無個性で普通の俺と魔獣母胎で病んでる彼女   作:鏡狼 嵐星

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約一か月ぶり。すいませんねえ。

新しい小説の構成考えてたらこんなに時間たってしまった。

引き続き感想募集します。あとプロット次第では人型魔獣もっと出すかも。


経営科の子の名前覚えられない

雄英襲撃事件から数日たった週末。雄英高校の近くににある、全国にチェーン店を持つファミレスにヒーロー科A組の生徒が集合していた。全員というわけではないが。

 

「来ることができなかった子もいるが、あの事件でみんなケガしなくてよかった。みんなの無事を祈って、乾杯!」

 

委員長こと飯田天哉の一言で皆が飲み物を飲み始める。というか、なんで俺はヒーロー科の集まりに参加しているのだろうか。……いや、考えれば当たり前か。

 

「しゅう、あ~ん」

 

どうあがいても、ティアが参加する=俺も参加する、という公式が成り立つのだ。食べさせあいをしていると、何人かの視線がこっちに向く。

 

「まっさか、回帰母がこんなにデレデレになるタイプだっとは。全然想像できなかった。あ。俺、上鳴電気」

 

「いつも冷静でちょっと怖いもんね。私は耳郎響香。よろしく」

 

「よろしく。事件の後、一応自己紹介したけど、北水柊。一人、経営科でさみしいぜ。仲良くしてね?」

 

現在ティアは隣に陣取っていっる。その周りに人が集まっている。まぁ、ティアのキャラが全く違うから、興味津々なのは見てわかる。こんだけ、顔がにやけてればね。

 

「はいは~い、質問質問! 二人の馴れ初めは!? 芦戸三奈!」

 

「私もお二人の関係は気になりますわ。緑谷さんや爆豪さんともお知り合いのようですし。私は八百万百ですわ」

 

なんか、意見言って最後に自己紹介する感じが固まってきてるような。馴れ初め、馴れ初めか……。ティアに目線を向けると、口パクで構わないらしいので話すことにした。

 

「最初にティア、いや愛に会ったのは五年と半年くらい前かな。恋人になったのは一年前」

 

「勝手な想像やけど、幼馴染とかやと思ってた。えっと、麗日お茶子です」

 

「そうだな、回帰母の性格から見て、めちゃくちゃ長い付き合いしてると思ってた。俺は切島鋭児郎。切島って呼んでくれ」

 

なんかいっぱい自己紹介されて訳わかんなくなってきたぞ。いったん整理しよう。

 

「事件の時から気になってたんだけどよ。回帰母のことをティアって呼んでるのはなん、うぎゃあ!?」

 

峰田がティアの名前を言った瞬間、ティアの髪の毛から槍状に尖った黒泥が出て、峰田の目のコンマ一つぐらい前で止まった。

 

「その名をしゅう以外が呼ぶな。次呼んだら、そいつの目を潰す」

 

「こら、仮にもヒーロー志望してるんだから、そんなこと言わないの。はいはい、怒ったのはわかるから、落ち着く」

 

怒ったティアの頭を抱きしめてなでる。次第に力が抜けていって、体に抱き着いてくる。

 

「し、死ぬかと思った……」

 

全員が今のティアの行動に疑問を抱いている。直接殺気をぶつけられたのは初めての奴が大半だろうし、まあ、そりゃそうだよね。

 

「あー、出久。俺が孤児院出身なのは話したよな?」

 

「えっ? あ、うん。きいたことある」

 

「じつはさ、ティアも同じ孤児院出身でさ」

 

「そうか! だから回帰母さんと付き合いが長かったんだね!」

 

「そういうこと。それでさ、ティアは親に虐待を受けそうになって、逃げてきたんだ。俺はそこで彼女に初めて会って、泣きつかれたんだよ」

 

いろんなところを端折ったがこれである程度納得してくれると期待して。

 

「ティアは今、ヒーロー科に行ってるけどさ、人を信頼しにくい性格なんだ。俺はその中で信頼を得てるだけ。ティアっていうのは俺がつけたあだ名なんだけど、すっかり気に入っちゃってさ。気に入った人以外に呼ばれるのはすごく嫌がるんだ」

 

「それは、確かにしょうがないかも、しれませんわね」

 

八百万が納得してくれたおかげで、全員が一応理解したような雰囲気を出してくれた。峰田の性格もあってか、納得してくれたと思う。

 

