色んなクリエイターさんとか漫画家さんとか小説書いてる人とか、凄いなぁって感じる
特にこういう事やってると
まぁやってない人でもそう思う人はいるだろうけどね
朝
清々しい空気
カラス達の寝息
まだ温みが残っている布団から出るのは億劫だが
今日からやるべき事が出来た
この山の、烏天狗達の戦闘部隊で仕事をする事になった。
とは言ってもまだ訓練生だが。
名誉ある事なのだろうが
来て数日しか経ってないこの世界で
仕事をするというのは少々気が滅入る。
だが、俺にはもうすがるものがない
せいぜいこの温かい布団くらいだろうか
必要とされるのなら行くべきだ。
カラス達の朝食を作り
出掛ける準備をする。
外に出ると、強い日差しが目をくらませた
季節はまだ夏
早く秋が来て欲しいものだ。
訓練施設に向かう途中、ヨルトの事を思い出した。
彼のおかげで、慣れない料理もそつなくこなす事が出来たのだ。
しかし、昨日の事がやけに気になる
あの後彼は大丈夫だったのだろうか。
また、研究に没頭してあんな状態にならなければいいが...。
それにしても俺が来る前はどうやって対処していたのだろう。
同じ魔法の森に住んでいる魔理沙さんもヨルトを知らないようだったし
落ち着くまで耐えていたのか
まぁ、「たまに」と言っていたから頻繁に起きる事でも無さそうだが
そういえば魔理沙さんの所に行ってないな
挨拶でもした方がいいのだろうか
そんな事を考える間も、しつこく太陽が照りつけるので
少し森側の道を歩いた。
木陰は涼しく、葉が風と遊んでいる音も心地よい。
誰かの事を考える事も、こうやってゆっくり歩く事も、住処を出てってからはなくなってしまった。
この幻想郷に来て、そんな当たり前の事を感じられる事を嬉しく思った。
反対側には川が流れていて
何かの生き物が見え隠れしている。
ここは幻想郷、何が起きても不思議ではない、
と誰かがこぼしていた気がする。
あの生き物も、俺の世界では見た事はないが
こんな世界だからこそ、気にしない事にした。
森の小道を抜けて、脇に草が少し生えてる道をしばらく歩き、川にまたがる木の橋を渡り、また同じような道を右に行ってまた右に行ってしばらく進んでいくとそれはあった。
訓練施設。
今日から、俺が行くべき所だ。
敷地に入ると茜さんが見えた。
セト「あ!茜さん!」
いつもより大きな声が出た
さっきまであんな事を思っていたせいか、
人と会うのが嬉しく感じた
茜「お!早速来たな!
元気がいいじゃねぇか!」
茜は眩しい笑顔で応えた
その元気がいつまで持つかな、と冗談を言いながら
施設内にはもう、2,3人の訓練生が居た
まだ朝も早いはずなのに。
男2人に女が1人
皆、カカシに向かってひたすら木刀を振っている
打たれ続けているカカシはボロボロで
どれほどの時間、どれほどの人数に打たれ続けたのかが見て取れた。
茜「頑張っているだろうあいつら」
少し練習に見入っていると茜さんがそう話しかけてきた
その目は何故か寂しげだった
茜「どんなに優秀でも、どれだけ努力を積み重ねようと、戦場で、死ぬやつは死ぬ
あいつらだけじゃない、他のやつだって頑張っている
皆、この山の、家族を、友人を、恋人を、、守りたい
そんな一心で入ってきた奴だ
そんな奴らが目の前で死んでいくんだよ
私を庇って死んだ者、1匹も殺せずに死んだ者、馬鹿みたいに突っ込んで死んだ者もいた
なんで、殺されなくちゃならないんだろうな
私達は本当にこの山を守れているのかな
そんな事を思ってしまう時があるんだよ。
悔しいな、悔しいよ」
その声は、震えていた。
茜さんが何故そんな事を言い出したのか、その心境を推し量る事は出来なかったが、
この人が、今までどんな死線をくぐり抜けて来たのか
それは何となく分かった
茜さんは普段は明るい人だが、その性格もそういう経験を通して、あえてそうしているのか、とまで思ってしまった。
そして、俺自身が、この山で命を落とす事を覚悟出来た気もする。
茜「悪い、少し湿っぽくなったな
昔を思い出したんだ
お前に話したって分かるもんでもないよな」
そう言って茜さんはいつもの笑顔に戻っていた
俺は何を伝えたらいいのか分からず
