無個性で普通の俺と魔獣母胎で病んでる彼女   作:鏡狼 嵐星

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鯖はしばらくでないといったな。あれは嘘だ。

ごめんなさい、石はは投げないでください。イヒー。

いきなりキチってごめんなさい。一か月ぶりの更新どうぞ。

感想ちゃんと見てるから、もっとプリーズ。


ちなみにちゃんとディナーに行った

USJという施設がある。ユニバではない。嘘の災害や事故ルーム、略してUSJである。

 

……安直すぎんだろ!?

 

いや、突っ込んじゃいけない。雄英の教師って意外にアホが多い。頭はいいんだが。

 

とか何とか言ってるが、経営科はそこに行く機会はない。経営科がヒーロー訓練に行っても意味がないのは当たり前だ。興味のある希望者を募って、見学ツアーなどはやっていると聞いたが。

 

原作ではそろそろヴィラン連合の襲撃があるはずだが、長い間原作を見ていないせいでうろ覚えな部分がある。具体的な時系列を覚えていないので、大まかな進行しかわからない。

 

原作と違いティアがいるので、ヴィラン連合が大敗する未来しか見えないのだが。だが、俺の転生は死因も理由もよくわかっていない。なので、ヴィラン側にFateやほかの作品などのキャラクター、俺以外の転生者がいないとも限らない。そこが不安だ。

 

あと、できれば今日はやめてほしい。毎月の孤児院から渡される生活費をやりくりして、今日の晩に食事に行こうと約束したのだが。こんなこと考えているとフラグになりかねないので、考えるのをやめておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員、固まって動くな!!」

 

先生が武器を構えながら、階段を駆け下りる。誰かがここに侵入してきたらしい。だが、警報が鳴っていない。壊されたか、無効化されたとみるべきか。

 

「初めまして、雄英高校の皆さん。我々はヴィラン連合。オールマイトに息絶えていただきたく参上しました」

 

全員の顔がこわばる。そんなことをしている場合ではないのにだ。高速で作ったウリディンムに突撃させる。

 

「私の仕事はあなたたちを散らして嬲り殺すことですのでっ!」

 

ウリディンムが発生した黒い霧に触れたが、ダメージはない。どこかに飛ばされた? 霧に触れる前にウガムを作り、突風を出す。少しは影響が出たが意味がない。霧が晴れた時には目の前には手を体中に張り付けた奇妙な男がいた。

 

「お前か? 魔獣をつくる個性の女は」

 

全身手だらけの男。それファッション? ダサい。

 

「だったら何?」

 

「お前、こっち側に来ないか? そんな個性でヒーローはやりにくいだろうからな」

 

こいつが何を言っているのかわからなかったから、ムシュフシュに突撃させる。毒でマヒさせれば捕まえられる。

 

「いきなりかよ。脳無」

 

隣にいた二人のうち、片方の大男が動く。ムシュフシュを殴り飛ばし、こちらに向かってくる。速いし、今の私では避けられない。まぁ、避ける必要はない。

 

「おろか~~~、まじおろか~~~~」

 

私の影が変形し、巨大な腕となり、男を止める。予想より威力は低い。

 

「母様に手を出すなんて、マシンガンの前で逆立ちするよりも愚かだぞ~?」

 

腕だけではなく、真っ黒な人の上半身が出てくる。これが魔獣、シャドウサーヴァント。影の中に潜み、自由に形を変えることができる。この子はその中でも特に優秀だったので、名前をあげた。

 

「ドラウン。言葉遣いどうにかしなさい」

 

「すいません」

 

手男は悔しそうにこちらを見る。ドラウンが腕を変質させ、大男に一太刀入れた。しかし数秒で傷が元に戻る。再生、それも相当強力なもの。

 

「こいつはお前用に調整されてる。お前の魔獣とやらも大半が対策されてるぜ?」

 

大半、か。私が今まで外に出して使った子のことを言っているんだと思うけど。

 

「お前、私の魔獣のことの何を知っているっていうの?」

 

「お前のことは調べてあるんだよ、お前の隣の無個性のクソガキのこともな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元々、オールマイトを潰すための計画だった。だが、先生がいきなり脳無を一人増やした。理由は警戒するべき個性を持った子がいるといっていた。

 

「今、なんといったの?」

 

