「………………ん」
「イッセーさん!」
目を覚まし、体を起こすと泣いたアーシアさんが僕に抱きついてきた。
その一瞬で、今まで何が起きていたのかがフラッシュバックのように僕の頭の中を
何往復もした。
そうか……僕はみんなにかなりの迷惑を。
「お、やっと起きたか。お前が寝てた間にいろいろあったんだが……まあ、
そこら辺は帰ってから話す」
どうやら、僕が眠っていた間にいろいろとあったらしい……。
「すみません……みんなに迷惑を」
「良いの……貴方が無事で良かった」
部長の言葉を聞き、辺りを見渡すとみんな目に涙をためて
喜んでくれていた。
「アーシア」
「は、はい」
突然、呼び捨てで呼ばれたことに驚きながらもアーシアは僕の方を見てきた。
「君は僕が護る。他の奴なんかに触れさせない」
「……はい!」
綺麗な金色の髪を撫でながら、そう言うとアーシアは
眼から涙を流しながら笑みを浮かべた。
「さあ、皆! 帰るわよ!」
その一言で、皆が立ち上がって帰宅した。
その後、体育祭にもギリギリ間に合い、僕とアーシア、そして
オカルト研究会のみんなは大いに楽しんだ。
「あ~疲れた。死ぬかと思ったぜい」
「そうだな。流石に魔力がばかみたいにある奴と戦うのは骨が折れる。
ところであいつはどうなった」
「ああ、聞いたところによると死にかけの状態で生きていたみたいだぜ。
ま、腕は抉れていたし、とてもじゃないけどカオス・ブリゲートのやつらを
引っ張っていくほどの求心力はもうなくなったな。それに旧魔王はもうダメだ。
核となる奴らを失い過ぎた」
「まあ、そうなるな。やつを……赤龍帝を嘗めてかかったつけが
奴らにそういう形で降り注いだだけのこと」
「でも、またあいつらお前に話を持ちかけんじゃねえの?」
「そうなったら今度こそ、活動ができなくなるように跡形もなく
消し飛ばすだけさ……ただ、その前にあいつが動きだすと思うがな」
「あ~。おれ、あいつ嫌いだ」
「奇遇だな。おれもあまり好きじゃない。頭の中に描いているものは
相当なものだが……やり方があまり気に食わない」
「曹操。そろそろじゃないのか?」
「ああ、準備は整った。ジークフリート、ジャンヌ。おれたちの……人間の
底力というものを悪魔と天使に見せつけようじゃないか。いつまでも人間を
下に見ていたら痛い目に会うということを奴らに思い知らせるんだ。
この最強のセイグリッドギア……トゥルーロンギヌスを使ってな。
それと、赤龍帝にはまだ手を出さない方がいい」
「そう言うと思ってたわ。曹操」
「彼は異質だ。俺の予想じゃ彼は……今以上に化ける」