「まぁ、さ。ティアは頭もいいし、個性も強い。でも、完璧超人じゃないのさ。結構、この子も人間らしいところ多いし。これから君らとは長い付き合いになるだろうし、理解してあげてほしい。ま、無理にとは言わないさ。無理強いをするつもりはないからね」

 

ティアはおとなしく頭をなでられている。雰囲気がふわふわしてきた。だいぶ落ち着いてきたみたい。

 

「……おめぇ、男だな!! かっこいいぜ、北水!!」

 

「泣ける話だな~。そんなことがあったなんて、俺、感動して、涙出てきた~」

 

なんかめっちゃ感動泣きしてる男二人組がいるんですけど。切島はわかるけど、上鳴ってこんな感じだっけ。

 

「愛ちゃん、そんなことがあったなんて。あたし知らんかった! 何かあったら頼ってな!」

 

「私も頼ってね、蛙吹梅雨よ、ケロ」

 

「もちろん私も! 遅れたけど葉隠透!」

 

そういえばよくよく考えたら、ヒーロー科は全員人間出来てたなぁ。なら大丈夫かね。

 

「おめえ、なんか、理想の彼氏像ってかんじだな。砂藤力道だ、よろしく」

 

「混沌に満ちてきた。この場所に迷惑をかけないようにするべきだろう。……常闇踏影だ」

 

実際、結構大騒ぎになってきた。いや、正確には俺に抱き着いているティアに近づいてきているだけなんだが。ティアは一応反応はしてくれているみたいだ。

 

さて、次は雄英体育祭。原作が大きく崩れてないといいんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘェイ! エブリバディ、元気か~~~~!? 雄英体育祭始まるぜえ~~!」

 

毎回思うんだが、おれはこういう甲子園みたいなところで、みんなが叫ぶのを間近で聞くのを全員我慢しているのだろうか。正直俺はあまりこれ得意じゃない。まあ、観客席にいないだけましか(・・・・・・・・・・・・)

 

「しゅう、本当に参加するの?」

 

「ん? うん。まぁ、一回戦どまりだろうけどさ。思い出作りたいしね。それにサポート科のアイテム実験もしたくて」

 

体のいろいろなところにアイテムをつけて、それを実際に実験する機会として、雄英体育祭というのはベストだ。

 

「ケガしちゃだめだよ?」

 

「もちろん。無茶はしないさ。ティアも俺のことは気にせず進んでね」

 

「……わかった」

 

助ける気満々だったなこの子。まぁ、いまのでわかってくれたろう。

 

「準備できたかお前らァ!? 一回戦、障害物競走、始めぇ~~!」

 

狭い入口に一気に人がなだれ込む。それで、ここで轟が凍結を行うから、壁を伝って空中に飛び上がって、冷気の勢いで飛ぶ!

 

「まてや、半分野郎!」

 

転がりながらなんとか前に出ると、爆豪が飛び出していく。というか、冷気の影響のこと以前に、断トツでティアがトップじゃないか。ウガム速すぎ。地面が凍ってるから、サポート科アイテムその1、万能シューズを使って、運動靴をスケート靴に早変わり。

 

「全員、頑張るなぁ」

 

ロボットたちの回避のため、大回り。個性ないから真正面は無理。というか、みんなロボット相手にしすぎだと思うんだけど。というか、こっちのほうが断然早く見えるのは俺の気のせいか。いや、轟のせいだなそうしよう。

 

「さぁ、次のステージはどうだぁ!? ザ・フォール!」

 

だいたい前半30人前後で突破。やっぱり迂回しなきゃならない場所にロボは少なめの配置だった。正面は轟の巨大ロボ倒しによって時間がかかったため、こっちの方が早かったみたいだ。

 

さて、お次はサポート科アイテムその2、簡易組み立て式フローティングボード。腰に取り付けられるほどコンパクトなこれは見た目スケボーだが、空気噴射や変形型タイヤなどにより、地形がどうであれ、とても安定しやすいスケボーなのだ。これで、ロープの上を走る。いやー、便利便利。ヒーロー科や普通科は持ち込み不可だが、サポート科は持ち込みできるってずるいな。ちなみに聞いてみたところ、経営科が参加した記録はほぼなく、相澤さんに聞いたらアイテム使っていいと許可出たし。得だと考えねば。

 

他の人が結構もたもたしてて、数人抜けたが、依然として前は多い。

 

「最後の地雷ステージだが、ヒーロー科回帰母早すぎだろっ!? おい、もうこのステージ越えちまうぞ、あいつ! あのスピードでノンストップかつ地雷一個もふんでないのかよ、バケモンか!? 二位を進むは轟。続いて爆豪。こいつらも十分早いが、回帰母が圧倒的すぎるぅ。後続は第三ステージに到達。追いつき始めたぞ! 行け行け〜!」

 

着いた時にはティアがすでに抜けきっていて、轟が半分、爆豪が三分の一ってところ。他は入り口ぐらい。ていうか轟とか爆豪とかよく追いつけるなあ。

 

その前で出久が地雷を掘っている。原作だと轟は出久に抜かれてから氷結使ってたけど、今回は今すでに使ってる。追い抜けるか?

