そして数日後、僕たちは神父の格好をして夕方歩きまわっていた。
こうしないと襲ってこないみたいだから。
「兵藤……悪かったな」
「へ? 何が」
突然の匙君からの謝罪に僕は戸惑ってしまった。
特に匙君に何か悪いことをされたわけじゃないんだけどな~。
「この前さ、俺、お前のこと正直言って見下してた。俺の方が何倍も強いって。
でも、違った。お前は部長さんのために戦って勝ったんだよな。すげえよ」
「別に僕は凄くなんかないよ。ただ部長を護りたかっただけ」
「そっか……」
会話も途絶えて静かになった瞬間、全身の穴という穴が一瞬にして
全開になるくらいの殺気がぶつけられてきた。
「神父の一団にご加護ありってね!」
狂っている神父――――――フリードが聖剣、
エクスカリバーで僕たちに斬りかかってきた。
それを僕たちはそれぞれの方向にちりじりに
分かれて神父服を脱ぎ棄ててそれぞれの武器を出した。
「ありゃ?こ れはイッセーくんではあ~りませんか!
ドラゴンパワーは上がったのかな? 手かその腕キメえし!」
「貴方にこたえる義理はない」
『Boost!』
今回僕は前線には立たない。
倍加していって木場君に力を譲渡する。
「伸びろラインよ!」
匙くんの手首辺りからトカゲの舌みたいに伸びてピタッと神父にくっついた。
な、何あれ。地味に可愛いし。
「今だ木場! 今のうちにそいつやっちまえ!」
「ありがたい!」
木場君は二本の魔剣を作り出してフリードに斬りかかるけどエクスカリバーの
力が魔剣を上回っているのかたったひと振りで魔剣が粉々に粉砕した。
「死ねぇぇぇぇ! くそ悪魔がぁぁぁぁぁ!」
「させるか!」
僕は木場君と神父の間に入ってドラゴンの腕で
聖剣の刀身を直接掴んで神父の動きを止めた。
「今だよ木場君!」
『Transfer!』
「魔剣創造(ソードバース)!」
「ちぃ! 邪魔っすよ!」
「うわぁ!」
力を譲渡された魔剣創造で作り出された魔剣が大量に神父を狙うけど
神父は僕を蹴とばしてエクスカリバーを自由に
させると横なぎに大きくふるって全てを簡単に粉砕していった。
「ほう、魔剣創造か。使い手によれば無類の力を発揮する神器だ」
どこかからか第三者の声が聞こえてきて辺りを探し回ると
上空に初老のおじさんが浮いていた。
「バルパーの旦那」
バルパー……この人が計画の主犯格か。
「お前がぁぁぁ!」
「木場君!」
バルパーを見た木場君はいきなり叫び出すと魔剣を作り出してバルパーに
斬りかかっていくけどフリードに邪魔をされた。
「木場君、落ち着いてよ!」
僕は神父から木場君を無理やり引き離して落ち着くように言った。
「邪魔を、するなぁぁぁぁぁ!」
その瞬間、鋭い痛みとともに視界に憎しみの色に染まった瞳の
木場君と赤色の血が舞う景色が映った。
「兵藤先輩!」
「ぐっ! な、なんで?」
「ありゃりゃ? 仲間割れかな? ま、良いや。
クズ悪魔はみ~んな消えちゃえ!」
フリードが隙だらけの僕たちに向かって光の力がこめられた銃を乱射してきた。
「小猫ちゃん!」
僕は小猫ちゃんを思いっきり押して銃の範囲外に飛ばした。
「兵藤先輩!」
「兵藤!」
その直後に僕の体に激痛が何度も走った。
余りの痛みに僕は意識を一瞬で失ってしまった。
「兵藤先輩!」
イッセーくんはフリードの銃を喰らって地面に倒れ伏していた。
でも、僕の意識はバルパーだけに絞られていた。
あいつが聖剣計画の主犯で僕たち、被験者の仇!
