ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life6 戦っちゃいます!

「ゆ、夕麻ちゃん」

「はぁ? もうそんな名前捨てたわよ、私の名前は

レイナーレよ。あまり悪魔と喋りたくないの」

レイナーレは僕をまるで、汚いものでも見るかのような目で見てきた。

……やっぱりもうあの彼女はいないのかな。

「レ、レイナーレ様」

アーシアさんは体を大きくふるわして僕の背中に隠れていた。

「さ、アーシア。そんな悪魔の隣にいるんじゃなくて私の

ところに戻ってきなさい。今なら何も言わないから」

僕の時とは大違いの優しい声でレイナーレはアーシアさんに近づいくる。

「な、なんでこの子を連れて行こうとするの?」

「話しかけないで頂戴。さ、アーシア。

私達の計画に貴方の神器が必要なのよ」

レイナーレとか言う堕天使はさも当然のようにアルジェントさんを道具扱いした。

「も、もう人を殺すような教会には戻りたくありません!」

「アーシア、私が優しい間に早くこっちに戻ってきなさい」

「そ、それ以上近づくな!」

『Boost!』

僕はレイナーレにセイグリッドギアを装着してけん制するけど

彼女はそれを見ると大笑いし始めた。

「アハハハハ! 教えてあげるわ!貴方のその神器は

トウワイス・クリティカルって言ってありきたりな神器なのよ!

その能力は所有者の力をたった2倍にするだけなの。その倍加する

魔力の量が膨大であればある程それは猛威だわ、でもね。

貴方みたいなカスの魔力量じゃ1が2に

変わるだけでなんにも怖くないのよ! それに」

レイナーレは僕に近づいてくると耳元で静かに呟いた。

「私を殴っちゃうの? 初めての彼女なのに。イッセーくん、怖いわ」

「っ!」

額から汗が滴り落ちてきて血がサーっと頭から下のほうに下がっていくのが鮮明に分かった。

それほど僕は彼女という存在がトラウマになり、また恐怖の種となっていた。

「さ、行きましょ。アーシア」

「……はい」

そのままアルジェントさんはレイナーレに連れていかれた。

彼女が飛び去ってから数分後、僕はようやく座ることができた。

それからは僕は蹲って泣いているのを誰にも悟られないようにするのが精一杯だった。

 

 

 

「イッセー、それ本気で言ってるの?」

「…………はい」

僕は部室に行って部長にある事を伝えていた。

今の、部室の雰囲気はいつものような明るいものじゃなく、どんよりとした暗い雰囲気だった。

「僕の命を助けていただいた恩は一生忘れません。でも、僕が近くにいれば

皆さんに迷惑をかけるお邪魔虫になります。ですから僕をグレモリー先輩の

眷属から外してください」

――――――パチィン!

っ! 頬を叩かれるのはいつ以来だろう。

グレモリー先輩の表情は見なくても分かった。

怒ってらっしゃる。

「目が覚めたかしら? それでも辞めるというの?」

「……はい」

「そう……なら、帰って頂戴。2度と私の前に姿を現さないで」

僕の答えに部長は怒気を含んだ声で僕にそう言い放った。

……聞きなれてる言葉だけど結構辛いな。

僕はもう一度先輩に頭を下げてから部室を出ていった。

これで良いんだ。僕がいれば先輩たちに迷惑がかかってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

僕は部室から出て、少し離れた壁にしゃがみ込んだ。

「ごめんね、ドライグ。前に言ってた

白との決着の前に僕死んじゃうかもしれない」

『……もう構わないさ。お前がそう決断したならばそれで良い。

俺はお前とともに長い余生を楽しく過ごしていくさ』

「ごめんね、僕が生まれて。ごめんね」

誰にも見られない様に隠れながら僕は籠手を涙で濡らしてひたすら謝り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部長、よろしいのですか?」

