また、誤字あると思います。
結局書きました、訓練編。短いし、内容薄いかも知れないけど勘弁して。
「というわけで、ヒーロー科お待ちかねの対知性魔獣訓練です」
知識がない自分が教師として、A組とB組の前に立っているのは違和感たっぷりだが、なってしまったものはしょうがない。
「一つ質問があるんだけど、いいかな?」
「拳藤さん、どうぞ」
「回帰母さんのその状況は?」
「あ~、えっとね、今日の朝、神野区の一件を夢に見たらしくて……」
現状、ティアは俺に真正面からしっかりと抱きついて、胸に顔をうずめている。さっきから微動だにしない。
「まぁ、それは怖かったでしょう。回帰母さんは大丈夫でしたか?」
「暴れる前にどうにか抑え込んだから、しばらくこのままだろうけど、みんな気にしないでね」
A組はこれが相当な回数起こっているため、日常の1シーンと化している。
「ちょっとまって、A組の反応淡白すぎない?」
「俺達はこれまでほぼ毎日見てるからなぁ、慣れるぜ」
「切島ぁ、それ、多分なれたらやばいやつなんじゃないのか。俺が変なのか?」
「鉄哲、あんたはおかしくない」
拳藤が頭を抱えている。君たちは正しいから、安心して。
「今回はブラド先生と相澤先生の協力の下、チーム分けをして、相手になってもらう相手を決めた。前提としていっておくことが2つ」
ブラド先生と相澤先生に知性魔獣に関する資料を渡してもらう。ちなみにチーム分けは合同訓練のときと同じになっている。
「知性魔獣は人間と違って、戦闘用の生物だ。素の状態の筋力や個性の出力がまず違うことを念頭に置いておいて。2つ目は神野区での戦いでも、現役ヒーローですら、知性魔獣に勝つには相当の手間をかけた。簡潔に言うと、勝つことを目的としての訓練ではない、それも頭においておいてくれ」
ヒーロー科の全員が貪るように読んでいる。爆豪も轟も出久も、B組の一人の例外もなく。やっぱりすごい。一人はめんどくさがるものがいてもおかしくないと思うけど、さすが。
「相手になる魔獣は切島、茨チームの相手はジーク。八百万、拳藤チームはランスロット。轟、鉄哲チームはスルト。爆豪、取蔭チームはクーフーリンオルタ。緑谷、物間チームは以蔵。以上がそれぞれの対戦相手となる」
ティアの黒泥が広がり、五人が現れる。それぞれが第二再臨状態、これは力をおおよそ六割ほどに制限した状態。これならいい戦闘ができるだろう。
「各チームに三十分の作戦を立てる時間を用意した。その後、訓練場に移動して、戦闘を開始する。新しい教師として、この訓練を提案したものとして、言おう。良き受難を!」
「Ahrrrrrr-------!!!!」
雄英高校の運動場で、黒い騎士が黒く染まった木の棒を振り回す。いくらただの木の棒とはいえ、ランスロットの個性により強化されたそれは別物である。
「
常闇の個性がその一撃を受けにまわる。だが、ランスロットは受けられる直前に上半身を反らせることで、わざと攻撃を外し、後ろに迫っていたもうひとりに向けて攻撃を仕掛ける。
「ばれてたー!! ザッシュウッ!!」
顔が吹き出しのようになっているB組の吹出漫我。『ザッシュウッ!!』という言葉が勢いよく飛び出すが、ランスロットはそれに向け、棒を突き出し、その言葉を突き返す。突かれた言葉はその場で破裂した。
「吹出、常闇、下がって!」
「用意完了しましたわ!」
拳藤、八百万が二人でランスロットの前に立つ。既に巨大化した拳藤の手のひらには巨大な手袋がされている。
「私特別性の防刃用の手袋ですわ! それなら正面から受けれます! そしてこちらもっ」
八百万の隣りにあるのは巨大な袋に入った黒い塗料。それを拳藤が掴み、ランスロットに投げつける。
「Oaaa----」
難なくそれを切り裂くが、辺り一帯に黒い塗料がぶちまけられる。その中を進むものが一人。
「お前が黒色なら、俺の支配下だ」
「僕も忘れないでよねっ、ネビルレーザーを食らうのさ☆」
青山のネビルレーザーに隠れながら、黒色支配がランスロットに近づく。しかし、ランスロットはなぜか棒を高く上げる。
「Oooooooaaaaaaaーーーーーーー!!!!!」
振り上げたそれを思いっきり地面に叩きつける。一瞬で直径3メートルを超えるクレーターが出来上る。青山のレーザーと黒い塗料を同時に排除した。
「だめだ、やおもも! 近づこうとすると絶対見つかるんだけど、どうなってんの!?」
「あの甲冑、キノコ生えない。絶望しちゃう」
