外の様子を見てきたルフェイさん曰く、この空間は3つの装置で機能しており
その装置さえ破壊すれば良いらしい。
しかし、その装置の周りには大量の死神がそれを警護する形で群がっており、
破壊するにはまずその大量の死神をどうにかするしかないらしい。
「装置があるのは屋上、二階ホール屋上、そして駐車場です」
やはりここは三つの班に分担して行くしか。
「そのうち二つは俺が壊そう」
「ヴァーリ!」
部屋で休憩していたはずのヴァーリがフラフラと覚束ない足取りで
僕たちの集まっている部屋にまで来ていた。
「少しイライラしててね。バランスブレイク無でも破壊することくらいは簡単だ」
「……分かった。屋上と二階ホール屋上の装置は任せる。後は俺達で
駐車場の装置を壊す! いいな!」
『はい!』
さあ! 脱出作戦の開始だ!
「魔法陣の方できました」
ルフェイと黒歌が共同で準備をしていた魔法陣がようやく完成した。
「よし、ヴァーリ」
「ああ、死神ごと装置を破壊してやろう!」
白い籠手から大きな魔力弾が生成され徐々にその大きさを大きくしていく。
毒を受けた状態でここまでの力を発揮できるなんて……やっぱり、歴代最強は
伊達じゃない。
「行くぞ!」
魔力弾が撃ち出された瞬間、二つに分離してそれぞれの屋上に着弾し
凄まじい爆音が鳴り響き、僕たちがいるホテルを大きく揺らした!
す、凄い。
「装置の破壊を確認しました!」
「ゼノヴィア! イリナ! 頼んだぞ!」
先生がそういうと共に魔法陣が輝き2人は転移した。
やった、2人の転位は成功したんだ!
「じゃあ、後はあいつらをぶっ倒して装置を破壊するぞ!」
『はい!』
先生の槍で壁を砕いて僕たちは駐車場で戦争を開始した!
「……ん」
「イッセーさん! 良かった!」
僕が目を覚ますと涙を流したアーシアさんが抱きついてきた。
……そっか……僕、曹操に負けたんだっけ?
外からは爆発音なんかがたくさん聞こえてくる。
「今、外で皆さんが死神達と交戦しています!」
そうか……皆、闘ってるんだ……じゃあ、僕も行かないとね。
僕はベッドから起き上がろうとするとアーシアが今にも泣きそうな顔で
僕の腕を掴んできた。
「どこに行くつもりですか?」
「……皆の所に」
「駄目です! まだ、イッセーさんは動いちゃダメです!
それに呪いだってまだ体にあるんです!」
アーシアさん……心配性なんだからこの子は。
僕は泣きながら抱きついてくるアーシアさんの頭を優しく撫でてあげた。
「大丈夫。僕も戦わないと」
「どうして……ですか?」
「だって僕は仮面の戦士だから」
僕は彼女の手をゆっくり離してベッドから起き上がった。
「さあ、ドライグ行こうか」
『ああ、地獄の果てまでお前についていこう』
「地獄には行く気はない!」
僕は赤い球体になって窓の外から皆の所へと飛んでいった。
「雷光よ!」
「消し飛びなさい!」
僕の目の前では空から雷が死神に降り注ぎ、消滅の魔力で死神達が消滅していたりした。
凄い……やっぱりあの二人はお姉さまだよ。
≪お強いですね≫
空間がゆがんだかと思うとそこから一人の死神が姿を現した。
「貴方は?」
≪私はプルートと申します≫
あの伝説にも名が残っている最上級死神か!
そこら辺にいる死神よりも殺気が数ランク上だ。
≪テロリストと結託したあなた方は万死に値します!≫
プルートがリアスに襲いかかろうとした瞬間、それを邪魔する形で
赤い球体に入っている僕が2人の間に入った。
「君は誰の恋人に手を出そうとしてるのかな?」
≪おやおや、瀕死の重傷だと聞いていましたが≫
「イ、イッセー! 怪我は!?」
「はい、大丈夫です」
リアスが今にも泣きそうな表情を浮かべて僕に近寄って来る。
僕は彼女に心配をかけまいと小さなウソをついた。
さっきから全身がズキズキして痛いのなんの。でも、戦うことが
出来ないくらいじゃない。
≪ほう、あの赤龍帝と闘えるとは……しかし、今の貴方では話になりません!≫
死神が僕に鎌で斬りかかってくる。
僕はそれをドラゴンの腕で刃の部分を掴んで止めた。
……良かった。斬られてないみたい。
僕は龍の腕で死神の鎌を握りつぶした。死神の鎌は斬った対象の寿命を
削るらしいからね。でも、こんな鉄の刃で僕は斬れない!
