無個性で普通の俺と魔獣母胎で病んでる彼女   作:鏡狼 嵐星

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はい、最新話。三話で日間一位はさすがにあほだと思ったんだけどどうなのだろうか。
鯖はキングゥとイヴァン雷帝となりました。魔獣案はあまりこないね。
大学で課題結構多くて、また時間かかるかも。感想、評価プリーズ。

追記
内容を変更。轟の行動変化


二人分とはいえ料理を作るのも大変

ヒーロー基礎学。現代に増えた新しい学問。学問とか言ってるが、実際はヒーロー訓練。雄英はそれを先行してやろうという感じでやっている。

 

経営科も新しい概念として、ヒーロー事務所経営専攻というコースもある。俺が目指すのはそのコース。将来、ティアはヒーロー事務所を立てる。まず間違いない。

 

ヒーローの中でもトップヒーローは仕事の量が多いので、会えない時間が増える。つまり、ティアに絞られる時間が増える。仕事と並行してそんな生活してたら、さすがに死ぬ。

 

ということで仕事の効率化のため、自分の命の保障のために経営技術をしっかり学んでいる。ちなみにだが、経営科はヒーロー科や普通科よりもサポート科との交流が多い。ヒーローを支える立場だからだろうか。そのせいで少し悩みの種が一つ増えた。

 

「というわけなんですよ、北水さん!」

 

「いや、俺そんな専門用語羅列されても訳わかんないし」

 

「いえいえ、私のベイビーたちの役割を私の考えつかないような方法で考えてくれたんですから、こう、ひらめきみたいなのでいいですよ。アイデアをお願いします!」

 

発目 明。原作でも主人公を支えているサポート科の異端児。俺は彼女のキャラ的な意味で好みなのだが、この場をティアに見られたらと思うとぞっとする。合同授業はやく終わってほしい。

 

 

 

 

 

 

「さて、諸君。実践訓練だ!」

 

ヒーローコスチュームというのはなかなかいいものだった。全身を覆うように一段白い肌のような装甲をこしらえ、その上に黒と水色の布をしつらえた特別防御に割いた装備。私の能力の弱点は私自身。戦闘能力が低いことがネックなので、防御力に割いた。

 

「今回はヒーローチームとヴィランチームに分かれてもらうぞ。ここにくじがあるので引くように」

 

2対2か。軽い。ここにいるお遊びに近い感覚の子供たちなら楽勝にしか思えない。

 

「回帰母少女、悪いが君だけは一人になってもらえないだろうか」

 

オールマイトの提案に少し驚いた。この人は全員平等っぽく扱うと思っていた。

 

「構わないけど」

 

「すまないね」

 

平謝りするトップヒーローに、私は珍しい話の種ができたぐらいにしか感じなかった。しゅうに話したらどう思うかな?

 

「先生! なぜ回帰母君だけ一人なんですか? くじで決めればいいのではないでしょうか?」

 

メガネの子が大きな声で質問してくる。うるさい。

 

「あー、そうだね。今回は話さないといけないかな」

 

こちらへ視線を向けてくるので、どうぞと許可を出す。知られて困ることではない。

 

「彼女は現在、雄英入試史上で合計点数最高記録をたたき出した子なんだ。筆記が入試トップなのに加えて、二次試験の合計点数は308点」

 

全員の顔が面白いことになっている。これもしゅうに話したら面白がるかな?

 

「二位の子の四倍以上の点数だし、過去200点を超えた子は片手で数えられるぐらいはいるが、300に乗った子は前例がない。彼女の実力は既に雄英教師陣も認めざるを得ない状況になっていてね。君たちには申し訳ないが、今回の授業では一人余ってしまうので、彼女にお願いさせてもらった」

 

さすがにこの会話を聞いて、周りは大きな反応を見せ始める。特に赤と白の髪の男とうるさい爆発男の視線がうっとおしい。ついでに小さい子供の視線が嫌。今すぐ目を潰したい。

 

「くじを引いてくれたかな? では割り振りをして訓練を始めるぞ!」

 

