実況者A:おーっとここで!蓮根畑選手2ページ目に行くのを避けました!
実況者B:上手いですねぇ。この一番下からの一番上を取ると言う戦略は中々悪くないと思います。惚れ惚れしますね。
我 復 活 !
と言うことで全国の皆さんおはようございます。あなたの元に這いよる混沌蓮根畑です。今回の話はグレイのみ。グレイづくしでございます。私事ながらグレイが好きでして・・・フフフ。
ってことで始めていきます。
場所は離れて街の中。
雨が降り続ける中グレイは上半身裸となった。今更だから気にしてはいけない。
「よく分からんが...邪魔をするなら退いてもらうぜ!」
指先までピンと伸ばした掌に、丸めた拳を置く。
アイスメイクの基本は両手を使うことである。
片手でも出来ないことはないがバランスが悪くなり、両手に比べても力が弱い。
「アイスメイク
手から放たれたのは氷で出来た6つの氷の槍。
蛇のように宙でうねり、確実にジュビアに迫っていた。
「無ダデス」
6つの氷の槍はジュビアに直撃したが、ジュビアの体が水と化し、氷の槍を直撃しても何のダメージも与えれずにいた。
「水になるのか...なら逃げ場をなくしてやる」
「ワタシハ・・・アメ」
「それはこれを受けてから言いな!!」
ドォォン!!
とジュビアを閉じ込める為に落とされたのは氷の牢獄。
そしてその周りには20を超える剣の群れが浮遊していた。
「黒ひげ危機一発みたいだなッ!」
グレイが腕を横に払うと命令を受けた氷たちが牢獄の隙間を縫うように射出され、閉じ込められたジュビアに向かい一直線に進んだ。
「──ホワイト・キス」
氷の牢獄に触れたジュビアが一言つぶやいた瞬間、腕に巻かれた銀の蛇の目が妖しく光った。
ジュビアを閉じ込めていた牢獄は銀の光を浴びる、メリメリと音を発しながら形を変える。
何の特徴もない牢獄が細長くなり、表面には一つ一つがキラキラとダイヤモンドのように輝く鱗。
その姿はまるで蛇。
手品師のように牢獄から蛇に変えてみせた。
手品師でも牢獄から蛇に変えることはできないとは思うが。
『◼︎◼︎◼︎──!』
蛇はジュビアに巻きつく。そしてその蛇の表面に20の剣が突き刺さり、地面に落ちた。
「驚いたな..防がれるとは思わなかった」
触れられたらアウト。
その為氷の剣を手に持ち、構える。
ジョニィの構えを真似たが、所詮は見よう見まね。
どこまで出来るかグレイも分からない。
「行くぞ!」
「──ホワイト・キス!」
支配権が移った蛇はジュビアの命令を受け入れ真っ直ぐにグレイに迫る。
グレイは蛇と直撃する寸前に飛び上がり、回避した。
蛇は地面に衝突し、軽いクレーターを作る。
「元が俺の作ったやつとはいえ中々の威力だな...」
グレイは飛び上がったまま剣を担ぐように構える。
蛇は再び狙いを定め目をグレイの方にピタリと合わせていた。
「さて...やったことはないが一つやってみるか!──変換!」
グレイの持つ氷の剣が、青く輝き形を変える。
本来剣であったそれは細く、長くなり一本の槍に変化した。
これがグレイのアイスメイクの応用編。変換である。
これを作るきっかけになったのはジョニィがエルザと戦っている時に、刀を変化させていることが参考となり生み出された魔法。
ちなみにこの魔法。新たに作り出すわけではないので魔力消費は凄く少ない。
「アイスメイク
槍というのは突き、払いの他にも投げることで武器にも使える。
某青タイツもこのように使用していた例がある。
氷で作った槍には因果逆転の呪いも何もついてはいないが武器として使用するには十分だ。
グレイの腕から放たれた槍は真っ直ぐにこちらに向かう蛇の口の中に入り、そのまま突き抜けた。
命を断たれた蛇は氷の残骸として地面に落ち、一本の槍が突き立っていた。
「...次は...!!」
地面に降りると同時に槍を手にしくるりと一回転させ変換させる。
槍はいくつものパーツに分かれ、それぞれの先端が尖った。
「喰らえ!!」
風切り音を撒き散らしながらジュビアの元に迫る。
雨が降っているが軌道なんてまるで変わらない。
ジュビアは真っ直ぐに手を伸ばした。
自らの体をまた水にさせるのかと思ったグレイだったが──
「──ホワイト・キス」
ジュビアの目の前に銀の盾が出来た瞬間驚きを露わにした。
「は?...銀?」
この世界には銀術師なるものがいるが、銀術を使うためには手持ちの銀をグレイの変換のように剣に変化させたりすることで戦うことができる。
──しかし何もない状態から銀を作り出すことは絶対に不可能なのだ。
「あアああぁぁァぁぁぁぁぁ!
