無個性で普通の俺と魔獣母胎で病んでる彼女   作:鏡狼 嵐星

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近々テストがあるので同じか、それ以上遅れます。

感想、評価何度もありがとうございます。マジで感想ください。学生生活きついので、応援してくだしゃい。


Sword,or Death(戦うか、死ぬか) final fight

ドゥムジの提案により、ベル・ラフム対策に乗り出した知性魔獣とヒーローたち。ベストジーニスト、エッジショットを含め戦闘可能なヒーローたちは中心に向かい始める。ベル・ラフムの性質上、魔獣類が最も多いティアマトの付近にいることは間違いないと判断されたからだ。

 

中心より西側。エンデヴァーを含むヒーローたちは中心に向かっていた。最初、大量にいた魔獣類が圧倒的に少なくなっているのを、ヒーロー全員が感じていた。

 

「ドゥムジ。そのベル・ラフムとやらの能力は細胞を改造するといったな? 個性はどうなる」

 

「そうですね。細胞の主をどれだけ取り込んでいるかにもよりますが、その体をすべて取り込んでいるのなら、個性は再現可能です。しかももっと手っ取り早くする方法があります。体を取り込まなくても、脳を直接操作さえしてしまえば、個性の使用自体は可能ですからそこも問題ですね。ラフムという名を持つ魔獣は細胞一つあれば存在できますので、分裂して個性を操ることすら可能です」

 

「ちっ、厄介な能力だ。いくら魔獣類とやらが雑魚共だとしても、すべての個性を操る一つの魔獣になられると話が違う。そいつの潜伏先は調べられんのか」

 

「今やってます。相当な魔獣の数を取り込んでるはずなので、結構でかいはずなんですが。細胞改造の厄介な点が、少々のDNAさえあれば、その生物に偽造できてしまうこと。ただ、量をどう隠しているかがわかりません」

 

エンデヴァーは現状、ドゥムジの個性を最も有効活用できているヒーローの一人である。各場所の状況を逐一報告させ、指示をドゥムジを経由して出し、各魔獣の個性の性質を分析する。ヒーローは数多くいるが、ここまでドゥムジを扱えているのは彼を含め数名である。彼は自身の経験から、ベル・ラフムという存在は敵の中でも相当狡猾で頭がいいと判断した。

 

「エンデヴァー、いきなりですが進路を右寄りに変更してください。シンリンカムイ組が知性魔獣の襲撃を受けました」

 

「早く報告しろ!」

 

腕と足から炎を放出し、空を駆け、進路を右寄りに変更する。他のヒーローたちには変わらず前進するように指令を出して。

 

「今回の知性魔獣がちょっとやばくて。向こうの助っ人は既に母に向けて暴走してるので気づいてません。あなたでも勝てるか……」

 

「ふん、下らんことで悩むな。勝てるかではない、勝たねばならんのだ」

 

「あなたの評価低いのは言い方とか人間性が原因ですね、わかります」

 

「燃やすぞ、貴様」

 

ビルの屋上を複数超えた先に見えたシンリンカムイを含むヒーロー軍団。そこでたった一人、そのヒーローたちを相手するのが、巨大な赤黒い外套をなびかせる、褐色の肌を持つ男。上半身は人間のように見えるが、その下半身は黒い甲殻を持った恐竜のような足や棘しかない尾。そして、まるで怪物のような鋭利な牙をむき出しに笑う顔。それはまさに狂戦士であった。

 

「赫灼熱拳 ジェットバーン!」

 

飛んだ勢いのまま、下降。回転を加え、そのまま拳をその男めがけて振りぬく。その男は右手に持っていた槍を回転させ、拳にぶつける。炎と巨大な音を周りにまき散らし、エンデヴァーをはじく。

 

「……つまらん。少々強いだけか?」

 

エンデヴァーが着地した先にはデステゴロを含めたヒーローたちがすでに転がっており、立っているのはシンリンカムイとMt.レディのみ。

 

「申し訳ない、エンデヴァー。抑え込むどころか、わずかに動きを鈍らせる程度もできない相手だったので、応援要請をしてしまった」

 

