ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life64

「な、なんなのあれ」

京都の街に似せたセットからビキビキと軋む音が聞こえてくる。

『懐かしいものを感じさせてくれる。これは……俺本来の力だ』

そっか……こんなにもドライグの力は強くて優しいんだね。

『優しい? 俺がか?』

うん、君の力は温かさを感じるよ。

『……俺もどうやら相棒に侵されたらしい』

ドライグは呆れ気味な声を出すけど、まんざらでもない様子なのが感じられた。

僕が手を横に振るうと魔力の柱が消滅した。

「……覚醒したのか? これほどまでの静かな力は感じたことがない」

何か曹操が呟いてたみたいだけどどうでも良い。

……もう、僕は泣かない。今まで何かあれば泣いてきた……でも、僕は

二人を超えて最強になるんだ!

「バランスブレイク」

静かに、そして力強くその言葉を言うと鎧が僕を包み込み、

魔力によって辺りの地面が抉られていく。

「こ、この魔力の量は!」

曹操は一気に膨れ上がった僕の魔力に驚嘆していた。

木場君は………気を失ってる。

でも、もう承認の必要はない。

「プロモーション、ナイト」

僕がそう呟いた瞬間、赤色の装甲にヒビが入っていき、

そして装甲が弾け飛び格段に軽くなった。

『相棒、カウントは?』

「ん~……曹操以外を一人頭5秒で」

『了解した』

「舐めやがって!」

曹操以外の三人がブチギれて僕に向かってきた。

「馬鹿か! 死にたいのか!」

「スタート」

『Start! hyper sonic time!』

 

 

 

……は? と、停まってる!?

僕が移動を開始した途端、全ての物が停止したと思うくらいに辺りの時間が遅くなった。

目の前の三人も停止している。

まるで、ギャスパー君のセイグリッドギアが発動している空間みたいな

状態が今、起こっていた。

「いくよ」

僕は一番近くにいたジャンヌにアッパーを撃ちこみ宙にあげると、

腹部を強く蹴りとばして遠くにやった。

そして桜吹雪Verのドラゴンショットを放つけど、まるでシャボン玉のように

フワフワと浮いていた。

次の標的はヘラクレスだ。

「はぁぁ!」

僕は連続で足に魔力を流し込み赤色に輝いた蹴りを何発も

マシンガンの様に撃ち込んでいく。

「そら!」

僕は最後のとどめに全力で蹴飛ばした。

そして一旦時間を進めた。

「がはっ!」

「うげぁ! うげあ! うぎゃぁ!」

連続した爆音を立てて2人は吹き飛ばされた。

「っ! この!」

「よせ! ジークフ」

曹操の言葉はそこで切れた。

僕はアスカロンを取り出し増殖した腕を切断すると、

ジークフリートの体に次々に峯撃ちを入れていった。

「おぉぉぉぉぁぁ!」

譲渡の力を使い、アスカロンの刃を赤く輝かせ、ジークフリートの身体を

斜めに切り裂いた。

僕が斬り終えたと同時にカウントが終わったのか時間が元通りに進み始めた。

「かはっ! い、いつの間に腕を」

そう言い残してジークフリートは血反吐を吐き地面に倒れ伏した。

『これは驚いたな。まさか一秒で二人を倒しとわな』

……一秒以内に倒した僕の速度ってもう怪物級なの?

曹操は僕の方を驚いたような表情で見ていた。

「気付いたら三人とも倒されていた…こんな経験は僕が初めてだろうね」

そう言いながらも槍を僕に向けてくる。

「プロモーション、ルーク」

最強のセイグリッドギアが相手ならこっちは最強の攻撃力で勝負だ。

先程とは違い薄かった装甲が図太くなってあまりの重さに地面に足が食い込んだ。

「聞けばプロモーションというものはキングの承認で初めて行える物。

それを承認なしでやる……まるでイリーガルムーブだ」

聞いたことがある。チェスの用語で禁則だったはずだ。

「ならこの力をイリーガル・ムーブ・トリアイナとでも言おうかな」

「行くぞ! 赤龍帝!」

僕は何もしないで片腕だけで曹操の槍を受け止めていた。

その事実に曹操は顔を大きく歪めていた。

「なっ! 上級悪魔でさえ軽く消し飛ぶ威力だぞ!」

「次はビショップだ」

僕は曹操から距離を取り、ビショップにプロモーションすると

つたなすぎる魔力が底上げされ、両肩に大口径のキャノンの砲門と

背中に巨大なバックパックが出来上がった。

周囲に空間が震える音を響かせながら、莫大な量の魔力が砲門に装填されていく。

「もっとだ!」

『BoostBoostBoostBoostBoost!』

さらに倍加された魔力も装填すると、大口径のキャノンの砲門には

凄まじい大きさの魔力弾があった。

……調子乗って装填しまくったけど耐えられるかな?

