Lv.0の魔道士 re   作:蓮根畑

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仕事の間に一読。そんな時間にお送りします。


どうもみなさんこんにちは。BO4買ったんですが、クソゲなので誰か買ってください(単にプレイが下手なだけ)。今なら7000円で売ります。


Lv.33 決着

 

 

 

 

 

 

 

「10分で倒しきりたい!持てる力全て出しってくれ!」

「任せろ!」

 

ナツ、グレイ、エルザ、そしてサクラが走る。俺も後について走ろうとしたが貫かれた腕が今更ながら痛み始めた。刀を持つ手が震えて上手く握れない。利き手ではないが逆に持つかと考えた時、傷口を抑えるように包帯を巻いてくれる影が。

 

「ルーシィか。ありがとな」

「感謝しなくちゃいけないのはこっちの方よ。私にはこれぐらいしか出来ないし」

 

痛みを与えないように優しく巻いてくれているルーシィの顔は少し寂しそうだった。戦いたいが逆に邪魔になるという考えが頭にあるのだろう。

 

「あぁ、何だ・・・俺たち仲間だろ?

だったらそんなこと気にすんなよ」

 

自分から仲間と言うのは何だかんだ小っ恥ずかしい気分になった。これにはルーシィもポカンとした顔をしていた。そもそもついさっき言われたことを他人に言うなんて自分でもどうかと思う。

 

「やめだ、やめ。今の取り消し」

「遅いわよ。でもありがとう。元気でた」

 

包帯が結び終わる。流れる血も止まり幾分かマシになった。

 

「そうだルーシィ。頼みがあるんだがいいか?」

「え?何?」

 

 

 

 

 

 

 

「アイスメイク──槍!」

 

氷の槍が8本。蛇のように唸りながらジョゼの元にまっすぐに突き進む。更にその氷の槍の一本ずつにサクラ、エルザ、ナツが乗っていた。

 

「◼︎◼︎◼︎!!」

 

ジョゼも同じように背部から8本の赫子を生やし、迫り来る氷の軌道上に沿うように伸ばした。氷と赫子であれば耐久力だけでみれば明らかに赫子の方が上ではあるが、この攻撃は3人を出来る限りジョゼの元に近づけるためだ。

 

「ナツ!倒すつもりで目くらましを頼む!

サクラはそれを拡大させろ!エルザはいつも通りで!」

「私だけ扱いが雑なのが癪だがいいだろう!」

 

遅れて合流したジョニィの言葉ば響く。

氷の槍と赫子が激突。氷の槍はいとも簡単に破壊される。破壊される前にあらかじめ槍の上に乗っていた3人は飛び上がり回避。

 

「火竜の咆哮!!」

武源解放(アガートラム)──炎天!」

 

ナツは肺に溜め込んだ空気の全てを炎として吐き出し、サクラは刀を振るう際に発生した熱と風を組み合わせ巨大な炎の竜巻を作り出す。合体魔法とは行かなかったが、同じ属性の魔法による相乗効果でより巨大な炎を引き起こしジョゼに叩きつけた。生身の人間であれば骨すらも残らない熱。しかし効かない。炎の竜巻の中心にいると言うのに、身に纏う竜の赫子は少し足りとも減らない。だがこれで終わりではない。

 

「ハアアアァァ!!」

 

炎の竜巻を突き破り、数えるのも馬鹿らしい剣が真っ直ぐに突き刺さる。天輪の鎧による剣の投擲。本来喰種を倒すために必要な特殊な武器がなければ赫子はおろか、喰種の体に弾かるのに、投擲のスピード、そして剣の鋭さだけで硬い鎧に剣がわ突き刺さる。

 

「エルザ!使わせてもらうぞ!」

 

走る。ジョゼに命中しなかった剣を地面から引き抜く。炎の竜巻は消え、ほんの少しだけ焼けた鎧が露わになる。剣に魔力を通し雷を帯びさせる。赫子に対する手段として今のところ一番有効。限界突破で身体の上限を引き上げ加速。ジョゼが動く前に剣を突き刺す。すぐに手放しまた地面に突き刺さった剣を引き抜きまた突き刺す。それを地面に剣が落ちている限り繰り返す。

 

「◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎!!!」

 

だが同じことを許してくれるほど甘くはない。損傷無視で赫子を伸ばす。行く手を遮るように赫子が枝分かれし、選択肢を狭べる。

だがそれでも進む。きっとやってくれるはずだ。

 

武源解放(アガートラム)──閃」

 

横薙ぎに一太刀。それが超スピードで行われたことで剣の威力が飛んだ。俺の目の前にあった赫子に留まらず、辺り一帯の赫子を排除した。

 

「サクラ!手伝ってくれ!」

「はい!」

 

剣を取る。突き刺す。走る。剣を取る。突き刺す。この工程を刺す場所がなくなるまで繰り返す。サクラも同じように剣を手に取り突き刺す。地面から剣がなくなったときにはジョゼの体が見えなくなり、まるでハリネズミのようだった。だが致命傷にはならない。鋼鉄の鎧を着ているものに突き刺すのは無駄。ならば内部に直接衝撃を与えるしかない。

 

「グレイ!ナツ!道を作ってくれ!」

「「おう!!」

 

刀を捨て、体勢を低くし地を叩き蹴る。赫子が迫り来るが止まらない。ここで止まることはあいつらの信頼を裏切ることに等しい。今はただ、仲間を信じる。

 

「合わせろよナツ!!」

「それはこっちのセリフだアアァァァ!!」

 

横並びに立つ二人は片腕をそれぞれ前方に向けた。ナツからは燃え盛る炎が体から漏れ出し、グレイは凍てつく冷気を。相反する二つの属性は混ざり合う。青い炎、もしくはブリザードを思い浮かばず魔力が迸る。

合体魔法。確か原作にはなかったはずだが今この状況ではなんと嬉しいことか。

 

 

───炎氷竜閃牙!!

