機動戦士インフィニットストラトス 怪盗が奏でる六つの協奏曲   作:ジャッジ

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第五話 「全く、また……か」

怪斗side

 

僕は放たれるビームの弾や散弾砲、ミサイルそして斬撃をかわしていた。つまり、防戦一方ということだな。

 

「そらぁ、落ちろォ!」

「うおぉぉぉぉ!」

「くっ…やはり戦力差は否めない…か!」

 

もちろん、牽制でバルカン砲を放ったりライフルを撃ったりもしているが、それが何倍にもなって帰ってる。

だが、僕はまだ一発も当たってはいない。その理由は…

 

ーー警告、六時方向より白式接近中ですーー

 

「そんなもので裏をかいたつもりか!」

「うわぁ⁉︎」

「大丈夫か織斑⁉︎」

 

ビショップよ、いちいち織斑が攻撃されるごとに声を荒らげるな。耳が痛いじゃないか…鬱陶しい…

とまあ、こんな感じで謎の声が教えてくれるからなんとかなるものの…

 

「僕はつくづく飽きっぽいな、また避けるのに飽きてしまった。そろそろ攻撃に転じさせてもらうのだよ。」

 

僕はビームライフルを白式に向けて構え放ち、自身で思っても甘い狙いでビームを放っていく。無論、それはビショップにも織斑にも当たらない。

 

(見せてもらおうか、君の実力という物をね。)

 

江理華side

 

ウチらはピットで一夏とメーヤのチームと怪斗が戦ってる様子を見ていた。にしても、これは…

 

「なんやこれ…やっぱアカン!二対一なんて卑怯や!

山田先生、織斑先生!止めにいって下さい!」

「わ、私も同じ意見です。教師としてこれは見逃せません!」

「ふむ…だが、ここで止めに入ってもこの混戦だ。下手すれば怪我人が増える可能性も…」

 

どうすりゃええねん…一夏もメーヤもシールドエネルギーにバッテリーは満タン、それに引き換え怪斗はセシリアとの連戦…両方とも尽きかけの筈や…

 

「簡単な話だろう?黒崎が負けを認めればいいんだ。」

 

ふと、ミッピーがそんな事を言った。ちょお待てや。なんで怪斗が負けを認めなアカンねん!

そう言おうとした瞬間、彼女はまた口を開いた。

 

「どう考えてもあいつが悪いのは目に見えてるだろう、さっさと負けを認めて一夏達に謝ればいいものを…

カッコつけて『僕は悪くない』と言ったから後に引けなくなったんだな。

お前もそう思うだろう箒?……箒?」

 

むむっ?なんやモッピーが居らんようになったんか⁉︎一体…

 

「実…私は、私はそうは思わない。」

「箒!なぜあんな奴の肩を持つのだ!」

「だって、だってあいつは…悪くないんだから。」

 

後ろから現れたモッピーは何故かISスーツを着ていた、なんでなんやろうな?

 

怪斗side

 

僕は手に持ったビームライフルで織斑とビショップを牽制していた。

 

「この程度の射撃なら…ここは、俺の距離だ!」

「いいや、ここも僕の距離だ!」

 

ーー警告!白式、単一仕様を使用した模様ーー

 

僕は横薙ぎに振られた白い光剣をリンボーダンスのようによけ左脚で腹部を蹴り飛ばす。

 

「うぐっ…おい怪斗、一つ忘れてないか?」

 

ニヤリと笑い、まるで考え通りだと言わんばかりの顔になった織斑。なんだその顔は?全然かっこよくないぞ?

 

「忘れている?何をだい、言ってみろ。」

「それは…この戦いが三対一だって事だ!狙いはいいよなメーヤ、セシリア!」

「もちろんですわ!」

「さぁて、グレイトにいきますか!」

 

ちっ、オルコットめまだ動けたのか!それに手に持つグレネード付きのライフル…さては格納領域に隠していたな⁈

 

「「チェックメイト(だ!)(ですわ!)」」

「くぅっ!」

 

咄嗟にシールドを掲げようとしてもその隙に織斑に斬られて斬られてしまう可能性もある…これは詰んだか?

 

「ふっ、こんなもの、詰んでもいないければ…王手でもない!」

 

すると、どこからともなく放たれた緑色の光条がバスターのガンランチャーを破壊し、デュエルから放たれたビームをシールドで誰かが防ぐ。

そこにいたのは…

 

「レッドフレーム…箒⁉︎

何故来たのだ、これだけの混戦状態なのに!自分の危険を考えていないのか!」

「仲間が危険に晒されるよりも、自分が危険に晒される方がマシだ!

