ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life66

「出たな! ダークネスファング!」

只今僕は冥界の旧首都、ルシファードというところで仮面の

戦士のヒーローショーをしています。

今、冥界ではチビッコに仮面の戦士という特撮番組が、大ブレイクして大流行している。

なんでも、部長のお母様曰くグレモリー家の財政を担う産業にもなりえるほどの

影響力が出てきたとかでめちゃくちゃニコニコされてた。

本来ならこういう仕事は専門職の人がするんだけどサーゼクス様からお願い

されたので今に至る。

「ドラゴンキィィィィィィック!」

「「「「キィィィィィィィィック!」」」

僕が敵役にアクションをするとちびっこたちもマネをしてくれる。

まあ、嬉しいッちゃ嬉しいんだけど……は、恥ずかしすぎる!

なんせ立ち見すら出るくらいのお客さんが僕の目の前にいっぱいるのである。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~」

僕は荒方の仕事を終え控室で休憩していた。

『続いては仮面の戦士への質問コーナーです』

「「「「「ヘルキャットちゃぁぁぁん!」」」」

オタ……げふんげふん、大きなお友達が小猫ちゃんを見て鼻息を荒く……んん! 

早く質問したいせいでかなり鼻息が荒くなっている。

「最近は歴代所有者さん達の声も聞こえないし、毎日が

楽しいし。もう僕充実してるよ~!」

『ねえ死んでくれない?』

「っ!」

そう言った直後、思い出したくない顔が僕の脳裏を駆け巡った。

あれは過去なんだ! もう過ぎ去った過去だ! 関係ナッシング!

僕はそう自分に言い聞かせながら廊下に出ると、スタッフさんと

小さなお子さんを連れた奥さまがいた。

「すみません。既に握手会の整理券の販売は終わってまして」

「そうですか……もう終わったんだって」

「嫌だよ! 仮面の戦士に会いたい!」

子供は目に涙をためて廊下で泣き叫んでいた。

……特例を作るのはいけないし……でも……。

「えっと、どうかしました?」

「あ、実は」

スタッフさん曰く、どうやらこの子はこの日のショーを楽しみにしていた

らしいんだけど寝坊をしてしまって中に入るための整理券を受け取れなかったらしい。

「ねえ、僕」

「お兄ちゃんだ~れ?」

「僕はね、仮面の戦士とお友達なんだ」

「っ! ほんと!?」

先程まで、悲しみに満ちていた目に光がともった。

「うん! 本当だよ! でもね、仮面の戦士は今がっかりしてるんだ」

「なんで?」

子供は不思議そうに首を傾げる。

「だって、君が我儘を言っちゃって誰かを困らせてるからなんだ」

「我儘?」

「うん、仮面の戦士はそんな我儘をいう子には握手してあげないぞって言ってたよ」

「ほ、本当!?」

「うん! だから、今度ヒーローショーに

来た時に一番に握手してくれるように言っておくよ!」

「うん! 分かった! 僕今度まで我慢する!」

そう言って手をひかれて親子は帰っていった。

「流石ですね、小さな子の扱いがうまいといいますか」

「そうですかね?」

僕は控室へと戻った。

『死んでくれないかな?』

控室へと戻る道中でまたあの声が聞こえて

軽い目眩がしてきた僕は、通路の壁に凭れかかった。

「あれは過去の出来事なんだ……今は部長の事が」

「あらイッセーじゃない」

「ぶ、部長!」

「……まだなのね?」

時折、部長は僕が返事すると悲しそうな表情をする。

何かあったのかな?