僕もこの疑似空間も。

『まあ……大丈夫だろう』

「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「ちっ!」

曹操は舌打ちしてその場から離れると魔力弾はそのまま直進していき、

見えなくなるところまでいった瞬間! すさまじい爆音と爆風がこちらにまで

響いてきた!

じ、自分で撃っといてなんだけど凄い威力だ!

煙が晴れると空が紅色に染まり、疑似空間の壁は所々歪んでおり、

爆煙が晴れるとそこには何も残っていない景色があった。そこはただの更地。

「疑似空間の壁が歪むほどの威力! あんなもの受ければ灰すら残らないぞ!」

曹操が驚愕の声音を出していた。

「やはり君は危険すぎる。ここで始末しよう」

槍の先端に聖なる光が集まっていく。

だったら僕も全力で行く!

「プロモーション、ルーク」

キャノンが光になって消えて装甲が凄まじく重くなった。

「おぉぉぉぉぉぉ!」

『BoostBoostBoostBoost!』

倍加された魔力が全て僕の右腕の拳に集中していく。

「まだ上がるのか!? 君のキャパは天井知らずだな!」

「前にも言われたよ! 行くぞぉぉぉ!」

槍と最重の拳がぶつかり合い凄まじい輝きと爆風を発生させながら

僕らは大きく吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ。も、もう無理!」

僕の体はもうプロモーションに耐えられないくらいにズキズキと

全身に激痛が走っていた

「はぁ、はぁ。くそ、視界が合わないな。脳しんとうを起こしたな。

しかも酷いものだ。くそっ! 槍で相殺しきれなかったのが痛いな」

どうやら向こうももう戦える気力は残っていないらしく、

曹操は頭から血を流していた。

もうこっちとしても願い下げだ。

「バランスブレイクが復活しただけで驚異といえるのに

さらにその上を行く進化をするとわな。おったまげたよ」

「でももう無理だ。消費は早すぎるし久々のバランスブレイクにも

体が……ハァ、ハァ。ついて来ていないからね。明日中は筋肉痛で動けないな」

それでも僕は立ちあがった。向こうも同じ。

その直後、空間を震わす音が聞こえてくる。

「君の力に吸い寄せられたようだ」

嘘ぉぉぉぉぉぉぉ!? じゃあ僕あいつらの方棒を担いだの!?

でも次の瞬間には曹操の顔はゆがんでいた。

「いや……違う……この闘気は!」

空間から出てきたのは緑色のオーラを纏った龍だった。

「西海龍童、ウーロンっ!」

こ、これが東洋の龍。

緑色のオーラを纏い宙を泳ぐ姿はまさに幻想的だった。

そして僕の目の前に誰かが降りてきた。

「ふむ、もう規格外の波動じゃのう。まあとはこの老いぼれに任せい……

といっても骨折り損にくたびれもうけじゃな」

背丈は幼稚園児の年長くらいしかないんだけどなんだか年期を

感じる喋り方に、煙管をふかし片腕で棒の様なものを持ち――――――圧倒的なオーラがあった。

す、凄いオーラだ……オーディン様と同じくらいじゃないのか?

「ウーロン! 九尾をどうにかせい!」

『人使いが荒い爺だなおい!』

そうは言いながらもウーロンさんはヴリトらと闘っている九尾に向かっていった。

「初代孫悟空様」

「うぉ! 木場君!」

いつの間にかアーシアさんによる治療を終えた木場君が隣にいた。

「これはまずいな。初代孫悟空に赤龍帝、この化け物が二人いては

流石の俺も無理だ。一時撤退だ。ゲオルク!」

ゲオルクっていう人は僕が倒した三人を魔法陣で包むと

一か所に集めて辺りを霧で包み込み始めた。

逃げる気!? そうはさせないよ!

僕は籠手に魔力を集め野球ボールサイズに圧縮した。

「くらえ!」

僕は全力で投げた。

「こんなもの!」

彼は槍を振るって弾を打とうとする。今だ!

「なっ!」

弾がいきなり弾道を変えて彼の目に直撃した。

あ、あれ!? 曹操のお腹に当てるつもりだったのに!

「ぐあぁぁ! 赤龍帝ぇぇぇ!」

曹操は目から血を流しながら聖槍を握りしめた。

その瞬間に凄まじいほどの聖なる力が槍に集まっていった。

「止めておけ曹操! もう撤退時だ!」

ゲオルクに宥められた曹操は槍に集めていた力を散らせ、僕を睨んできた。

「……赤龍帝、また会ったとき覚えておくといい」

その言葉を最後に英雄派は消えた。

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