ごく普通の一般男子たちの異世界冒険論   作:クラウンフィールド・ソベルバレンタイン

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メイドとの出会い

それは桜柳咲蘭が異世界に転移したときのことであった。

 

「俺は銀髪の美少女を助けた際にトラックにひかれ海に転落したのであったのだが、なぜこんなところに……」

 

桜柳は薄暗い旧型客車の中のボックスシートに座っていた。

機関車のドラフト音が車内に響く。

 

そう、この列車は以前ベルファが桜柳によって連れてこられた列車だ。

 

「車内販売でございます。冷たいお飲み物、おつまみはいかがでしょうか」

 

「あ、すみません。何か軽食とかってあります?」

 

「はい、マヨネーズクッキー、ゴキブリの素揚げ、ミルワームの岩塩焼き、砂糖マシマシ油そば、チョコレート焼きそばパン、ショートケーキカップラーメンなどがございますが」

 

「まじ?」

 

見たこともないようなお品書きにおののき驚く桜柳。

 

「お客様もしかしてこちらの世界に来て間もない方ですか?」

 

「ああ。トラックにはねられて海の水雲(モクズ)になったような気がするのですがいつのまにかこの列車の中にいまして。」

 

「左様でございますか。お客様はすでにご存じ理解されているはずの通り。もう死亡してしまいました。そしてこの世界の住人となる予定です。」

 

「この世界の住民って、まさか異世界転移ってやつですか」

 

彼はハワイにいた時とても暇だったので、ネット小説で異世界転生ものの小説を読み漁っていたので、それが実現となり驚きを隠せずにいた。

 

「異世界転移……そのような言葉は聞いたことがありませんが。この列車はそのようなお客様が多数ご乗車なさいます」

 

「そうなんですか。あ、とりあえず、さっきのおつまみですが僕が持っている通貨はこの1万円札と500円玉、100円玉しかないのですが買えます?」

 

「少々お待ちください」

 

そういって車内販売のウェイトレスはカバンから機械のようなものを取りだし俺の1万円札と、500円玉、100円玉をその機械の中に入れた。

 

「お、お客様。これはミツマタですね。こんなすごいものを持っているなんて。どこから手に入れたんですか?」

 

ミツマタとは1万円札の原料であり、俺の元居た世界では普通にあったものだ。まさか1万円札が役に立ったとは。

 

「お客様、もしこんな私で良ければ……その、結婚していただけますか」

 

「結婚って……そんなにすごいものなのかこれ」

 

「はい。ミツマタをこんなに大量に所持しているなんて……この世界では考えられません。」

 

彼は元の世界にいた時から、もともと女子たちが集まりやすい体質であったのだが、結婚まで迫ってくるのは初めてであった。

 

「さ、さすがに結婚というのは早いですよ。そうですね、メイドでしたらいいですよ。」

 

「お客様のメイドになれるなんて……私もう、うれしくて仕方がありません。私、ペンシルと申します。いつまでもお客様……いいえご主人様についてまいります。」

 

こうして桜柳は彼自身の初めてのメイド、ペンシルと出会ったのであった。

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