幻想と忘却   作:けんちく

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今後の展開がタイトル詐欺になりそうだし
タイトル長いから変えた
これからも、忌み子と呼ばれた青年が幻想入りしてほのぼのする話こと、幻想と忘却をよろしくお願いします
それではレッツゴー


第十三話 ひとつふたつ

朝...なのか?

日差しがうるさい

あの朝特有の澄んだ空気も感じない

嫌な予感がし、外に出てみる

日が!高く昇っている!

烏1「あ!起きたー!」

烏2「もうお昼近いよ〜」

セト「え!?昼!?」

烏3「さっき美味そうなお肉あったんだ!

それ食べてた!」

眼前には烏達が飛び回っており

皆喋りたいことを口々に言っていた

そんな事を聞いてる場合ではない

今、昼なのだ!

茜さんの怒った顔を想像しただけで気が気ではなかった

急いで出かける準備をする

置き手紙が机に上にあったのが見えた

手に取り内容を確認する

「何度も起こしたんですけど起きませんでしたよ

きっとすごく疲れていたのでしょう

私は先に帰ってます

昨日は楽しかったですね

あんな事をされるなんて...」

!?

俺、なにかしちゃった?

「なーんて冗談ですよ

それではまた飲みましょうね

文より」

 

セト「なんだ、冗談か、びっくりするなぁ」

などと言っている場合ではない

 

強引に靴を履き、

ガラガラと音を立てながら、戸を開ける

眩しいくらいの日差しに、顔をしかめた

昨日のようにのんびり歩くわけにもいかない

そう思い、羽を広げる

ピキキと骨が鳴った

体が動くのに慣れていないうちに、急に羽を広げたせいだ

そんな事はお構い無しに、セトは訓練施設へ向かった。

 

日差しは相変わらず、眩しく

急ぐ自分の事を笑っているように思えた

ぐん、とスピードが早くなる

目が痛い、空気中のチリが、物凄い速さで体に当たる

そして、薄く開いた目に訓練施設が映った

 

 

 

 

 

セト「茜さん、はぁ、、はぁ、遅れました、すみません」

 

出来る限りのスピードで羽を動かしたせいで

体はかなり疲弊し、汗はダラダラと垂れ、

顔を上げるのも辛く、うつむきながらはぁ、はぁ、と息を立てていた

そんな姿を晒しながら、何を言われるのだろう

きっと怒られる、そう思ったが

 

茜「随分と急いできたんだなぁ

なに謝ってんだ

訓練は昼からで良いから、さっさとその汗臭い体を休めとけ」

そんな言葉だった

てっきり怒鳴られると思っていたセトにとっては、

かなり意外なものだった

 

 

 

なんでも、この訓練施設は

好きな時に来ていいのだそうだ

皆、色々な事情があるそうで

空いた時間に訓練をする者ばかりだという

そして、所謂新人は大抵2日目は訓練に遅れるそうだ

 

その中でも優秀な者を戦闘部隊に入れるらしい

 

その話を聞き、安心、とはまた違う感情が心の中にあったが今は休みたい

 

建物の影に腰を下ろし

訓練生を見ていた

皆、目の前のカカシに向かい、殺気をぐわっと漂わせながら、木刀を振っている

いつか俺もあそこまでの域に達することが出来るのだろうか

走り込みをしたり、空中戦の訓練をしたりしている訓練生を横目に

その時は、ただそれだけが、心配だった

 

昼休憩の時間

昨日話し掛けてくれた人が寄ってきた

3人だった

名前をシズハ、サトシ、ヤスタカ

と言うらしい

3人とも幼なじみらしいが

シズハとサトシは付き合っているようで

仲良く、くっついていた

その2人を見てヤスタカは羨ましい限りだ、とセトに言った

その声はとても穏やかで、2人を信頼しているようだった

昼休憩の時間、4人は仲良く昼食を食べた

生憎、昼飯を忘れたセトはサトシからおにぎりを

2つ貰った

中身は鮭、サトシの手作りだそうだ

美味い

 

そして、昼休憩を終えた後、

セトも訓練を始めた

昨日の影響で

筋肉痛がかなりひどいが、周りに負ける訳にはいかない、俺は、この山の為に戦わなければ、そんな気持ちで重い木刀を振り続けた

瞼の力が無くなっていくのが分かる

腕は激しく熱を帯びていた

 

それが終わったら次は走り込みやら、体術訓練やら、

空中戦の弾幕訓練は参加出来なかったが

その分接近戦の方に力を注いだ

疲れのせいか目の前のモノに意識を集中出来ずにいた

ただ、何も考えられなくなっていた

 

そして、夕方、今日の訓練が終わった

頭がぼーっとする

昨日と同様、いや、それ以上に体は重く、歩くのもきつくなっていた

これを、毎日...

