魔法少女リリカルなのは~光と闇の物語~   作:舞翼

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連投です。いやー、2日連続はきつかったス。
ともあれ、これで決着ですね。


第10話 決着

 激しく揺れる庭園。周囲を吹き荒れる突風。鳴り止まない雷撃。その中に飛び込んだ俺は、傷を負っていく。バリアジャケットが原型を留めているのが不思議なくらいだ。

 そんな中、紅く染められた地下でも、俺とプレシアは、空中で剣と杖のデバイスを交えていた。

 

「プレシアさん!あんたはまだ死んだらダメだ!」

 

「私は死なないわ。私は、アリシアと共にアルハザードに行くのよ」

 

「まだそんなことに拘ってんのかよ!全てを投げ捨てて、幻のアリシア愛して、現実逃避をして。あんたのそれは、ただの我儘だよ!」

 

 俺とプレシアは、床は到底思えない足場に着地した。周囲も、ジュエルシードを強制発動したせいで、庭園の崩壊は免れないだろう。この場所が破壊されるのも時間の問題だ。

 

「……だ、黙りなさいっ!」

 

 俺の言葉が届いたのか、プレシアは明らかに動揺していた。

 

「いい加減目を覚ませよッ!この頑固者ッ!」

 

 プレシアは俺の言葉を否定するように紫電を俺に落とすが、俺は魔力を絞り出し、防御魔法陣でそれを防ぐ。

 それにプレシアは、ジュエルシードも制御がまともにできておらず、暴走寸前だ。あれに巻き込まれたら、俺もプレシアも無事では済まないだろう。なので、ジュエルシードを早く封印する必要がある。――そう、もう時間がない、この一撃で勝負を決める。

 俺はチェーンバインドを展開させ、プレシアに漆黒の鎖が体に巻き付き、身動きが取れなくする。

 そして、俺は右手を掲げ呪文を唱える。

 

「闇より暗き漆黒よ、我に集いて力と成れ!――漆黒の槍!」

 

 俺の右手に出現したのは漆黒の槍だ。大きさは、二メートル強といった所だ。

 

「これが……俺の“全力全開”!」

 

 俺は右手で漆黒の槍をプレシア目掛けて放った。

 漆黒の槍は、プレシアに直撃し凄まじい爆発を起こした。煙が晴れて俺が見た光景は、床に倒れ奥の部屋に手を伸ばしているプレシア。奥の部屋にある生体カプセルでは、アリシアが両膝を抱え眠っている。

 

「……アリ、シア、私は。……ごほ、ごほっ」

 

 その時、プレシアさんが咳き込み、口許を抑えた左掌には紅い雫が流れ落ちる。……俺はやっと理解した、急がせてジュエルシードを回収させたかを。

 

「(……そうか。プレシアさんは病気を患っていたのか……)」

 

 ……まあ、フェイトを道具扱いしたことはまだ許せないけど。でも、これはフェイトが蹴りをつける事柄なので、俺はこれ以上口を出すことはしない。

 でも、だからこその死期の暴走。なのかもしれない。……まあ俺の予想だけど。

 

「……薬の効果が切れたのね。ごほっ、ごほっ……貴方との戦闘に、時間をかけすぎたのかしら。結局、ジュエルシードは揃わなかったけど、ね……ごほっ、ごほっ」

 

 きっと、今の医学なら延命は可能だと思う。こんな所でプレシアを死なせるわけにはいかない。

 

「(……ッッ!?俺もそろそろ時間切れかよ……)」

 

 突如、俺も体が重くなる。まるで、体に鉛がついてるみたいだ。

 だが、ここで俺が倒れたら、今までのことが意味を失くしてしまう。なので俺は、歯を食いしばって踏み止まる。

 

「……プレシアさん。この勝負は俺の勝ちだ」

 

「……ごほっごほっ……まだ私は、負けていない!私は……アリシアと、アルハザードへ!」

 

 プレシアは地に体をつけながら魔力弾を放つが、それは狙いが逸れ、天に向かってしまう。既に、魔力を操作する力も残っていないだろう。……まあ、俺も似たようなものなんだが。

 

「(……セレイナ。プレシアさんの意識を刈り取る魔弾は撃てるか?極小でも構わない)」

 

『……そんなことをしたら千尋の体は……』

 

 だが、会話の途中で溜息を吐くセレイナ。

 

『ダメって言っても、千尋は無理矢理魔力を生成するんでしょ。――おバカな千尋には、最後までつき合ってあげる』

 

 俺は苦笑し、

 

「(さすが俺の相棒。それじゃあ、行くぞ)」

 

『ん、りょうかい』

 

 俺はセレイナの補助と共に、魔力を掻き集め、

 

「――漆黒よ、我に力を」

 

 狙いをプレシアに定める。

 

「――疾けろ、魔弾よ!」

 

 極小の漆黒の魔弾は、プレシアに直撃し意識を刈り取った……はず。

 こうして、俺とプレシアの戦いは幕を閉じた。プレシアは倒れたまま動かず、俺もデバイスを支えに何とか立てる状態だ。マジでギリギリ。ホント、ただ押されるだけで倒れる状態……。

 俺はデバイスを支えに、倒れるプレシアの元までのろのろと歩く。近づくとプレシアは、目線だけで俺を捉えた。追撃を受け気絶してないとは恐れ入ります……。

 

「……終わったのね」

 

「ああ、終わった。俺の勝ちだ。あなたには生きてもらうぞ。その病気も、今の医学なら延命することも可能だと思うし、治らないと決まったわけじゃないしな」

 

 アリシアも保護するから心配するな。と付け加える。

 プレシアは“……わかったわ。”と言うと、再び脱力した。

 ――その時、桜色の翼を靴に展開し飛ぶなのはと、元気になって飛ぶフェイトが姿を見せた。彼女たちは内部に突入し、傀儡兵の相手をしていてくれたらしい。確かに、あの決闘中に邪魔が入らなかったのは、なのはたちのお陰かもしれない。魔道炉を止めてくれたし。つっても、行き場を失ったジュエルシードのせいで次元震の前兆は止まりそうにないんだけど。早く封印しないと……。

 ともあれ、俺の隣に着地したなのはが肩を貸してくれる。

 

「……千尋君、無理をしすぎだよ。……リミットブレイクも、……危険が伴うバーストもしたんでしょ……」

 

 リミットのことはなのはに伝えてないんだが、何処から漏れた?

 あぁ。俺はなのはから説教タイムが待ってるよなぁ……。

 

「いやー、予想よりもプレシアさんが強くてなぁ」

 

「『なぁ』じゃないからね。あとでお話しようね」

 

 ……うん、なのはから修羅像が見える……。俺死なないよね。大丈夫だよね……。

 ともあれ、事件解決はもう少し時間がかかりそうである。




なのはの名言“全力全開”がでましたね。てか、千尋君の今後が心配な作者であります。
次回は、事後処理的な感じになるかもです。

では、また次回。
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