ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life20

「リアス先輩、この学校を結界で覆いました。よほどのことが

ない限り外には漏れる事はありません」

匙先輩が部長に現状報告をしていました。

イリナさんは先程、部長のお家に送られて大事には至らなかったとの事です。

「ただこれは被害を最小限に抑えるものです。私の下僕がコカビエルが

グラウンドで力を徐々に開放しているのを確認しています」

結界を張る作業を終え、会長が私達が集まっている

場所へと近づいてきました。

相手は聖書にも名前が出てくる堕天使の幹部、コカビエル。

その強さは恐らく今の私たちでは相手にもならないほどの強さです。

でも、この戦いに勝たなければこの町は一機に壊滅してしまいます。

「ところで、リアス先輩。兵藤の様子は」

「安心して。イッセーは無事よ、今は家で眠ってるわ」

それを聞いた匙さんはどこか安心したような表情をしましたが

部長は逆の表情をしていました。

「でも、イッセーがこの場にいないのはかなりの痛手だわ。

彼のセイグリッドギアは私たちの攻撃の要でもあり

サポートの要にもなる。厳しい戦いになりそうね」

「リアス、お兄様にはこの事は」

「言っていないわ」

「すでに魔王様に打診しましたわ」

「朱乃!」

珍しく部長さんが姫島先輩に怒っていました。

「リアス、貴方がお兄様に頼りたくないのは分かるわ。でも、この事は

既に貴方が解決できる範疇を超えているわ。それは分かってる筈よ」

「っ! ……分かったわ」

部長は少し、悔しそうな顔をして俯いた。

自分の領地のことは自分で解決する……でも、今回は私達の手に

収まるような可愛い敵ではない……魔王様に頼るしかこの戦いを

終わらせることはできないです。

「分かっていただいてうれしいですわ。ソーナ様、魔王様からの

援軍は一時間後に来るそうですわ」

「一時間……シトリー眷属の名にかけて結界を張り続けるわ」

「分かったわ。皆! 私たちはオフェンスよ!

相手はフェニックスとは段違いの強さを持つコカビエル!

確実に死戦になるだろうけど絶対に死なずに皆で学校に行くのよ!」

『はい!』

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドに入った私達が見たのは異様な光景だった。

真ん中に四本のエクスカリバーが宙に浮いてあって魔法陣の中心には

初老の堕天使、バルパー・ガリレイの姿があった。

「あれはいったい」

「エクスカリバーを統合するのだよ」

バルパーが私たちに聞こえる様な声量で今、行っている作業を教えてきました。

自分が負けないという絶対的な自信があるのか、バルパーは

こちらに顔を向けずに作業を続けています。

「バルパー、あとどれくらいで出来上がる」

「五分もいらないさ、コカビエル」

上から声が聞こえてきて上を向くとそこには月光を浴び、宙に

椅子を構えてそこに足を組んで座っているコカビエルの姿があった。

「誰が来るんだ? サーゼクスか? セラフォルーか?」

「お兄様とレヴィアタン様に変わって私達が」

部長の声を遮るかのように風切り音が聞こえた直後に体育館があった場所に

大きな光の槍が突き刺さっていた。

砂埃が立ち込め、はっきりとは見えませんでしたが既に

体育館という建物は木端微塵に吹き飛んでいると思います。

「つまらん。余興にもならないと思うがまあ良い。

地獄から連れてきた俺のペットとでも遊んでおけ」

コカビエルが指をパチンと鳴らすと暗闇の中から何か大きなのものが

こちらに近づいてくるのが分かった。

月明かりに照らされたその姿は犬に似ているけど似て非なるもの、

何故なら首が三つもあるから。

『ギャオォォォォォォォォォォォォォォォォォンンッッッ!』

辺りに凄まじい音量の遠吠えが広がった。

祖の凄まじい音量の遠吠えによってか、学校のほとんどのガラスが

パリン! という音を立てながら一斉に砕け散った。

「ケルベロス、まさか人間界に連れて来たとでも言うの!? 朱乃!」

「はい!」

部長と朱乃さんが黒い翼を生やし宙に羽ばたいた。

『オォォォォォォォォォォォッ!』

「させません!」

宙に浮いている部長を狙って一つの首から火球が

飛ばされてきましたが朱乃さんの攻撃で凍りついた。

「喰らいなさい!」

部長の破滅の一撃が放たれると同時に首からまた火球が吐き出された。

「くぅぅぅぅ!」

力が均衡しているかと思ったけど、

もう一発火球が吐き出されて徐々に押されていた。

さらにもう一発、ケルベロスが火球を吐きだそうとしていた。

「させません!」

横から割り込んだ私は火球を吐きだそうとしている首に激しい

拳打を叩きこんだ。

「さらにもう一発差し上げますわ」

朱乃さんが空に向かって指をあげると稲光が発生してそれを

ケルベロスにぶつけると、さらにそこに部長の一撃が加わった。

それでもケルベロスは倒れずに腹部からドス黒い血を吐きだすだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『グルルルルルルルル!』

