「むっはぁぁぁぁぁぁぁ! 兵藤一誠! 完全復活!」
トリアイナのビショップにプロモーションして、両肩の砲台から超巨大な
先程放ったものよりも一回り大きい魔力弾が放たれた。
「この味はレモン味! レモンバズーカァァァァ!」
死神達が魔力弾によって凄まじい数が吹き飛んで行く。
「お、遅かったか!」
「ははははははは! 良いぞ良いぞ!イッセー!」
「あ~ん、と」
僕はリアスからミニアイスを貰い、倍加を連続でかけていき砲台に超巨大な
魔力弾を生成していく。
こ、この味はイチゴ味!
「ストロベリーブラスタァァァァッ!」
2門の大砲から巨大な魔力弾が次々に装填されては放たれ死神達を吹き飛ばしていく。
皆はミニアイスの包装を取り除く係りなどに分かれてバケツリレーならぬ
アイスリレーをしていた。
おぉぉぉ! 力があふれてくるぅぅぅっぅぅぅぅぅ!
『もう、どうでも良い』
ごめんね、ドライグ。
それから、当分の間は爆音が鳴りやむことはなかった。
「チェックメイトだ」
ジークフリートの首に先生の槍がつきつけられる。
ペンペン草がもう二度と生えないであろうと思うくらいの焦土とかした
駐車場はすでにその面影を残してはいなかった。
後はあの装置を破壊すれば完璧に詰んだも同然だ!
ゲオルクも全力を防御に注ぎ込んでいたのか息を切らしているし装置自体も
先ほどの余波をもろに喰らっているのかバチバチと火花を散らしながら今にも
壊れそうな様子だ。
「……これが俺のライバルなのか……はぁ~」
ヴァーリは相当、僕に呆れているのか大きなため息をついていた。
『どうでもいいですよ~☆』
ドライグに関してはすでに壊れちゃってます。
「兵藤先輩」
「ん? 何? 小猫ちゃん」
急に小猫ちゃんが僕に話しかけてきた。
その表情はいたって真剣だった。
「大きくなったら……私をお嫁さんにしてください」
………はいぃぃぃぃぃぃぃぃ!?
こ、こんな所で彼女は一体何を言っているんですか!?
周りのみんなも驚いたような表情を浮かべていた。
でも、小猫ちゃんの顔は真剣なんだよね~。
僕は複雑な思いを浮かべながらも彼女の頭に手を置いた。
「ま、まあ……大きくなったら」
「はい!」
小猫ちゃんは嬉しいのか満面の笑みを浮かべた。
「……俺のライバルは戦場で逆プロポーズをされる奴なのか……はぁ~」
だから、ため息つきすぎだって! た、確かにこんな戦場でこんな物を
受け取る僕はおかしいかもしれないけどさ!
そんなほんわかとした空気が流れたこの空間に突然、快音が鳴り響く。
この音は確か空間に穴が開く時の音だ!
「久しいな赤い汚物、ヴァーリ」
空間に開いた穴から現れたのは以前、僕が覇龍でめちゃくちゃにしたらしい人だった。
「シャルバ・ベルゼブブ!」
「シャルバ、まさか独断で動いていたとは」
ジークフリート達も聞いていないのか訝しげな表情をしていた。
あの二人が驚いているということは……まさか、独断で動いているのか。
「それでここに来た理由は」
「なーに、宣戦布告だ」
ゲオルクがシャルバに問いただすとシャルバはにやりと不敵な笑みを浮かべ
マントを翻すとそこには怪物を生み出すセイグリッドギアを宿した一人の少年が立っていた。
……あれ? 確か、あの子は英雄派の子じゃ。
「何故、レオナルドがここにいるんだ!」
ジークフリートもゲオルクも驚愕の表情をしていた。
ほ、本当に何をしているんだ。
「少しお手伝いをしてもらおうとね。こうやって」
シャルバは手に魔法陣を作り出し少年に近づけた。
「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
少年が絶叫を上げると影が大きく伸びていきこの駐車場跡地を余裕で
包み込むほどの大きさとなった。
確かのこの影からは怪物が出てきたはず……ここまで大きいということは!
