真・這いよれ!ニャル子さん 嘲章   作:黒兎可

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※前話、衝撃的事実? をお読みになってからお願いします


第五種接近遭遇(真)

 

 

 

 

 

 ヨグ=ソトスという神性について語る際に言えることは、かの神はクトゥルフ神話の中でも多くの存在に自らの子を産ませていることである。自身同様(いや存在規模でいえば自身より下にあたるが)の神性しかり、人間しかり。大概の場合、それは母親の形質と怪物的な形質を併せ持ち、具体的に姿かたちが固定されて断定できるものではない。生まれ方、状況によってかなりのバリエーションを誇る。そこをいけば、自身のような、おそらく「9割以上人間のような」落し子が生まれても間違いはないのだろうと、真尋は頬が引きつった。それと同時に、盛大に自殺したい衝動にかられる。舌を噛みちぎろうとしてもさるぐつわのせいで不能。腕は拘束されており、足もまた同様。と、みれば左腕に着けていたはずのSANチェッカーが外されている。この衝動的な感情は、いわゆる一時的狂気のそれであろうか。冷静な判断を下している一方で、真尋の身体はさるぐつわを親の仇のようにかみちぎろうとしていた。

 自分が、そんな得体のしれない神の子供? 人間の、あれほど仲の良い父親と母親との子供でなく? ただただその事実だけで、真尋の正気はがりがりと削れているのだろう。彼自身の頭の中のどこかが、そう冷静な分析を下していた。そもそも自分が生まれる直前、母が大病して母子共に命の危険にあったという。自分が両親にいたく可愛がられるのはそれが理由というのもあっただろうと思っていたのだが、事前情報が変われば、解釈も変わる。ひょっとしたら――――その病気自体、クトゥルフ神話に依存することが原因なのではないか。だとするならば、自分は、自分というこの生命体は。それが生きるのがなんと、ひどく冒涜的な現実か――――!

 そんな真尋にお構いなく、無涯と名乗った男は続ける。

 

「一般にあまり多く知られてはいないが、ポータル、日本語的には特異点かな? ふふ。ともあれ特異点とされる落し子らが帯びている使命は、ひとえにかの神性が干渉できる領域の拡張にある。認識し調べ、『新たな時代を見聞きしそこに生きる』ことで、ヨグ=ソトスの侵入できる領域を増やすということだ。くしくもそう、君や、君のような特異点の存在こそが、かの神々が物語に語られるほどに万能な存在でないと証明してくれたことにもつながるのだが、それは一度置いておこう。ともあれ、君は人間でない。その身は末端なれど、『ヨグ=ソトスとつながっている』ということだ」

 

 顎の力がだんだん抜けてくる真尋。筋肉の運動量的に、単純に体力切れのようなものか。ともあれその疲労と疲弊とが真尋を多少は正気に戻した。コイツらの言っていることが本当に正解なのかどうかはわからない。わからないが、それでも、自分を助けて気にかけてくれていた女性が一人、殺されている。おいそれと、彼らの思い通りになってやるつもりは、真尋には毛頭なかった。にらみ返す勢いで無涯を見ると、彼は「実に結構」と心底楽しそうにくつくつ笑った。

 

「そう! つながっているから。つながっているからこそ、君たちを私たちは逆に『利用することが出来る』。わざわざアーティファクトを探し、作り、頼らずとも。我々は君たちを介することで、かの神性の力の一端を引き出すことができるのだ」

 

 それ故に私は彼らに協力した――――無涯の言葉に、真尋の想像力はある種の答えを導き出した。それにはいくらかの論理的な飛躍があったが、しかしなぜか彼には、その考えが正解であるということが「わかってしまった」。言葉ではない。単なる直感でもない。何かしらの確信が真尋の中にある。

 

「さすがに君一人を使って、彼らの神を呼び起こすことは出来ない。星はそろわず、時も止まらず。だがこの時代において、この、かの神殿の真上においてなら。かの神性の精神に、ふたたび揺さぶりをかけることも可能だろう!」

 

 大振りに腕を振る彼の腕には、真尋がつけていたSANチェッカーと思われるものが取り付けられていた。そこで違和感を覚える真尋。そもそもニャルラトホテプ本人であるならば、そんな道具は必要ないだろう。カモフラージュか何かの可能性が高いのだが、しかし真尋はなぜかそれに妙な引っかかりを覚える。だがその答えが出るよりも先に、男はしゃがみこみ、真尋の顔をかなりの至近距離で覗き込んだ。どろどろと濁った光を帯びた目が、真尋の姿を射抜く。

 