「イッセーお兄様!」

「ミ、ミリキャス様!」

突然、後ろから呼ばれ後ろを振り向くとミリキャス様が僕に抱きついてきた。

「ごきげんよう、イッセーさん、リアス」

通路の奥からミリキャス様と部長のお母様が僕らのところまで歩いてきた。

相変わらず綺麗なお方だよ。

「イッセーお兄様! 大変面白かったです!」

そう言って満面の笑みでそう言ってくれるミリキャス様。

まあ、ファン第一号がミリキャス様だって言っても過言ではないしね。

冥界に行ったときは必ずと言っていいほど、僕の話をお聞きになられるから。

「どうかしましたか? どこか顔色が優れないようですが」

「い、いえ! 気のせいです!」

「そうですか……一度グレモリー主催のショーを見て

おきたかったものですから。この子なんか毎日リアルタイムの

放送を見てますわよ」

うぅ! 面と向って云われるとなんだか恥ずかしいな。

「あ、ありがとうございます部長のお母様!」

すると、どこか部長は悲しそうな表情をして部長のお母様は

むっ! としたような顔になった。

「イッセーさん。部長のお母様というのはいただけませんね。

私の事はお義母様か、母上と呼ぶこと」

「し、しかし」

「しかしではありません。いずれ貴方もグレモリー家の者として

社交界に出ることになります。そこで部長のお義母様だなんて

言われるとグレモリー家全体が恥をかきますわ」

うぅ、ていうかなんで僕は社交界に……あっ! 部長の卷属悪魔だからかな?

一転して部長のお母様の顔が厳しいものになる。

 

 

 

 

 

「リアス、教えが足りないのではなくて?」

お母様に睨まれながら部長は申し訳なさそうに呟く。

「も、申し訳ありませんお母様。しかし」

「そこで『しかし』が入るだなんて……伴う男子を入れるのですから

そこをちゃんとしないでどうするの?」

そこからお母様のマシンガン説教は続いていく。

マシンガン説教を聞きながら部長は顔を真っ赤にして話を聞いていた。

「という訳です。いいですね?」

「は、はい」

うわぁ~。人ってここまで顔が赤くなるんだね~。

まるで茹でたタコだよ。

その後二、三個の話をされたあと部長のお母様とミリキャス様はお帰りになられていった。

「イッセー……帰りましょう。文化祭の準備があるわ」

「あ、はい!」

 

 

 

 

 

翌日、僕は一年生の教室前にいた。

何故かといえば、以前戦ったライザーさんの妹さんであるレイヴェルさんが

この学び舎に転校してくるだとかで、面倒を見ることになった小猫ちゃんを

見に来たわけである。

なんでも人間界のことをもっとよく知りたいらしくそれならば部長がいる

高校に転入させようとなったらしい。

まあ、部長がいれば安心だもんね。

「ねえねえ、あの人が噂の癒しの先輩?」

「うんうん、笑った顔を見て胸キュンしなかった人はいないんだとか!」

ヒソヒソと僕の噂話をしている女の子の声が聞こえてくる。

……何だか僕の噂が変なふうに流れているような気が。

まあそんなことは置いておき、僕は教室の中を見てみるとギャスパーくんは

目立たない端っこの方にいて、レイヴェルさんは質問攻めに遭っていた。

僕の予想だと『庶民の質問に答えるのも貴族の務めですわ!』

とか言ってそうな気がしたんだけど現実は真逆で『え、えっと』という風に

口ごもっていた。

やっぱり、貴族出身でもあれだけ一期になだれ込まれたらオドオドしちゃうんだね。

「あ、イッセーさん!」

僕を見つけたギャスパーくんがそう言うとともにレイヴェルさんも

どうにかして抜けてきて僕の所に来た。

「何というか大変そうだね」

「え、ええまあ」

「何なら小猫ちゃんに頼んでみなよ」

「なんですか?」

後ろから小猫ちゃんがやってきた。

ちょうどいいや。

「小猫ちゃん! レイヴェルさんが学校に慣れるまでの間お世話よろしく!」

「………先輩がそう言うなら」

小猫ちゃんは口を三角にして渋々了承してくれた。

「そう言う訳でレイヴェルさん、何か困ったら」

「……へタレ焼き鳥」

っ! な、何を言うのさぁぁぁぁぁぁぁ!

「い、今なんと?」

レイヴェルさんはこめかみをぴくぴくさせながら小猫ちゃんにもう一度聞く。

「……へタレ焼き鳥」

「あ、貴方ねえ! フェニックス家の息女たる私に!」

「…へタレ。そんなんだから先輩が手を煩わせるんだ」

「むっきぃぃぃぃ!」

レイヴェルさんの背後に炎を纏った鳥が出現し、小猫ちゃんの背後には爪が鋭い

猫が現れてお互いに睨みあいはじめた……ような雰囲気が二人の間に流れている。

ま、まあ二人も殴り合いのケンカはしないでしょう。

僕はその場を去った。

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