葉隠と小森希乃子がどうしようもないと帰ってきた。作戦の大半を潰された上に、決定打を与えられないことに焦りを覚える一同。
「Ar」
そんな彼らをランスロットは指を使い、挑発をする。もっと来いと。
「……8人がかりだって言うのにね、まったく! 次の作戦行くよ、みんな!」
他の全員が一気に動き始める。ランスロットはその赤い眼光をより強く光らせる。騎士として、後の戦士たちの実力を見定めるため。
巨大な訓練場の一つ、巨大ビル群。ここでの訓練を受けている8人のうち上鳴、切島、宍田獣郎太、円場硬成は今現在、全力で逃げ回っていた。なぜかは簡単である。
「逃げてばかりではどうにもならないぞ。君たちの力を見せてほしい」
「そんなこと言ってもどうにもなんねーことがあるだろうがぁぁあああっつ!!!!!」
全力で叫ぶ上鳴たちを追いかけるのは邪竜形態に変化したジークである。空中からのブレスを避けながら、四人でどうにか逃げ切れていた。
「上鳴氏、あれどう対処するつもりだったんですかな!? 最初の自信はどこへ行ったんですかな!? ご返答をお聞かせ願いますぞ!?」
「資料からだと、ドラゴンになるってことだけ書いてあったんだが、あんな巨大になるとは思わないだろ!? リューキュウぐらいの大きさだと思ってたんだよー!」
「無駄話してる暇ないぞ、上鳴、宍田! 円場の個性でどうにかしのいでるけど、走るのもそろそろ限界だ、どうにかするぞ!」
切島が全身を硬化させ、空のジークを睨む。ジークはただそこに佇み、その口内に炎を溜め込む。
「待たせたわね、切島ちゃん!」
「『鳥たちよ、空を龍から取り戻すのです』」
「大いなる邪竜よ、その身を地に落としなさい!」
ビルの上から飛び出した蛙吹が、上鳴のポインターをいくつかジークの体に貼り付けていく。鳥たちはその援護をし、視界の邪魔をする。茨は大量の蔦をビルからジークに覆うように放つ。ジークの翼を狙う攻撃だが、ジークはそれを察し、体を人型へと変身する。
「やはり、人型でなければ広範囲攻撃は避けられないか」
そのまま飛び降りるジークにはポインターが付いたままなのを上鳴は見逃さなかった。
「わざわざ降りてきてくれてありがとよ! それだけポインターがついていれば、ただじゃすまねえぜ!」
「もちろん、わかっている。ただで一撃はもらわない」
腰の剣を抜き、角と翼、尻尾を生やす。真正面からくる大電流を真正面から切り抜く。多少のダメージを無視し、地上にたどり着くと、そのまま上鳴に斬りかかる。それを切島が受ける。
「近接戦闘なら望むところだ!」
「私もいることを忘れては困りますぞぉっ!!」
隣から宍田が突っ込む。それを見て、ジークは息を吸い込む。
「させるかよ!!!」
ジークの目の前に巨大な空気の壁が完成する。ジークは吸い込んだ息を止め、切島へと向けていた剣を空中に投げながら、後ろへと後退しつつ、空気の壁に触れる。
「『
空気の壁は一瞬で粉々に破壊され、それに反応した切島が殴りかかるが、それを炎を吐くことで止める。
「隙ありだぜ!」
鱗 飛竜が巨大な鱗を2つ飛ばす。それはジークの完全な背後であり、尾で一枚を弾くが、もう一枚が翼に直撃する。
「……父上が期待を示す理由がわかる。おまえたちが信頼しあっているのもよく分かる。俺も、力を一つ開放しよう」
翼を大きくはためかせ、空中の剣を回収しながら、8人全員から退避する。手のひらの青い紋から光が溢れ出る。
「我が『邪竜身体』はただ龍の姿であることにあらず。邪竜たるその力を魔獣である俺の体に宿すことを意味する。故に俺は人となれ、竜の力を一時的に体に現すこともできる」
剣を持ったその手の青い紋様は、その光を体に浴びさせる。
「『
髪は白く染まり、その体は一回り大きくなる。筋骨が育ち、より龍らしくなったジークは雄叫びを上げる。龍として、魔獣として生まれながら、
授業の途中でティアがご褒美がほしいとごねだして、あわや授業が中断しかけたのを見かねた相澤さんが、代わりを用意することを条件に一時退出を許可してくれた。なので、代わりにキングゥをおいて、雄英高校の俺たちの宿舎に戻る。
雄英高校のA組校舎の地下に広い空間がある。生活感がある広いリビングに隣接するようにキッチンが設置されている。冷暖房に床暖房、トイレと風呂は別な上、巨大なベッドルーム。何を隠そう、俺とティアの部屋である。いくら一階分しかないとはいえ、高級アパートレベルなんだけど。雄英高校まじでどうなってんだか。
「それで、ティア。いまお昼の真っ只中なんだけど、ベッドに押し倒されているのはなんで?」
