クソ大学によるクソテストがあった、というかこれからもまだ続くので今回投稿したらちょっと先になる作者の蓮根畑です。
書く暇がないですが、頑張って進めたいと思いまするゆえ、どうぞお願い致します。
誤字報告
クロイツハーツ→ハートクロイツ
「いてて・・・」
「すまん。やり過ぎた」
ギルドの一室。全身に包帯グルグル巻きにされているものも、筋肉痛と軽い擦り傷だけという軽傷で済んだ。
もっともマスターによると「腕の方は無茶し過ぎたからいつも通りに動かせるには4日ぐらいかかるのぉ」と言われた。しばらくは某海賊料理長を見習って足技を主体にするしかない。
と言ってもアホ弟子の訓練をサボる口実が出来たため不幸中の幸い?
「あそこまでやる必要あったのか・・・?」
「久しぶりでつい・・・」
エルザは俺の隣でシュンとしていた。
暴れ過ぎたことを後悔しているらしい。
まぁその通りだと思う。だって腕四日ぐらいまともに動かせないし、俺気絶するし、タカキも頑張ってるし!俺も頑張らないと!(言いたかっただけ)。
「詫びと言ってはなんだが身近なことの手伝いでもしよう」
「ん?今何でも──」
「言ってない」
対応が早い。
「あー、でもそうだ。俺の(自称)弟子に、代わりに訓練つけてもらえたりしたらいいかなぁ、と」
「訓練?私にピッタリな願いじゃないか」
訓練どころか殺しかねない雰囲気を発しているがなんとかなりそうだ。
じゃあなサクラ。お前のことは俺の記憶の中に刻みつけておくよ。
その日の夜はエルザとの激闘もあり、お腹が空いていたのでお弁当を大量買いした。
今日は久々にナツやグレイも来なかったので一人豪遊気分で飯をくらい、ダラダラして寝た。
──それが、安眠の最後とも知らずに。
ちなみにグレイが勝手に持っていた俺の至高の聖書(エロ本)は無慈悲にもナツに焼かれて塵となって消えた。
チュドオオォォォォォォォン!!!
「ホワッッッツ!!!!????」
爆発音が聞こえると共に、家が少し揺れた気がした。
思わずベットから跳ね上がり部屋の窓を開ける。
家が立ち並ぶ先に見えるのは大量に舞い上がった土煙。
家の屋根に立ち、煙の発生源を見てみるといつも俺とサクラが訓練所として使っている公園からだった。
よくよく目を凝らすと、土煙の中に二つの人影が見えた。
嫌な予感がするなぁ、と思いながら土煙が晴れるのを待つと予感的中。エルザが軍服のようなものを着て、サクラに鍛錬を行なっていた。
───よし!いいぞサクラ!次は50本だ!
───はい!
「マジで殺しかねないな」
任せたとは言え思わず顔が引き攣る。
昨日の俺とエルザと戦い以上に派手じゃね?
まぁ俺関係ないからどうでもいいけど・・・
「──寝よ」
思考のたどり着いた先は二度寝だった。
疲れていたのもあるが、目のいい二人に見つかればめんどくさそうという理由だ。
ベットが醸し出す魔力に誘われ、俺はベットインするのであった。
次に目覚めたのは3時間が経った頃だった。
外から金属音がぶつかり合う音や、チュドォォンと聞こえるが無視した。
大金があるとは言えども、それで自堕落するのは愚の極み。体を動かさないと鈍ってしまう。という事で両腕が封じられていても出来そうなクエストがないかなと思いギルドにまで足を運んで見たが・・・
「何もねぇな」
クエストがない。
いや、正確に言えばあるのだが「超大型冬グマの捕獲!」、「強盗グループの確保」などというちょっとレベル高そうなものばかりだ。
やはりここは大人しくしておくべきなのだろうか?
「あら?行かないの?」
「あ、ミラさん。こんにちは」
話しかけて来たのはミラさんだ。
ニコニコとしているがこの人「魔王」とかいうとんでもない異名が付いていると考えたら世の中って広いんだなって思う。
「いやー、簡単そうなクエスト探してたんですけどなくて困ってるんですよ」
「そう?探せば行けそうなの一つや二つ・・・例えば」
そう言ってミラさんが手に取ったのは「デビルボルケーノハリケーンタイフーンキャットの討伐」と書かれたクエストの紙だった。
そもそもデビルボルケーノハリケーンタイフーンキャットとは何か果てし無く気になるが、問題なのは昨日の試合を見たであろうミラさんがニコニコとした顔で何の冗談もなくデビルボルケーノハリケーンタイフーンキャットとかいう絶対にヤバイであろうクエストを進めて来たことだ。
「これなんてどうかしら?」
「いや、ははは・・・」
魔王だ。
俺は苦笑いを浮かべるのに精一杯だ。
目線で助けを訴えるが皆見て見ぬ振り。
あいつら後でぶん殴ってやるからな。
「あ!そのクエスト前にエルフマンが行きたいって言ってたなー!(棒)」
「そうなの?じゃあこれは保留ね」
そう言ってデビルボルケ(略)の紙をボードに戻した。エルフマンは犠牲になったのだ。犠牲の犠牲にな・・・。
「じゃあこれなんてどうかしら?」
「ん?」
そう言って変わらずニコニコとした顔で俺に見せてきたのは「サンシャインアイスジャンボロイヤルドック」と書かれたいかにもヤバそうなクエストだった。
俺は引きつった笑みを浮かべるわけでもなく、助けを求めることもなくにこやかにこういうのだった。
「そのクエストもエルフマンが行きたいって言ってましたよ?」
なんとかミラさんの地獄のクエストから離脱することに成功し、外へと逃げ出した俺。
出ようとした際背後から漢の悲鳴が聞こえたが気のせいだろう。
と言ったものもすることがなくて困った。
やはり安静にしておくべきなのだろうか?