 

おれは道の端を確認する。やっぱり地雷の埋め込みにばらつきがある。ここの地雷はほぼ均等に地雷を埋めてある。ただ、端はその判定が甘く、間に無理やり埋め込んでいる感がすごい。一見、間がないように見えるが、向こうよりも一箇所の隙間が大きい場所がある。サポート科アイテムその3、地中探査警告機。名前のまんまだ。ネズミのような外見で、十メートルぐらいまっすぐ進む。そして、地雷のところに目印をつけてくれる。地雷は反応しないみたいだからこれ通用するみたい。やっぱり重量感知式か。

 

ゆっくり移動しつつ、端を進む。何人か目ざとい人たちがおれの後ろをついてくるので、遠目のところにある目印を起爆する。ちゃんと考えて起爆しないと、連鎖でおれも吹っ飛びかねないので、気をつけて。途中大爆発と出久が空を飛ぶシーンをしっかり見た。

 

そのままゴール。順位は42位。結構ギリギリだな。ちなみに1位はもちろんティア。2位は出久。どうやら地雷を凍らせた轟の氷の上を滑って距離を稼いだらしい。次いで轟、爆豪。後の説明はいいだろう。

 

さて、面倒な解説は抜きにして、第二種目。もちろんティアは女子軍に組まないかと言われている。まぁ、あの子と組めば負ける気しないもんなぁ。さて、おれと組んでくれるような子はあまり心当たりがないのだが。

 

「しゅう、あなたは私と」

 

ちょっとビビった。結構離れたところにいたのに、いつの間にか目の前にいた。ん? 考えればティアと組めば、原作壊さずに済むのでは? そんなわけないか。

 

「一位の方! 私と組んで、って、北水さんじゃないですか。どうですか、私のベイビーの使い勝手は?」

 

「ベイ、ビー?」

 

厄介なのきた。ティアが手を握ってくる。痛い。目が見れないけど、雰囲気だけでも相当な怖さだ。

 

「ティア。紹介するよ。この人がおれと共同で授業を受けてる、発目明さん。ベイビーってのは彼女のアイテムのことだから。借りてるだけだから」

 

「この女の力を借りてるの? 私の方が絶対に強いのに。ねぇ、しゅう、わたしのこども(まじゅう)じゃだめなの? すごくつよいのだすよ? しゅう? たにんの女のチカラをカリルノ?」

 

やばいやばいやばい。ご立腹だ。

 

「あのね、ティア。それはティアの個性であって、おれがそれを借りて戦っちゃだめなの。それは反則なの。それにおれは別に勝ちたいからここにいるわけじゃないし」

 

やばい目が。一応、外では抱きついたりしないように言い聞かせてはあるが、家に帰ったら怖い。

 

「あなたが回帰母さんですね! 噂はかねがね。北水さんのお嫁さんだそうで」

 

「そう。だから、あなたはしゅうに近づかないで」

 

ティアが返事した!? お嫁さんという単語を聞いたら、少し機嫌が良くなった。よし、発目、そのままな? そのままな?

 

「それは困ります。北水さんにはわたしのベイビーを作る手伝いをしていただかなければいけないのです! 今回、北水さんと組めば、回帰母さんと一位の相乗効果により、注目されやすくなりますので」

 

最後にとんでもない爆弾落とした!

 

「キエテ」

 

「あの?」

 

「発目! アイデアはまた渡すから! 2位の出久と組んで! 頼むから、まじで!」

 

結局ティアと二人で組むとになった。いや、むしろこれベストだろう。原作的に。多分。

 

「しゅう」

 

「……なに?」

 

「今日は寝かさないから」

 

死亡フラグ、だったかなぁ。

 

 

 

 

 

「第二種目、騎馬戦。始め!」

 

全員の目が百万点の彼女のところへと向く。まぁ、それは仕方ない。取れるかどうかは置いておいて。

 

「Aaaaaa—————-!!!!!!!!!!」

 

彼女が叫ぶと同時に、髪の先からとてつもない量の黒泥が現れる。そして、それがどんどんと巨大なものへと変化していく。

 

キシャーーーーーッッッ!!

