本日はまったり。ネタのみとなっております。
楽園の塔は飛ばします。
Lv.34 小休憩
「このっ───大馬鹿者がぁ!!」
唯一無傷だった頭に、拳が叩き落される。拳骨。頭の上から足先まで痺れた腰の入った一撃だ。視界がグラグラして目眩がする。きっと側から見たら俺の頭の上にはお星様がグルグルと回っているのだろう。そんな俺を無視し、拳骨をかましてくれたポーリュシカはマシンガンのように言葉を放つ。
「やるなやるなと言ったことをすぐにやるとは・・・本当に必要だったのは頭の治療だったのかい?」
「のおおぉぉぉ!アイアンクローはだめええぇぇ!!」
ミシミシと音を立てて頭が圧縮される。齢80を超えてそうなのに一体どこからそんな力が出てるのかと思わずほど頭に指がめり込む。臨界点突破を使った影響で筋肉が少し断裂してしまい、動かない手では抵抗出来ず、体をじたばたさせるしかない。そんな俺を見かねたのか、マカロフが冷や汗を垂らし、引きつった笑みを浮かべて俺とポーリュシカの間に入った。
「ま、まぁそこまでしてくれんかのぉ?
これは不可抗力というやつで──」
「な に か い っ た か い ?」
「ナニモ」
すっと視線を外したマカロフ。その際、俺の方に一瞬だけ目を向け「ごめんね☆ワシ何もできないやテヘペロ☆」みたいな顔をしてた。俺の救いの願いは届かず、マカロフはブリキのロボットのようなぎごちない動きで医務室を後にした。残されたのは俺とポーリュシカのみ。そして俺はガジルとやった時ほどではないがそれでも怪我は怪我である。今日やっと帰って落ち着けると思ったら、ギルドに連れて来させられて治療させられるとは、ポーリュシカも激おこ案件だろう。
「さて、これがなんだか分かるかい?」
ポーリュシカの右手に収まっているのは注射。そう、ごく一般的な注射なのだが中に入っている液体が青色ということからヤバそうな匂いが漂って来た。
「う、打てば体力全回復とか?」
「惜しいね。確かに体力は回復するが時間がかかる」
モン○ンの回復薬や、ド○クエのベホマみたいに瞬間的に回復するものではない。まぁ時間をかけたら治るものだろう。ならそれでよくね?そう思った俺に絶望が降りかかる。
「アンタの魔力を再生力に回す。その間魔力は奪われるし、激しい筋肉痛にもなるけど・・・アンタには丁度いいね」
「まままままま待って!せめてそれ以が──」
プスッ
アアアアアァァァァァァァ!!
3日後。なんとか激痛を乗り越え完全復活をなした俺。ポーリュシカに「次同じようなことをしたらもっとキツイのぶち込んでやるぜっ!」と言われた時は思わず鳥肌が立ってしまった。ベッド上で激しく悶えていた間にナツ達は旅行に行ったらしい。まだギルドも完全復興していないというのに羨ましいやつらめ。まぁ楽園の塔編は俺が行かなくても何とかなるだろう。多分転生者出てきてもエルザがボコってくれるだろうしな!
とまぁ俺はギルド建築の休憩中、いつものサクラとの修練場である広場に来ていた。
目の前にあるのは大木とは言わないが、それでも折るのは難しい木である。
木との距離を1メートルほどあけ呼吸を整える。拳を引き余分な力を抜く。筋肉が弛緩し、一気に跳躍。ゴムのように弾け飛び1メートルの間をつめ、拳を抜き放つ。
木に拳が当たり音が響く。それを一撃にみせかけて三連撃。威力が内部に浸透し、木の幹を破壊していく。見た目は何も変わっていないというのに、木はミシミシと音を立てた。
「折るまでは・・・まだ無理か」
人差し指で軽く木を押す。するとポッキーのように簡単に折れた。
ジョゼとの戦いで生み出した三龍牙を使ってみたがまだまだだ。ここからのストーリーは難易度があがる。強化なしで三・・・いや、四龍牙までは息をするようにしたいものだ。
しかしポーリュシカのあの薬が効いたのか、以前までは魔力なしでは二頭龍が限界だったのに、復活したことで筋肉の量でも増えたのだろうか今では三頭龍まで行ける。つまりもう一度結構な怪我をしてポーリュシカにあの薬を打ってもらったら?・・・やめよう。嫌な予感しかしない。
「ま、しばらくは自己鍛錬だな。ここ最近やってなかったしな」
あの地獄の修行までとは言わないが、いい加減自分から学ぶことも大事だろう。楽園の塔編が終わるまで時間もあるし、少しぐらいは成長出来るであろう。
それから1週間ほど経った。
いい加減楽園の塔終わるやろwとか思っていたら向こうは向こうで中々まったりしているらしい!くそ、羨ましい!俺も連れて行け!リゾートだけ(楽園の塔へは行かない)!
