてよかったぜ。

 

 

それはともかく状況はっと。

ゴミは斬り飛ばされた腕を抑えて悶絶しているので、サクッと首を刎ねた。

他にはギョッとした顔で、それでもよく訓練されているらしくこちらへと銃口を向けて撃とうとしている馬鹿が2人。

その角度で撃ったらかわいいサキちゃんに当たるじゃないか。

 

 

「とーーーーーう!」

 

 

俺は掛け声を上げて馬鹿2人の元まで飛び、2人まとめて胴体を横薙ぎに切り裂いてやった。

ふむ、これでサキちゃんと二人っきりのムフフタイムだ。

さーて、ズボンを脱ぎ脱ぎしてー、スポポーーンとね。

次はこの忌々しいおむつを………。

 

 

………いやまて。

俺は何を考えている。

 

 

やばいな、ちょっとサキちゃんの事で怒りが有頂天になりすぎてランスの意識に乗っ取られかけてた。

びーくーる、びーくーる。

まだ慌てる時間じゃないだろう。

 

 

落ち着いて素数を数えるんだササマル。

素数は孤独な数字えっとなんだっけ続き忘れたわ。

 

 

1、2、4、6、8、10、12、14…ふぅとりあえず素数数えたら落ち着いた。

意味は分からんがブッチ神父は偉大だった。

 

 

そういえばこの血まみれ地獄どうするよ、きっとサチちゃん泣いて…って歪んだ笑顔でゴミ君の頭をゴリゴリ踏みにじってますがーーーー!!!!

やばい、きっとサチちゃん、あまりの急展開で混乱してるだ。

ゴミ君の頭ってスキンヘッドだからきっとサッカーボールと勘違いしてるんだよね。

ボールは友達さ!ひゃっはー友達蹴っ飛ばすのって蝶、サイコー!みたいなね。ほら女の子ってキャプ翼大好きだしね、翼君×岬君とかね。

いやいや俺の方が大混乱さ、ほらほらおむつの中が大変ジューシーになってますよ。

 

 

とそんなことを考えてたら、いきなり窓側の壁が吹っ飛んだ。

いや布団が吹っ飛んだ的なギャグじゃなくね。

壁だけじゃなくよく見たら、何かが吹っ飛んできた。

 

 

「ぐぐう…ササマル…サチちゃん連れて逃げろ…」

 

 

よく見たらそれは血達磨になったテツオだった。

 

 

「いやー、間に合ってよかったのね、そいつ結構頑丈で苦労したのね」

 

 

吹き飛んで風通しが良くなった窓際には

 

 

「なにあのへんたーーーい!髑髏ロック風で斧ギターってクソワロス」

 

 

「変態はあんたのほうなのね!このおむつ男!」

 

 

何故か変態返しされました、解せぬ。

とりまその隙にエネルギーは溜まっている。

俺は謎のロック女に向かって飛び込んで、

 

 

「ランスアターーーーック!!!」

 

 

全力ランスアタックを繰り出した。

鬼畜アタックと比べて単体用だからサチちゃんが巻き込まれる恐れもない。

完全に決まったと思ったが、それがフラグだったのか。

当たる直前にロック女が身体を翻し、スルリとよけてしまう。

そして俺の眼前で斧ギターをかき鳴らした。

俺はぞわりとした悪寒に従い、全力で距離をとるが、ギターから大量の音符が飛び出し身体を打ち据える。

致命的な部分に当たる音符は反射的に切り払ったが、それでも全部を裁くのは無理で、肩や手足など当たった部分はジンジンと痛む。

 

 

「おっと、決まったと思ったんだけど、なかなかやるのね、でもまだまだこれからね」

 

 

ロック女はそう言いつつ更にギターを弾き、大量の音符を俺目がけて打ち出した。

おいおい、一体全体なんだこれ、お前エコーズさんですか!

ちっとは常識ってのを考えてくださいよ、なにこれソードアートオンラインじゃなくスタンドバトルですか!

自分たちのチートは棚上げして思わず愚痴りながらも、俺は音符を剣で迎撃していく。

サチちゃんは…チラッと横目で確認したらゴミ頭をドリブルしながら廊下へと退避している。結構気に入ったんですね、それ。

「それよりおい!ケイタ!援護プリーッズ!ダッカーでもいいから!」と俺は何とか机などを盾にしつつ通信機をオンにして叫ぶが

 

 

「ごめん…俺もダッカーもやられた…そいつ強すぎだろう常識的に考えて」

 

 

既に撃墜済みでした。

こうなったら頼りになりそうなのは…ちらりと敵のすぐ近くに倒れている瀕死のテツオを見る。

 

 

「おーいテツオさーん、後何回生きてますかー」

 

 

「まだ…12回は大丈夫だ…あんまり痛くないようにしてくれ」

 

 

その言葉を聞いて、俺はサブ武器として持っていたナイフをテツオへと投擲。

見事眉間へと命中しテツオを即死させる。

なんか簡単そうに見えるが、片手で持った剣でずっと音符を切り払いながらやってるんだぜ。

剣Lv2の才能は本当に助かります。

そんな俺の一連の行動を見ていたロック女はびっくりして音符攻撃を中断した。

 

 

「な!なに仲間を殺してるのね!気でも狂ったのね!」

 

 