 

現れたのは巨大な八つの頭を持つ蛇。黒い肌を持ち、人一人軽く飲み込めそうな頭を揺らす。騎馬のほとんどがその大きさに後ずさる。

 

「回帰母チーム、早速巨大魔獣を作り出すぅ!! おいおい、まじかよ、会場の4分の1はあんぞあれ! 回帰母本人は背中にいるが、さっき回帰母背負ってたやつはどこいった?」

 

「今回の騎馬は上に乗る人物が地面に落ちなければオーケーだ。あれの上に乗ってるなら、セーフだ。ルール的にはな」

 

これはすでに確認済みだ。オロチはデカすぎるからなぁ。でも、騎馬がいくつか登ろうとしてくる。さすが。

 

「うぉおぉおお! すまねぇ、茨!」

 

「いえ、構いません。これを登るのは相当大変です。わたしの個性が役立つなら何より。急ぎましょう」

 

登ってくるチームのうち、最初に見つけたのは、鉄哲チーム。茨の個性で綱登りと言わんばかりに登っている。

 

「右から攻撃くるぞっ!」

 

オロチの首の一本が攻撃してきたが、なんとか躱している。チームワークもいいわけだ。ただ、この辺りで落ちてもらおうか。

 

「鉄哲さん! 上からなにか来ます!」

 

彼らと同じ原理で、サポートアイテムの糸を使って自分を支えながら、オロチの背を駆け下りる。

 

「舐めんな!」

 

鉄哲本人が鱗に手をかけて、壁を無理やり駆け上がってくる。男気ヤベェな。無論、真正面から受ける気などない。糸を巻き上げ機で巻き取り、攻撃を避けつつ、懐から球をばらまく。

 

「頭上にご注意くださいな!」

 

今落とした球は外見全く同じだが、中身には二種類ある。巨大な音を出すものと光を出すものだ。オロチの背中を登っているこの状況なら、どちらかは防げるだろうが、両方は防げない。残っている二人の個性が何かは知らないが、音と光を防げる個性持ちではないだろう。

 

「うおわぁ!?」

 

悲鳴を聞きつつ、糸に体を巻き上げられていく。上に着くが、ティア以外には誰もいないい。

 

「おいおい、どうなってんだ!? 未だに誰も回帰母本人に手を出せていないぞ!」

 

「回帰母が出せる魔獣はあの蛇だけじゃない。体の上で他の魔獣が牽制しつつ、ハチマキを取りに行ってる。その上、蛇自体は動くし、あの首で攻撃までしてくる。そうそう上には上がれないな。それに騎馬となってた北水も撃退に向かってるのか」

 

「おい、イレイザー! 流石にこれは圧倒的すぎるぜ! 誰かこれを止められるやつはいないのか!」

 

その直後、巨大な音ともに、巨大な氷がオロチの体を覆う。

 

ギィアーーーーー!?

 

流石のオロチもこれには堪えたらしい。苦しそうに首をしならせる。その氷は坂道状になっていて、そこを轟チームが走ってくる。

 

「黒角女ァ!!」

 

氷が出て来た方向とは逆の方向から爆豪が文字通り飛び出す。

 

「柊くん!」

 

騎馬ごと空を飛んでやって来たのは出久チーム。この三組には感歎ものだよ、まったく。

 

「君らに対策を練ってないとでも?」

 

まず狙うのは爆豪。空中にいる彼は騎馬を置いて来ている。落ちる場所がオロチの上ならセーフかもしれないが、それ以外ならアウトだ。

 

投げつけたのは周りに消火剤を大量に噴射して撒き散らす、いわゆるボール型お手軽消火器だ。爆豪は器用に避けるけど、熱を感じると起動する仕組みのそれは避けた直後に爆発。

 

「クソザコ野郎がァァ!!!」

 

消火剤はヌルヌルしているものを採用。ギリギリオロチの背の斜めの部分に乗った爆豪は滑り落ちていく。

 

「Laaa———aaaaa———」

 

「数が多すぎるぞ轟、流石にこれ全部電撃で倒すのは無理だ!」

 

「このヒトデのようなものは凍らないのですか、轟さん!」

 

「訓練の時に試したが、無理だ。こいつら凍った程度なら自力で破壊して出て来やがる」

 

