ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life44

僕たちは今何が起きているか分からなかった。

イッセーくんが枷を破壊してアーシアさんを助けて、治療を終えて

皆で帰ることになって……そしたらアーシアさんがいなくなった。

「ロンギヌスで創りし物、ロンギヌスで散る、か。

霧使いめ、手を抜いたな。計画の再構築が必要だ」

誰だ?

声のした方向へ視線をやるとそこには見覚えのない男性がいた。

「誰?」

部長がその男に問いただす。

「お初にお目にかかるサーゼクスの妹気味よ。私はシャルバ・ベルゼブブ。

偉大なる真の魔王、ベルゼブブの血を引くものだ。ディオドラ、私が力を

貸してやったのにも拘らずこのざまか」

「た、助けておくれシャルバ! 君の力があれば!」

ディオドラはシャルバという男に必死に助けを求めるが―――――

―――――ピッ!

シャルバの指から放たれた光が容赦なくディオドラの胸を貫き

彼は床に倒れ伏す間もなく霧となって消滅した。

やはり、アーシアさんは……

既に皆気づいているみたいだった。

ゼノヴィアさんは怒りで体を震わしている。

「さてサーゼクスの妹君よ。貴公には死んでもらう。

理由は勿論、現魔王派の血筋を絶やすためだ」

「フラシャラボラス、アスタロトそしてグレモリーを殺すのね」

「ああ、不愉快極まりないからな」

部長は激高し紅色のオーラを纏わせ怒りに体を震わしていた。

それは僕らも同じこと!

僕たちはそれぞれの得物を取り出して構えた。でも、

「アーシアさん? ねえアーシアさん」

イッセーくんがフラフラと歩きながらアーシアさんを呼んでいた。

「ほら、一緒に帰ろうよ。体育祭で一緒に二人三脚するんだしさ。

他にもやることいっぱいあるんだよ? 文化祭もあるんだ。楽しいよあれ。

皆、一緒に楽しめるんだ、母さんもお弁当作るって言ってるし、父さんなんか

有給も取るって言ってるんだよ? ねえアーシアさんどこにいったの? ねえ」

みていられなかった。

その光景を見てギャスパーくんと小猫ちゃんが嗚咽を漏らしていた。

朱乃さんも顔を反らして涙を流し、部長はイッセーくんを抱きしめていた。

僕もこみあげている物をこらえきれなかった。

「部長、アーシアさんがいないんですよ。父さんと母さんも

待ってるんですよ。先生だって待ってるんだ」

部長は彼の頬を撫でていた。

「許さん! 斬り殺してやる!」

ゼノヴィアさんが聖剣を持ちシャルバに斬りかかっていった。

「無駄だ」

シャルバは2本の聖剣を光り輝く障壁で防ぐと、

ゼノヴィアさんの腹部に魔力弾を当てて吹き飛ばした。

「………アーシアを返せ……アーシアは私の友人なんだ」

吹き飛ばされた衝撃で離してしまった、聖剣を床に這いながら取りに行っていた。

シャルバはイッセーくんに言い放った。

「下劣なる転生悪魔+汚物同然のドラゴン。全く姫君の感覚は分からない」

シャルバはイッセー君をまるで汚いものでも見るかのような目で見ながらこう言った。

「そこの赤い汚物、あの娘は死んだ。次元のはざまに送られその体は消滅した」

イッセーくんの視線がシャルバをとらえた。

その時だった。

イッセーくんの龍の腕が膨らみ、まるで巨人の腕のようになり

腕が地面に突き刺さった!

彼は、部長を押しのけ立ち上がった。

『シャルバとか言ったな……この憎悪、この殺意。誰にも止められん。

今すぐ逃げることをお勧めしよう。そうでなければ……存在は無くなる』

シャルバに警告をしたドライグはそのまま、僕たちにも警告を始めた。

『グレモリー卷属よ。今すぐここから離れろ。今の相棒は

前回の時とは違う。今のこいつには……善はない。悪だけだ。

貴様の声は聞こえないぞ』

「イ、イッセー?」

部長は彼の手を取るけど、イッセー君はそれを振り払った。

 

 

 

 

 

 

 