キングサイズのベッドの真ん中に顔を赤らめ、息を荒くしているティアに押し倒されている。まぁ、理由は先程あったことだと思うけど。
「しゅうが、最近、ヒーロー科の訓練関連の仕事ばっかりしてるっ! もっと私とラブラブしようっ!」
夜に十分してるでしょうが、この子は。いくら何でも教師になったんだから、やることやらなきゃいけない。でも、わかんないだろうなぁ、ティアは。
「それに、子供を作る約束もまだだもん。もっといっぱい、シテもいいと思う。いいから、しゅうは私と愛し合うの」
「いや、でもお昼作らなきゃいけないし、家事とか諸々……」
「知性魔獣たちにやらせる」
あの子達を、なんて贅沢な使い方するの!? もともと、訓練のために知性魔獣たち呼んでたけども! 先生たちが聞いてたら頭抱えるぞこれ。
「だ、か、らぁ、今から子作りするのっ」
髪の毛を体中に巻きつけてきて、首元に抱きつきながらキス。ティアが欲求不満に耐えられなくなったとき、最初にする行為。こうなったら止められないから、相手するしかないかぁ。ティアを頭をなでながら、キスに応える。
「んむっ❤︎」
彼女は思いっきり攻めるタイプだが、攻められると結構弱い。キスの主導権を奪って、位置を逆転する。
「はぁっ、しゅうっ、もっと❤︎」
手を伸ばして、もっとしてほしいとねだってくる。
「今日はあんまり時間かけられないから、こっちも触ってあげる」
ティアの角の根元に指を沿わせる。角の感触はなんとも言えない。硬いけど少し柔らかい。爪と肌の中間のような感触。
「あぁぁぁっっ❤︎!!」
彼女の最も感じやすいのは角。初めてそこを攻めた時、一番乱れた。そのまま角の全体を優しく撫でる。
「ふうううっ、ふぅぅううっっ❤︎」
髪の毛の締まりが強くなってきた。我慢も限界かな。耳元で甘く、小声で囁く。
「ティア、愛してる。この世で一番、ね」
この後、休憩なしで二時間くらいすることになった。流石に体力足りない。
「この場所からみてると結構壮観ですね。知性魔獣が寄ってたかって家事をしている光景など、そう見れません」
「そういうドゥムジも働いたらどうだワン? 吾輩はお父様に猫缶を渡されてしまったがゆえに、ちゃんと掃除しているのである。あ、ワン」
ソファの上で足を伸ばすドゥムジと、机を拭く猫の手をつけたエプロン姿でワンという語尾をつける、新知性魔獣その1、タマモキャット。
「今回はお母様の命令です。戦闘用の方々はすべて訓練に出払っておりますし、我々がやるしかありません。映画が見たいので手早く終わらせましょう」
キッチンで、銀の寸胴鍋でビーフシチューを煮込む、銀色の体を持つメイド。新知性魔獣その2、トリムマウはその表情を動かさずに言葉を放った。
「手早く終わらせることには同意します。
知性魔獣の中では珍しい、完全な設置型である彼女は、柊が整理していた教師や授業関連の仕事を高速で処理していた。美女の顔に機械の仮面のようなものをかぶせたような魔獣、ムネーモシュネーは告げる。
「風呂とトイレの掃除を終わらせてきましたぞ。父上と母上は寝室ですかな?」
風呂場から出てきたのは、白い仮面に黒く細い体を持ち、赤とオレンジ色で彩られた長すぎる腕を持つ、呪腕のハサン。ティアの命令で、風呂とトイレの掃除をしていた。
「そういえばキングゥはどこに行ったワン?」
「授業を見に行ってますよ。やりすぎたら止めるのは本来しゅうさんですが、今はティアさんの相手で忙しいでしょうし。そろそろ私も解説役として行かなくては」
ドゥムジがのっそりと起き上がる。もともとこの羊はある程度時間がたったあとに訓練場に行くように、柊から言われていたため、これから動き出すつもりだった。
「学生の皆さんには無茶させないようにするのですぞ!」
「キングゥが一応無理しないように言い聞かせる役割があるはずですが……、まぁ、期待はしないでいきましょう」
また感想お願いします。必死こいて続き書くので。
他ネタ書きたいけど、まじで時間がない。
仮免、誰がいい?
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炎の厄災
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獣の厄災
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呪いの厄災
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奈落の虫