訓練生達の疲労を、察する事ができる

いや、俺が頑張りすぎなのかもしれない

思えば、皆一日に全部の訓練をしてた訳じゃなさそうだし、

少しずつ慣れさせていけば良かったかもしれない

 

セト「ちょっとやりすぎたのか...」

力なくそう呟いていた

 

今日は日陰を通ってゆっくり帰ろう

そう思った矢先、茜さんに呼ばれた

何の用だと思ったら昨日の刀の仕上げがもう出来たのだという

それを受け取ってこい、だそうだ

話の途中、にとりさんが茜ちゃんと呼んでいた事について聞いてみたら、茜さんは笑顔で怒っていた

多分、恐ろしい事になる

 

 

 

沈んでいく日を眺めながら

にとりさんの工房に向かって、飛んでいる

風がちょうどよく吹き、疲れた体を癒してくれた

気分は沈んだままだった

早く帰って寝たい

頭の中にその文字が刻み込まれていた

 

地図は家の中に置いてきてしまったが

昨日の事だし、あんな事があった場所を忘れはしない

フラッシュバックする映像に夏だと言うのに身震いした

 

しばらく飛んでいると、あの光が見えてきた

中で火でも扱っているのか

オレンジ色の光だ

そして石で出来た特徴的なドーム型の建物

 

もうすぐ秋が来ようとしているが、まだ夏

この暑い中、あのいかにも空気の出入りが少なそうな所で火を扱うなんて、考えただけでも汗をかきそうだ

 

扉の目の前まで来ると、熱気が一気に押し寄せてきた

ただでさえ訓練で体が熱くなっているというのに

なんて最悪な場所だ

しかも、あの早口をまた聞かされるのかと思うと...

考えれば考えるほど気分が沈む

誰が悪いという訳では無いが。

 

 

ゴンゴン、と重い金属のような音を立てる扉をノックする

中からは忙しなく金属音が聞こえてきた

そういえば、この幻想郷に来てから機械とか見たことないなぁ

そう思った時、扉が開いた

 

にとり「はい...あっ、昨日の」

 

出てきたにとりさんは

昨日とは全く雰囲気が違った

とても静かで大人しい印象を受けた

まるで別人のようだ

とりあえず中に、と言われたので

恐らく疲れだけが原因ではない重い足を

中に入れた

くそう、なんでこんな暑そうなところに

そう思ったが中は涼しかった

露見した鉄のパイプやら、配線やらが

目に映った、そして、時折鉄パイプから音を立てながら

熱い蒸気が漏れ出す

奥の方にはデカい歯車と小さい歯車が無数にあり

歯を合わせながらぐるぐる、ぐるぐると回っていた

そして鉄を溶かすためのものなのか

いかにも熱を使いそうな設備が沢山あった

それなのに、なんでこんな涼しいのだろう

 

にとり「あぁ、気になったのかな、ここが涼しい理由、

あのね、にとりオリジナルの特殊な機構を使っているからね

いつでもここは快適なんだよ」

と、静かな声で言った

思えば騒音もかなり少ない

外に漏れてた機械音の方が大きいくらいだ

不思議だ

 

そして約束の刀を受け取った

にとり「君からは、魔力を感じたから

魔法金属で仕上げてみたんだ、これなら、君の魔力にも順応して、最高の切れ味が出ると思う

それと、この刀に装飾とかしたかったらいつでも言ってね、待ってるから」

そう言って、にとりは小さく笑った

昨日のあのにとりとは全くの別人で、戸惑いを隠せないでいた、それに、魔法を使える事を見抜いていたようだ

確かにここなら見抜ける道具とか作れそう

そういうの分からないけど

刀に装飾、と言われたが今はあまり付けたいものは無かった

 

にとり「昨日は新しい武器が出来てテンション上がってたんだ、少しお酒も入ってたし、ほんとに少しだよ?

あ、そうだ、ここならほとんどの機械造れるから

こんな機能がある物が欲しいなーって思ったら私に言ってね、頑張るから」

そう言ってガッツポーズをして見せた

小さい体だが筋肉はしっかりしているようだ

 

そして、少し飲んだ事、を念入りに訴えてる所を見て疑いを隠せずに居たが、それは置いておく

それより、彼女は機械を造ってくれるそうだ、

何か欲しいものがあったら言ってみよう

 

そして、少し話をした

途中茜さんの件の事をセトが言うと、にとりは一気に顔を青くし、遠くを見つめ、力ない笑いをこぼした

悪い事をしてしまったかもしれない

 

 

帰り際にはもう夜になっていた

あの禍の事を思い出す、

そういえばにとりさんはこんな

山の外れにいて、禍とは遭遇しやすいのではないか

そう思い聞いてみたら

にとり「自分の身は、自分で、」

そう呟き、中から持ってきたごつい銃を構えた

これなら襲われても大丈夫そうだ

 

 

にとりに別れを告げ

空高く飛び立つ

腰には魔法金属で鍛えられた刀を差している

その鞘は、月光に照らされて

淡く、綺麗に、光っていた。




なーんか、長いね
でも楽しい
という事でいかがでしたか第13話、
まだ13話、っていうね!
まぁそんな更新頻度が遅い私ですが
これからもよろしくお願いします
タイトルも変わってちょっとモチベが上がったかもしれません
上がってないかもしれません
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