「ドラゴンショット!」
僕は籠手から大質量の魔力弾を曹操めがけて放つけど、七つの宝の一つの能力を使い
魔力弾をまったく別のところへ移動させた。
「まったく、その宝は一つ一つうざいよ」
「そりゃどうも!」
曹操の目の前に一つの宝が移動してきて
その宝が槍状に変化して僕を貫こうとする。
「プロモーション・ルーク!」
僕はルークへとプロモーションを行い、片腕に魔力を大量に集めて
鎧を図太くするとそれを盾にして槍の攻撃を別の方向へそらした。
反らした槍が高層ビルをいくつも貫き、瓦礫の山へと変えた。
「ふぅ。流石に片腕では反らすのが限界みたいだ」
「両腕では防げるというのかい? アハハハハハ! 冗談がうまいことだ!」
「ありがとう!」
籠手から大質量の魔力弾を何発も曹操へぶつけるけど、それら全てが
宝の能力で別のところへと移動された。
でも、移動させる距離が徐々に曹操に近づいている……さっきほど遠くには飛ばせていない。
「これならどうかな!?」
僕は先ほどの大質量の魔力弾を籠手から凄まじい数を曹操に向けて放つと
曹操はいくつか、別の場所へ移動させたあと今度は自分が動いて魔力弾をかわした。
「ちっ! 相変わらずばかみたいに多い魔力だ! 居士宝!」
すると、曹操の前に一個、宝が移動してきて光輝くと幾つもの光輝く
ヒト型の何かが生み出された。
「行け」
そう呟くと、ヒト型の何かは僕を潰すために一斉に掛かってきた。
『BoostBoostBoost!』
「ぶっ飛びな!」
三回ほど倍加してから先ほどとは比べ物にならないくらいの大きさを誇る
魔力弾を放って、一瞬にして人型の何かを消滅させてやった。
あんなのチマチマ一体ずつつぶしていたら時間がかかるだけだ。
「ちっ! やっぱりまだ調整が必要だな。ならば、これはどうだ! 将軍宝!」
曹操が叫ぶと同時に僕に向かって宝が球状に変化したものが向かってきた。
「うおっ!」
僕は慌ててそれを避けると後ろの風景が一瞬にして変化した。
地面に直撃したであろう宝は周りにある建造物などを一瞬にして破壊しつくした。
……流石にあれを喰らったらヤバいよ。でも、中途半端にしかできていないみたい。
破壊に特化したならこの地域一帯が消滅してもおかしくないし。
「うおおぉぉ!」
後ろから殺気をかんじ、前を向いて槍を籠手で防いだ。
「兵頭一誠。君はまだ何か力を隠しているな?」
「……どうしてそれを?」
僕は至近距離で籠手から魔力弾を放つけど、曹操は宝の能力を使い
まったく別のところへ転移させた。
……確かにあの技を使うことができるほど魔力はある……でも、倒せなかったら
確実に僕は殺されて戻ってくることはできない。
「勘だよ。君からは何か別の強大な何かを感じる。最初はバランス・ドライブかと
思ったが戦っているうちに違うと分かった……いったい何を隠している」
周囲を見渡すと既に町はぼろぼろになっていた。
……この街のことも……みんなのことも考えれば……仕方がない。
「見せなよ。君が隠している力を破ってこそ俺は君に勝てたといえるからね」
「……分かった……曹操……君は必ず後悔するよ」
僕は籠手に手を置き、意識を集中させる。
「これが、奥の手だ」
すると、僕を凄まじい量の魔力が包み込んでいく。
あの人とおなじ……リアスと同じ色の魔力が僕の体から吹き出していく。
徐々に僕を包んでいた紅色の魔力が晴れていく。
「な、なんだその姿は」
曹操が僕の姿に驚きを隠せないでいた。
僕は先ほどまで紅色の鎧を身にまとっていた……でも、今は違う。
まるで布のように変質した紅色の魔力が僕の衣となり、全身に巻きついていた。
それに……髪の色までもが若干茶色気味から紅色へと変色していた。
「この姿をしている間、僕は魔力を無限に使うことができる」
きっかけは会長とのゲームの時だ。匙君が僕の魔力を外に出した瞬間、
まるで炎が一気に広がるように魔力が暴発した。
そこから考えたのがこれ。魔力をある地点から少しだけ出して全身を覆い、
その最初に出た魔力のゴール地点に定めた場所から魔力を再び、体内に戻して
もう一度スタート地点から放つ。永久機関のようなものだった。
「……その代償として僕はこの姿をしている間、セイグリッドギアも
イーヴィルピースも使えない。そして発動後、僕は……二週間、
悪魔の力もセイグリッドギアの力も使えない。正真正銘、最後だよ」
曹操は僕の姿を見て体を恐怖ではなく、怒りに近い感情で震わしていた。
「そんな……そんな事があるかぁ! 俺と同じ人間だった君が!