立っているとはいえ、シンリンカムイの右腕の木は途中から引きちぎられたかのようになっており、実際立っているだけだった。

 

「私の蹴りを受けて、まともに立ってるやつが多すぎて自信なくしそうなんだけど」

 

Mt.レディも巨大化しているとはいえ、すでに生傷が大量にあり、こちらも戦闘で頼りになるとは思えない。

 

「ふん。後悔するなら俺の前に立つんじゃなかったな」

 

相手の男はこちらの全員を格下としか思っていない。だが、赫灼熱拳を無傷で受けられた以上あながち嘘でもない。そうエンデヴァーに感じさせた。

 

「クーフーリン・オルタ。個性は『死牙の獣(クリード)』。硬く、刺々しい鎧のような骨格を作り上げる個性。その硬さは魔獣としては最高クラス。正直相手したくなかった魔獣の一人ですが、戦う気しかないようですね」

 

「ドゥムジか。母は俺たちに滅ぼせと命令した。ならば俺は滅ぼすだけだ。考える余地などねえ。ただ殺す、それでいい」

 

知性魔獣としての在り方としては異様。自らを知性魔獣とは考えず、唯の魔獣だと考える思考。だが、その冷徹さはその強さと相まって、より強者らしくなっている。

 

「ずいぶんと大きな口を叩くな、オルタとやら。俺をこいつら新人共より少々強いだけと評価したな? 見る目はないようだな」

 

「くだらねえ。お前がどう思おうが、俺の中でお前の評価はそれでしかない。お前もヒーローは負けないとかほざくのか?」

 

「いいや、そんな夢のようなことは言わん。だが、負けないようにするのがヒーローというものだ」

 

「はっ、なら証明して見せろ。それもヒーローの役割だろ?」

 

巨大な赤い槍と爆炎が交差する。両者がそれぞれの個性を放出するその時、巨大な岩の人形がクーフーリン・オルタの背後に一瞬で出来上がり、つかむ。あまりに一瞬だったため、全員がそれに対処する暇なく、個性がぶつかる。

 

「その男は戦いにおいては、我らの中でも相当上に位置する。わざわざ相手の得意な場所で勝負しなくてよいだろう」

 

倒れていない電灯の上にいたのは青い服を着た覆面の男。足とは言えないような、針のような脚部を持つ男の声を出すそれは指を鳴らす。すると先ほどいたような岩の人形が周りにいるヒーローたちを抱えて、この場所から離れ始める。

 

「アヴィケブロン、あなたこの戦いに参加してたんですか。てっきり端っこでゴーレム作ってると思いました」

 

「そうしたかったのはやまやまなんだけどね。父さんへの恩を返しておくのにいい機会だと思った、それだけの話だ」

 

炎に焼かれていたはずのクーフーリン・オルタはゴーレムを切り刻み、炎を振り払った。

 

「真っ先に死にてえならそう言え」

 

既に彼の体は胸元以外の部分が黒い甲冑でおおわれている。その節々に小さくなった赤い槍がある。『噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)』状態、つまり攻撃、防御両方に特化した躯体であるそれは、彼が持つ戦闘形態ある。

 

「僕が死ぬのは大した問題じゃない。母さんさえいれば、時間はかかるにしろ、僕たちはいくらでも同じ思考のまま造り直される。だが人間はそうはいかない」

 

アヴィケブロンは指をもう一度鳴らす。地面が躍動するように彼の踏みしめる地面が隆起していく。

 

「父さんは恐怖している。母さんが人間の敵になることを。父さんは危惧している。人という種の存続を。母さん次第で絶滅するかが変わるんだ、父さんにかかる負担は相当なもののはず。僕たちはただ造られたものだが、役割がある。それを全うしなければならないのは君も理解しているだろう、聞く対象が父さんか、母さんなだけだ。君が母さん側で、僕が父さん側なら話をする価値もない。平行線になるだけだ」

 

隆起した地面は徐々に人型になっていく。

 

「母さんは父さんを傷つけた世界を許さないだろう。だが、父さんは母さんに誰も傷つけてほしくはないんだ。彼女を悪にさせたくない、その一心でね」

 

