Lv.0の魔道士 re   作:蓮根畑

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大変遅くなりました。マジで忙しすぎて書く暇がありませんでした。申し訳ない。学校行ったり、グラブルやったり、エーペックス やったり、エーペックス やったり・・・全く、忙しすぎるぜ!(白目)
エドラス編やる気あったけど書きたいところが終盤に詰まっているためなかなかたどり着けない今日この頃。何とかしたいものだ。


Lv.63 再開

 

 

 

 

 

 

「ジョニィ・ナイトウォーカー?」

「サクラ・ナイトウォーカー?」

 

二人揃っておうむ返し。それ程までの驚愕をエドラスのナツ・・・ナツ・ドラギオンから聞かされた。揺れる車体の後部座席で心地よい揺れの中、ナツは顔色を変えずそう言った。

 

「おう。王都の魔戦部隊の中でも飛び抜けたヤツが配属される零隊の中の隊長と副隊長がここでのお前らになるらしいな」

「マジかぁ・・・」

 

俺のことだからてっきり妖精の尻尾でアホみたいなことしてるものかなぁ、と思っていたら王都側の人間で?零隊とかいうなんかヤバそうなグループにいて?サクラの手下?

 

「あ、アルさん私の部下ですって・・・めちゃくちゃ見てみたいです・・・」

「焼くぞ」

 

腹を押さえて笑いを何とか堪えるサクラに恐怖の一言。が、おさまりそうではない。こーんなチンチクリンの部下・・・恥ずかしくて穴があったら入りたいわ!」

 

「む、チンチクリンって・・・私のことどう思ってるんですか!というか心の声が漏れてるんですよ!」

「あぁ、わざとだからな」

「なっ、言いましたねぇ!」

「おいおい、車の中で暴れるなお前達!」

 

しかし、零隊とは・・・某オサレ漫画のブ○ーチだったら最強の隊だし、どこぞの最期の冒険ゲーム零式でもトップクラスの証の番号である。まさかこんな怠けきった俺が・・・いや、そんな俺だからこそエドラスでは優秀だったのか・・・なんか悲しいなオイ。

 

「ったく・・・とにかくお前らはヤベェやつとして俺たちの間で有名だ。<死を告げる天使>サクラ・ナイトウォーカー。大剣と短剣を使った予測不可能な剣戟を繰り出す特攻隊長。大剣を使いながら俊敏な機動力で敵を屠ってきた」

「<死を告げる天使>・・・」

 

 

 

「<羅刹>の異名を持つジョニィ・ナイトウォーカー。大剣、二刀流、弓を場面によって使い分ける。500対1でも勝利を収めるヤベェやつだ」

「俺になんか恨みでもあんのか?」

 

 

ないって言えば嘘になるな、とナツは言った。「いや、あるんかい」と声に出してツッコミたかったが、何やら真剣な様子。サクラの頬を引っ張るのをやめて座り直した。

 

 

「全ギルドの撤廃はさっきしただろ?」

「あぁ、全ギルドが同盟組んでレジスタンスとして活動して何とかって話だろ?それが何だよ」

 

 

ナツは思い出したくないように顔を下に向けた。

 

 

「総勢500以上いた魔導師軍を虐殺したのはお前だ」

「500って・・・その中にはS級の人達もいたんですよね」

「500の内S級の魔導師は10人いた。その内生き残ったのはミラ姉だけだ」

「えぇ・・・俺強すぎじゃない?」

「強いで済む問題じゃねぇよ。俺はお前のことは理解したけど他の奴らがお前の顔見たら血相変えて襲ってくるぞ」

 

エドラスの俺・・・何しとんや。俺はS気のあるルーシィを見たかっただけなのによぉ・・・これじゃ見れねぇじゃねぇか!

見れても殺されるわ!

 

「500対1って・・・勝てるものなんですか?」

「普通は勝てねぇよ。けどヤベェのが集まっている零隊だからな」

 

500対1。俺が経験した多数との戦闘は鉄の森だけで、その時もエルザの協力があった上に、鉄の森自体の戦力もたいしたことがなかった故の勝利だった。倒した数も50をいったかいってないか。その時の俺とはおそらく成長しているはずだが500を相手に出来るエドラスの俺は一体何者なのだろうか。

ブレーキのかかる音がした。慣性によって体が前に飛び出すのを踏ん張って耐えた。窓の外を覗くと大都市がすぐ目の前にあった。

 

「俺が送れるのはここまでだ。ルーシィに帰ってくるように急かされてるしな」

「あぁ、すまないな。迷惑かけちまって」

「怨敵に謝罪の声をかけられるとは変な気分だな・・・」

 

 

ナツはゴーグルをかけ直し再びハンドルを握り直した。

 

 

「あいつらがあんた達みたいなやつだったらまた違ってたのかもな」

 

 

寂しげにそう言い残しナツは過ぎ去って行った。エドルーシィに呼び出されたということはナツ達もギルドから次の街ぐらいに行けたのだろうか・・・心配が胸によぎるがナツ達の心配をしてる場合じゃない。俺達も王都に行くのだ。何が待っているか分からない。しかし──

 

「ナツ達が来るまで俺達は何をしたらいいんだ・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精の尻尾から歩くこと約半日。ルーエンの街という訪れていたナツとウェンディ、そしてエドラスのルーシィは喫茶店で持ち合わせていた話をしていたわけだが────

