そして、毎度のことながら時間がかかって申し訳ない。
一応、やめるときはお知らせしますんで!
ネタはアホみたいに生まれる厨二病なんで!
来年度には社会人してますけども、ゆっくりと続けていきますんで!
書きたいものはあれど、時間がないんですよ。もう修士論文書かなきゃならんのですよ。無茶ばっか言いやがって教授このやr(割愛)
今回もゆっくりお楽しみください
「うぉらぁっ!」
救護者たちを守るために前に出た砂藤がモースを殴り、爆散させるものの、爆散させた塊たちが他のモースと合体し、再生してしまう。他の生徒たちも各々攻撃するが、物理攻撃程度では全く応えていないらしい。
「おいおい、キリがねえぞ、こいつら!」
「救護者を運んで、早く!」
「やってる!周りにいる数が多すぎて、この包囲網を抜けられねえ!」
その形状から、あらゆる瓦礫や障害物の間をすり抜けるようにして、様々な場所から出現し、自分たちの体の一部を投げて攻撃するモースたち。受験者たちの個性が攻撃手段を持っていたとしても、物理的な攻撃がほぼ無視されてしまうためか、状況の改善の兆しが見えない。
「……っ、今、ここにいるみなさんだけでも聞いてください!」
その光景を見ていた八百万が拡声器を創り出し、周りに叫ぶ。雄英高校が与えられたヒントは『全てのヒントを合わせなければ、厄災は追い払えない』こと、現状を打破するために協力してほしいことをモースに対処しながら伝えた。
「それは本当なのか?」
「確かに、各高校がヒントを与えられているのならその可能性がないわけではないわね」
「ただ、魔獣を創っている人は雄英の出身者だろ? 雄英が試験的に有利になるようにしているんじゃないのか?」
各生徒たちが親しい者たちとその真偽を見定めようとする。八百万も疑われること自体は承知の上であったが、『奈落の虫』の姿とその個性を見て、受験生同士がバラけている場合ではないと判断した。それ自体も他の生徒も察してはいるものの、決断ができない。個人の問題ならともかく、同じ学校の仲間も巻き込む判断をすることができない。
「いや、私達、士傑高校は君たち雄英高校を全面的に信頼する。ヒントを共有しよう」
「毛原さん!?」
しかし、1人が協力に名乗りを上げた。士傑高校のクラス委員長である毛原長昌だった。同じクラスのメンバーらしき男が驚愕の声を上げる。毛原はその男に向けて怒鳴り始める。
「馬鹿ども、私達は何を目指している!? 民衆を救う
その一括に周囲も色めき立つ。合格したいという気持ちが勝り、表面上は協力しつつも、相手を出し抜きたい気持ちが表に出てしまっていた事実があった。彼らが目指した
「あんな怪物、俺たちだけじゃ倒せないもんな。よっしゃ、俺たちがもらったヒントも出す!」
「仲間同士でいがみ合っている状況じゃないものね。あれをどうにかしないとどうしようもないし、協力しましょう」
襲いかかるモースに対処しながら、次々と参加表明が出る。八百万たちの元へ生徒が集まり、ヒントを共有しようとしたその時、倒れたビルの向こう側からそれに匹敵するレベルの大きさのモースが出現する。
「何あれ!? ヤオモモ、とんでもないサイズのやつ来た!」
「響香ちゃん、あれを追い払えるかしら。このままだと押し負けちゃうわ」
「いや、あれは流石に厳しい。ただでさえ、あの黒い塊にはうちの音が聞きにくいみたいだし……」
葉隠、蛙吹、耳郎の三人が巨大なモースに対して前に出る。それに気づいたのか、巨大なモースがその一部を使い、頭の上に徐々に黒い塊を作り上げる。それは、救護者とそれを守る受験者たち全員を押しつぶせるほどの大きさだった。
「あの大きさはまずい。あんな物が落ちたらどうにもならないぞ」
「下がるぞ、
障子の多数の腕と常闇の黒影によって、前線に出ていた葉隠たちや他の生徒達を下げようとするが、巨大モースの動きのほうが速く、頭上にできた球を振り下ろそうとした。しかし、その時、巨大な氷塊が生成され、モースを刺し貫く。そして、その氷の上を走るように火炎が伸び、モースを焼いていく。
「すまん、待たせた」
「轟ィ~~、待ってた~~!!」
