機動戦士インフィニットストラトス 怪盗が奏でる六つの協奏曲   作:ジャッジ

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第二話 「クラスメイトは九割女子だが…別に問題ない」

怪斗side

 

IS学園での入学式が終わり、全員が教室に帰ってきた。そして改めて気がついたが…右を見ても左を見てもいるのは殆ど女子ばかりだ。

唯一の男子同級生、織斑一夏は真ん中の一番前とは…かわいそうだな。だが、同情はしない。運が悪かったとしか言いようがない。

 

「はーい、席に着いて下さいね〜!

では、皆さん改めて始めまして。副担任の山田真耶です!

よろしくお願いします。」

「よろしくなぁ〜!」

「…よろしくお願いするのだよ。」

「よろしくお願いします。」

 

…何故だ…なぜ三人しか返事をしない⁉︎とても恥ずかしいのだよ‼︎‼︎

因みに返事をしたのは…僕の横に座っている三条江理華(サンジョウエリカ)と斜め後ろの篠ノ之箒だけだ。

その山田先生と言えばさっきからオロオロしている。大丈夫なのかこの先生…

 

「お、織斑君!織斑君!」

「あは、はい!」

「ご、ごめんね、いきなり声を上げて呼んだりして。で、でもね、出席番号順に自己紹介をしていって、「あ」から、今は「お」なんだよね。それで織斑君の番だから自己紹介をやってくれるかな。だめかな?」

 

…山田真耶といえばかつて日本の代表候補生だったよな…そんなので代表候補生が務まっていたのか?

 

「え、えぇと…織斑一夏です。よろしくお願いします………………以上です!」

 

 教室のあちこちで女子が椅子からずり落ちる。三条は椅子からずり落ちなかったものの、机に頭をぶつけるというずり落ちる事と何ら変わりのないリアクションをとっていたな、オーバーリアクション過ぎないか?

 

「お前は自己紹介も満足に出来ないのか、馬鹿者め。」

「げっ!関羽⁉︎」

 

 その時、鋭い打撃音が響く。いつの間にかスーツを着た誰かが織斑の後ろに立ち、出席簿で頭を叩いていた。打撃音が聞こえると言う事はそこまで強くないだろうな。

さて、次は僕か…ってなんだそのキラキラした目は!

 

「黒崎怪斗だ、以上。」

「ええ〜〜!それだけかいな!」

「なんなのだよ三条ッ!

これ以上何を望むのだよッ!」

「ええ〜、例えば…例えばなぁ〜…篠ノ之さんは何か聞きたいことある?」

「「えっと…どっちの?」」

「あ…ああ〜、そうやったなぁ〜…

じゃあ両方とも!」

 

まぁ、確かにな。

篠ノ之箒とその双子の姉、篠ノ之実…どちらもIS開発者である篠ノ之束の妹たちだ。

む、後ろから殺気がするのだよ…何と無くで避けてみると後ろから黒いものが振り下ろされる、ギリギリ避けれたからいいものを!

 

「危ない、一体誰が…⁉︎」

「自己紹介の間に雑談をするな馬鹿者。」

「…申し訳ありませんでした。以後気をつけます。」

 

まさか今のが織斑先生だとは…喰らっていたら大変な事になっていただろうな…と、こんな事を思いつつ一時間目が終わった。

続く二時間目には織斑が衝撃発言をした。全然わからないとは…それに参考書を電話帳と共に捨てるなど、愚の骨頂なのだよ…

 

そして、その休み時間、いきなり三条が話しかけてきた。

 

「アホやな織斑は、それと一限はドンマイやったな怪斗。」

「うるさいのだよ三条。それに何故いきなり僕を呼び捨てするのだよ。」

「まぁ苗字で呼ぶの面倒やん、やからウチの事も江理華って呼んでや!」

「わかったのだよ…三条?」

「くっ、なかなか強情な奴やんけ…」

 

恐らく、今僕と彼女の間には火花が散っている事だろうな。周りの皆がこっちを見て驚いているしな。

 

「えっと、黒崎怪斗だったっけ?」

「…お前は確か、織斑一夏だったな。」

「おう!それから俺の幼馴染の実と箒だよろしく!」

「別にいいが…どっちが箒で、どっちが実なのだよ?」

「ああ〜!それウチが聞こうとしてたのに!」

 

江理華が言ってる事はどうでもいいな。放っておくとするか…

ああ、という顔をして三人がこっちを見る。それにしても似ているのだよ。

 

「えっと、ロングヘアでカールしてるのが実で。」

「ポニーテールなのが箒だ。」

「なるほどなるほど…よろしゅうな!」

 

とそこに立っている二人が答える、こう見ると二人ともあの人に似ているな…篠ノ之束さんに。

妹達なんだならしょうがない…か。

 

「ちょっとよろしくて?」

「ちょっといいか?」

 

声をかけられ僕達はそっちの方を向く、そこには金髪の美少女とラテン系の茶髪の少女が立っていた。

 

「聞こえていますの?お返事は?」

「あ、ああ。聞いてるけど…どういう要件だ?」

 

ここの返事は一夏に任せて、僕は彼女たちの事を思い出す。

そうそう思い出した、金髪の方はセシリア・オルコット。イギリス代表候補生だったな。もう一人の茶髪はメーヤ・ビショップ。こっちはイタリアの代表候補生だったな。流石に有名人は覚えていないと、こういうのが来た時面倒だ。

