ハイスクールD×D 気弱なイッセー   作:kue

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Life67

「ん~ここに来るのは京都以来かな?」

僕は夢の中でセイグリッドギアの中に潜り込んでいた。

というかもう癖みたいなものだね。

もう、エルシャさんもベルザードさんもいないけど僕はよくここに来ていた。

『ねえ、死んでくれない?』

「っ!」

突然、後ろから声が聞こえたから慌てて振り向くけどそこには誰もいなかった。

「き、気のせいかな」

『あまり悪魔と喋りたくないの』

き、気のせいじゃない! か、彼女の声が聞こえてくる!

『私を殴っちゃうの? 初めての彼女なのに。イッセーくん、怖いわ』

止めろ!

『ねえ、死んでくれない?』

止めろ!

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

止めてくれ!

 

 

 

 

 

 

 

「はっ! はぁ、はぁ、はぁ」

ゆ、夢?

「……まだ1時間も経ってない」

時計を見てみるとまだベッドに横になってから一時間も経っていなかった。

隣では部長がすやすやと寝ている。恐らく文化祭の準備で疲れたんだろう。

「……寝よ」

僕はもう一度眠ろうとベッドに横になって目をつむった瞬間!

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

「っ!」

あの声がリピートで、しかも大音量で僕の頭の中に流れ込んできた。

「……嫌だよ」

 

 

 

 

 

 

結局、僕は一向に眠れない夜を過ごし続けた。

眠ろうとするとあの声がリピートで頭の中に流れ込んでくる。

おかげで重傷クラスの寝不足に陥ってしまった。

『壊せ』

「っ!」

「どうしたの兵藤?」

「な、何でもないよ! ちょっとトイレに行ってくるから先生に

遅れるって言っておいて! 桐生さん!」

それに加えてつい先日くらいからまた歴代所有者たちの声が聞こえてきた。

朝は何も聞こえないのに人とかを見ると聞こえてくる。

この前なんか無意識のうちにシャーペンをへし折っていたくらいだ。

『壊せ壊せ壊せ壊せ!』

嫌だ! 僕は壊したくないんだ!

僕はトイレの便座に座って必死に別の事を考えるけど今度は彼女の声が聞こえてきた。

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

「止めてくれ!」

僕は精神的に疲弊しきっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「あ~あぁ、ねみ」

朝っぱらから授業すんもの疲れるな。

俺はようやく全ての授業を終えて職員室に帰るところだった。

『少しいいかアザゼル』

ファーブニルの宝玉から直接ドライグの声が聞こえてきた。

俺は人気の少ないところにまで移動してドライグの話を聞いた。

「どうした? お前から話しかけてくるだなんて」

『実はなお願いがあるんだ』

ほぉ~二天龍様の片割れにお願いされるとわな。

ただの総督だった俺も成長したもんだ。

「ああ、良いぜ」

『相棒を救ってほしい』

「?」

俺の頭に疑問符が浮かび上がった。

何故イッセーを救ってほしいんだ。

「どういう意味だ?」

『今あいつは過去のトラウマに加え、歴代所有者たちの怨念まで頭に

響いて来てここ何日もろくに眠れていない』

あ~だから、あんなに足取りが不安なものになっているのか。

『歴代所有者たちの方は俺でもなんとかできるが…』

「過去のトラウマ……レイナーレか」

報告は受けている。

ロンギヌス所有者のイッセーを危険分子にならないうちに

早く殺すように伝えられたレイナーレがハニートラップをかけた話か。

「あれの責任はすべて俺にある。俺が何とかしよう」

『ああ、すまないな。このままいけば相棒は精神的に

崩壊してしまいかねない』

「お前も変わったなドライグ」

『俺がか?』

「ああ、以前のお前なら宿主を心配はしても誰かには頼まなかったろ?」

『……俺も焼が廻ったようだ』

それはいい意味でだな。

それを最後にドライグの通信は切れた。

待ってろ、イッセー。

 

 

 

 

 

「………」

あれから……何日経った? 一週間? 5日?

曜日感覚が失われるほどにまで僕はボロボロだった。

今は自室でボーっとしているんだけど転寝はできるんだけど熟睡しようとすると

頭の中に彼女の声が響いて来て目を開けてしまう。

それの繰り返しだった。

「入るわね。大丈夫? 最近顔色が悪いけど」

「え、ええ」

どうやら最近の僕の様子に不信感を持った部長が僕の部屋に来てくれたらしい。

部長は僕の隣に座ると僕の肩に頭をコテッと軽く乗せてきた。

いつもならビックリするんだけど今は驚くことすらできないくらいに眠い。

「イッセー……聞かせて。貴方にとって私は何?」

僕にとっての部長……好きな人だ。僕にとって部長は僕が初めて恋を

した女性だ……でも、今こんな体調で言えるものじゃないよ。

「部長は部長です。それ以下でも以上でもありません」

そう言った直後、部長は今にも泣きそうな顔をして僕の顔を数秒ほど見るけど

すぐに顔を反らして僕の部屋から出ていった。

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

「うぅ!ああぁぁ!」

部長を追いかけようと立ち上がろうとしたときに突然、頭に激痛が走り僕は頭を抱えて蹲った。

っ! あ、頭が! 痛い!

『おいしっかりしろ相棒!』

ド、ドライグ……。

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

『ねえ、死んでくれない?』

僕はそのまま気を失ってしまった。

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