ただ、笑って返しただけだった。
さて、お前もやってこい、そう言われ
カカシの方へ歩いていく
先程の茜さんの横顔を思い出していた。
何か言ってあげるべきだった
そんな気がしてならない。
カカシの前に来ると
皆一旦訓練をやめ気兼ねなく話しかけてくれた
最初に話題になったのはやはりこの角の事だった
悪魔の血を受け継いでいる、なんて事を言ったら嫌われてしまうかもしれない。
増してや、これから共に戦うかもしれない仲間なのだから
だが、そんな心配は無かった。
3人とも気にすること無く話を続けてくれた。
訓練に戻った後も、木刀の握り方や
振り方なんかも教えてくれて、とてもやりやすかった。
幻想郷に来てからかもしれない
色んな人に親切にされるのは。
昼になると、人も増えてきて
しばらく経つと
休憩時間、俺は皆の話題の中心になった。
あまり目立つことは好きじゃないのだが
とても楽しい時間を過ごせた。
それが終わると厳しい訓練の再開
皆、さっきまでとは別人のようだった。
硬い表情、溢れ出る殺気、木が激しくぶつかる音
そんなものを見せられると、自分はまだまだ未熟なのだなと思い知らされ
その悔しさに自然と木刀を握る力は強まり
声も大きくなっていった。
太陽が傾き、空が赤くなる。
茜「よ!お疲れさん
初日からよく耐えたな」
訓練が終わり、茜さんが話しかけて来た
いつもの茜さんを見たら、忘れかけていた朝の出来事を思い出した。
しかし、わざわざ掘り返しても仕方がないから、忘れる事にした。
その方が茜さんも楽だろうと思った。
セト「あんなに、厳しいものなんですね
少し、疲れました」
少しと言ったが実際、体が震えるほど疲れていた
あんなに激しく動いたのは久しぶりだった
その様子を見て茜さんは笑っていた
茜「でも凄いことさ
大半の奴らは初日でやめちまう
もちろん、明日もあるからな
気張れよ」
そう強めに言われ、気を引き締める
続ける気持ちはあるが体がついていけるか少し心配だった
そうだ、まだやる事がある、来い、とそのまま茜はセトをある場所へ案内した。
中に入ると、刀がズラリと並んでいた
セト「ここは...?」
そう聞くと、茜はニヤリと笑い
茜「見ての通りさ、刀の倉庫だ
訓練生とはいえ、お前は今日から戦闘部隊の一員だ
いつくたばるかは知らねぇが帯刀くらいさせてやろうと思ってな
護身用でもあるが実戦にも使えるぞ
それに、いちいちお前のあの戦鎚を取り出すのに魔法陣書いてる暇も無い時もあるだろうからな
好きな刀を選べよ」
確かに言えてる
茜は中に入るよう促した
中には色々な刀があった
よく聞く刀の形をしたものもあれば
おおよそ刀とは言い難い形のもの
巨大な刀まで多種多様だった
そしてしばらく見ている時、目に止まる物があった
紺色の鞘、鍔が刀身と一体化、というより鍔がないようにも見える、柄は少し曲がっていて、刀身もよく見る刀とは少し違って見える
その刀に運命のような何かを感じた
茜「お、それに決めたのか
なるほど柳葉刀に似ているが少し違うみたいだな
まぁいいか、じゃあこれを持ってにとりの所まで持って行ってくれ
刀を研ぐのもデザインを変更するのもにとりの工房でやってるから」
セト「にとり...聞いたことない名前ですね」
そう言うと茜さんは少し笑ったあと
茜「そりゃそうさあんたはまだ会ってないと思うからね
ほら、これ地図だ
行く途中に禍に襲われるなよ
今のお前なら抵抗出来ても一口であの世行きさ」
茜さんは冗談を言ったつもりらしいがおおよそ冗談には聞こえなかった
力のない笑いをこぼす
そのままにとりの工房、とやらに歩いて向かった
地図は意外と丁寧に描かれていて
道は迷うことは無さそうだった
こういう所を見ると、茜さんは細かい事が好きなのかもしれない、そう思った。
これを茜さんが描いた確証はないが
歩いていると、当たり前の事だが時間は確実に過ぎていく。
辺りは星の光だけが頼りの暗い世界になった
手に持った刀をぎゅっと握りしめ
地図を頼りに歩いていく
フクロウの声がどこかから聞こえ
涼しい風が通り過ぎた
禍とかいう存在がいなければ
こんな夜にはゆっくり月でも見ながら酒を飲みたいものだが...
