ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life26

次の休日、僕は朱乃さんに言われて、彼女が巫女さんを

務めている神社に向かっていました。

「いらっしゃい、イッセーくん」

と神社の入口の前に巫女服姿の朱乃さんが立っていました。

うん、巫女服姿もめちゃくちゃ可愛いです!

「さあ、行きましょうか」

「はい!」

僕は朱乃さんに連れられて中を歩いて行くこと数分、

少し離れた所に金色の翼を生やし、頭に輪っかがある青年がいた。

だ、誰? 輪っかがあるから天使なんだろうけど……。

青年は僕に気付くと笑みを浮かべながら早足でこっちに近づいてきた。

「やあ、初めまして。私はミカエル、天使の長をしております」

……何でこうも僕は大物さんとの縁が強いんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

朱乃さんの先導のもと僕とミカエルさんは神社の本殿に向かった。

本殿に入るとそこにはでかい柱が何本も立っていて本殿の中央には

大きめの剣が立てられていた。

言い表しにくいんだけどものすごい力が僕の肌を刺してきていた。

この感覚は以前にも感じた事はある。

「もしかしてあれ、聖剣ですか?」

「ええ、これはゲオギウルス……聖ジョージと言えば伝わりやすいでしょうか。

彼が持っていたドラゴンスレイヤーのアスカロンです」

龍殺し……ていうか聖剣だから僕が持ったらいけないんじゃないの?

「これには特殊な儀礼を施しています。悪魔であってもドラゴンの

力を持つ貴方ならば使うことは可能です。むしろ籠手に

同化させるといった方がよろしいでしょうか」

ミカエルさんは僕の腕を見ながらそう言った。

そんなことできるの? ドライグ。

『ああ、神器は想いにこたえる。お前がそう望めばいいだけだ』

ふ、ふ~ん。……ちょこっとだけ触ってみよ。

僕はそ~っとアスカロンの刀身に触れようとした瞬間、

「わっ!」

「ひぃぃぃ!」

「ふふふ、イッセーくんはイジリがいがありますわ」

び、びっくりした~。

いきなり朱乃さんに驚かされた所為で僕はアスカロンから飛んで離れた。

「ふふ、もうしませんわ」

「ほ、本当ですか~?」

僕はびくびくしながら、近づいていって朱乃さんが本当に手を出さないかを

確認してから籠手を呼び出して、徐々にアスカロンを同化させていった。

体の中に気持ちの悪いオーラが入ってくる。

うぅ、気持ち悪いよ~。

『我慢しろ。あと少しだ』

そしてカッと赤色の閃光を放ってアスカロンは僕の籠手と同化した。

「っともう時間ですね。そろそろ私は行くとしましょう。今回の会談で

三種族は和平を結ぶはずです。もう罪もない人たちが死ぬこともなくなります。

さっきの剣は天界側から悪魔側へのプレゼントです。それでは」

そう言ってミカエルさんは外に出て、金色の翼を羽ばたかせて空へと飛んでいった。

………空を飛んでいる時に飛行機とかに見られないかな。

僕はそんな現実的な心配をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お茶です」

「あ、ありがとうございます」

ミカエルさんがお帰りになった後、僕は朱乃さんが住んでいる

という境内の中にお邪魔させてもらっていた。

朱乃さんらしいというか部屋の中は和室で綺麗に片付いていた。

僕は前々から気になっていたことを朱乃さんに訊いてみることにした。

「あ、あの朱乃さん一ついいですか?」

「ええ、良いですよ」

「朱乃さんて悪魔ですよね?」

「ええ、そうですけど」

「ん~朱乃さんの魔力ってなんだか悪魔っぽくない

というかどことなく堕天使に似てる気が」

僕の問いに朱乃さんは表情を曇らせた。

……僕なんか聞いちゃいけないこと聞いちゃった感じ?

「……イッセーくん。貴方は堕天使をどう思っていますか?」

堕天使……その言葉を聞くとレイナーレを思い出す。

彼女は僕を殺しにきた……それだけじゃない。アーシアさんまで殺したんだ……

堕天使の全員が全員があんな性格とは思わないんだけど……。

「僕は……僕が思うにレイナーレ達のような怖い堕天使は少数だと思うんです。

ほら、人が殺人を犯すのだって少数の人間がやることですし」

そこまで言った瞬間、いきなり朱乃さんは翼を広げた。

しかし、悪魔であるはずの朱乃さんの背中には黒色の翼と

悪魔の翼ではないものが混じっていた。

……あれ? 片方の翼が悪魔の物じゃない。

「私はパラキエルという堕天使と人間のハーフであり悪魔なんです」

し、知らなかった。

だから朱乃さんが雷を使うとき、どこか違和感を抱いたわけだ。

「私はこの濁った翼が大嫌いです。だから悪魔になったのに……

生まれたのは悪魔と堕天使の翼をもったおぞましい生物」

朱乃さんは堕天使の翼を触りながら、そう言って自嘲していた。

所々、堕天使の翼には傷が付いていた。

もしかして、ひっこ抜こうとしたんじゃ。

「……それを聞いてイッセーくんはどう思います? 私は

イッセーくんとアーシアさんを一度殺した堕天使と

同じ種族。好きにはなれませんよね」

確かにレイナーレ達は恐ろしかった……でも。

「朱乃さんは朱乃さんです。レイナーレ達と同じじゃありません」

「で、でも私は堕天使の血を引いてるのよ?」

「ん~なんて言えば分からないんですけど僕は

朱乃さんのことは好きな部類ですよ? それに」

「それに?」

うぅ、結構、面向かって言うのは恥ずかしいな。

「そ、その朱乃さんはレイナーレなんか

よりも何千倍もび、美人ですよ」

そう言うといきなり朱乃さんは泣き始めた。

ぼ、僕女の子泣かせちゃった!?