「ッッ!!大盾!」
さっきのお返し...この場合倍返しと呼ぶべきなのだろう。
無数の剣がグレイの作った氷の盾に直撃し、ヒビを入れた。
「殺しテヤルゥウウゥゥ!!!」
「う...うおぉぉ!?」
一本の剣が突き刺さると同時に盾が破壊され、残っていた剣がグレイに殺到した。
直撃は避けたが体の至る所に擦り傷が入り、滴る雨と同じように血も下に下に落ちて行った。
「アアァアゥ・・・」
「お前・・・」
どう見ても正常には見えない。
出会ったばかりで何もわからないが考えられる要素が一つ。怪しく光っている蛇の首飾りだろうか。
「だったらそれを奪い取るしかねぇよな・・・」
「ああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
叫びが響くと同時に、あたり一帯の水が全て銀となり、鞭のようにしなりグレイに襲いかかった。
銀の鞭が街を破壊する。
グレイはなんとか回避するものも一度でも当たれば大怪我は間違いないだろう。
「アイスメイク──
剣を生成しすぐさま放つが、鉄に叩き落とされ砕け散った。為すすべがないとはまさにこの通りだろう。
「アァァ・・・!!」
蛇の首飾りが所有者の魔力を遠慮なしに吸い取っていくのが目に見えて分かった。
このままでは魔力の使いすぎで命すら危うい。
しかし今のままでは倒すこと以前に傷つけることすら不可能だ。
「なら、そう出来るように作るしかねぇよなぁ・・・!」
氷の盾を精製し、それをグレイを取り囲むように設置し、グレイは一度深呼吸をした。
今のままでは効かないというならもっと強く、絶対零度に勝る一撃を作り上げる。
「アイスメイク──」
一段の明るい青の光が辺りを照らす。
しかし暴走状態に入っているジュビアには思考を定めることが出来ずただ目の前にいる敵を殲滅することしか考えられない。
「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎───!」
もはや発す言葉は人の語ではなく獣に近い。
銀の鞭は、先よりも強力に盾を叩きつけ破壊しようとするが魔力をかなり練り込んだのかヒビは入るが、完全に砕けることはなかった。
「もう少し・・・!」
青の光が更に輝く。
しかし、氷の盾は魔力を練り込んだものも銀の質量には勝つことが出来ずついに砕け散った。
「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎───!!」
空から地に堕ちる雨が全て銀の弾丸となった。視認することは出来ても、防御も回避も不可能。
先に衝突した家は見事に蜂の巣となり、グレイも何かしらしなければ同じようになるのは明らかだ。
「あのバカに礼言わねぇとな」
「グレイの氷の魔法ってさ、絶対零度とか出来ないわけ?」
それはいつも通りジョニィの家にお邪魔(侵入)していた時の話だ。
夕食も食べ終わり雑談をしている時にふとジョニィが言った。
「何だよ藪から棒に」
「いや、だってさ。基本ナツと喧嘩しているわけだから属性的に最悪だろ?」
「ま、どうあがいても俺の方が強いってわけだな」
「殴るぞお前」
確かに言われてみればそうである。
何故考えてなかったのか不思議であるが氷と炎では相性的に炎の方が有利だ。
生半可な炎では溶けない自信があるが、竜のブレスともなると流石に溶けてしまう。
「絶対零度か・・・そんなもんいちいち作ってたりしたら魔力持って行かれるな」
「一発ぐらいなら作れんじゃねぇのか?」
「一発ぐらいなら・・・まぁ出来んこともないな」
「じゃあ技を考案した俺が名前を付けてやろう」
「おい、まだやるとは言ってねぇだろ」
「いいじゃねぇか。んー・・・そうだな。よし、色々とぴったりだしこれでいいだろう。その魔法の命名は──」
「──
短く言葉が発せられた途端、ほんの一瞬ではあるが世界が停止したような気がした。
魔法として完成されたそれは、顕現した直後に絶対零度の冷気を放出し、降り注ぐ銀の弾丸が全て凍りつき、砕け散った。
「◼︎◼︎◼︎・・・!」
青、いや銀の光が目に慣れようやく目を開けて初めてその手に持つものを直視した。
槍だ。氷からは到底生まれることはないであろう銀の光を放ち、極度の冷気を生んでいるのかグレイの周囲の地面が凍りついていた。
「全く、何がぴったりだ。銀は分かるが何で方舟なんだよ」
まぁ悪い気はしないけどな、と言い銀槍を片手に持ち走り出した。
槍が地面に擦れるたびに凍りつき、氷の道が作り上げられる。
「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎───!!」
感情に呼応して銀が暴れ狂う。