 

「私が本書いて!?鍵の魔法を使って!?そんでお姫様って・・・笑わせんじゃねぇよ!」

「やかましいところはそっくりだな」

「うるせぇ!」

 

アースランドのルーシィと比べて男っ気が強いエドルーシィ。性格は違えどツッコミ力はほとんど同じだった。冷静に返事を返したルーシィの隣で困った顔で何かの筒を弄るウェンディが机の上にゴトンと落とした。

 

「これってどうやって使うんですか?」

「馬鹿!魔道具を公の場に見せるんじゃねぇ!」

 

バッと伸びたルーシィの手が魔道具を手に取るといなや机の下に潜らせた。

 

 

「いいか?魔道具の所持は法で禁止されてるんだ。禁止されてなかったらあんな闇市でわざわざ買いに行く必要がないだろ?」

「この世界の魔力は有限・・・独占するために禁止したわけね」

「そういうこと」

「これはどんな風に使うんだ?」

「人の話を聞け!」

 

その時、喫茶店の外からガシャガシャと鎧の音を立てる騎士がナツ達を取り囲んだ。ルーシィは苦虫を噛んだ顔をして一度舌打ちをした。

 

「反逆者ルーシィ・アシュレイ!並びナツ・ドラギオン!魔道具の所持で貴様らを捕縛する!」

「何だいきなり!?」

「そりゃあんだけ魔道具見せてれば嫌でも来る!」

 

50人からなる騎士が皆槍の穂先を向ける。逆らえば殺すと言っているようなものだ。50人を3人で相手にするには少しばかり厳しいが、エドラスのナツは中々のやり手。だったらアースランドのナツも強いはずと僅かな望みを抱いたルーシィ。真っ先に騎士に飛び出し、手にした魔道具を掲げる。車から降りたら臆病になるナツとは大違い。これなら行ける!そう確信したルーシィであったが───

 

 

「ファイヤァーーー!!!」

 

 

剣の柄に似た魔道具を振るうとそこから炎の刀身が現れた。荒れ狂う炎はナツの使う火竜の咆哮に比べると劣るがそれでもなお高火力。ナツは決まったと確信し、立ち昇る爆煙の中に倒れる騎士を見ようとしたが、城塞のごとく並ぶ兵達に変わりはない。半透明な何かが騎士の前に立ちふさがっており、それが火を打ち消したのだ。

 

「全然使えねぇじゃねぇかコレ!」

「出力考えればもう少し使えたわ!」

 

ジリジリと距離を詰める騎士達。ウェンディは筒の蓋が取れず、二人の背後で腕をプルプルと震わせながら必死に取ろうとしていた。

 

「おいルーシィ!何とかしてくれ!」

「何とかって・・・無茶言うな!」

 

指揮官の手が振り落とされる。それを合図に並んでいた騎士達は一斉に走り出し槍で貫こうとして来た。その時、ポンッ!と場に似合わない軽い音がした。

 

「へっ?」

 

筒の中には何もない。驚きのあまり変な声が出てしまった。しかし、突如として突風が開いた筒を中心に集まりだし小規模な嵐を生み出す。中心地にいたナツとルーシィは突風に足を浮かされ中へと舞い上がった。風は集まり続け天へと登る竜巻となった3人の体を打ち上げた。

 

「うおおぉぉぉ!?やべぇ!楽しいぞ!」

「そんなこと言ってる場合か!ちっちゃいウェンディ!その筒下に向けろ!」

「は、はいいぃぃ!!」

 

豪快に下へと振り下ろす。命を受けた竜巻はその行動通り豪快に下へと落下した。

 

 

 

「いってぇ・・・どこだここ?」

「運良く備蓄倉庫にでもに落ちたようだな。一先ずはここでやり過ごすか」

 

 

倉庫の隙間から外を眺める。ザッザッと靴を鳴らしあたり一帯を探る騎士達。見つかったらひとたまりもない、そう思い息を潜む。

 

「いたぞ!こっちだ!」

 

体が跳ね上がる。何故見つかったのか不思議だが逃げ出さなければ命はないと一歩踏み出したが様子がおかしい。

 

「こっちに来ない?」

「でも『いた』って言いましたよね?」

 

こっそりと外を眺めると、騎士達に挟まれた少女の姿が見えた。その姿は見覚えがある。というかすぐ真横にいるルーシィと瓜二つの少女。

 

「ちょっと離しなさいよ!何よいきなり!」

「黙れ!お前には反逆罪で指名手配されている。大人しくこい!」

 

 

 

「どういうことだ・・・あれは、私か?」

「俺たちの世界のルーシィだ!間違いねぇ!」

「でもどうやってここに・・・?」

「そんなもんは後だ!ルーシィも魔法が使えねぇはずだ!助けに行くぞ!」

「あ!?今出たらまず───」

 

 

 

騎士の輪の中から光が溢れ出す。突如の光に驚いた騎士達は手で光が入るのを防いだ。光が収まりそこにいたの、機械仕掛けの尻尾を持った鋭い目つきの男だった。

 

「なっ!?」

「派手に吹き飛ばしなさい!スコーピオン!」

「ウィーアー!」

 

その命令が放たれると同時に砂塵の竜巻が騎士を空に舞いあげた。

 





次回は1ヶ月先じゃ!(白目)

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