投稿が遅れて申し訳ないのだ。
活動報告をわざわざ読んでくれた人も少ないと思うので説明しておくとアイフォンのメモ帳でいつも作成しているのですが、やったー!完成した!と思ってコピーして投稿しようと思ったら、コピーではなくペーストを押してしまって・・・フフ、残ったのはさっきコピーしたメアドだけさ。悲しくなっちゃうね。
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この名こそが英雄王ギルガメッシュの切り札だ。
「ここか・・・」
ギルガメッシュは自身の手に持つ古びた羅針盤を見ながら呟いた。北を指すはずの針は、時計の秒針のようにゆっくりと回転しており、壊れているかと思うがそうではない。この羅針盤の指す向きは自身の目的物。とある海賊が宝を見つけるために使っていたものの原典である。厳重な封印をかけられ感知するのも不可能なはずだと言うのにその宝具はいとも容易くニルヴァーナの位置を当てた。
「なるほどな。それなりに強い封印ではあるが・・・」
用済みとなった羅針盤が黄金の波紋の中に落ちていく。それと入れ替わるように出てきたのは歪な形をした禍々しい紫の短剣。武器に使うにはあまりにも歪。かと言って飾るものかと言われれば禍々しい。しかしこの短剣は敵を倒すためでも飾るものでもない。宝具名『
「我の前では無力なものよ」
英雄王の手から垂直に落下する短剣。特別な詠唱も、術式も書く必要もない。ただ刺すだけで全てが原初へと変えるのだ。ゆっくりと、ただ重力による加速をほんの少しだけ得た短剣は地に刺さると同時に、短剣の音ではない何か砕ける音がした。短剣の刺さった場所から黒い奔流が溢れ出すのには1秒もいらなかった。
動く城塞を見るのは移動要塞ファントムという前例があるため初めてではないが、大きさは何十倍、いや何百倍と言ってもいいだろう。タコの足のような多脚、そしてそれに乗っかるように鎮座する街が一つ空中に浮かんでいた。
「あれがニルヴァーナか・・・」
「そんな馬鹿な・・・封印はまだ溶けていないはずだ!」
「あいつはこの世の宝全部持ってるんだ。そん中に欲しいものを探すアイテムと、封印破りのアイテムぐらいあるだろ」
「そんなめちゃくちゃな・・・」
イヴが疲れ混じりの言葉を残し、地面に座り込んだ。めちゃくちゃ、やつを表現するにはふさわしい言葉だと思う。万象を見通す目、敵の弱点を的確に放てる武器。チートもいい加減にしろと言いたくなるぐらいだ。
「そんなやつに本当に勝てるのか?」
「馬鹿野郎。勝てるとかそんなんじゃねぇよ。勝つしかないんだ」
そう、勝つしかないのだ。あの偽ギルガメッシュの企みが何であるかは知らないが、あんな成金野郎を野に放り出していいことなんてあるわけない。逆らう者は皆殺し、自分を褒め称えるものだけを残すクソみたいな国だけが完成する。本来の英雄王ならばどうなっていたかは分からない。頭脳明晰、見通す慧眼でウルクと呼ばれる古代都市が生み出された。しかしヤツは偽物だ。ただ英雄王の力を使っていわゆる「俺TUEEEE!」をしたいだけの人間なのだ。そんな事が分かる程喋っていないのだが、分かる。強すぎる力を持ったら見せびらかしたいから。
「しかしジョニィの策で勝てるのか?私には信じられないのだから・・・」
「それに関しては問題ないと言わせてもらおう。この弱点は絶対につける」
太陽が照りつける大地の中を悠々と歩く移動城塞。どこへ向かうかは分からないが一歩一歩が大きいため着実に前に進んでいた。
「よし、具体的な作戦を考え───」
「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
よう、と言おうとした矢先近くの茂みの中からボロボロの服を着た巨大な男が出現した。驚きのあまり一瞬脳が思考停止したが、特徴的過ぎるあまりにも角張った顔はすぐに誰かを思い出した。
「ホットアイ!?何故ここに!?」
逃げたのか!?自力で脱出を!?なんて考える間もない。あんまりにも急すぎたのか戦闘に意識が移行するのが数秒遅れた。奴に一番近いのは俺だ。確実に一発をもらってしまうことになるがそこから反撃して──