そんな事を考えている間に淡く光が見えてきた
あれがにとりの工房とかいうやつかな
そう思い、駆け寄ろうとした瞬間、
ぐるるる
ふるるるという音が聞こえた
その音に気づき後ろを向いた途端
「シャァアアアアア!!!」
黒い塊、赤い目、禍だ
襲いかかってくる、止めなきゃ止めなきゃ止めなきゃ
死んでしまう死んでしまう
一気に思考を巡らせ右手に持っていた刀の存在を思い出す
抜く暇もなく襲いかかってきた禍をすんでのところで
鞘で防ぐ
幸い相手は1匹だった
素早く両手で鞘を持ち直し相手に突きつける
ガリガリと鞘に歯を立てながら
鋭い爪で喉元を切り裂かんと鬼気迫る表情を浮かべ、暴れている
禍の力はとても強く
抑えられるものでは無かった
セト「ぐっうっ...まずい、このままじゃ...」
こんな所で死ぬのか
ふざけるな!まだ!俺は!
何も守れていないのに!
そんな思いも虚しく
禍の力はどんどん強くなっていく
並大抵の力ではない
本当に死んでしまう...!
そう思った矢先、禍が突然消えた
いや、目前まで迫っていた顔が消し飛んだのだ
???「フー、やはり私が開発したこの超次元ハイパーミラクル電撃光線発射バズーカの威力は格別だね
あんな禍さえも1発でどかんだ!ヒュー!」
そこには水色の服を着て青い髪をツインテールにし、緑の帽子を被った少女がごつい銃を構えて立っていた。
そして1人でベラベラと喋っている。
???「そして、ピンチの旅人を助けてしまった
あーなんて天才的な判断力!惚れ惚れする!」
セト「あのー」
???「ひゅい!?なんだ、君か、驚かせないでくれ
今、私の世界に入っていたんだ...て、君の持ってるそれは!フリッサやファルカタといった刀の仲間ではないか〜!そして、その羽を見る限り君は烏天狗だね?
茜ちゃんにでも頼まれたとかそーいう類の話でしょ?」
と早口で話した
セト「その通りでs...」
???「あー!みなまで言うな、みなまで言うな...
分かってる分かってる
まぁ、その角を見る限り君はセト君だね
文からの新聞で見たよ〜戦闘部隊に入ったんだねぇ
そうかそうかうんうん
実は今日君とはちょっと会ってるんだけどね〜
まあいいや
あ、お察しの通り私がにとりだ
君の刀は預かっておくよ
仕上がったら茜ちゃんに連絡するからその時また来てね」
にとり、と名乗ったその女性はウィンクした後
さっさと奥の工房に戻って行った
突然の事で呆気に取られたセトはその場でしばらく動けなくなったが
ぐちゃぐちゃになった禍の死体を見た後急に怖くなり
いつもより倍近く高く飛んで家に帰って行った。
あれ、にとりさんに会ったことあるっけ...
まあ、いいか
セト「ふぅ〜
ただいまー!」
心身共に疲れ果て
玄関に寝転がった
すると、奥から足音が聞こえた
文「セト隊員!戦闘部隊!入隊お疲れ様であります!」
そう言うと素早い動きでおでこに手をかざすようなポーズをとった
...多分敬礼
セト「...文さん?」
ビシッと敬礼の構えをとったまま動かない文の顔は
薄く赤らんでいて、少しふにゃっとしていた
カラス達の話によると、俺が戦闘部隊に入隊した記念に
いい酒を持ってきて一緒に飲みたかったらしいが
帰りが遅く先に飲んでしまったのだと言う
悪い事をしたかも、そう思ったが
文さんのお酒を飲んで幸せそうな顔を見ると案外ラッキーだったかもと思ってしまう自分もいた。
その夜は、2人で遅くまで飲み
文さんの仕事の愚痴を聞いたり
お酒が入って少し甘えるようなそぶりを見せる文さんに対して理性を抑えるのに必死になったりしたが、それはまた別のお話
そして、文さんは結構お酒が強い事が分かった
めっちゃ飲む
そんなこんなで楽しく夜を過ごしたセトだが
明日、また訓練がある事は頭の片隅にも残っていなかった
なんか、書いてく内にどんどん文章が出てきて止まらなかった
めっちゃ楽しかった(小並感)
今回はちょっと文章多めですかね〜
あんまりそういうの分からないんですけど
いや〜明日、セトはどうなるんでしょうね
恐らく絞られますね茜さんに
まぁ、セトなら多分大丈夫だよきっと
そんなこんな第十二話、いかがでしたでしょうか
また次回お会いしましょー