「あっ!いたっ!」
慣れた声が聞こえた。振り返るの嫌だなぁと思いながら見て見ると案の定というかサクラが駆け寄って来た。
エルザとの鍛錬があったので服や顔には砂が付着していた。
「取り敢えず話す前に付いてる砂落とせ」
「あっ、本当だ。付いてますね」
パンパンと服を軽くはたき、顔に付いてる砂は手の甲でぬぐい落とす。
「で、何があった?」
「実は・・・」
若干の悲しみを込めた声で見せて来たのは半ばから折れた短剣。一度その短剣で殺されかけたことがある俺はすぐに理解した。
「あぁ、折れちまったのか」
「そうなんですよ・・・結構大事に使ってたのに・・・」
鈍く光る短剣はその年季を表す。
むしろ俺との鍛錬や、前のクエストで倒した盗賊団の首領とも戦ったというのに短剣一本でここまで持ったのが奇跡である。
「というかそれで俺にどうしろと?武器屋を教えるのは大丈夫だが、それを打ち直せって言われても俺は鍛冶屋でもないから無理だぞ?」
「あ、そういうわけじゃなくてですね・・・コレです」
そう言い手渡したのは一通の手紙。
丁寧に便箋までつけていたので裏返すとエルザスカーレットの文字。何もここまでしなくても・・・
「えーと、何々?ジョニィへ───
『まずは一言謝っておく。すまない。手加減したつもりだったがサクラの短剣を折ってしまった。私が新しい武器を発注しても良かったのだが、タイミング悪くまたナツがやらかしたのでそれを捉えに行くことになった。
そこでジョニィに頼みたいのは私の代わりにサクラの新たな剣を買うのを手伝うのともう一つ、私の鎧の修理を頼みたい。以前のS級クエストでだいぶ傷が入ったからな。資金に関しては気にしなくてもいい。鎧を作っている会社がスポンサーとなってるから私の名前を出すだけでいい。頼んだぞ』
・・・なるほどなぁ」
一番下の段にはエルザの換装する際に使用しているゲートの番号と武器屋『ハートクロイツ』の行き方を示した地図だった。まぁめちゃくちゃ汚いけど。
「確かにここならいいもんが揃ってるな」
「そんな有名なんですか?」
「あぁ、『ハートクロイツ』っていうのはエルザの鎧を作っている会社だぞ?」
「へぇー」
「ま、その分高いけどな」
「え?」
以前何かの雑誌で見たがエルザの天輪の鎧は150万と書いていた。そんな鎧が何着もあるから恐ろしい。
「でも『ハートクロイツ』があるパンクストリートはその手の店が多くあるからな。サクラに合う安くていいもんが買えるかもしれんな」
「へー、詳しいですね」
「・・・まぁな」
パンクストリート。
そもハートクロイツがあるパンクストリートは前作のRAVEで登場した街だ。
RAVEを全巻読破していた俺はなんとなく覚えていた。
「ま、エルザの頼みと言われちゃ仕方がないか。あんま体動かすようなもんじゃないし」
「本当ですか!!??やったー!」
「元気だなお前・・・」
となれば早速容易だ。
取り敢えず財布と替えの服とか持っていけば大丈夫だろう。
「んじゃ明日の朝出発な?」
「分かりました!それじゃまた明日ー!」
スキップで帰っていくサクラ。
それを見届けたあと俺も帰路を目指す。
明日も惰眠コースなはずなのに何故こうなったのか・・・というかさっきの文面からするとナツ達もうガルナ島向かったのかよ。行動力の化身だな。
デビルボルケーノハリケーンタイフーンキャット・・・捕獲レベル46。悪魔のような図体をした猫。一歩歩けば地から炎が湧き上がり、一つ鳴けば竜巻が巻起こすことができる猫。
サンシャインアイスジャンボロイヤルドック・・・捕獲レベル67。光の速度で移動することが可能な犬。背中には巨大な氷を背負っており、その内部には無数の宝石が散りばめられている。