彼を肩に乗せた土の巨人は大きく息を吸い込む。

 

「僕たちがするのは殲滅だ。だが、殲滅対象は人間という種ではない。さげすむ者もいれば、救うものもいる。そうだろう、炎の男よ」

 

エンデヴァーはドゥムジの言伝で作戦をわかっていた。クーフーリン・オルタがアヴィケブロンに気を取られている間に体の熱を下げ、次の一撃に圧縮する準備をしていた。

 

(はは)に産まれ、(ちせい)を呑み、(いのち)を充たす。(ぶき)を振るえば、(あくま)は去れり。炎を充たす、火を灯す風を抱きしもの、汝の名は『原初の人間(アダム)』なり」

 

「赫灼熱拳 プロミネンスバーン!」

 

巨大な風がエンデヴァーを援護し、炎だったそれは爆炎を超え、命を持った炎となる。不死鳥のごとく、形を持ったそれはまっすぐクーフーリン・オルタへ向かう。

 

「『噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)』!!」

 

小さかった赤い槍が大きく伸びる。その炎を打ち破らんとする。二つがぶつかるとともに、巨大な上昇気流が暗い辺りを一瞬照らす。その光に気づいたヒーローたちは歩みを早める。その炎をエンデヴァーと疑わない者たちは中心へと勇気とともに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「母よ、止まれ。それが本当に望むことか、ならば我らはここを滅ぼさねばならなくなるぞ! それを我が父は望むのか!」

 

巨神のままただ進もうとするティアマトに幾度となく炎の剣を振るうスルト。スルトの炎の剣はティアマトの防御力と大きな違いはない。ただしそれはただ守っているだけの場合。

 

「Laaaaaa---------」

 

女性のような肉体が徐々に変化し始める。女性としての特徴を残しながら、より獣へ。二足から四足へ。巨神から竜へ。

 

「本当に、滅ぼす気なのだな、我が母よ。ならば、俺も我が父の命を全うしよう」

 

ありえないほど開く巨大な口から怨嗟の声をさらに大きく響かせる。スルト本来の火力ならば、一撃でこの状態のティアマトを倒すことはできる。ただしそれは相手が抵抗しなければの話。この状態のティアマトはスルトの出力のはるか上である。

 

「星よ、終われ。灰燼に帰せ」

 

最初に放った時ほどのエネルギーはない。いくら黒泥があるとはいえ、常に供給され続けているティアマトとは持久力が違いすぎる。ティアマトを抑え続けていた彼も、そろそろ潮時だった。

 

「『太陽を超えて煌めけ、炎の剣(ロォプトルッ・レェーギャルンッ)』!!!!!」

 

「Ahrrrr------!!!」

 

ティアマトの口から大量の黒泥が、まるでポンプのように射出される。スルトの炎の剣を受け止め、巨大な爆発を引き起こす。すでに炎を保てなくなったスルトは人間状態に戻り、吹っ飛ばされ、地面に転がった。黒泥の射出は止まらず、ティアマト正面にあった建物の残骸を吹き飛ばし、巨大な道を作り上げる。

 

「Laaa、Aaaaa----」

 

獣のようにそのまままっすぐ進んでいく。スルトは地面に転がりながら、どうにかティアマトを見つめる。

 

「まったく……、我が父も無茶を言うな……」

 

体が徐々に崩れていく感触を体感しながら、スルトは崩壊を待っていた。その影を見るまでは。

 

「eeihnz:q」

 

小さくともその理解できない言語を持つそれを。

 

「……どうやら面倒を掛けるらしい、すまない、ドゥムジ」




エンデヴァー回。私は好きですよ、あのひと。

アンケート取っておきながら、英霊憑依編のネタを書いている始末。(合同訓練のネタを作っていると知性魔獣たちの圧勝で終わってしまう)

というわけで、オールフォーワン書き終わるまでに、合同訓練に出してほしい知性魔獣誰がいいか、活動報告で聞くので、皆さん考えといてください。あ、項羽さんは出ます(かっっちゃんいるし)

仮免、誰がいい?

  • 炎の厄災
  • 獣の厄災
  • 呪いの厄災
  • 奈落の虫
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