「そう。だから君には、ここで生体ユニットになってもらおうと思っているんだ。かつてクリスチャンの大学で行っていた、私の、『神との交信』を科学的に解明するという実験の延長のそれをね!」

「――――」

 

 そんな研究どうせ総スカンくらったのだろうと、なんとなくだが真尋は察した。察したが、だからといってどうしたものかというところだ。これから男らが何をするのかまではさっぱり想像がつかないが、生体ユニットと言っている以上、まっとうな人間らしい扱いはとうてい望めまい。だが反抗するにもどうしようもなく。とするならば、もはや何かの運に頼るばかりか、それくらいしかできることはあるまい。自らが何らかの神性の一部のような存在であるにしても、その能力そのものを振るうことができないし、間違いなく振るえば己は正気のままではいられまい。

 嗚呼、だが現実はそこまで彼らに甘くはない。魚人たちが真尋を囲み、そして無涯が何らかの装置を取り出して真尋の頭に取り付ける。まるで古いバーチャルなゲームボーイのような道具だが、それを見ながら、彼は何らかの呪文を唱え始める。耳まで覆われる関係で音がこもっていてわかりづらいが、「ふんぐるい」だの「くとぅるふ」だのといった言葉が聞こえる時点で、もうおおむねどういった類のものなのかは分かりきっていた。だが、果たしてもうどうしようもない――――。

 異変はそこで起きた。どしん、と大きく船体が揺れる。何事か、という声が飛び交い、ガラスが砕け散るような音。そして突如空間全体が寒くなる。

 

「な、ナイトゴーント! なぜこの場所まで追ってこれた! ここに来るまでにはハイドラが――――」

「――――あんなモンで押さえつけられると思ったか?」

 

 全く聞き覚えのない第三者の声が聞こえる。と同時に、真尋の両手両足を拘束していた縄がちぎられた。頭につけられていた装置も乱暴に外され、軽く額が痛い。

 

「ッ……! って、は?」

 

 状況が全く読めない真尋。だが、眼前には二人の人物が新たに追加されていた。

 一人は少女。真尋よりも年下に見えるワンピース姿の赤毛の少女は、半眼のまま真尋のことを見ている。見れば、彼の両腕を拘束していた縄が「黒く焦げて」千切られている。と同時に真尋の体感温度が急激に上がり、嫌な予感を覚える。

 

「少年。もう問題はない」

 

 見た目通り少女らしい声だというのに、なぜか真尋には猛烈な嫌な予感がする。この焦燥感が何に由来しているものなのか彼には理解ができないが、しかしさきほど語られた異形の出自からして、おそらく神話関係の恐怖感なのだろう。とりあえずそれだけ納得し、もう一人の人物を見る。

 立つ男は彫の深い顔をした老人であった。長い白髪をしたスーツ姿。あごひげは適当に切りそろえられており、不敵に眼前の相手を笑い飛ばす様がどこかヴァンパイアハンターとかそういったイメージを起こさせる。ただし右手に持っているものはどう見ても海産物を挿す銛の類なので、いまいちビジュアルとして閉まらないのだが。

 上空には無数の夜鬼。それがヒットアンドアウェイを繰り返すように魚人と戦闘を繰り広げている。中には海中に投げ飛ばしたり、はたまたこちらデッキの上で格闘をしあっているところもあったり、乱戦といったところだ。そんな中で老人は銛を無涯に向けている。

 

「ハッ! 意外と頑張って隠蔽していたみたいだが、最終目的地が割れれば大して意味はなかったなぁ」

 

 老人とは思えない声の張りと、飄々とした口調である。

 

「ば、馬鹿な……、とはいえど、正確な座標が割れるはずはないだろ! 結界発生の座標なんて一体『何百』あると思ってるんだ!」

「そうか? お前、肝心なことを見落としているだろ。いや、見落としているのはお前のところの魚人か。“星の知恵派”のプロテスタントん所の一人、ぶっ殺してるだろ。それがまずかったなぁ。アレ、改造人間であると同時に体内に『輝くトラペゾヘドロン』入れられてるんだ。知ってるだろ?」 

 

 トラペゾヘドロン。そういえばと真尋は思い出す。霧子(仮)のベルトがそんな名前だったはずだ。端的に変身ベルトと要約されはしたが、やはりそれは本物のトラペゾヘドロンであるということだろうか。所持者の肉体の変容。あるいは這い寄る混沌が化身の一つを呼び寄せるなど、色々と問題のある機能が多かったはずだが。

 

「……なんだ、この新設定ラッシュ」

「少年、案外余裕」

「アンタに比べたらオレの方が上に見えるがな。」

 

