2ページ目に行こうとしてもすぐ1ページの一番上に戻る・・・まるで将棋だな(どういうことだ)
どうもこんばんは。旅行中なのに携帯ばっかりしてるせいで通信量を喰われる系作者の蓮根畑です。
今回はオリ回。ストーリー内容とかは考えてるけど字に打てないので中身スカスカですが許してクレメンス。
「うーむ」
ギルド「妖精の尻尾」
その片隅で俺、ジョニィ・アルバートは腰に手を当て悩んでいた。
視界の先は雑に紙が貼り付けられたクエストボード。ギルドに入りある程度落ち着いたところで行こうと思ったのだがどれもこれも微妙である。
しかし行かねば金が稼げない。俺が借りた家は月6万。それに水道代やらガス代etc etc。
家を出る時は親の反対を押し切って飛び出したので支援も何もあるわけがなく、高校時代に稼ぎに稼ぎまくったバイト代のみ。
それも家具を買っていたら6割消えた。解せぬ。
「ん〜〜・・・ん?」
雑に紙が貼られているせいで見つけづらいがある一枚の紙を見つけた。
依頼主はとある集落の領主。依頼内容は家に忍び込んでくるコソ泥の確保。
しかも50万と報酬がかなり高い。
「これしかねぇ・・・!」
50万を手に入れた想像をする事で、クエストへの意気込みを高める俺であった。
マグノリアから記者を乗り継ぎおよそ3時間。そこから徒歩で更に小1時間。
森の中をさまよいながら歩いた先には小さな集落。家の数はおよそ50と少し。集落の奥には領主のものと考えられる一際大きな家が建てられていた。
とりあえず依頼主である領主に会おうと思いなんの疑いもなく領主の家っぽい所に行き案内された結果・・・
「お〜よく来たよく来た!我が集落にようこそガーハッハッ!!」
「・・・どうも」
油がテカテカで太っている大柄な男。
悪人キャラAみたいな人だった。
その証拠に両手には女を抱え、チキンをクチャクチャ音を立てながら食べていた。
「しかしあの『妖精の尻尾』から来ると聞いてどんなやつが来るかと思ったら、思ったよりヒョロリとしてるなァ」
「ハハハ・・・」
口から食べカス出てるから、ちゃんと飲み込んでから喋れよ。
と出会って早々愚痴を言いたくなったが喉の奥に抑えておく。というか何でそんな図体してんのに女抱けるの?この集落では金が全てなの?俺も金さえあれば・・・
「この依頼が終わるまではこの家に寝泊まりしてもらう。おい、案内しろ」
領主の右腕に抱かれていた女が雑に前に突き出されたせいか転んだ。しかし女は何事もなかったかのように起き上がり生気のない目で「分かりました」と呟いた。
「あ、それとこの家以外の部屋の出入りはやめてくれ」
「?」
なんだか嫌な気配がして来たな・・・。
この依頼盗人よりも重大なことがあるんじゃないか?
「案内します」
「あぁ、お願いします」
屋敷の中は豪華だった。
至る所に装飾品が飾り付けられ、ピカピカと目に悪そうな光が上から降り注ぐ。
案内してくれている女はペースを変えず、話すことなく淡々と進む。
「あ、あの・・・名前はなんと呼べばいいでしょう?」
「・・・」
無視。辛い。
「この集落って総人口どれくらい?」
「・・・」
再び無視。それどころか見向きもしない。
コミュ症の俺が必死に話しかけても見向きもしない女にイラッと来た俺は調子に乗ってみた。
「おいコラ、それ以上無視したらその胸千切ってやるぞ」
「・・・」
嘘だろ・・・言った俺が馬鹿みたいじゃないか。恥ずかしい。穴があったら入りたい。
俺が顔を隠してる間に部屋には無事着き、女は俺に一瞥をくれることなく元来た道を同じペースで帰っていった。
「ふむ・・・」
部屋の窓から外を眺める。
領主の家の周りには槍や剣を持つ兵士が50人。幾ら何でも厳重な対応をし過ぎではないのだろうか?