ピンチのところに駆けつけた轟に、後方で被災者運搬の手伝いをしていた瀬呂の声が響く。そして、他の高校との話し合いを終えた八百万が、スピーカーを持ちながら走る。それに気づいた轟は、アイススケートをするように氷を生成しながら、その側に移動する。
「八百万、あいつら、物理攻撃には硬いみたいだが、氷や炎は効くらしい。そういった個性が使えるやつを集めてくれ」
「了解しましたわ! では、轟さん、その魔獣たちの対処をお願いします! 私たちは各高校に割り当てられたヒントを皆さんに知らせながら、知性魔獣への対処をします!」
「任せろ」
周囲のいたるところに存在するモースに対して、轟は他の受験生たちの間を縫うように、氷結と業火を浴びせる。他の高校の面々も、共有された弱点から使えそうな個性を持つ面々が前に出てモースの対処に向かい始めた。
「
徐々に救護所へ進む『奈落の虫』に対し、反撃するように動く爆豪と夜嵐を見ながら、背中の救護者を運ぶ上鳴と切島は徐々に影が見え始めた救護所に勇気づけられていた。
「ようやくだぜ、上鳴ィ!」
「そうだな、切島ぁ!」
背中に最大限気を配りながら、できる限り急いできた2人の顔には疲労感を感じさせる。すると、そこへ見るだけで美しいと感じさせる青年が降り立った。
「いやぁ、ご苦労さま! 雄英の子だよね? 救護者の反応は君たちの分を含めれば全てだ。あとは運びきるだけだよ!」
「おう、知らせ、ありがとな! お前は?」
「ん? 僕かい? なぁに、ただの君たちのファンだよ。見回るのに都合の良い個性でね、挨拶ついでにお知らせに来たのさ」
複数の虫を引き連れながら、きらびやかな笑顔でそう語る青年に、切島は意外な反応に言葉をつまらせる。一次試験では合格を奪い合う敵同士だったのにもかかわらず、好意的に接されることにむず痒さを感じたからだ。
「と、無駄話をしている暇はなさそうだね。上の虫も僕たちがゴールに近づいていることに感づいている。なにか始めるかもね」
青年の言葉が発された瞬間だった。『奈落の虫』が急激にその高度を落とし、地面近くに体を下ろし、その口を救護所方面に向ける。そして、砂埃が浮くような弱かった吸い込む力が徐々に、小さな瓦礫を吸い込むほど強くなり始めた。切島と上鳴はこの直線上から離れており、それをすぐに観測できた。
「ちょいちょいちょい、何してんだ、あの虫野郎! 救護所丸々吸い込むつもりか!?」
「まずいね。あのままだと飲み込まれるのも時間の問題だ。まだゴールまで若干距離があるよ」
「くそっ、おい、そこの美青年! 背中のこの人運んでくれねーか!? 俺の電撃、浴びせてくるからよ!」
「ああ、任せてよ」
切島の焦る言葉に同調する青年。実際に、救護所周りでは強烈な風で、受験生も救護者も動けておらず、どうにかその場にとどまっているような状態だった。つまり、『奈落の虫』の妨害に動けるのは、確認できる限り、ここの三人だけ。そこで、遠距離攻撃ができる上鳴が声を上げて動き、背中に預けた救護者を青年に引き渡そうとした。
「待って!!!」
だが、その間に飛んできた人物によって遮られてしまう。
「緑谷!? 何してんだ、お前!?」
それは緑谷であり、彼は切島と上鳴の前に立ち、青年の前に立ちふさがる。
「ごめん、説明は後! 2人とも急いで、救護所へ!」
緑谷はフルカウルのまま、つまり戦闘態勢のまま、青年に向き合う。その言葉と行動に疑問を抱く2人。説明は後と言われたが、納得できるわけもなく、動けずにいた。
「待ってくれ。理由は知らないが、仲違いしている暇がどこにあるんだ? 今は救助優先だろう?」
「そ、そうだぞ、緑谷ぁ! 何だってんだよ!?」
青年の困ったという態度に同調する上鳴。それでも緑谷は姿勢を崩さない。
「……『奈落の虫』を見たときから引っかかっていたんだ。奈落を作り出すという桁外れの個性とあの大きさの魔獣。確かに強力だし、勝てるように思えない。でも、柊くんはたしかに言った。会場を襲撃する魔獣は
ただ強烈な風の音だけが響くのに、そこだけが無音のように静けさが満ちる。
「知性魔獣という魔獣は、名前の通りで、知性を持って自律的に行動する事ができる魔獣。そして、彼らは過去の偉人や怪物からその名前が与えられている。だからなのか、彼らはどこかに人らしく感じるものが仕込まれていた」