「馬鹿なことを。あれは、そもそも人間が扱える代物では――――」

「あー、だから『自ら輝く』って性質にしたモンにしたんだろ。そうすりゃバケモンも寄ってこないだろうしな。むしろなんでお前がわかってないんだ……? で、重要なのはだ。そもそもアレそのものは、よく一般的に言われてるオリジナルから作ったレプリカに過ぎないが、そもそもアレ自体、『這い寄る混沌を呼び寄せうる』機能を帯びているってことだ。それはつまり、どういうことか。――――アレそのものが一種のGPSみたいなモンなんだよ。つまりは座標計って訳だな。つまり、必要があれば調べることができるって訳だ。俺くらいになればな」

「――――――――は?」

 

 老人の言葉に、無涯は唖然としたような顔をする。そんな彼らの間に、胴体が半分になった魚人が一体転がる。

 どうやら戦況は夜鬼側が有利に動いているらしい。魚人は徐々に徐々に殺され、数を減らしている。それでも船の奥から湧いて出てくるように来るディープワンの数は未だに膨大だ。老人はあくびを一つすると、視線を少女と、真尋に向けた。

 

「お前は……、いえ、貴方はもしや――――」

 

 無涯の言葉など聞こえないように、老人は鼻で笑う。 

 

「少年、がんば」

「は? ――――っ!」

 

 少女がなぜかサムズアップした直後、真尋の身体は猛烈な速度で襟から引っ張られた。いや、正確ではない。襟をもって引きずられているが正解だ。そして眼前の光景からして、どうもその引きずっている相手は無涯と相対していた老人に他ならない。そして老人は、バラバラに引き裂かれた生臭い半魚人の死体を踏みつけ蹴り上げ走り、夜鬼たちが侵入してきたと思われるドームの穴めがけてジャンプした。跳躍はゆうに身長の倍を超える勢いである。絶叫する真尋。外は極寒の海にほかなるまい、そんな中に当然のように落下しかねない勢いの老人は何を考えているのか、という世界だが、しかし老人は特に問題ないように、ちらりと背後を振り返り。

 

「――――んがあ・ぐあ・なふるたぐん。いあ! くとぅぐあ! いあ! くとぅぐあ!」

 

 

 そして早口言葉か何かという速度でそれを老人が口走った瞬間。真尋に見えていた赤毛の少女のシルエットが光り、まるで解けるように消え、次の瞬間には船そのものが大炎上、大爆発した。

 絶叫が声にならない。寒さに喉をやられてむせかえる真尋。と、ちらりと背後、自分たちが落下しかけている方向をみれば、そこには「巨大な貝の殻」が口を開いていた。またその殻からは鎖が引かれており、海を覆わんばかりに巨大な、潮を吹いたシルエットにつながれているではないか!

 真尋たちが乗り込んだ瞬間、貝の口が閉じる。と同時に、猛烈な熱風と潮が閉じた貝の隙間からびたびたと侵入してくる。あまりの熱に大声を上げる真尋に、老人はかかと笑った。貝の内部はうすらぼんやりと緑に光っており、視界がないわけではない。また貝の一部からは、なぜか外界の光景が透けて見えた。

 

「大炎上だなぁ」

 

 老人の言葉通り、船は焼き尽くされていた。もうこれでもかってくらい大爆発し、原型が残っていない。うっ、と思わず口を押える真尋。

 

「まぁ、これならいくら『混沌』であろうとも、しばらくは手を出してきまい。命拾いしたな少年」

「あ、あなたは……?」

「あン? 知識にはあるんじゃないか?」

 

 いや、確かに。こういう場合で多少親人間的で、かつ夜鬼を従えている存在など一人くらいしか思い当たらないのだが。しかしてこの老人の姿はいくらか真尋が想像するかの神のそれではない。察してか老人は苦笑いを浮かべた。

 

「嗚呼。これは、化身(アバター)してるだけだ」

「アバター?」

「化身を作ってるんだ。こうでもしないと、お前らの基準に合わせて行動するのが難しいからなぁ」

 

 どうやら彼本人の弁を信じるのならば。どうやら本当にこれは、ノーデンス、すなわちき旧き神の一柱のようである。化身というのは、身を窶すことを言う。己が姿を変え、あるいは能力を制限するなどしてこの世界に姿を顕す場合に呼ばれる呼称だ。だが、とするならば。真尋の脳裏に疑問がよぎる。

 

「……いや、ちょっと待て。アンタが仮にノーデンスだとしてもだ。さっきの女の子。アレ、なんだ?」

「なんだって? クトゥグアの化身に決まってるだろ」

「…………なんでそう平然と言うんだアンタ」

 