「フハハハハハハハハハ! 現悪魔を滅ぼすほどの魔獣が今、生まれる!」
『ゴガアアァァァァァァァ!』
聞こえてきた叫び声は耳をふさがないと立っていられなくなるほどの叫びだった。
影から現れた魔獣の足もとに魔法陣が展開されていく。
「さあ、魔獣たちよ! 冥界に住む汚いごみを掃除しに行け!」
その言葉とともに魔獣は冥界へと転移した。
それと同時にジークフリート達もレオナルドを回収して霧に消えた。
「シャルバァァァァ!」
「おっと! いささか動きが遅いぞ? 汚物」
「黙れ!」
僕はシャルバに殴りかかるがシャルバは余裕の表情で攻撃を避ける。
くそ! あいつの言うとおりサマエルの毒が完全に抜き切ってない!
「貴様と闘う気はない! 私が欲しいものはあれだからな!」
シャルバがオーフィスに手を向けると拘束の魔法陣が彼女に展開され
シャルバの元に引き寄せられた。
「こいつは貰っていく! アハハハハハハハハ!」
そう言ってシャルバは飛び去っていく。
「このフィールドは限界にゃん! 今なら転移もできるにゃん!」
空間の壁に穴があき瓦礫を吸いこんでいく。
黒歌は転移魔法陣を展開する。その魔法陣に皆が集まっていく。
……確かに今帰れば僕達は助かる……でも、あいつは逃がしちゃいけないんだ!
僕は背中に龍の翼を生やした。
「イッセー !何してるの! 早く行くわよ!」
「……僕はあいつを倒します」
僕の告白に皆が度胆を脱がれたようだった。
「何言ってるのよ!」
「じゃあ、僕も!」
木場君の提案に僕は首を横に振って否定した。
「こんな所でかっこつけても意味がないのよ!?」
朱乃さんの言った事に僕は頭を横に振り、否定する。
「かっこつけてるわけではありません。ここで、あいつを倒さなきゃいけないんです」
「もう限界にゃん! これ以上は転移ができなくなるわ!」
僕の言った事に皆が何も言えずにいると、僕の肩にヴァーリの手が置かれた。
「兵藤一誠、死なずに奴を倒せ」
「……もちろん」
「イッセー!」
僕の愛してやまない女性の声が聞こえる。
彼女の表情は今にも泣きそうだった。
……そんな泣きそうな顔しないでください。
「必ず帰ってきます」
「うん……約束よ!」
そう言って皆は転移した。
僕は翼をはばたかせ空で嘲笑の笑みを浮かべる奴のもとへと向かった。
フィールドの崩壊がさらに激しくなっていく。
「ヴァーリならともかく貴様の様な汚物に追撃されるとわな。末代までの恥だ!」
はいはい、どれだけ他人を見下して自分を持ち上げてるんだ。
「どうせ貴様も腹の底では覇権を狙っているんだろ!」
「残念だけどそんなの考えたこともない……さっき子供たちも
殺すって言ったよね? それは駄目でしょ」
シャルバは僕の言い分に嘲笑う。
「当たり前だ! 偽物の王に統治されている民など存在価値はない!」
あ~そうですか。偽物の王とか真の王とかもうどうでも良い……手加減しない。
「お前の運命は僕が決める!」
「汚物に決められる運命はない!」
僕はシャルバが攻撃するよりも速く、彼の前の移動してシャルバの腹部に
拳を突き刺して、殴り飛ばすとシャルバは口から血反吐を吐いた。
「な、なんだその速度は! この私が対応できん速度などあり得ん!」
シャルバはいくつもの魔法陣を展開しロスヴェイセさんみたいに
魔法のフルバーストをぶつけてくるけどそれらは圧縮された見えない
魔力の壁が全て防いでくれた。
こんなの何の痛みも感じない……ただのボールだよ。
「バ、バカな!」
『相棒、カウントは?』
「10秒……いや、5秒で良い」
「舐めるな!」
『スタート』
ナイトにプロモーションした後に僕が動き出した瞬間、
シャルバが撃ちだした魔力は全て止まり崩壊も今だけは停まったように見えた。
このまま崩壊が停まっていればいいのに……。
そのまま僕は神速を超えた速度で近づいていきシャルバの腹部を蹴りあげる!