そのあとの試合は初めに行った、緑谷が自己犠牲の精神を見せた時ぐらいしか見どころがなかった。それ以外は特に見なくても想像がついた結果だったし。

 

「うむ、みんなお疲れさまだ。さて、回帰母少女。君には私と訓練をしてほしいのだが……」

 

「ちょっと待ってくれ、オールマイト」

 

会話に割り込んできたのは赤白髪。さっきの訓練でもまぁまぁな実力を持っていた子。

 

「その訓練、俺にさせてほしい」

 

へえ、私に挑む? 意外に度胸がある。

 

「いや、それは……」

 

「構わない。私はだれが相手でも」

 

「おい、待てェ! それなら俺がやる!」

 

爆発男も出てきた。まぁ、予想できたけど。そこから俺も試したいと、クラスの幾人かが手を挙げた。私は全員が相手でも構わないのだが。結局、オールマイトが折衷案を出し、赤白髪と爆発男の二人となった。

 

「くじの結果で、回帰母少女がヴィランチーム、爆豪くんと轟くんがヒーローチームだ!」

 

割り振りに従い、ビルに向かう。その時、二人がこちらを向く。

 

「おい、黒角女。本気でこいや。ブッ殺してやるからなァ」

 

「俺もあんたの本気とやらせてくれ」

 

どちらも本気をお望みか。面白そうだし、新しい子の実験にさせてもらう。ビルについた後は黒泥(ケイオスタイド)を広げながら考えを練る。少々痛めつけても構わないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、実践訓練開始!」

 

オールマイトの号令。俺は個性の調子を確かめながらビル内に入る。

 

「おい、半分野郎。てめぇ、邪魔すんなよ」

 

爆豪が二つに分かれる道の左へと走っていく。実際離れたほうがいい。爆豪と俺の個性では互いに邪魔しあうだけだ。

 

ただ妙だ。俺の予想では入ってすぐにでも攻撃が来るとふんで準備していたんだが。

 

「クスクス」

 

後ろからの笑い声に反応し、氷を射出する。しかし、そいつの前で一瞬で溶ける。出てきたのは、燃えている妖精のような奴だった。全身が白のような黄色に、手や足は黒い。二本の角があり、額に二つのひし形を縦に並べたマークがついている。

 

「氷に対して炎か」

 

俺の個性に関して気づいているのか? いや、そんなことを考えていても仕方ない。こいつ自身は常に燃えている。凍らせることは難しいか。

 

「キシャァァーー」

 

通路の逆側からも新たに声が聞こえる。視線だけ向けると、そこにいたのは身体測定の時にいた足が燃えている奇妙な赤い獣だった。こいつも炎か。

 

妖精が前から突っ込んでくる。空中に浮いているせいか、腕だけではなく、足も使って連続攻撃してくる。炎の熱が予想よりも強い。氷でも少しの足止めにしかならない。

 

後ろの獣も黙っていない。前後からの攻撃を裁くことしかできない。くそっ、氷だけでは無理か。

 

「くそ虫がァ、死ねやァァ!!」

 

通路の向こうに爆豪の姿が一瞬見えた。人の顔ほどあるほど巨大な虫の軍隊と人の下半身ほどの大きさを持つヤドカリの軍隊に襲われているようだった。こちらを見てきた爆豪の目を見て、虫とヤドカリに向け、氷を放つ。逆に爆豪は腕の爆発弾を使って、獣と妖精を吹っ飛ばした。

 

「向こうは完全に俺たちの対策済みってわけだな」

 

「うるっせェ! んなことはわかってんだよ!」

 

爆豪はガンガン進んでいく。回帰母が核を置いているのは四階。この戦闘が続くとなると、向こうもそれに対抗してくるだろう。時間が問題だな。

 

「Aaaaaa---------……」

 

回帰母の声。体力テストの時の様子から見るに、操作の指示をしているはずだが。階段の近くに来たが、上から巨大な足音がする。出てきたのは巨大な岩の巨人。階段の前に陣取っていて、そのままでは突破はできない。それに、まわりからも変な音が聞こえる。