確かに盗人が出るのは嫌な話ではあるが、こんな小さな集落で盗人が出るのは珍しいような気がする。俺の頭の中では小さな集落とかは知らない顔がいない、みたいな感じなのだが・・・。
しかし依頼内容は盗人の確保だ。それで50万もくれると考ると他のことは気にしない方がいいのかもしれない。俺の気のせいかもしれないしな。
取り敢えずは盗人が来る夜まで待つとするか。
深夜。眠気を抑え盗人が来る食料倉庫の前で見張りをしていた。
辺りは暗く目を凝らさなければ50cm先も怪しく、月明かりだけが光源だった。
結局外に出ることはなく無駄に豪華な飯と風呂に入らせてもらい今に至るわけだがまだ何も起きてはいない。
そもそも食料倉庫前にドンと座っているのに突撃してくるやつもいないだろう。
「・・・」
──いや、来るか
上のダクトが開きそこから黒い影が落ちて来る。準備していた刀を握り直し、黒い影──黒マントを羽織った人影の銀に光る刃に狙い合わせて振るった。
金属音が鳴り響く。黒マントは身軽に飛び直径30cmほどの短剣を前に構えた。
「なるほどな。侵入経路が分からないと聞いていたけどダクトの中を通って来ていたのか。そりゃ気づかないわけだ」
「・・・」
「ん?何で気づいたかって聞きたげな様子だな」
ジリ、と音を立て間合いを図る黒マントに対し、あえて俺は何も構えないで油断しているのを演出した。
「音だよ。マントが擦れる音が聞こえた。まぁ気づくやつなんてそういないが残念だったな。諦めて早く捕まりやが──」
銀に輝く短剣が投擲された。
肩に狙って放たれた短剣を左半身になることで回避。黒マントがいた方向を見直すとそこには誰もいない。
投げられたナイフの先を見ると俺が短剣に目を取られた隙に移動し、自分で投げたナイフを自分で回収していた。
肩を狙ったことから殺意はないとは思われる。
その証拠に短剣は的確に腕や足を狙っていた。
小型のナイフや短剣において手足の斬り付けは非常に対処が難しい。
受けに失敗すると斬り付けられ血を流すことになるし、斬られた箇所が多いと血の流しすぎで最悪死ぬ可能性だってある。
──ではどうするか?
「──
手に持つ刀がグニャリとスライムのように溶け落ち、元の形状を失う。
溶けた刀は俺の腕に巻きつく、指先から前腕までを守護する装甲となった。
「それが・・・!」
どうした、とでも言いたいのだろう。
しかし舐めてもらっては困る。
短剣を突き出すその一瞬前、俺の蹴りは正確に黒マントの脛を捉えた。
「ッッ・・・!」
脛というのは知っての通りかなり痛い。
短剣を持った相手には足のリーチもあることで有効な一撃となる。
しかし脛一撃で倒れるほど相手も甘くない。
「この程度・・・!」
再び距離を詰める。
俺は再び蹴りの準備をする。
射程距離に入った瞬間、横一線蹴りを放つ。
「同じ手にかかるか!」
「いや、違うね」
蹴りを停止させる。
脚を斬りつけようとしたナイフは見事に空を切り裂く。
「──なっ」
「ほーら、隙が出来た」
伸びきった手を掴み、もう片方の手で肘の関節を決めながら相手を背負うように回転しながら沈みこみ、腕を引き体全体を回す。
背負い投げの凶悪バージョンだ。
肘関節を極めながら投げるので一度決まれば回避不能。
地面に背から叩き落とされグフッと声を出すと打ち所が悪かったのか気絶していた。
「こいつを突き出せばこれで50万だが・・・」
どうもこの集落は怪しい。
聞く相手は間違っているだろうがこの屋敷に住んでいる人に聞いても無反応。
ならばやむなし。
装甲となっていた刀を更に形状変化させ、今度は縄にし、黒マントをぐるぐる巻きにし肩に担ぎ、俺は何事もなかったかのように部屋に帰るのだった。
オリジナル技紹介
再来週ぐらいまでオリ回。パパッと終わらせて前作で書きたかったニルヴァーナ編まで行きたいですね。