 

「あんたも聞いてんの?えっと…黒崎怪斗だっけ?」

「メーヤ・ビショップか。

ちゃんと聞いている、話を続けて欲しいのだよ。」

 

無論聞くつもりはない。途中でクラスの女子達がずっこけていたが、気にしないでおく。

だが三人の話はチャイムで遮られた。三時間目はどうやらクラス代表を決めるらしい。

クラス代表とは、その名の通りクラス長と同じような物だ。とどのつまり雑用だな。

 

「はーい!織斑くんを推薦しまーす!」

「はいはーい!じゃあウチは怪斗推薦すんで〜!」

 

その後も僕と織斑の名が呼ばれて行く。

待て待て待て待て待て、僕はやらんぞそんな事。第一そんなのやってたら任務を遂行できないではないか!

絶対にやりたくないのだよ!

 

「待ってください!納得いきませんわ!」

「織斑先生、少しいいですか?」

 

むっ、見事に重なったのだよ。鬱陶しい…しかも先生は先にオルコットの方を喋らせた、まぁいい。とりあえず、戯言を喋らせてみるか。

 

「そのような選出は認められませんわ。大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ。わたくし、セシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間も味わえと言いますの!?」

 

ヒートアップしてきているな、それだけ男を毛嫌いしているのか?はたまた育ちから男嫌いにさせられたのか?

どっちでもいい、聞き流しておくか。

 

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。

それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!

わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

物珍しいというのは普通だろう?

何故それを今更もう一度言うんだ、面倒だろう?

 

「いいですか⁉︎クラス代表は実力トップがなるべき、それはわたくしですわ!」

 

むっ?確か主席は僕の筈だが…ああ、入試第二位という事か?

それとも知らないのか、僕が入試主席だという事を。

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけない事自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で…」

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一マズイ料理で何年覇者だよ。」

 

あーあ、やってしまったな。こうなってしまった以上、あの手の女は直ぐに…

 

「決闘ですわ!」

 

そう言って机をバンッと叩く。ほら見てみろ。だから言ったのだよ、いや言ってないか。

 

「おういいぜ、四の五の言うよりわかりやすい。」

「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い。いえ、奴隷にしますわよ!」

「侮るなよ、真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない。」

「そう?何にせよ丁度いいですわ。イギリス代表候補生のこのわたくし、セシリア・オルコットの実力を示すまたとない機会ですわね!」

 

くっ、こいつらめ…自分達の話に熱中して僕の存在を忘れていないか?

まぁ逆にその方がいい、任務も捗るし。

 

「さて、話はまとまったな、それでは勝負は次の月曜。放課後、第三アリーナで行う。織斑と黒崎、オルコットはそれぞれ用意しておくように。

それでは授業を始める。」

 

…やはり僕の事は覚えていたのか…全く、面倒にも程があるのだよ。

 

授業が終わり、早速寮へと向かう。山田先生は寄り道しないようにと言っていたが、たったの50mでどう寄り道すればいいんだ?

 

「1026室、ここか。」

 

僕はドアを開けて絶句する、今日は何度目なんだろうな絶句するのは…

 

「誰か来たん?ああ、同室の人か。これから一年よろしゅうな!」

 

ん?この独特な関西弁は何処かで聞いた事が…

 

「お、おお〜!同じ部屋やったか怪斗!

いゃ〜それにしても偶然やな〜!」

「やっぱりお前か、三条江理華。全く、なんだこの腐れ縁は。」

「まぁまぁ。あっ因みに1025室は箒、1027室は実やから覚えときや。」

「なんでそんな事知っているんだ?」

「んん?そりゃ意気投合したからに決まっとるやん。そうそう!

箒も実も剣道やってんねんて、実は地区大会準優勝、箒は全国大会優勝してるねんて!」

「何…?全国大会優勝だと?」

 

つまり、それはかなりの実力者だという事だ。もしかしたらあの機体に…

 

「それよりも、隣がやけに騒がしくないか?」

「そう言われればそうやな。何かあったんかな?」

 

そう思い僕達は外へ出る。すると…

 

「助かっ⁉︎」

 

織斑の顔の真横、僅か2ミリ隣から何かの切っ先が突き出していた。まさか…木刀なのか⁉︎

この扉は木製、それを木刀で貫くとはな…流石だな、しかも二度もな。

 

「ちょっと箒!何やってんのよ!」

「み、実…すまん…」

 

僕たちの隣の部屋から実が出てくる、この事は本当にどうでもいいな。

 

「…気に入った、気に入ったのだよ。篠ノ之箒。」

 

僕はポケットからあるものを取り出す。赤のバングル、ガンダムアストレイレッドフレームの待機状態だ。

 

「篠ノ之箒…君はレッドフレームのパイロットになるに相応しい。」

 

そう言って僕はほくそ笑む、これを渡すのは明日だ。だが、僕は気づけなかった。それを誰かが見ていた事に。

 

第二話完




翌日、鍛錬のために外へ出ていた箒の前に彼が現れる。
そして、彼女に力を渡すと言ってきて…

次回
機動戦士インフィニットストラトス
怪盗が奏でる六つの協奏曲
第三話
「僕と契約しろ」

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