いやいや、現在進行形で攻撃してきた敵に言われるようなことじゃないんだけどね。

でもなぜかテツオにとどめを刺さずに連れてきてくれたので感謝だ。

ほら見てみなよ、血達磨で即死したテツオ、綺麗な顔してるだろう、もう全快してるんだぜ。

 

 

「グオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!」

 

 

死亡したことで"十二の試練"が発動し、蘇生・全快したテツオが至近距離からロック女へと襲い掛かった。

ロック女もそれは予想していなかったようで、テツオに組み敷かれている。

 

 

「そ、蘇生!お前はアリスかよ、このゾンビ野郎!」

 

 

「それは流石に傷つく!俺はゾンビじゃねー!それにアリスって誰だよこんちくしょう!」

 

 

流石にゾンビ呼ばわりはショックだったのか狂化が解けて素で返すテツオ。

でも戦況は逆転だ。

俺は組み敷かれているロック女の首筋へと剣を突き出す。

 

 

「これでチェックメイトだな。どうしてサチちゃんを攫おうとしたか、そしてお前のその力について教えてもらおうか」

 

 

「くっ殺せ!」

 

 

クッコロ頂きました!

リアルでこのセリフを聞くなんて思ってもいなかった。

思わずスマホを取り出して、「ワンモアプリーズ」と言ってしまった俺は悪くない。

 

 

「はぁ?」とゴミを見るような目で見返されましたが。

 

 

そしてそんなバカをやったのが悪いのかまたまた事態は急展開!

 

 

「おまえら動くな!!この女の命がねーぞ!!」

 

 

見ると教室の入り口でサチちゃんの肩を抱き首筋にナイフを突きつけたオジサンが立っていた。

胸元に勲章ぶら下げているところを見るとお偉いさんかもしれん。

いや、さすがにピンチだろうこれ。

幾らチートでも俺があのオジサン斬る前にナイフでスパッと首斬られるよ。

 

 

だが、ロック女はその捕まってるサチちゃんを見て、ギョッとする。

 

 

「おい、そいつはやばいね、離れるのね、そいつ魔法少女ね!」

 

 

その言葉と共にサチちゃんはニヤリと笑い、その姿が一変した。

来ている服はシスター服へと変わり、黒髪が伸びて茶色い縦ロールへと変貌し、顔は大人びていく。

そしてサチちゃん?は手錠を力尽くで捩じ切りオジサンの顔面に裏拳をぶちかました。

可哀想にオジサンは裏拳で顔面をスイカ割りのごとく破裂させられてお亡くなりになった。

いやいや何この蝶・展・開!蝶人パピヨンもびっくりな変身ですよ。

え?もしかしてサチちゃんってプリキュア!?

んじゃ俺も俺も!あふれる愛と正義のおむつ!キュアパンパース!

え?ダメ?残念。

 

 

「これでまた形勢逆転ですね」

 

 

サチちゃんはそう言って教室の中へとゆっくりと歩み寄ってきました。

メインヒロインきた!これで勝つる!

と混乱した頭で考えていたらまたまた急展開。って何度目だこれ。

 

 

窓の外から黒い少女が「フンガーーーー」と叫びながら入ってきて、俺とテツオをワンパンで吹き飛ばす。

 

 

「アリスちゃん?もしかしてあの人も見てるんですかね?やっべぇ査定が…」

 

 

そう言って黄昏るロック女の首筋を虚空から現れた手がつかみ上げます。

 

 

「あぁ、マスターお久しぶりですね。回収ありがとうなのね」

 

 

そう言いながら穴へと引きずり込まれ消えていった。

そしてアリスと呼ばれた黒い少女も「フンガー」と言いつつ手を振りながら同様に穴へと回収されていた。

 

 

「うん、まったく意味が分からん」

 

 

たぶん読者も同じ意見だろう。なんだ読者って?

いつの間にか元の姿に戻ったサチちゃんに促されて俺とテツオは警察が踏み込む前に逃げ去った。

その後、ケイタと無事合流。

ケイタもロック女に腹をギターでぶん殴られてKOさせられたらしい。

でもみんななんとか無事だったと喜んで、俺たち4人は帰宅するのだった。

あれ?4人?うんいつもの人数だ、問題ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ダッカー君が校舎でテロリスト兵と一緒に倒れているのが発見されて先生に強くお叱りを受けたそうです。

 

 

 

 

 

 

+++++

 

 

 

 

 

ふふふ…この4人。

 

 

馬鹿だけど何故か私の事を慕ってくれる。

それによく分からない力を使うし、復讐の駒としては役に立ちそう。

 

 

ちょっとは仲良くするふりをしてあげましょう。

 

 

 

 

 

 

『神』は言っていました。

 

 

子犬はこの世界にいるって。

 

 

『狗神』と呼ばれているって。

 

 

生前の力を与えてくれた『神』は神を自称する犬を駆逐しなさいとお命じになりました。

 

 

そして『神』の領分である運命を捻じ曲げる者たちを誅し、神の威光を取り戻せと。

 

 

 

 

 

 

あのビクビク怯えていた子犬がいい気になって………覚えておきなさい、この私が絶対に復讐してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




転生者が4人だけだなんて誰が言った?



戦闘シーンって難しくて苦手なんですよね。

なんか良くわからないって人、うん多分一杯いると思う。

そこら編もおいおいね。

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