緑谷たちはかつてあった知性魔獣たちを思い返す。項羽、イヴァン雷帝、スルト、ドゥムジ、ヘシアン・ロボなど、その姿はたしかに魔獣だろう。だが、その何処かに人らしき何かを持っていた。形状はもちろん、外見が人でないものは流暢な言葉を持っており、既に雄英高校の面々は知性魔獣が人とほとんど変わらないと感じてすらいた。
「でも、あの『奈落の虫』は? ある程度の意思があるとしても、人のようには見えないし、言葉が通じるような相手でもない。加えて、『奈落の虫』のもう一つの名前はオベロン・ヴォーティガン。どちらも人、いや人の形を持つ存在の名前だ。ここでそのルールを曲げるようなことを柊くんがするとは思えない」
青年が『奈落の虫』のもう一つの名前を聞いたときに、少し表情を固める。
「最後に、柊くんが『厄災』という名前までつけた理由。最初は、災害を再現できるような個性を持っているんだと思った。でも、それなら『災害』でいいはず。『厄災』という名前をつけた理由があるはずなんだ。それには心当たりがある。柊くんはそれを明言していないけど……」
緑谷はまっすぐ青年を見据える。決意したように言葉を繋げた。
「キングゥさんがいる以上、回帰母さんはやろうと思えば、完全に人型の知性魔獣を、いや
切島と上鳴が目を見開いた。どこか気づかないようにしていた。それは最早、人どころか神の領域であり、そんな事ができるとは思いたくなかったからだ。
「脳無みたいに、個性によって作られた人間。柊くんが『厄災』と評するなら、それほどのものだと思う」
未だに救護所に向け、その大口を開けていた『奈落の虫』に巨大な爆撃音が響き渡り、土煙が4人の周りまで駆け抜ける。緑谷はそして、と続ける。
「さっき会った口田くんから、この会場にいる虫たちと話せないって言われたんだ。そして、少し前に現れた黒い塊の魔獣の一部をよく見たら、ものすごく小さな虫たちが蠢いていた。つまり、あれを生み出した『奈落の虫』もまた小さな虫の集合体!」
状況を察し始めた切島が上鳴に呼びかけ、救護所へ走り始める。
「『奈落の虫』が、奈落を生み出す小さな虫の集合体。この会場の虫たちも、黒い塊の魔獣とも口田くんが会話できない以上、その虫たちは誰かの影響を受けていることになる。そして、この会場で虫を操作できる個性は、口田くんを除けば、君だけだ」
青年はその笑みを崩さない。そして、困ったような口ぶりで返答した。
「あまりに突拍子もない話じゃないかい? 全て君の妄想じゃないか。その柊って人への信頼性が本当なのかどうかも怪しいよ」
「じゃあ、
青年の顔が初めて歪んだ。すぐに直そうとするが、その瞬間は間違いなく緑谷に見られてしまった。大きく息を吸い込み、青年はため息を吐いた。
「いやぁ、ははは。君も随分、性格が悪いね」
青年が腕をふると、『奈落の虫』が破裂し、巨大な黒い渦となって青年の周りを覆う。純白だった衣服は黒く染まり、人間の腕だったはずの左腕は甲殻に覆われていく。虫を潰すようなクチャクチャと響く気味の悪い音ともに、彼の背中からトンボのごとき二対の羽が生まれる。怪物のような両足をもって地面を踏みしめながら、灰色になった髪の上に在る青い王冠の位置を正す。
「正体を見破ってくれたお礼に、
先程のようなきらびやかな笑顔ではなく、不敵な笑みを浮かべながら、彼は語る。
「崩壊の咎。黄昏の跡。真夏の夜の夢。俺はオベロン・ヴォーティガン。魔獣と同時に人として産み落とされた、くだらない哀れな一匹の虫だよ」
是非とも感想をお願いします(n回目)
あ~、修士論文やだぁ。
仮免、誰がいい?
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炎の厄災
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獣の厄災
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呪いの厄災
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奈落の虫