『BoostBoostBoostBoostBoost!』
「喰らえ!」
倍加した分の魔力を足に纏わせて紅色に輝かせ、僕はマシンガンの如く
蹴りをシャルバに入れていく。
『Ⅰ』
最後に魔力弾を一発放った。
『〇』
「うぎゃぁ! ぎゃっ!」
凄まじい衝撃がシャルバを襲い全身から血しぶきを吹かせた。
「な、何が起きた! なぜ私は血を噴き出している!」
「それに気付かないうちは僕には勝てない」
「舐めるな!」
シャルバが投げた何かが僕の肩を鎧を貫いて突き刺さった。
確かに痛いけどこんなもの、っ!
「げほっ! げぼぉ!」
突然、体中に激痛が走り目の前の景色がグニャングニャンに歪んで見えた。
「アハハハハハハ! 本来はヴァーリに使う予定だったがまあいい!
矢の先にはサマエルの血を塗ってある! 形勢逆転だ! アハハハハ!!」
な……なんでこいつが……そうか……死神がこいつに手引を……。
僕はあまりの激痛に意識が朦朧として、ホテルの屋上に落ちていった。
「がはっ!」
ホテルの屋上の床に落ちただけなのに、僕は口から大量の血反吐を吐いてしまった。
……サマエルの毒を二度も喰らったんだ…………指一本……動かせない……。
「アハハハハ! 汚物はそこで倒れている事だ!」
シャルバの笑い声が僕の耳に届く。
……クソ……。
僕の意識が落ちそうになったとき、あの人の声が頭の中に響いてきた。
『イッセー』
っ! そうだ……あの人が……リアスが待ってるんだ!……こんな所で死ねない!
僕は血反吐を吐きながらも、この両足で立ちあがった。
「オオォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
僕は天を仰ぎ、咆哮を上げる。
「な、何故立つ! 貴様は二回も毒を喰らって何故立ちあがる!」
「死ねない……理由が……あるからだ!
我、目覚めるは 覇王の真理を天に掲げし、赤龍帝なり 無限の希望と
不滅の夢を抱いて、覇道を往く 我、紅き龍の覇王と成りて 汝を真紅に
光り輝く覇道へ導こう」
『Balanse Dorive!』
宝玉からそんな音声が辺りに響いたとたん、僕の魔力が
一瞬にして大幅に上昇し鎧の色が赤から紅へと変化し全身から紅色の魔力が
放出され、煙のように揺らぐ。
「く、紅!? 忌々しい男の髪を思い出さ」
僕は高速で移動し、シャルバの腹部に鋭くパンチを突き刺し痛む体に
鞭を打ってシャルバを殴り飛ばすが、その際の衝撃にすら耐えきれず
口から大量の血反吐を吐いた。
「げぼぉ! おうぇぇ!」
っ! か、体が……ヤ、ヤバい! でも、こいつだけは……倒すんだ!
僕は激痛を我慢し、腹部を抑えているシャルバをもう一度、殴り飛ばした。
殴られたシャルバはホテルの屋上に叩きつけられ
捕えられたままのオーフィスに這いつくばった。
「オ、オーフィス! へ、蛇を! 蛇をくれえぇ!」
「我、今蛇生み出せるほど力ない」
オーフィスの答えにシャルバは絶望しきっていた。
「残念だったね。シャルバ」
「ぐぅ!」
僕はホテルの屋上に戻り、シャルバの胸ぐらを掴んで思いっきり蹴とばした。
「子供達はこの世の宝だ! その子供たちを傷つけようとするお前を! 僕は許さない!」
『BoostBoostBoostBoostBoost!』
「喰らえぇぇぇぇぇぇぇ!」
僕の怒りの感情を乗せた紅色に輝く巨大な魔力弾がシャルバめがけて放たれた。
「どうせ貴様もサマエルの毒で消えるのだぁぁぁぁぁ!」
シャルバの断末魔が一瞬だけ聞こえたけど直後に大爆発が起き、シャルバは
魔力弾に飲み込まれて完全に消滅した。
これで……もう……。
「……帰ろうか、オーフィス」
僕はオーフィスの手を取った。