「あ~美味しかったし良い湯だった」
あの後、僕たちは辺りを警戒しながらも一日目に回るところは全部回り切った。
まあ桐生さんが少し不思議がってたけど。
帰ってから先生たちに報告すると二人とも困惑していた。
「何で京都で襲撃に」
まあ、そんな感じで晩御飯も終わり風呂にも入り
一日の疲れも取れ部屋に戻ろうと歩いていた。
「お~イッセー、ちょうどいいところにいたな」
「アザゼル先生」
前から先生が歩いてきた。
「俺とお前たちに召集だ」
「誰からです?」
「魔王少女だ」
先生主導のもと僕たちはレヴィアタン様が待っていると言われている料亭まで足を運んでいた。
その店に入り個室に入るとそこに着物姿のレヴィアタン様とシトリー卷属の二年生がいた。
「ハーロー。赤龍帝君、リアスちゃん達の卷属ちゃん☆」
「何でレヴィアタン様がこんな所に?」
「うんうん☆私は妖怪さん達と協力体制になるために来たのだ~☆」
そう横チョキしながらおっしゃった。
でも箸をおいてその可愛い顔を少し陰らせた。
「でもね、大変な事になってるのだ~☆」
……シリアスな雰囲気がぶち壊された。
「京都の妖怪の報告によると妖怪達の御大将の九尾が行方不明なの」
レヴィアタン様が最後に言ったことを聞いて今朝の出来事が繋がった。
……そういうことか。
「十中八九、カオス・ブリゲートだろうな」
アザゼル先生が杯から酒を入れながらそういった。
「どちらにしてもまだ公には出来ないのでは?」
「あは☆その通りなのら!」
……ん?
「ら~っく!ヘロリストさん達が次から次へと騒ぎを起こしてくれる
せいでわらしはいそらしいのら!あっはははは☆」
か、完全に酔ってらっしゃる。とは言ってもまだ軽い方か。
……ハイテンションがさらにハイテンションとか勘弁してくれ。
「ひとまずお前達は修学旅行を満喫してろ。何かあれば
俺達の方からイッセーだけでもひっこ抜いてやるから」
何故に僕だけ!?
その晩は僕たちはそのままホテルに返された。
「はっ!」
「ぬぅっと!」
翌日の朝、ホテルの屋上で僕と木場君が高速で移動しながら
木刀で斬り合っていた。
いくら修学旅行といえど毎日のサイクルを壊す訳にはいかない。
だからこうやって朝早めに起きて僕たちは特訓をしていた。
「おぉぉ!」
「くぅ!」
――――ボキィィン!
僕が振り上げた木刀を木場君が防いだら綺麗に真っ二つに折れてしまった。
「あ、折れちった」
「そこまでだね、今日は」
「だね」
キリがいいので今日はそこで切り上げた。
「じゃ、行きましょうか!」
桐生さんのその一声で二日目の旅行が始まった。
先ず僕達が向かったのは清水寺。その前に三年坂が見えてきた。
「ここは三年坂って言ってここで転ぶと三年以内に死ぬらしいわよ」
桐生さんの説明に僕は懐かしさを感じた。
母さんにそう云われて泣きじゃくりながら抱きついたっけ。
「こ、怖いですぅぅぅ」
「日本は恐ろしい術式を坂に組むのだな」
勘違いしてらっしゃる方が二名僕の腕に抱きついてきた。
うぅ、辺りの男子からの視線が痛い!
なんとか坂を登り切り大きな門が見えてきて清水寺が見えたきた。
「おぉ! ここが清水寺か! 行くぞイリナ! アーシア!」
「はい!」
「ええ!」
そう言って目をキラキラさせながら三人は清水寺に走っていった。
良く京都ではしゃげるよ……ていうかイリナちゃんも日本人だよね?
「元気ね~三人トリオ」
「だね~」
僕と桐生さんは三人トリオを見ながら、彼女達の後を追った。
「やっぱりあんた変わったわね」
「僕が?」
歩いている途中で桐生さんがそんな事を言ってきた。
「はっきりとは言えないんだけど、あんたは変わった」
うん、ドラゴンと追いかけっこして何度も死にかけました!
ってことは言えないのでどうにかしてごまかした。
そして先に行っていた3人と合流し次に向かったのは銀閣寺。
「ぎ、銀じゃない!」
ゼノヴィアさんはぐったりと項垂れていた。
まあ、そう言うだろうと思ったよ。
僕も昔はリアルに銀を塗ってるもんだと思ってたけどね。
「本来は銀を塗る予定だったらしいんだけど幕府の
財政難で無理だからとかいろいろ説があるわよ」
だね~。次に行ってみよ~。
「おぉ!今度は金だ!」
僕達が次に来たのは金閣寺だ。
ゼノヴィアさんは目をキラキラ輝かせて、金閣寺を見ていた。
目が金閣寺みたいにキラキラしてる。
ちょうどいいから写真撮って向こうに贈ろう。
僕は写メを取って向こうに送るとすぐに電話が鳴った。
「はい、兵藤です」
『あ、イッセー君ですか』
相手は朱乃さんだった。
『さっき小猫ちゃんが気になることを言っていたんですけどさっき
送ってくれた写真に狐の妖怪が何匹か映ってたガガガ…みたい…ガガガ』
「朱乃さん?電波悪いんですか?……」
……でも、よく考えたらここは外だから電波は良いはずだし、向こうもおそらく
部室なんだろうけど電波が通らない筈がない。
後ろを見てみると桐生さんが眠っていた。
そしてゼノヴィアさんが怖いくらいの表情で何かをにらんでいた。
「あ、また」
そこには狐さんがいた。
僕はすぐに籠手を出そうとするけど
「待って下さい」
「ロスヴェイセさん」
そこにはロスヴェイセさんがいた。
「アザゼル先生に言われて貴方達を連れに来たんです。
相手方の誤解が解けたので向こう側が謝罪したいと言ってきました」
僕達が連れてこられたのは異界だった。
時代劇の街並みのセットの様な感じの物が並び辺りには妖怪がたくさんいた。
その先にでかい屋敷がありその鳥居の前にアザゼル先生とレヴィアタンさまがいた。
「お、来たか」
「やっほ☆」
それと2人の他にももう一人いた。
金色の髪に巫女装束、そして獣耳。
昨日襲ってきた狐の女の子だった。
「私は表と裏の京都に住む妖怪達を束ねている者
……八坂の娘の九重と申す」
先日とは打って変わりお姫様の様な雰囲気を醸し出していた。
「先日はお主たちの事情を知らずに襲ってしまい申し訳ない」
と、謝ってもらったわけだけど……正直、皆許してるんだよね~。
「良いよ、頭をあげて」
「し、しかし」
この子は僕たち以上に気に病んでるらしい。
僕はその子のしょうしょう無理やりに頭をあげさせた。
「別に良いよ。君が謝ってくれたなら僕らは君を許すよ」
九重は顔を赤くしモジモジしながら呟いた。
「………ありがとう」
これで一件落着だ。
「流石は仮面の戦士。子供の扱いがうまいね~」
「こんなところでも布教した~☆私も『ミラクル☆レヴィアタン』をもっと布教しないとね☆」
いやいや、布教なんかしてません。
「……咎がある身で悪いのじゃが……どうか、どうか!母上を助けてほしい!」
それは幼い少女の悲痛な叫びだった。