『貴様の大切なものを消した存在を貴様はどう思う』

許せない……許せない。でも、相手は旧魔王の血を継いでいるもの……

この場にいる皆で同時にかかっても勝てるか分からないよ。

僕は魔力はもう空っぽだし、皆だってディオドラの卷族との戦いで

魔力を消費しているんだ。

『ならば我らが力を貸そう。これを使えばお前は強くなる』

そう言われ、僕は言葉のままに黒いものを被っている彼らの

差し出す手を握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

彼の叫びとともに赤いオーラが彼を包み込み、

彼の魔力がいつも以上に量が凄まじいものになった。

イッセーくんの口から呪詛のごとき、呪文が紡がれていく。

それと同時に老若男女入り混じった声が聞こえてきた。

『我目覚めるはーーーーーー』

<始まったね><ああ、始まった>

『覇の理を神より奪いし二天龍なりーーーーーー』

<いつだって、そうでした><そうじゃな>

『無限を嗤い、夢幻を憂う』

<いつとて力でした><いつだって愛だった>

『我、赤き龍の覇王となりて』

<いつだって世界は破壊の選択を選ぶ!>

イッセーくんはその身に鎧を纏うが鎧の色が

赤い色とは言えないような、どす黒い色に変質していく。

背中にはドラゴンの翼が生え、口には鋭い牙が生えた小型のドラゴンになった。

『Juggernaut Draive!』

くぐもった音が響いた瞬間、凄まじい量の魔力が

辺りに放出され、イッセー君の全ての物がつぶれていく!

「ぐぎゅあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

アーシアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」

獣の叫びにも似た咆哮をあげてイッセーくんは

四つん這いになり翼を羽ばたかせる。

空を切る音! 僕の目でも追いきれない!

「ぐぁぁ! き、貴様ぁぁぁ!」

声がした方向を向くとそこには片腕にかみついているイッセーくんがいた。

「おのれぇぇぇぇ!」

シャルバは空いている片腕で光を作り出しぶつけようとするけど、イッセーくんの

龍の腕から別の龍の腕が出てきて、その光ごとシャルバの腕を握りつぶした。

「ぐぁぁぁぁぁ!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

絶叫を上げ、シャルバが空中へと避難しようと翼を生やした瞬間、

イッセー君はシャルバの翼を両手でつかむと引っ張り始めた。

「あぁぁぁぁぁ! や、止めろぉぉぉぉぉ!」

辺りにシャルバの悲鳴と肉がちぎれる音が響いた。

「ぐあぁぁぁ!」

「うおおぉぉぉぉぉぉぉ!」

イッセー君は翼を無理やり剥ぎとり、シャルバを蹴とばした。

剥ぎとられた翼に炎が灯り、一瞬にして、燃え尽きた。

「貴様ぁぁぁぁぁ!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

籠手からイッセーくんの叫びとともに巨大な球状の魔力が作り出され、放たれた。

で、でか過ぎる!

「こ、こんなもの!」

シャルバは投げられたものを受け止めようとするが、シャルバの腕が

触れようとする寸前に球がいくつにも分裂しさまざまな方向から

シャルバに襲いかかった。

「ぐぁぁぁぁ!」

シャルバは全身から鮮血を噴き出して苦悶の声をあげた。

「貴様! 死ねぇぇぇぇ!」

シャルバは大質量の魔力弾をイッセーくんに向かって放った。

で、でかい!

 

 

 

 

「おぉぉぉぉぉ!」

しかし、放たれた魔力弾は避けられ、先程、龍の腕で潰された腕が今度は肩から切断された。

「ごぎゅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

イッセーくんはシャルバから離れ、口を大きく開けて上を向くと

どす黒い色をした魔力が溜められていきそれらが徐々に増大していった。

「こんな所で死ぬわけにはいかんのだ!」

シャルバは残った足で魔法陣を描こうとするがその足が停まる。

「……停めたのか!? 私の足を!」

鎧の宝玉が赤色に輝いていた。

あれはギャスパーくんと同じ力!

『Boost! Boost!Boost! Boost! Boost!

Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!

Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!

Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!

Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!

Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!』

『Longinus Smasher!』

神殿内にいくつものくぐもった音声が重なって鳴り響いた。

そして溜められていた魔力弾が徐々に大きくなっていく。

「部長! ここは危険です! 一旦退却しましょう!」

「嫌よ! まだイッセーが中に!」

「すみません!」

僕は部長を抱え、朱乃さんがゼノヴィアさんに肩を貸し

小猫ちゃんやギャスパーくんも後に続く。

「イッセー!」

「おのれぇぇぇぇぇぇ!」

イッセーくんの口から発射された瞬間、神殿は一瞬にして消滅した。




久しぶりに書きためを見てみたら……効果音書きすぎてた。
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