 

「邪魔だァ!!」

 

爆豪が石像に襲い掛かる。俺は後ろの音を確かめることにした。ねちょねちょと粘着質だ。徐々に見えてきたのは、まるで地上で動けるようになった青いヒトデのような生物だった。どれだけ生物のストックをもっているんだ、回帰母は。

 

体をこちらに向けて覆いかかろうとしてくる。凍らせようとするが、なぜか凍らない。これも耐性持ちか。

 

「どうする?」

 

考えて使っていたが、体の冷えが増えてきた。氷で対処できる魔獣がほとんどいないこの状況、打開する策がない。忌々しい半身はどうやっても使いたくない。そして、触手の軍勢に対していたとき、視界の端に奇妙なものをとらえて、反射的に体をずらした。そこを巨大な熱線のようなものが通る。

 

「次々と…」

 

熱線の方向には巨大な目玉が浮いていた。そいつがこちらを見ると炎の玉のようなものが飛んできた。対処しなければいけない敵の数が多すぎる。この状況を打開しなければ。

 

「離せや、くそ雑魚がァ!?」

 

どうやら爆豪が逃した触手の一匹につかまったみたいだ。目玉に気を取られていたらこれだ。援護しようにも、次は石像が邪魔をしやがる。こいつら連携もとれるのか。

 

そのあとも、魔獣に翻弄され、結局、二階にたどり着いた時点で時間切れになった。確かに実力の差を認めざるを得ない。ここまで強いとはな。俺もまだ強くならなきゃならねぇ。良い目標になってくれる。あのクソ親父を超えるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日の晩飯はキムチ鍋~♪」

 

鍋に火をかける。あらかじめ仕込んで置いたから味がしみ込んでいるはず。そろそろティアが帰ってくるし。

 

「ただいま、しゅう~」

 

玄関からキッチンにいる俺のところまでやってきて、抱き着く。そしてにおいをかぐところまでが一通り。

 

「……他の女のにおいがする」

 

抱きしめる力が強くなる。声もトーンが下がった。怖いです。黒い瞳で見上げてくる。

 

「今日はサポート科との合同で、女子と一緒だったんだよ。さすがにそれぐらい許して」

 

「理解はしている。でも納得はしてない。しゅうから他の女の香りがするのは嫌」

 

不満そうな顔で首元まで手を伸ばして抱き着いてくる。体をこすりつけるようにしてくる。まぁ、これならまだかわいいほうか。

 

「……ねえ、しゅう」

 

「なに?」

 

「私って嫉妬深い?」

 

……それって今話す話題なの? 初体験の時も十分だったが。

 

「俺がほかの女の子と付き合うって言ったら?」

 

「捕まえて抱きしめて髪で縛って徹底的に愛していっぱいして孕んでキスしていろんな場所に私のものって印を……」

 

「はいはい、わかったわかった。ティアは俺のこと好きなんでしょ? 嫉妬ぐらいしてもおかしくないし、俺だってするし」

 

さすがの羅列に背筋がブルったので、止めた。というか、彼女の前で彼女を否定するようなことを言えば、すぐにそれを直そうとする。悪いことじゃないけどさ。

 

「今のティアでいいさ。付き合うことを決めた時点で、ある程度の覚悟してたし」

 

ティアの頭をなでながら、考えていることを話す。逃げられると思ってないし、逃げる気ないし。……なんかティアの様子がおかしい。

 

「はふぅ、しゅう、しゅう。えへへ、すりすり。ねえ、ねえ、しゅう、いまシよ。というか、するから」

 

髪の毛が手やら足やらにまとわりついて、部屋に連れ込もうとしている!?

 

「ティア、ご飯作ってるんだけど!?」

 

「お鍋でしょ? シテからあっためなおせばいい。チガウ?」

 

「違いません」




今回数が多いから個性説明なしね(思いついていないのがいる)

仮免、誰がいい?

  • 炎の厄災
  • 獣の厄災
  • 呪いの厄災
  • 奈落の虫

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