 

 

言葉が紡がれた途端。身震いする冷たい炎が前方に走る。俺だけを綺麗に避け、突き進む衝撃波は赫子を絶対零度により瞬間凍結され、砕け散る。恐ろしい力だ。まだ物語が始まって序盤というのに、技の名前が完全に中盤に出てくる光と闇の滅竜魔導師そっくりである。

 

「◼︎◼︎◼︎・・・!」

 

体が凍りついて動かないのか、赫子の出が遅い。この瞬間ならば行ける。

拳を握りこみ、大きく引く。腰の捻り、足の踏み出しすら力に変えて拳を鳩尾めがけて撃ち放つ。だがこれでは内部にまでは届かない。俺の技の一つでもある三頭龍は超スピードで3回拳を撃ち放つため同時に3発飛んでくるように見える。ならば同じ箇所に3回ならば?

かの有名な漫画、なんとか剣心では体内に直接ダメージを与えるフタエノキワミ、アーッ!という技や、また別の漫画になるが美食を追い求めるグルメ漫画では突きを同時に打ち付けて放つことで、威力が奥まで浸透し内部から標的を破壊する釘パンチというものがある。結局の所俺の三頭龍も同じではないのか?

 

 

「───三龍牙」

 

 

超高速の3連撃が鳩尾に突き刺さる。響く音は1度。だが一度後ろに弾き飛ぶと二回、三回と何かに打たれたかのように後ろへと下がる。龍の口から血液が大量に漏れ出す。やはり今の一撃は効いたみたいだ。

 

「三・・・四・・五・・・六!」

 

効くと分かればもう一発。

さっきの倍。喰種であれど臓器の3つ4つの破壊は免れないだろう。

 

「──六龍牙!!」

 

アッパー気味の一撃を6度叩き込む。ドドドドドド!!とマシンガンのような音が鳴り響き空中に持ち上がる。今ので右腕にほとんど力が入らなくなったがこれで詰めだ。

 

 

「頼んだぞルーシィ!」

「任せて!開け、宝瓶宮の扉『アクエリアス』!」

 

 

鐘の音が鳴り響くと同時にルーシィの手に持つ金色の鍵が輝く。呼び出すのは現時点でルーシィの持つ鍵の中でもトップクラスの星霊。ギルドのすぐ正面は港になっており、アクエリアスは水辺のみで召喚出来る。呼び出されたアクエリアスはクールな目つきをしており、空を飛ぶジョゼを見て目を見開いた。

 

 

『気持ち悪ぃんだよ!とっとと天国まで流されろ!』

 

 

アクエリアスは口が悪い。しかしその威力は折り紙つき。時に味方ごと流してしまう激流はピンポイントでジョゼに当たる。流石王道12門の星霊という所だろう。ジョゼは俺の攻撃がかなり効いていたのか再生の方に力を入れており、赫子は伸びて来なかった。

 

「次はグレイ!頼んだぞ!」

「全く、無茶押し付けやがるなお前!」

 

グレイが作ったのは銀に光り輝く一本の槍。

初めて見る氷魔法であるが、練られている魔力の量からグレイの奥義であることが分かった。

 

「俺の全魔力を込めた一撃だ!喰らいやがれ!銀の方舟(シルバーレイ)!」

 

槍が銀の光を残し、ジョゼを飲み込む激流へと突き進む。いつジョゼが回復するか分からないがこれは決まる。

激流に銀槍の穂先が当たった直後、激流が光り輝き凍りついた。思わず口が開いてしまう。まさか原作ではない技でここまでの威力を持つとは。

 

「後は・・・頼んだぞ・・・!」

「あぁ、任せろ!」

 

ここで決めなければ全てが終わる。

ポーリュシカにあれほど使うなと言われた臨界点突破を使い、限界を更に超える。

 

「サクラ!」

「はい!」

 

サクラの手を掴みジョゼのいる方向に遠慮せず投げる。直線に飛んだサクラは凍りついた激流の上に降り立ち、ジョゼのいる元まで走る。

ピシリと氷にヒビが入る音がした。回復が想定した以上に早い。龍の雄叫びを響かせながら人の口に似た赫子を視界を覆い尽くすほど伸ばしてきた。

 

「くっ」

「そのまま走れ」

 

サクラの横を緋色の影が通り抜けて行く。

エルザは天輪の鎧の力をフルに使い剣を浮かせる。10、20と空に浮かぶ剣の数は10区切りで増えていく。計75本。1本ずつそれぞれ赫子にぶつける。75本の個別での操作なんて極限の集中力がなければ出来ないというのにこなしてみせた。エルザのおかげで飛来する赫子の数はかなり減った。俺もサクラの元まで追いつき片手一本で持った刀を前に構えた。

 

 

武源解放(アガートラム)──鉄塊斬!」

 

 

迫り来る赫子を一刀両断し、ジョゼの体を袈裟に斬った。鮮血が漏れ出したがまるで時間が戻るかのように傷がふさがる。だけど、もう遅い。俺の、いやこの戦い俺たちの勝ちだ。

 

「そこだあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

背中に一太刀浴びせると同時に、傷口に手をねじ込み、赤黒い臓器を抉り出した。これこそが赫子の元になる赫包。これがなければもう再生も赫子も伸ばせない。

 

「◼︎◼︎◼︎・・・・・◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎・・・!」

 

龍は呻きをあげながら、ようやくその体を地面に落とした。





進めたいから楽園の塔飛ばそうかな・・・

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