ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

65 / 90
Life65

疑似空間に残ったのは僕達と初代孫悟空様、そしてウーロンさん。

『ぶふぅ~。ヴリトラがいないと辛かった』

匙君も今は人間の姿に戻っていて九尾との戦いで負った傷を

アーシアさんの治療を受けて癒している。

でも八坂姫だけはまだ人型に戻るどころか意識すら覚ましていなかった。

「母上! 母上!」

『…………』

九重が必死に声をかけるけど一切反応がなかった。

「さてどうしたもんかいの~。仙術で邪な気を拭ってもいいが

九尾自身の魔力が少ないからの」

初代様も煙管を拭かせながらそう仰っていた。

「母上! 母上!……起きて下され」

徐々に九重の声が小さくなっていった。

「九重」

「赤龍帝……」

僕はポンと九重の頭に手を乗せた。

「諦めるの? 大好きなお母さんなんでしょ?」

「っ! ……起きて下され母上!」

僕の言葉に九重は諦めまいと母に声を投げかけていく。

「もう我儘も言いません……嫌いな魚も食べます……母上

……母上……目を覚まして下され母上!」

「……く…の…う」

一瞬、聞こえた母親の声に九重はさらに声を張り上げて姫に語りかける。

「母上! 九重はここです! また歌を歌って下され! 

また母上と一緒に都を歩きたいのです!」

……ダメだ、意識は少し戻ったけど決定的なものがないからまだ

九尾の意識が完全に回復しない……譲渡で魔力を回復させれば

九尾の意識も戻るかもしれない。

僕は籠手を出して五回、倍加をした後九尾に触れて譲渡を行うと

今まで弱かった九尾のオーラが一気に回復した。

「む。これほどの魔力があればすぐにできるぞ。離れておれ」

初代の指示に従い、僕たちはいったん九尾から離れると初代が九尾に触れると

突然、九尾の全身が淡く輝きだして、全身から薄黒い煙のようなものが

外へと吐きだされていく。

「……ここは」

黒い煙のようなものがでなくなってから数秒後、淡い輝きが

晴れるとそこには意識を完全に取り戻し、起き上がった八坂姫がいた。

「母上ぇぇぇっ!母上ぇぇぇぇっ!」

九重が涙を流しながら八坂姫に駆け寄っていった。

良かった……これで、九重はまたお母さんと一緒に楽しく…………。

「イッセーさん!」

そのまま僕は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

激闘を終えた僕たち……といってもほとんどイッセー君が

彼らを片づけたようなものだけどひと先ず終わりを迎えた。

今はホテルの屋上で治療を受けている。

「救護班! シトリー卷属とグレモリー卷属の治療が

終わり次第イッセーを治療しろ!」

あれからずっとイッセー君は眠りっぱなしで命に別条はないみたいだけど

体の傷が多く、さらに魔力の量もかなり減っていた。

匙君が担架で運ばれるのを周りの卷属達が涙を浮かべて心配そうにしていた。

「よくやったな、お前たち」

「いえ、イッセー君がいなかったら……」

正直僕と彼の間にある力の差はかなり大きく開いている。

僕が勝てなかったジークフリートだけでなくヘラクレス、ジャンヌ、そして

曹操までも彼が追い払った。

「おいアザゼル坊や」

「初代」

「あ奴は少し危険な道を歩もうとしておる」

「危険な道ですか?」

「左様。それが不幸を呼ぶか幸を呼ぶかは分からぬが危険な道じゃ。

なんせ覇の力を……いや、良いかの。ま、面倒見てやれ。行くぞ、ウーロン」

『あいよくそ爺。じゃあなドライグ!』

そう言い残して初代様とウーロンさんは飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、最終日なのに動けない僕」