≪なっ! わ、私の鎌が!≫
『Boost!』
「プロモーション、ルーク! ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
≪ごばぁ!≫
僕は鎌を力任せに刃の部分を砕き死神の顎……っぽい部分をルークの力で
思いっきり強く殴り飛ばしてやると骸骨にひびが入った。
「プロモーション、ビショップ! トリアイナ!」
僕の両肩に2門の巨大な砲台が付いて魔力がチャージされていく。
『BoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoost
BoostBoostBoostBoostBoost!』
何回倍加したか分からないけど砲台の部分の魔力弾の大きさが
大玉ころがしに使う玉と同じくらいの大きさになった。
≪ま、待て! こ、こんな所でそれを放ったら!≫
「誰が待つかぁぁぁぁぁぁ!滅びのドラゴンストリィィィィィィィィィィム!」
某カードゲームの必殺技を少しパクった技は放たれると同時に
辺りにいた凄まじい数の死神を巻き込んで大爆発を起こした。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
巨大な魔力弾を放った後の僕は呪いの影響もあり、目の前の
景色がグニャングニャンに歪んでいた。
ちょ、ちょっと魔力を注ぎ込み過ぎたかな。
「イ、イッセー! 大丈夫!?」
「目、目が回る~」
「こんの馬鹿イッセー! 俺達まで殺す気か!」
どこからかアザゼル先生の怒鳴り声が響いてくる。
他の人たちのことを考えずのドデカイ魔力弾を放ったから怒られるのは仕方が
無いけど、先生たちなら避けられると思っていたからね。
「全く君は凄いよ、イッセー君」
「そ、そう? ハハハ、嬉しいな~」
「イッセー君。そっちはアーシアさんだよ。僕はこっち」
あ、あり? とうとう幻覚を見てしまうほど疲れちゃってる?
「でも、またあれを片づけないとね」
まだ、少し景色がかすんでいるけどそれでも、霧からまた
大量の死神達が出て来るのが見えた。
2,300以上いるよこれは!
「この量の鎌を受ければ死ぬよね?」
前方からジークフリートの声が聞こえてきた。
「おい、イッセー! さっきのもう一回出来ないのか!」
「無理よアザゼル! 今、イッセーはフラフラなの!」
「せ、せめてあれがあれば」
「あれってなんだ!? そのあれがあれば出来るのか」
僕は先生の問いにコクリと首を縦に振る。
「なんだ! 教えろ」
「あ」
「あ?」
「アイス」
……何故だろ、周りの空気が一気に冷めたような気が。
で、でもアイスエネルギーを補給しないと僕動けないもん!
「アイスなんてここにはないぞ!」
「アザゼル、我持ってる」
「当たり前だろ! 持ってないのが普通……も、持ってるだと!?」
オーフィスがゴスロリ衣装のポケットから大量のミニアイスが入っていた。
その数は10や20どころか3ケタは行くんじゃないかな!?
「でかしたぞオーフィス! お前は英雄だ!」
「ま、まさか赤龍帝にアイスを食べさせる気か!?」
前方からジークフリートの驚嘆に満ちた声が聞こえてきた。
……まさか、向こうサイドにも僕にアイスを与えるということは復活の
呪文を施すみたいな感覚だって伝わっているのかな。
「よし! リアス!」
「ええ! 皆!」
リアスの一声で皆が一列に並んだ。
「はい、部長!」
「イッセー、あ~ん」
「あ~ん」
「食わせる前に叩く!」
ジークフリートが死神達を率いてこっちに突っ込んでくる。
それよりも早く、僕の口のなかにアイスが入り喉を通り胃の中に落ちた。
その瞬間、僕の中で何かがはじけた。