と脳内で叫びながら復活したサクラとの修行である。赫者状態のジョゼと戦っている際に気づいたがサクラの動きがよくなっている。正攻法をしかけることもあればトリッキーな動きも見せる。対処は難しいがまだ届かない。
「そこ」
「っっ──!?」
サクラの踏み込みに合わせて、足を払う。
足払い。極めれば相手を空中で回転させて落とすことが出来る奥が深い技だ。パァンと足を一閃。サクラの体が前によろけり、近づいた顔に渾身のデコピンをくらわせる。いつもならこれで終わり。なのだがなんと地に着いていた片足に万力の力を込めて飛び上がった。
「
桜色の刀身から、白く光る閃光が放たれた。予想外の一撃であったが放つ前に刀身をパリィし、見当違いの方に撃たせた。空中で動きが取れないと分かっているならあとは楽なものだ。手のひらに魔力を集め。それを放散する。属性は風。暴風が吹き荒れサクラの体を弾き飛ばした。
「お前俺を殺す気か!?」
「え?でも前に『殺す気でかかってこい(キリッ)』って言ってたじゃないですか」
「限度ってもんがあるだろ・・・あとキリッはやめろ」
相変わらずサクラの飲み込みの早さは異常である。吸水スポンジかな、と本気でそう思ってしまうことが度々ある。抜かれるのも時間の問題になりそうだ。その時はこいつが俺のことを踏んづけていると考えたら・・・なんだろう。凄く嫌。
「ところでアルさん」
「何だ?」
「一つ相談があるんですけど、ミスコンに出ようと思うんですけどどんな服がいいんですかね・・・?」
「ミスコンってことは・・・ギルドのやつに出るのか」
「出るのは恥ずかしいんですけど、家賃の問題が・・・」
「なるほどな」
確か先日ルーシィと話した時も同じようなことを言ってた気がする。俺は極悪人二人の賞金で一先ずは落ち着いて暮らせるが、サクラはそうではない。だから優勝したら賞金が貰えるミスコンというわけだ。しかし、俺の記憶通りだとエルザがエロい服を着て優勝してたような気がする・・・あれ、エロい服だっけ?まぁそこら辺はいいとしよう。
「我ながら酷なことを言うが、やっぱ露出度とか高い方がいいんじゃないか?」
「うっ・・・な、納得は出来ますけど」
少し頬を赤く染め自分の腕を体に押し当て、一方後ろに引き下がる。なんだろうな・・・こういう漫画みたいな展開前世で見たことがなかったから・・・萌える。
「ルーシィは確かチアガールだった気がするから最低限そこぐらいまではな」
「ち、チアガール・・・」
むむむ、と頭を悩ますサクラ。仕方がない。ここは師匠としてビシッと言ってやるか。
「サクラ、絶対に優勝できる服装がある」
「!?何ですかそれは!」
「用意するのもただ一つ!だが、シンプルが故強い!」
「おぉ!それは一体何なんですか!?」
大きく息を吸い、目をカッ!と見開く。
お腹の底から声を出し、耳を通り越え脳内に直接響くように俺は言うのだった。
「裸エプロ───!」
次の瞬間、俺の意識は途切れていた。
用意するもの
エプロン
ジョニィ「嘘は言ってないぞ。エプロンだけですむんだぞ」