「朱乃……」

イッセーくんが部室を出てからこの部屋の中は何だか変な空気になっていた。

いつもなら朱乃さんの笑い声だったり楽しそうな雰囲気なのにイッセーくんが

辞めていっただけでこんなにもムードが下がるなんて思わなかった。

「そう言えばイッセーくんが来てからこの部室は騒がしかったっけ」

「……いつまでも引きずってちゃダメだわ。今はあの事について考えましょう」

部長の一言でいつも通りの…一人抜けた会議が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~」

僕はあれから家に帰るとすぐにベッドに横になった。

母さんと父さんにはばれてないと思うんだけど。

「お帰り、今代の赤」

「うん、ただいま……っ! 痛!」

僕は急に聞こえてきた知らない人の声に驚いて思いっきり壁に頭をぶつけてしまった。

目の前にいたのはゴスロリ衣装を着て真っ黒な髪を結構な長さにまで伸ばした女の子だった。

『久しぶりだな、オーフィス』

「うん。我、ドライグに会うの久しぶり」

「だ、誰!?」

『こいつは俺とおなじ龍だ。それも俺よりも遥かに強い最強の龍。無限の存在である

ウロボロスドラゴンのオーフィスだ』

よくは分からないけどつまり、この子はドライグのお友達ってことか。

「あ、ドライグのお友達? 僕は兵藤一誠」

僕はそう解釈し、自己紹介をしてオーフィスと握手をした。

「我、オーフィス」

この子を見ているとなんだか、感情の起伏がないように思えてくる。

「で、なんでここに?」

「今の赤、歴代最弱。それを確認しにきた」

っ! 歴代最弱か……ドライグに悪いことしちゃったな。

オーフィスに言われたことを分かっていたのに僕の胸には深く突き刺さった。

「でも違った」

「え?」

オーフィスの言った言葉を僕は理解が出来なかった。

「汝、歴代最弱じゃない。歴代最強の赤になる」

な、何を言ってるのオーフィスは……僕は本当に弱いのに。

『良かったな相棒。オーフィスのお墨付きだ、てな訳で行こうぜ』

「ど、どこに」

『決まってんだろ、あのシスターを助けに行くんだよ』

「で、でも僕は弱いし」

「なら蛇を飲む」

「え? むぐぅ!」

いきなりオーフィスに口を手で押さえられたかと思うと

何かが口の中に入り喉を通り体の奥底に入っていった。

でも、体の中で何かがバチンと弾かれるような音がした。

 

 

 

 

 

「? 蛇が焼かれた」

『オーフィスの蛇を焼くほどとはな。オーフィス、お前はどう考える』

オーフィスはドライグの質問に感情の起伏を一切見せずに淡々と答えていく。

「今代の赤の魔力の量、赤子以下。でも魔力の質、異常。我を超える異質さ」

『オーフィスをも超える異質さか……これで

納得がいった。で? どうするんだ? 相棒』

ドライグが僕に聞いてきた。

僕は弱い。弱すぎて相手にもされないほど弱い……でも、

それが何もしなくていい理由にはならないよね。

「弱いとか、運が悪いとかだけで何もしなくていい

理由にはならない……ある特撮番組の名言だよ」

『行くか相棒!』

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

てな訳でアーシアさんが囚われているっていう

教会に来たんだけども……こ、怖いよー!

灯りは全くないし、風で木々が揺れる音が武器ま感じを醸し出している。

「こ、ここで合ってるんだよね?」

僕は教会の入り口であろう大きなドアの前に立ち、ドライグに訊いた。

『ああ、奴の魔力はここから感知できる』

「えっと、ひとまずこう言うのって呼び鈴を鳴らしてから入った方が」

そう言うとドライグは心底、呆れたような声を出した。

『……相棒、お前は死ぬ気なのか? どこの神父様が悪魔を正面から

笑顔で迎え入れてくれると思ってるんだ!?』

「だ、だよね~……き、緊張するな~」

『さあ、派手に行こうじゃないか!』

『Boost!』

その掛け声とともに倍加が始まり僕は扉を思いっきり殴りつけると

綺麗にピシッと裂けて吹っ飛んだ。

「ぎゃははははははは! 悪魔さん、いらっしゃ~い!」

「ひぃぃ! 開口一番撃ってきたぁぁぁぁ!」

扉が開いた瞬間、神父は狂ったように笑い声を上げながら

弾丸をこちらに向けて撃ってきた。

……あの、笑い声がなかったら今頃、蜂の巣だよ……。

「きひひひひ! まさか、一人で来るとはねー! 舐められたもんだZE♪!」

『さあ、相棒。復習の時間だ』

ドライグから教えられた事を順番に思い出していく。

「えっと、相手の攻撃をよく見る」

「Yahha!♪」

「うわっと!」

僕は神父が引き金を引くのが見えた瞬間に、姿勢を低くすると

床に弾丸がめり込んだ。

『Boost!』

今、2回目の倍加がされた。

でも、まだ足りない。あいつに勝つにはもっともっと力が必要なんだ!

「避けてばっかじゃ勝てないっすよー!」

「避けてばっかじゃない! うりゃぁぁぁ!」

「どわぁぁ!」

僕はそこにあったソファーをどうにかして持ち上げて、投げたら神父に直撃した。

悪魔になってからいろいろと身体能力が強化されているから、握力が

七十代のお婆ちゃんなみの僕でも箪笥を持ち上げることができるようになっていた。

『Boost!』

三回目の倍加……よし! 気合いを入れるんだ僕! 

アーシアさんを助けに来たんだから!

「こんのクズ悪魔がぁぁ!」

「わわわわわ!」

神父は乗っかっているソファーを聖なる光で刀身を作った刀で切断して、

蹴り飛ばすと辺りに、弾丸を乱射し始めた。

僕は慌てて姿勢を低くすると目の前の床に一発の弾丸がめり込んだ。

『戦いでいちばんしてはいけない事は錯乱だ。想像するんだ』

よ、よし!

僕は頭の中で籠手の先っぽから発射するビームを想像し、腕に力を込めると

徐々に籠手の先に球体上の魔力の塊が出来上がってきた。

『いってやれ!』

「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!」

「なんですとぉぉぉぉ!?」

籠手から魔力を固めたものを放つと神父は、突然の攻撃に回避すらできずに

まともに直撃して、壁を突き破って教会の外に吹っ飛んでいった。

「や、やった!」

『喜んでいるところ悪いが早く行った方がいい』

「分かった!」

僕は喜ぶのを後回しにしてアーシアさんがいるところへと向かった。




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