 頬が引きつる真尋だが、すでに腕からはSANチェッカーが失われているので、どれだけ正気度喪失しているかは不明である。だがもっとも、このノーデンスの化身らしい老人が一切包み隠さずぼろぼろと話をするせいか、逆に一周回って現実感が薄い。そしてなにより、決定的にSAN値が減りそうなことを言わないのだこの老人。そのせいか、意外と正気のままでいる真尋だった。

 

「さすがにニャルラトホテプ相手に化身で戦闘を挑むのは無謀だからなぁ。こっちも『実績』があるやつを引っ張ってきたってところだ」

「へぇ、はぁ……。おいそれと力貸してくれるものなんですか? それって」

「阿呆。だから人間の化身が必要になるんだよ。人間の形で召喚しなきゃ、奴らも応じちゃくれないんでな」

 

 よく這い寄る混沌が人間の姿をとって、召喚儀式に立ち会うのと理由は一緒だ、と半笑いを浮かべる。と、ノーデンス老人はヤンキーみたいな座り方をして、真尋の顔を見る。

 

「しっかし、お前も災難だったなぁ。単なる人間が、よく巻き込まれたものだ」

「いや、単なる人間って……。オレ、聞く限りだと、『門』の落し子みたいなんだが」

「ん? 嗚呼、それは勘違いだぞ。大した情報じゃないから教えておいてやる。特異点なんてモンは、『病気』みたいなモンだ。わざわざ自分の情報収集のために、自分を増やすのもコストが悪いだろうからなぁ」

「は?」

「おおかた、お前が母親の胎内にいるうちに母親が病気にかかったんだろうよ。実態、それは病気ではなく『ヨグ=ソトス』の端末の一部が入り込んで、拒絶反応を示していたってことだ。そして運悪く、当時赤子だったお前にそれが遺伝した。だから、そんな出自に悩むほどの話でもないんだよ。お前は偶発的に、一般的な人間の胎児に『門』の欠片が混じってしまったって程度の存在だ。お前に怪物的な形質がないのはそれが理由だろうよ」

 

 半笑い。やや馬鹿にした風な態度のノーデンス老だったが、しかしその言葉は、いくぶんか真尋を正気の世界に引き戻すことに成功した。明かされた事実は、いわゆる精神分析というやつに等しい。

 だが――――。真尋はふと、胸元に拳をやり、握る。頭だけを見せられた、夢野霧子を名乗ったかの女性の姿が脳裏に浮かぶ。色々行き違いがあったとはいえ、彼女は死んでしまったのだ。殺されてしまったのだ。その事実だけはどうにも拭いようがなく――――その女性に対して、単なる自分を守ってくれる人間であるという以上の、妙な親近感と好意を抱いていたという事実自体が、彼の中に滞留していた。

 

「あン? どうした」

「…………アイツ、あの、オレを守っていた女がいたよな。助けたりしなかったのか? できなかったのか?」

 

 真尋の言葉に、老人は鼻で笑った。

 

「なんで自らすすんで異形の神々を信奉するようなヤツ、助けなきゃならないんだ」

「でも――――」

「そもそも俺が、お前を助ける気になったのは――――――ん?」

 

 と、突然老人が真尋の顔を見て、いぶかし気な表情になる。突然彼の目を覗き込む。あまりの病的な近さと、青い、まるで海底でも思わせるほどに深すぎるその瞳の色に、まるでこちらの自我でも溶かされ取り込まれてしまうのではという恐怖心が真尋に走った。老人を突き飛ばすようにして離れると、彼は立ち上がり、眉間を抑えた。

 

「マジかよ、なんだよコイツ。前提条件が間違っていたってことか? あン? だとすれば、そもそも……」

 

 唐突にぶつぶつ言いだした老人は、いつの間にか再び手に銛を構えていた。そしてそれを真尋の眉間に向ける。

 

「気が変わった。お前、殺すぞ」

「――――は?」

 

 真尋が反応するよりも先に、獲物の先端が真尋の眉間に振り下ろされる。と、幸運にも貝殻全体が一度大きく揺れ、老人はバランスを崩した。その瞬間に真尋はごろごろと転がり老人から大きく距離をとる。突然の言葉と殺意も感じさせない挙動。しかし一切躊躇いなく振り下ろされたそれに、真尋は気が動転していた。

 

「は? え? いや、アンタ、なんで、なんでだ?」

 

 ノーデンス老は、ひどく面倒そうな顔をして。

 

「――――そうか。つまりアレは偽物か。まんまと騙されたって訳だ」

 

 そういいながら、やはり真尋に向けて刃を構え、走り出した。もはや老人は、真尋と会話をかわすつもりさえないようだった。

 

 

 

 

 

 




本作での声のイメージ
 クー子:堀江由衣
 ノーデンス:島田敏

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