思わず後ずさった。その女は確かに危険だと思っていた。先生が危険だと言うんだ、警戒するに越したことはない。逆にそれぐらいにしか思っていなかった。

 

だが、それは間違いだ。こいつは今潰しておくべきだ。引き込めないだろうとは思っていたが、なんでこんな奴がヒーロー目指してんだ。

 

「私の対策として用意したそいつがどんな奴かは知らないが、少々無理しても死なないと考えていいよね?」

 

そいつは手を広げ、黒い液体を広げるが、さっきと形が違う。黒い石の街道のようなものが出来上がった。明らかに威圧感がある。

 

「母様、あの方を使うのはまずいのでは!? 父様がよっぽどのことがない限り使うなと、ひいっ」

 

女が顔を向けただけで、影の怪物が体を震わせてやがる。ふざけんな、そいつは特別製の脳無の一撃を防ぐような奴だぞ。

 

「ドラウン。口答えするの?」

 

「申し訳ございません、母様!!」

 

さっきの口調どうした。くそっ、黒霧を呼び戻して、逃げ道を

 

「余の眠りを妨げる音がする」

 

背筋が凍った。その街道のようなものから徐々にそのナニかが出てくる。

 

「我が母の呼び声がする」

 

現れたそいつは、普通よりもでかい脳無の更に倍以上の巨体の怪物だった。全身が青い甲殻のようなものでおおわれている。王冠のようなものさえかぶってやがる。顔といえるようなものもない。ただ一つ巨大な目のようなものがある。

 

「余は皇帝(ツァーリ)、イヴァン雷帝。魔物の皇帝なり。我が母よ、何用か」

 

「そいつはしゅうを馬鹿にした。礼儀を教えてやって」

 

「承知した」

 

巨体がこちらを向く。だが、直立したままだ。こいつ、襲ってこない?

 

「余は皇帝(ツァーリ)。皇帝は下賤なもののために自ら動かん。愚かな小僧ども、首を垂れよ。さすれば、我が雷撃にての一撃で済ませてやろう」

 

脳無よりも高い杖を地面に突き刺し、両手を広げてたかだかに宣言する。はっ、ここで頭を下げりゃ許してくれるってよ。

 

「ふざけんな、そりゃ死刑宣告だろ、脳無!!」

 

脳無二人に向けて、命令を出す。こんなバケモンに対して、オールマイト用の脳無の温存なんてやってられるかっ!

 

「我が友を侮辱しただけに飽き足らず、余の慈悲を蹴るか。そのような不敬なものどもには、余自ら罰を下してくれるわっ!!」

 

肩に生えている二本の角のようなものが青白く光りだす。それにつられて、全身から青い光が溢れ出し始める。ただの雷ならこの脳無たちには効きゃしない。ただの雷を操る能力ならだが。

 

「ぬあぁぁっっ!!」

 

その二本の角がいきなりしなり、脳無二匹の片腕を貫いた。馬鹿が! その程度じゃ脳無は止まんねえ!

 

「愚か者がぁっ!」

 

杖を高く上げた瞬間、晴天のはずの空から巨大な落雷が落ち、脳無を直撃した。脳無はしびれているのか動かない!

 

「いくら蘇る力を持とうとも、巨大な力を持とうとも、我が前にはすべて無力。汝らはひれ伏すほかに何もありはしない」

 

くそが。なんなんだそいつは!? 先生が作った脳無よりも強いとか、ただのチートじゃねえか、ちくしょうめ!!

 

「弔。生徒一人に逃げられました。申し訳ない」

 

……黒霧、てめぇ、これで完全にゲームオーバーだ。

 

「お前がワープじゃなきゃ殺してるところだぞ。あぁ、コンテニューだ」

 

黒霧に逃げられるように指示をする。こんな怪物とやってられっか。

 

「逃げるのか、お前」

 

「はっ、バケモン創り出すきもい女とまじめに戦って得なんかねえよ。脳無、何もかもぶっ壊しちまえ!」

 

脳無自体の自爆のリミッターを外した。これで少しくらい時間を稼ぐだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げる手男を捕まえようとした。けど、イヴァンが手で制してきた。

 

「なに?」

 

「母よ、その怒りもわかる。だが、これを止めるのが先であろう」

 

地面に突っ伏している大男二人が膨れ始めている。自爆?