頭を8つ持った蛇がグレイの四方八方から襲いかかる。
だがグレイは顔色一つ変えず冷静に槍を一度横に払った。
青い光が銀の槍から放射状に放たれ迫る銀の蛇を緩やかにすり抜けた。
直後、蛇の首が動かなくり青い光が当たった場所から崩れ落ちた。
「冷気の斬撃だ。びっくりしただろ?」
「◼︎◼︎◼︎・・・◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎──!!!」
あたり一帯の全ての水が上空に集められ、そらら全ては銀となった。
球状に集められた銀は、孵化しかけの卵のようにドクンドクンと音を立てて揺らいでいた。
「奥の手ってとこか・・・」
銀から作り出されたのはやはり蛇だった。
しかしその大きさは今まで作り出されたものよりも遥かに太く、大きい。
鱗は鋭く尖っており、地面を容易に引き裂いていた。
グレイは槍を一度回転させ、前方に構えた。
「あんたが一体何者かは知らんが、その呪い俺がぶっ壊してやるよ」
蛇が轟いた。
音の衝撃波は家が吹き飛び、地面が捲り上がるほどの威力。
グレイは槍を持つ反対の手で、盾を作り上げ衝撃を防いだが、片手で作った分力が半減し一瞬で壊れた。
「行くぞ──!」
静かな意志を胸に宿し、走る。
蛇はその図体からは信じられない速さでグレイへと直進した。
地面を割きながら進む蛇にあたる直前、グレイは空中に飛んで回避した。
蛇の図体は大きく早いが、急な方向転換は苦手なのか、若干動きが鈍い。
その隙を狙いグレイは大きく腕を後ろに引いた。
「もらった──!」
銀の槍が体にあたるその直前。
蛇の鱗の一つがぐにゃりと歪み蛇となった。
まっすぐに伸びた蛇は空中で構えているグレイの腹部を容易に貫いた。
「がっ──」
驚きのあまり一瞬動きが止まった。
しかしそんなものは効かないと言わんばかりに、槍を突き刺そうしたが、蛇の獣は一度笑い次々と鱗を蛇に変え、突き刺した。
串刺しにされたグレイは銀の蛇に支えられ空中でその動きを静止させられた。
心臓も貫き肉体は痙攣を引き起こし体が動かなくなるのはもう10秒もかからないだろう。
蛇の獣は笑い降り注ぐ血の雨を──
降っていなかった。
「待っていたぜ、この一瞬が来るのを──!」
貫いたグレイの体が砕け散った。
地に落ちたのは氷の塊。これは囮と気付いた蛇の獣は即座に振り返った。
そこには腕を、悪魔の腕のようなもので包み込み、槍を構えるグレイが立っていた。
「言っただろ。槍っていうのはこういう使い方があるんだよ」
悪魔の腕から銀の閃光が撃ち放たれた。
「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎──!!」
蛇が急速に動き槍を飲み込もうと突貫する。
だが悪魔の腕から放たれた銀槍は、蛇が飲み込むという動作をする前に、口の中に入りその体全体を貫き、青い光に包まれ爆散した。
蛇の獣が最後に見たのは、銀色に輝く閃光だった。
「う・・・んぅ・・・」
蛇の獣。ジュビア・ロクサーは重たい瞳を持ち上げると、目の前に半裸の男がいた。
「へ?」
「お、目が覚めた「キャァァァ!!」──ヘブッ!!」
ジュビアの平手打ちがグレイの頬に突き刺さり空中で3回ほど回転したのち地面に転げ落ちた。
「いてぇな!何すんだよおい!」
「それはジュビアのセリフです!そもそもあなた誰ですか!!??」
あ?と頭を悩ますグレイ。
よくよく考えてみれば自己紹介もしてなかったなと考えたが、早く駆けつけて援護に行かないとギルドが壊されると考えたグレイは後ろに向き走り出した。
「わりぃな!また今度するわ!」
「あっ!待ちなさ──」
い、と言おうとしたところでふと違和感に気づいた。
傘を手放しているのに体が濡れていないのだ。ジュビアは雨に愛されていたのか、いつどこに行っても雨が降る体質であり雨女と呼ばれ続けていた。
今日も銀の蛇のアクセサリーを貰うまでは雨だったはず。そう思い空を見上げると空に輝く日差しが入り思わず目を閉じてしまった。
もう一度注意して目を開けると、空に輝く太陽と青く澄み切った空が視界を覆い尽くした。
「あれが・・・」
生まれて初めて目にする太陽と青空を見て感動で胸が震えるのを感じた。
しかし何故急に?と思い疑問に思い前に向くと少し先で走るグレイの姿が目に入った。
「もしかしたらあの人が・・・」
雨空と曇った自分の心を晴らしてくれた存在なのか、と。
グレイが見えなくなるまでジュビアはずっと見続けていた。
この3日間旅行だったのですが酔った勢いでFGO単発ガチャ回したら金回転が起きて酒呑が当たりました。
宝具レベルが2になった。どちらかというとらいこうままが欲しかったのだ。