「い、とは素晴らしいものデスネ!」
「・・・は?」
「助かりました。私見ての通りボロボロだったので・・・他者から受け取る愛。やはり素晴らしいデス」
キチンと正座して慈愛に満ちた笑みを浮かべるホットアイの服は、神父が着るようなカソック服ではなく、チャーミングなハートやフリフリとしたおしゃれな服。これ以上までに似合っていないはずなのだが、何故か似合う。
「なぁ、ルーシィ。これ以外はなかったのか・・・?」
「私に言われても・・・バルゴが作ったんだし、似合ってるからいいんじゃない?・・・多分」
「多分って言ったよおい」
まぁ本人が何も言わないならいいのだろう。原作であれば何処かで戦っている最中にニルヴァーナが起動したタイミングで性格が逆転してはずなのだが、今は原作の面影がないためかストーリー自体歪められている。
「この人・・・六魔将軍の一人なんだよね?それが何でこうなっているのさ」
「・・・もう隠し通すのも無理かな。これがニルヴァーナという魔法なんだ」
ニルヴァーナの説明が始まる。最初から知っていた俺を覗き、各自驚愕の表情を表していた。
「そんな魔法が・・・」
「成る程な。悪い奴が良い奴に変わるってのは正にこの通りというわけか」
「私は金に目が眩んでいました。確かにお金は大切なものデス。しかしそれ以上に人との信頼・・・つまり愛こそが大事だと気付かされたのデス」
仏とは正にこれこの通り。この人元々闇ギルドの人なんですよと言っても誰も信じちゃくれないだろう。
「というか何故私たちの前に姿を現した。確かにお前は良い奴なのだが・・・その、言いにくいのだが・・・お前は六魔将軍の一人だ。私達はお前を捕らえる必要がある」
エルザの言う通りだ。確かに良い奴にはなったがそれでも過去に人を殺していることには変わりはないのだ。初めて会った奴が物凄く良い奴なのに、捕まえなければならないとは辛い話だ。しかし、悲しい現実に付けつけられて喚き、暴れ出すこともなく変わらない笑みで答えた。
「それは構いません。どうせ自首しようと思っていたのデスから。しかし・・・あの金色の男だけは命に変えても倒さなければならないのデス」
「やつの目的を知っているのか?」
「私もその時気絶して起き上がった直後であまり聞き取れなかったのデスがやつは──」
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「いやー、やっぱコレめっちゃ強いな」
ホットアイが目覚めて聞いた言葉はそれだった。自身と敵対した時と態度が別人のようだ。自信過剰の王から、おもちゃを自慢する子供。疑問に思うほどの力は残っていなかったが、それが幸いして自身が起きているということに気づかれなかった。バレないように視線だけを上げると奇妙な形の剣、というかもはや剣ではなく赤と黒の層が三層に重なったドリルのように見えた。それを見て黄金の男は笑っていた。しばらく鑑賞した後に黄金の波紋へと戻し、ホットアイの近くにあったちょうど良い椅子代わりの石に座り一人つぶやいたのだ。
「あーあ、強すぎて話になんないなー。こんなんじゃ世界征服なんて1日経たずで出来るよ。ま、いいか。王様になったらやりたいことも見つかるだろ」
そう言い残して彼は何処かへと歩いて行った。
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「世界征服?なんだか子供みたいな夢だな」
「私もそう思いました。しかし彼はそう言ったのデス」
「あいつが王になるってことは・・・」
「ルーシィ含め、自分の気に入った女は全て手の中ってことだな」
これにはドン引きの女性陣。まぁ俺も引く。やってみたいけど。男の欲望というやつだ。
「けど実際そうさせるわけにはいかねぇよなぁ?」
「当たり前だ。あの野郎に現実ってやつを教えなくちゃな」
ニルヴァーナの話が始まってまだ数時間も立っていないが、話は大詰めに向かっていた。
次回からやっと戦闘・・・日常会話の話は辛いのじゃ