しかし、朱乃さんは涙をぬぐうと微笑んだ。

「……殺し文句言われちゃいましたね」

するといきなり僕に抱きついてきた。

「ねえ、イッセーくんはリアスのこと好き?」

「………」

「ふふ、その様子からして好きみたいね」

僕が何も言わずに黙っていると朱乃さんは笑いながらそう言った。

「ち、違います! そ、その僕は!」

「ふふふ、一番は無理でしょうけど二番、三番を私は目指しますわ。

浮気って案外燃えるような気がするの」

あ、あんまり言っていることが理解できない。

すると朱乃さんは僕に耳打ちしてきた。

「ねえ、イッセーくん。一度だけで良いから朱乃って呼んでくださらない?」

「え、えぇぇ!? い、いやそんな年上の人ですし」

「一回だけで良いから、ね?」

僕を上目づかいで見てくる朱乃さんの表情はいつもの凛々しいものではなく

年相応な可愛らしい表情をしていた。

うぅ! そ、そんな潤んだ目で見られたら断るに断りきれない。

「あ、朱乃」

「ふふ、嬉しいわイッセー」

目の前にいる朱乃さんはいつもの凛々しい朱乃さんではなくて

普通の女子高校生の姫島朱乃に変わっていた。

そのまま朱乃さんは僕の頭を誘導して膝に寝かせた。

こ、これって噂に聞く膝枕じゃ!

「ふふふ、なんだかイッセー君といると幸せに感じますの」

そう言う朱乃さんの表情は満面の笑みで、雰囲気もさっきまでの暗いものとは

違って、嬉しそうな雰囲気になっていた。

「え、えっと怒られそうなのでそろそろ」

「誰が怒るのかしら? イッセー」

声の聞こえた方向を見るとそこにはかなり刺々しいオーラを

放っている怒り心頭の部長が立っていた。

「イッセー!」

「イタタタ!」

部長は横になっている僕の頬をニコニコしながらも本気の力で抓って

立ち上がらせると低く迫力のある声で訊いてきた。

「例の剣は?」

「も、もひゃいまひは」

「ミカエルは?」

「かえひはひは」

「なら帰るわよ!」

そう言って僕の頬を引っ張ったまま部長は境内から出ていきました。

「ふふ、一番候補は羨ましいですわ」

 

 

 

 

 

 

 

帰り際、部長は石で出来た階段を辺りにコッ! と何かとがったもので

叩いたときに聞こえる音をまき散らしながら早々と歩いている。

す、すごい怖いです。

誰かの足音だけで怖くなったのは部長が初めてです。

「ねえ、イッセー」

「は、はいぃぃ!」

「朱乃は朱乃なのね」

部長は悲しそうな表情で僕のそう言うが僕は

何を言っているのか理解できなかった

「私は部長、朱乃は副部長。それなのに朱乃は朱乃なのね」

「え、ええ部長は部長じゃないですか」

僕がそう言うと部長は悲しそうな表情をして何かをぶつぶつつぶやいていた。

「何が一番候補よ、私だけ遠いじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝も僕とギャスパーくんは特訓をしていた。

内容は投げたボールを空中で停止させること。

かれこれ20回ほどやってるけど結構な確率で

成功してるし暴発もほとんどなくなった。

「ぐふぅぅぅぅ~。つ、疲れましたぁぁぁぁ~」

「んじゃちょっと休憩しよう」

僕たちは近くの太い木に凭れかかって休憩をすることにした。

「僕、強くなれてるんでしょうか」

不意にギャスパーくんが不安そうにそう呟いた。

「なれてるさ! 僕なんかよりも凄いよ!」

「そ、そうですか~えへへへ」

ギャスパーくんは前に比べてよく笑うようになった。

ひきこもりな性格はまだまだだけど、それでも以前よりも

笑うようになったし明るくはなった……まあ、相変わらず段ボール箱の

中に入っているのが好きみたいだけど。

「今日の対談はギャスパーくんは行けないからお留守番頼むね」

「はい!」

「あ、ついでにこれも渡しておくよ」

僕はポケットからある物をギャスパーくんに渡した。

「これはなんですか?」

「ん? あれからまたアザゼルさんに会ってね。まあ、何かヤバい時に

これを口に含んでかみつぶしてみて」

僕はギャスパーくんに渡した物の説明をして再び特訓を再開した。

今日の深夜に対談が始まる。




間、空いちゃいました。
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