後ろから唸り声が聞こえ、全員が後ろを振り向くとそこには今、私達が

闘っているケルベロスと同種族であろうケルベロスがもう一体いた。

「な! もう一匹いたの!?」

「リアス! アーシアさんが!」

もう一匹のケルベロスの近くにアーシア先輩がいました。

あまりの恐怖で動けないのか地面にへたり込んでいました。

『ガァァァァァァァァァァァァ!』

「きゃ!」

ケルベロスが先輩に火球をぶつけようとした瞬間、首が一本切断され

あっという間に消滅してしまいました。

「加勢しに来たぞ」

そこにはエクスカリバーを担いだゼノヴィアさんの姿がありました。

そして言うな否やすぐに駆けだして首を一本なくして絶叫をあげているケルベルスの

腹をエクスカリバーで一刀両断してあっという間に倒してしまった。

そしてこちらもすぐにかたがつきそうになっていた。

「ぬぬぬぬぬぬぬ!」

「小猫! そのまま押さえて頂戴!」

部長と朱乃さんが魔力を溜めている間、私はケルベロスが逃げないように

足を抱えて抑え込んでいました。

『ギャオォォォォ!』

「うぐ!」

ケルベロスの蹴りが私に直撃し今にも、掴んでいた手が

ケルベロスの足から離れようとした瞬間!

「僕も加勢しようか!」

どこからともなく魔剣がいくつも

飛んできて、ケルベロスの両足に突き刺さり地面に固定しました。

『グガァァ! グゴァァ!』

ケルベロスは苦悶に満ちた叫び声を上げて必死に剣を抜きとろうと

しますが動けば動くほど、剣が深く突き刺さり辺りに血が舞った。

「……祐斗先輩」

「待たせてごめんね、今です、部長!」

「ええ!」

部長と朱乃さんの最高の一撃をくらってケルベロスは跡形もなく消滅しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほ~、正直予想外だぞリアス・グレモリーよ。

まさかケルベロスを二体とも倒してしまうとわな」

コカビエルはまるで、ショーを見終わった幼い子供のような感想を述べた。

「完成だ」

バルパーの声が聞こえたかと思うとエクスカリバーから凄まじい輝きが

発せられて、僕たちはあまりの眩しさに手で顔を隠した。

輝きが収まったときには四本あったエクスカリバーが一本に合体していた。

「四本のエクスカリバーが一本になったことで下の術式も完成した。

後20分もすればこの町は跡形もなく消える。解除方法は

コカビエルを倒すことだけだ」

バルパーが言ったことに卷属の皆が驚きに満ちた表情を浮かべた。

「フリード!」

「あいあいさ、ボス」

暗闇の奥から白髪の神父、フリードが歩いてきた。

「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ」

「オッケオッケ~」

フリードは嬉しそうに笑みをこぼしながらエクスカリバーを握った。

「私はな。聖剣が好きなのだよ。幼いころから本を読みそれに興奮したものだ」

バルパーは昔を懐かしみながら一人、ブツブツとつぶやき始めた。

「だが、私に聖剣使いの適性がないことを知った時の絶望感は今も克明に思い出される。

私の全てが壊されたような気持だった。だが、私はあきらめなかった。そして、

気づいたのだよ。作ればいいと……」

バルパーは天を仰ぎながらニタニタと二ヤケながらさらに続ける。

「私は少年少女を使い調べた。その結果、

因子が必要な事に気付いた……だが、それらの研究対象は

聖剣を扱うほどにまで値はなかった。だから

私は結晶として因子を取り出したのだよ」

バルパーは胸元から白い結晶を取り出して僕たちに見せてきた。

あの一つの結晶を作るために何人もの被験者が殺された、と思うと

僕の奥底から沸々と怒りがあふれ出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

「バルパー・ガリレイ! お前は一体どれだけの命をもてあそんできたんだ!」

「命? はっ! 聖剣計画は貴様らの犠牲により飛躍的に向上したんだ!

むしろありがたいと思う方だろう! もうこんなものはただのゴミだ。

貴様にくれてやるよ」

そう言ってバルパーはごみを放り投げる感じで僕の足元に転がしてきた。

「皆……」

僕がその結晶をもって抱きしめた途端に、結晶が光り輝き始めた。

そして目の前には僕とおなじ被験者たちの姿が映し出された。

「み、皆! 僕はずっと思っていたんだ! 僕だけ生きていいのかって!」

『木場君、君は生きるんだ。死んだ僕たちの分も生きてくれ。

君の周りには良い友達がいるじゃないか』

辺りに皆の声が響く。

それを聞いたとたん、僕の頭の中には

片方の腕が龍になっている彼の姿が浮かんできた。

……はは、そっか……僕は

『さあ、行こう』

『一人では駄目でも』

『二人、三人なら怖くない!』

そう言えば彼もそんな事を言っていたっけ。

「行こう!」




こんばんわ!
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