最強のロンギヌスを従えた俺を超えるなど! そんなことがぁぁぁぁ!」
僕は紅色の魔力を右腕に集め、柄も鍔もない……刀身だけの刀を作り出し
それを握り締めて、ゆっくりと上へと向けた。
「紅に染まれ」
そのまま剣を振り下ろすと目の前が一瞬にして紅色に染まりあがり曹操の姿が見えなくなった。
紅色の魔力が徐々に晴れていき、紫色の空が見えてきた。
近くのビルに何かが衝突したような音が聞こえ、そちらのほうを向くと
先ほどの攻撃を喰らった曹操が地面に倒れ伏していた。
「…………」
僕はそのまま、高速で移動して曹操の近くに降り立つと曹操は
苦しそうな表情を浮かべて僕を睨みつけてくる。
「うっ! うおぇぇ!」
いきなり曹操は口から吐瀉物を吐き出した。
「な、なんだこれは……う、動けない」
「そうだろうね……今、君の体の中には僕の魔力が入っているから」
「――――ッッ! そうか……君の魔力はオーフィス以上の質だと聞く。
……その魔力は君には無害でも……他人には有毒ということか」
「そうだね……この剣は誰かを斬るための物じゃない……
誰かに魔力を分け与えるための剣だ」
徐々に僕が握っていた刀身だけの紅色の刀が消えていく。
「はッ……相変わらず……甘い赤龍帝だ……」
直後、辺りに何かが砕けた音が響き、その瞬間に全身から力が抜けて僕は
地面に膝をついてしまった。
こ、こんな時に!
「ハァ……ハァ……くそ」
「残念だったな……俺にはまだトウルースイデアがある」
そう言ってふるえる手で槍を持ち、杖代わりにして立ちあがると曹操は言霊を言い出すと
聖槍の先端が開き、そこから莫大な量の光を発し始めた。
こ、こんなところで! ……あと少しなのに!
僕が後悔している間にも曹操はトウルースイデアの言霊を言い続けていく。
しかし、徐々に発していた莫大な量の光が消えうせていき最後は完全に消え失せた。
「……そうか……神の意志は……俺の野望ではなく……兵頭一誠の
物語をみたいのか……残念だ」
曹操はそう言って地面に横になった。
ひとまず……僕の勝ちなのかな?
そのまま僕は力が抜けていき、顔から地面に落ちていった。
「お疲れ様、イッセー」
しかし、完全に顔が地面に当たる寸前に何か柔らかいものに抱きかかえられ、
それと同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「……リアス」
「ええ……冥界を救ってくれてありがと」
リアスに抱きかかえられながら立ち上がると、周りにサイラオーグさんや
木場君たちが集まってきていた。
「曹操、なぜ、トウルースイデアは失敗した」
どこかからかヴァーリの声も聞こえてきた。
「……トウルースイデアは亡き神の意志が関係する。この槍をもつ者の野望を吸い上げ
それに相対する者の存在の大きさによって、力を与える。……それは、相手を
破壊する絶対的な力であったり……祝福を与え、心を与えるものだ。……
だが、意志が選択したのはどれでもない……単なる静観だ」
「そうか……やはり、紅の赤龍帝を倒す権利は俺にあるようだ」
ヴァーリは楽しそうにそう言った。
その直後、曹操を見覚えのある霧が包み込み、彼の手を取り立ち上がらせた。
「ゲオルクか……」
「あぁ……曹操。俺たちは多少の計算違いはあれど
大きくは間違っていなかった―――――」
徐々にゲオルクと曹操の影が薄くなっていく……転移するのか。
「……二天龍にかかわると……ロクな目に合わない」
「……だな」
その言葉を残して二人は去って行った。
こうして、僕たちの――――――悪魔と人間との戦いが幕を閉じた。
数日後、無事に戦いの事後処理も終わり、久しぶりに部員の皆が
旧校舎の部室に集まっていた。
あの技を使用して以来、僕はイーヴィルピースも、セイグリッドギアも使用不可能になり、
さらに魔力は生命活動に必要な量以外、消えてしまっていた。
アザゼル先生に調べてもらったところ、魔力に関しては一週間もすれば
復調するとのことだけど、イーヴィルピース、そしてセイグリッドギアに関しては
ドライグの言うとおり二週間、もしくはそれ以上の時間がかかるらしい。
「にしても凄まじい力を得たもんだ。魔力を無限に使えるなんてよ」
「まあ、その代償は大きかったといいますか」
「まあな……さて、そんなことよりもお前たちに試験結果が返ってきたぞ」
あ……最近の激動のせいで中級悪魔試験のことをすっかり忘れてた。
「ま、予想通り全員合格だ」
「よかったぁ~」
先生のその言葉を聞いて、僕は一安心した。
「これで中級悪魔の最強の赤龍帝が誕生ってわけだ」
「おめでと! イッセー! 朱乃! 祐斗!」
満面の笑みを浮かべているリアスを見て、もう一つ、忘れていたことを思い出した。
「リアス」
「なに?」
「デートに行こう」
終わったよぉぉぉぉぉぉぉ! これで後は黒歌とウィザードだけだよぉぉぉ!
まあ、ヘタッピな文章でしたが今まで読んで下さった方! ありがとうございました!