「木場ぁぁぁぁぁ!」
「―――――っ! 何をするんだ!」
僕はバルパーに斬りかかろうとした瞬間にいきなり匙くんに思いっきり殴られた。
「こっちの台詞だ! なんで兵藤を斬ったんだ!」
「今はそんなの関係ない! 目の前に仲間の仇がいるんだ!」
「お前はダチよりも目の前の敵を優先するって言うのかよ!」
「ああ、そうさ! 僕の生きている意味はあいつを殺すことなんだ!」
「ちっとは周りで心配してる奴のことも考えやがれ!」
僕はまた匙君に顔を殴られた。
「フリード、今のうちに逃げるぞ」
「オッケ~バルパーの旦那。じゃ、クズな悪魔さん達バイチャ!」
そう言ってフリードは地面に球体の様なものを投げつけると辺りに
凄まじい光量の閃光がばら撒かれ僕たちの眼は一瞬だけ機能を失った。
目が機能を取り戻した頃には既にバルパーもフリードもいなかった。
「くそ!」
僕は騎士の特性を使って高速で移動しながら二人を追いかけていった。
「貴方達一体何をしていたの!」
部室に部長さんの大きな声が響きました。
あれから、力が不規則になっていることを感づいた会長さんと部長さんが
やってきて血だらけで倒れている兵藤先輩を見て慌てて部室までジャンプして
アーシア先輩に治療してもらいました。
命に別条はないようですが兵藤先輩は今も眠ったままです。
「リアス、少し落ち着きなさい。怒鳴っていては聞けるものも聞けないわ」
「そうだけど!」
会長が部長に落ち着くように言いますが部長はかなり興奮していました。
「ひと先ず匙、説明を」
「はい」
それから今にも泣きそうな声で匙先輩がエクスカリバーの破壊を
部長さん達には内緒で計画した事、
ゼノヴィアさんとイリナさん達にも承諾を得たこと。
そしてフリードと戦闘になって……という風に順を追って説明をしていった。
「つまり貴方達はエクスカリバーを破壊するために行動をしていたって言うの?」
「……はい。すみませんでした」
――――――ペチン! ペチン!
「ひぃぃぃぃ! すみません会長ーーー!」
「いいや、今回は許しません。お尻千叩きです」
そう言って会長さんは手に魔力を集めて匙先輩のおしりを何度もたたきつけてました。
……痛そう。
見ているこっちも痛くなってくるほど先輩のお尻は真っ赤になってました。
「は~、全くこの子は」
その一方で部長さんは眠っている兵藤先輩の頭をなでていました。
「この子の性格を考えていればこんな事には」
部長の表情はどこか、優しそうな表情をしていた。
……やっぱり部長さんは兵藤先輩の事。
ひと先ず私達は兵藤先輩のお家にお邪魔していました。
ご両親には体調不良で寝ているとだけ連絡をしてその看病に
私達は来たと言って家に泊まる許可を取りました。
「……君は誰」
「我、イッセーのお友達」
兵藤先輩の部屋に入るとそこに既に先客が一名いました。
ゴスロリ衣装を着て黒い髪の毛を結構な長さにまで伸ばしている女の子です。
「えいえい」
その子はベッドで眠っている兵藤先輩の頬を軽くぺちぺちと叩いていました。
何をこの子はしているんでしょうか。
そう思った直後! 私たち全員に凄まじいプレッシャーが襲い掛かってきました。
窓の方を見るとそこには
「ヤッホ♪くそ悪魔さん達ご機嫌いかがぁ~?」
イカれている神父とバルパーガリレイ、そしてその二人に挟まれる形で
見たことのないもう一人の堕天使が肩に何かを担いでこちらの方を睨みつけてきました。
凄い殺気です……体が自然と震えてしまう……。
「土産だ」
投げられたものを部長さんがキャッチすると
それはイリナといわれている人でした。
かなりひどい怪我で呼吸も弱弱しかった。
「アーシア!」
部長の叫びにアーシアさんは慌てて動き、癒しの光を出してイリナさんを
治療しはじめ、すぐに傷が治療されていき表情も
楽になっていき呼吸も落ち着いてきました。
「何の用かしら? コカビエル」
「その紅色の髪を見るだけで反吐が出そうだ」
コカビエルはまるで汚いものでも見るかのような表情で部長を見てきました。
「今回ここに来たのはとあるパーティーに招待するためだ」
「それって?」
「お前の根城である学園で暴れるのさ! エクスカリバーの
本来の力を引きだすのにはちょうどいい場所だ。じゃあ、行くぞバルパー、フリード」
「あいあいさ!」
イカれ神父が何かを投げるとそれは
炸裂して凄まじい輝きで私たちの目を一瞬潰していきました。
「くっ! 皆! 学園に行くわよ!」
『はい!』
兵藤先輩と木場先輩がいない状態で私たちは学園に向かいました。
こんばんわ~。如何でしたか?