 

「我が友との約束に『人を殺めぬ』ことが含まれている。これを違えれば、余も母も友の怒りを買うことになる」

 

!! それだけは阻止しなければ。しゅうを怒らせるなんて絶対しちゃいけない。

 

「余の雷により、ある程度は抑え込めているが……、長くはもつまい」

 

方法を模索したが、すぐに考えつくのは一つだけ。仕方ない。黒泥を広げ、男二人を覆う。こいつらの一部に魔獣を寄生させて体の制御を乗っ取る。自爆自体は止められた。体は膨れたままだけど。

 

「回帰母!」

 

後ろの声に反応したら、先生がいた。雑魚ヴィランたちを倒すことはできたみたいだ。体が震えている。なぜ?

 

「……そいつは、お前の、魔獣、か?」

 

イヴァンを見ている。彼の威圧感なら先生でも怖いかな。理由はそれか。

 

「余はイヴァン。母により生み出された魔獣である。汝は我が母の師の一人というわけか」

 

「そう。敵ではないわ」

 

イヴァンが大きく白い息を吐き、先生から目を離した。先生が額の汗をぬぐい、こっちに歩いてきた。

 

「……ああ、それならいい。回帰母、そいつらは?」

 

「自爆しようとしてたから無理やり止めた」

 

「不自然な形で固まっているのはそのせいか。向こうもお前も無茶苦茶しやがる。とりあえずそいつらは置いとけ。ほかの生徒が心配だ」

 

そういえば、他の奴らはどうしたのか。そのことをすっかり忘れていた。と、その時、巨大な音がして、土煙が上がった。

 

「私がっ、来た!!」

 

オールマイトか。警戒する必要はなかったみたい。

 

「大丈夫かい、相澤君、回帰母少女!!」

 

こちらに跳んできて、イヴァンに向けて戦闘の体勢をとる。イヴァンをヴィランだと思ってる?

 

「英雄よ。余は敵ではない」

 

「その子は私の魔獣。敵は逃げた」

 

オールマイトが狐に化かされたような顔をしている。戦う気満々だったらしい。少しするとほかのヒーローもやってきた。これで特に問題はないはず。あとは、しゅうと……。

 

「ティア!」

 

……しゅう? しゅう! やってきたしゅうを抱きしめる。しゅうのぬくもりとにおい。心地いい。

 

「ああ、はいはい。お疲れ様。そんなに抱きしめなくても大丈夫だって。ここにいるから」

 

「何でここに?」

 

「そりゃ、いざとなったらティアを止められるのは俺だけだしなぁ。それに、晴天の青い落雷なんて思い当たるの一人だけだし」

 

イヴァンがこちらに歩いてくる。こちらを見下ろして、

 

「すまぬ、友よ。母のせいではない。余が行ったまでのこと」

 

「いや、お咎めに来たんじゃないよ。イヴァンが俺との約束を覚えててくれるのは間違いないから。手加減してなきゃ、ここら一帯真っ黒こげでしょ」

 

雰囲気が少し緩まったイヴァンに戻るように指示する。黒泥を広げ、そこにイヴァンが階段を下がるように沈んでいく。

 

「友よ。また、チェスを指そう」

 

「うん、いつでも言って」

 

イヴァンが沈み切った。しゅうが頭をなでてくれる。気持ちいい。

 

「ティア、ケガしてない?」

 

「無傷。えへへ」

 

このままキスして押し倒したい。ずっとこうしたままであればいいのに。

 

「しゅ、柊君! 君が何でここに!?」

 

緑のもさもさ、あとカエルとチビが来た。いいところなんだから、邪魔しないでほしい。

 

「お、出久。雄英ヒーロー科合格おめでとう」

 

「あ、ありがとう。って違う! 君が何でここに!?」

 

「見ての通り、って言うほかないかなあ」

 

あいつらは無視しよう。今はしゅうのぬくもりを堪能する。

 

「ケロ。愛ちゃんがそんな感じになるなんて考えられないのよ。はじめまして」

 

「回帰っぱい、うらやましい」

 

「とりあえず、君は口閉じたほうがいい。ティア、だめだからね。約束守ってね。髪の毛しまって。殺気だしちゃダメ」




シャドウサーヴァントって直訳「付き従う影」だからこういうのもありかなって作りました。変かな?

あと、イヴァン雷帝って口調こう?
コメント求む。

仮免、誰がいい?

  • 炎の厄災
  • 獣の厄災
  • 呪いの厄災
  • 奈落の虫

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