「仕方がねえだろ。お前は久々のバランスブレイクに新技まで

使って体はボロボロなんだ。本当なら一生動けないかもしれないんだぞ?」

「いくらそうだと言っても男に車いすを押される気分は……ぐす!」

僕は今体中があまりに痛くて先生に車いすを押されています。

皆にはこの事は秘密にしておくらしい。まあ、いきなり車いすに

押されていたら驚くよね。

「なら私が押してやろう!」

先生に変わり九重が車いすを押してくれるというの

だがいかんせん少し背が足りない。うん、後5年くらいは必要かもね。

「ほれ、九重。変わろう」

結局八坂姫が車いすを押してくれることになった。

うん、やっぱり女の人の方が優しく押してくれる。

「赤龍帝殿、京都を救ってくれたこと、私を助けていただいた事、感謝する」

「いえ、別に僕はそこまで大層な事してませんよ」

そう言われると若干照れ臭い。でもあの力はゲームでは使用不能になるだろう。

なんせ王の承認なしでプロモーションするんだから。

そして駅について先に駅で待っていた木場君に僕が乗っている

車いすが手渡されて新幹線の中にいれてもらった。

「赤龍帝殿!」

「イッセーでいいよ」

「イッセー! また京都に来てくれるか!?」

「うん! 勿論! 今度は部長さん達も連れてくるよ!」

僕らは笑顔で分かれた。

楽しかった修学旅行も終わり僕らは元の日常に戻った。

 

 

 

 

 

 

修学旅行から帰ってきた僕達はすぐさま、部室へと招集された。

京都での一戦はすでに、連絡されているらしく少し怒られてしまった。

「イッセー。大丈夫?」

「ええ、大丈夫ですよ」

でも、すぐにお説教は終了し皆、僕の傷を心配してくれた。

「本当に? どこか痛いところとか」

……部長さん達の距離が近すぎる!

小猫ちゃんは僕の両ひざに乗って猫又モードで仙術を使って

くれているからよしとして……部長と朱乃さん。この二人の距離が近い。

「でもこれではイッセー君の日常生活に支障が出ますわね」

それを言った途端に朱乃さんと部長がお互いに満面の笑みを

浮かべて向き合った。

……容易にアイコンタクトで伝えた内容が分かった。

『分かってるわね? 朱乃』

『ええ、勿論よリアス』

みたいな感じだと思う。

「「私がイッセーの介護をします!」」

……ですよね~。

「ちょっと朱乃! それは私の役目よ!」

「あらあら、それは私の役目ではなくって?」

「私がイッセーの身体を拭いたりするの!」

……いや、それくらいは自分でやります。異性の方に裸を見せるというのは

メチャクチャ恥ずかしいので。

「なら私はイッセーの下のお世話とやらをしよう。

桐生曰く男はあるものを定期的に出さないと狼になるらしい」

な、ならないよ! ていうか桐生さんはどんなことをゼノヴィアさんに

教えているのさ!

後、皆も『っ! その手があったか!』みたいな表情をしないでください!

「木場君! ギャスパーくん! 助けて!」

「くわばらくわばらです」

木場君は合掌しないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

こうして僕は恥ずかしすぎて死ぬかと思うくらいに恥辱にまみれた数日を過ごす羽目になった。

 

 

 

 

 

 

「よお、サーゼクス。そっちに英雄派のデータ送ったが届いたか?」

『ああ、届いているよ。だが上位ロンギヌスを三つも所持か。

そしてバランスブレイク使いの数の上昇』

まあ、そこに着目するわな。

ただでさえヤバい上位ロンギヌスが三つともあっちにあるんだからな。

それに霧使いはすでにバランスブレイクに至っており、曹操のセイグリッドギアも

恐らく近いうちにバランスブレイクにいたるだろう。

『だがまた彼らは戦果を挙げたな』

「ああ、これであいつらの昇格は間違いないのか?」

『そう見てもいいだろう。上位陣となんら遜色ないからね』

「早速義弟自慢か?」

『これほど自慢したい義弟は初めてだよ。冥界の子供たちに人気の

ヒーローを持つ義兄はつらいね』

おいおい、それはこっちからすればただの惚気にしか聞こえないぜ?

 

 

 

「報告は以上です、ヴァーリ様」

『御苦労。よく玉龍と初代をあの空間に誘ってくれた。

兵藤一誠はどうだった? ルフェイ』

「はい! もう感動しました! 目の前で憧れの仮面の戦士に会えましたから!」

『そうか』

「それと新たな力も手に入れたみたいです」

『ああ、聞いているよ。俺ももうじき追い越されるかな?

まあ速さについてはもうあいつの方が上か』

「なんだか楽しそうですね♪」

『ああ、楽しいよ。最高に』

 

 

「ねえサイラオーグ聞いた?」

「どうしたシークヴァイラ・アガレス」

「噂の赤龍帝、新たな力に覚醒したらしいわ」

「そうか。俺も強くならないとな」

「その能力は実戦では不正に近いらしいけど」

「そんなことはどうでも良い。あの赤龍帝と拳を

ぶつけれるなら俺は何でも容認しよう」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。