生み出された大量のムシュマッヘたちに苦戦しているらしい。これはティアに任せよう。

 

「よお、出久。悪いが、邪魔させてもらおう。それとも引いてくれるか?」

 

「それは聞けない!」

 

黒影(ダークシャドウ)!」

 

常闇の個性が襲いかかってくるが、こいつは問題ない。閃光弾を投げつつ、目を覆う。

「ギャッ」

 

糸を持ち出し、万能シューズをスケーターに変えつつ、大回りをして、出久のチーム全員を巻きにかかる。

 

「発目さん、麗日さん!」

 

そうなれば、飛ぶしかないよな。おれは残り一つの弾を投げる。もちろん、全員閃光だと思い、目を閉じるはずだ。だが、それは音が出る方。巨大な音にバランスを崩しかけたが、すぐに戻った。

 

「忘れてもらっては困りますよ北水さん。それを作ったのは私! 対策はバッチリですよ!」

 

決め台詞を吐く発目。なるほど。

 

「そりゃそうだ。むしろ対策しておいてくれてありがとう」

 

もしそのまま落ちれば何もなかったが、ここがどこなのか忘れてもらっちゃ困る。

 

「常闇くん、前だ!」

 

「ッ、黒影!」

 

オロチの首の一本が攻撃により、どうにか直撃を防いだみたいだが、空中分解した。

 

「Aaa—-laaaaaaaaa—-」

 

オロチの首の半数以上がこちらを向き、それぞれがおれとティア以外を襲い始める。出久たちが騎馬を作るまでのあいだにティアが反応してくれたらしい。

 

キシャァァーーー!!!

 

オロチが凍った部分を無理やり壊して自由を取り戻す。轟が再度作り直そうとするが、オロチが進むはずだった方向から急旋回したことにより、再度凍らせるのを防いだ。

 

「残り1分! 回帰母に一矢報いるかと思われた三つのチームも全て敗退かぁ!? 1000万点の持ち主は未だ回帰母チーム! 回帰母ばかりに注目が行くが、このチーム、二人の上に片方は経営科ァ! 経営科が出てるだけでも珍しいのに、1000万点死守に一役買ってやがる!おい、イレイザー! あいつのこと知ってる感じだったよなぁ!?」

 

「ああ、実際あいつに出場許可出したのおれだ。追加していうと、あいつはサポート科のアイテムの実験の手伝いを兼ねて出場してる。そして、無個性でもある。そんなあいつがあれだけ戦闘できていることは正直おれも驚いているところだ」

 

「うっそだろ、無個性!? 雄英体育祭だぞ、勇気あんな、あいつ! だが、実際強え! 果たしてこの異色チームから1位を奪えるやついるのかぁ!?」

 

なんかすっごい高い評価もらってるんだけど。光栄だね。

 

「デクくん! これ多分最後だよ! 1000万点とらなきゃ!」

 

立て直して、唯一オロチの上に残ったのは出久たち。なんとか立て直していた。

 

「オロチの上なら騎馬にしなくていいんじゃないか?」

 

「柊くん。僕は君を侮る気は無いよ。君はすごい人だって僕は知ってるから。だから、今の僕たちの全力で!」

 

「過大評価だぜ。おれはただ生き残る事に自信があるだけさ」

 

前から突っ込んでくる出久たちから逃げるようにオロチの背から降りる。

 

「なんで!?」

 

「言ったろ、出久! 生き残る事に自信があるのさ!」

 

オロチの首か全ての首を使って攻撃しないのはおれがいるから。ならば、ティアが全力で戦うなら、おれはいない方が都合がいい。

 

オロチ自体の横腹にもたれながら時間経過を待つ。なんだかんだ戦ってきたが、結局これもおれについてる魔獣のおかげなんだよなぁ。

 

「タイムアップ! 第二種目終了だぜー!」

 

いろいろあったが、最終競技出場者はこう。

1位 回帰母、北水。

2位 轟、上鳴、飯田、八百万

3位 爆豪、瀬呂、芦戸、切島

4位 出久、麗日、発目、常闇

5位 心操、青山

 

原作通り、心操チームの二人は辞退。原作通りに行くなら、おれが鉄哲の位置、ティアが茨の位置にいる。さて、どう戦うかねぇ。

 

 




オロチ 1.5章の大蛇。ちなみにアナスタシアのジャヴォル・トローンにすると、轟くんが死んじゃうので却下。

仮免、誰がいい?

  • 炎の厄災
  • 獣の厄災
  • 呪いの厄災
  • 奈落の虫

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