仲間だろう私達は?助けが欲しいなら呼んでくれ!」

 

全く、余計な事をしてくれたとのだ。だが嫌いじゃあない、ここは…

 

「参った降参だ。僕の負けを認めよう。」

「っ⁉︎……えらくいきなりじゃねぇか。

なんだ?仲間を危険に晒したくないとでも言うつもりか?」

「そんな事ではない、箒が乱入してきて興が冷めたと言ったところだな。」

 

その言葉を口にした時、僕はチラリと箒の方を見た。

なんと彼女は…笑っていた、ニヤリとなんとも悪い笑みを浮かべていた、もしかしたら僕の真意が分かったのかもしれない。

 

「全く、折角助けに来てやったのに…そうだ一夏、仲直りとして握手したらどうだ?」

「え…ああ、そうだな。

じゃあ、これで仲直りって事で…」

「ああ、そうだな。」

 

ゆっくりと左手を差し出し握手しようとした瞬間、僕はそのまま左手のシールドの鋭角部を織斑にぶつけてドロップキックをお見舞いする。

 

「ぐぅ…⁉︎」

「一夏ぁ!くそっ、やっぱ騙しやがったのか怪斗ぉ‼︎」

「卑怯者!大丈夫ですか一夏さん!」

「いいや、僕はちゃんと降参したさ…君たち二人にはね。」

 

そう言ってオルコットとビショップを指差す。さてさて、第三幕を始めようじゃないか?

 

『そこまで!勝者、織斑一夏!』

「「「「………えっ?」」」」

「ふっ、馬鹿かね君たちは?」

 

そう言って僕は今のアカツキの状態を送信する。

 

ーーシールドエネルギー残量0、バッテリー切れ、ヤタノカガミ展開終了ーー

 

つまり、アカツキは既にバッテリーが切れ戦闘できる状態ではないということだ。その証拠に先ほどの攻撃はシールドを使った打突攻撃、もうライフルもサーベルも使えないとわかっているからこそこうしたのだ。

 

「おそらく…織斑の単一仕様がギリギリで当たったのが敗因だな、あれでごっそり持っていかれた。

あれの原理、いつか教えてもらうぞ?」

「ちょ、ちょっと待って下さい!

あの時点でエネルギーが切れいたという事は、あのまま攻撃したらあなた自身にダメージが…そこまでして何をしたかったのですか⁉︎」

 

僕は箒と共に戻ろうとした時、オルコットにそう言われた。何がしたかった、か……

 

「一夏…か、お前たちいつの間にか呼び捨てで名を呼び合うまでに仲良くなっていたんだな。そして最後の多段攻撃…よくあんな作戦を瞬時に、そしてあんなに早く立てれるとはな。」

「まさか…セシリアと一夏を仲直りさせる為に?」

「そんな事する訳ないだろう?

あーあ、また勝てなかった。」

 

そう捨て台詞を吐いてその場を後にする。

あ、そういえば負けたら江理華にラーメンを驕らなければならなかったな。仕方が無い、負けたのだから。

ピットに戻った僕らを迎えいれた織斑先生は箒に問い詰めた

 

「篠ノ之妹、どこでそのISを手に入れた?」

「え、ああ…ね、姉さんから貰いました…」

 

その後も質問は続いていく、これはしばらく解放されそうにないな…

 

「しゃーないなぁ、怪斗は先帰り。モッピーはウチが送っとくからさ、その後ちゃーんとラーメン驕りや?」

「わかっているさ、約束だからな。」

 

そう言ってアリーナを後にする。パパッと着替え寮に戻ろうとした時、扉の横に一人の女の子が壁に寄りかかっていた。

低身長だがその体には釣り合わないほどの殺気、赤いフレームのメガネ、見るからに染めたと判る金髪、そして改造したと思われる白い長ラン。間違いないな、この女は…

 

「お前の機体、一次移行してねぇだろ?」

「見ていてくれたのかい?これは光栄だね、まぁ確かにアカツキはまだ一次移行していないのは確かなのだよ。」

 

そう、彼女の言うようにアカツキはまだ一次移行が終わっていない。実際は終わっているが確認ボタンを押してないのだ。

 

「それに…さっきの嘘だろ?」

「何の話かな?それにしても、まさか君の方から話しかけてくれるとは…」

「話を別の方向へ持って行こうとするな。

あの三人を仲良しこよしにする為にそんな事をしたんじゃないってのは分かりきってる、お前は一体何者なんだ?」

「負け続けている怪盗、とでも言っておこう。ではまた会おう…更識簪」

 

僕はその女、更識簪に別れを告げその場を立ち去る。話してみるとなかなか面白い…気に入ったぞ。

 

「更識簪…君にはガンダムが相応しい…」

 

第五話完




とりあえずはその場を収めた怪斗達、再び日常へと戻っていく。

次回
機動戦士インフィニットストラトス
怪盗が奏でる六つの協奏曲
第六話
「ISの事を教えてほしい?だが断る」

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