第12話 これから
~週末の日曜日~
私の名前は、高町なのは。私立聖祥大附属小学校3年生で、ひょんなことから魔法使いになった少女です。
今日は、私の魔導師の先輩である、神矢千尋君とラフな恰好で魔法のトレーニングに来てますっ。ちなみに場所は、最初に特訓した公園。……それにしても千尋君、私の切り札、スターライトブレイカー以外の魔法をコピーするとか、チートすぎますっ。
私も、千尋君の一部の魔法は使えるんですが、魔法をコピーするまでの領域には達してないですね。とほほ……。って感じです。
「なのは。いつも通り空き缶ダイビング、100連な」
千尋君が命名した“空き缶ダイビング”とは、空き缶を魔弾で、空に撃ち上げていく訓練。簡単なようにも聞こえるけど、意外と繊細なコントロールが必要になったりするんだ。
私は懐から取り出した空き缶を空に投げ、桜色の魔弾を10つ展開。ちなみに、最初の頃は5つ展開が限界だったけど、千尋君の魔力運用に対するアドバイスと、レイジングハートの補助で10つまで展開できるようになった。……対する千尋君は、20つの漆黒の魔弾を展開してる。やっぱりまだ敵わないなぁ。と、いつも思ってたりもします。
「レイジングハート、カウントよろしく!」
“All right。my.mastar”
私は桜色の魔弾を操作して、空き缶を空に向けて弾いていく。
“71、72、73……”
やっぱり、70になるときつくなってくるけど、まだ行けるっ。
私は魔弾を、更に加速させる。
「――アクセルっ!」
“100、101、102、103、104、105……”
レイジングハートが105をカウントした所で、私は魔弾を一つに形成させ、
「――シュートっ!」
魔弾を空き缶に当て、数メートル先にあるゴミ箱に入れた。……やっぱり今の私は、100連が限界かも。まあ、5回だけ記録更新だけど。ちなみに、千尋君は200連。まだ余力を残してそうだし、最大でやれば250連はいけるんじゃないかな?
「まだまだ、千尋君の背中は遠いなぁ……」
“ですが、mastarの成長速度もかなりのものです”
私と千尋君はほぼ毎日対人戦をしてるから、普段の訓練より倍以上の経験が積める。だから、まだ強くなれる気がするんだ。……うん、レイジングハートの言う通りだ。
「これからも頑張っていこうってことだよね、レイジングハート」
“All right。my.mastar”
そんな時、千尋君が私の元まで歩み寄り、
「ちょとだけ実戦訓練をして、朝の魔法練習は終わりにするか」
「りょうかいだよ、千尋君」
千尋君とセレイナちゃんが封時結界を展開し、
「――セレイナ、セットアップ」
『りょうかい、千尋』
「――レイジングハート、セットアップ」
“Stand by ready. set up”
漆黒の閃光の中からは、真っ黒いバリアジャケットに、左手に片手剣を持つ千尋君が。
桜色の閃光の中からは、白いバリアジャケットに、左手にレイジングハートのキャノンモードのデバイスを持つ私が姿を現す。最初のデバイスモードでもいいんだけど、千尋君に懐に入られたら形勢は不利になるのは確実なので、数秒でも時間短縮は必須だ。
私は桜色の羽を靴横に展開させ、後方に飛んでから砲撃をチャージする。この距離なら、懐に入られる心配はないはず。
「ディバインバスター・フルバーストっ!」
この砲撃は、直線のバスターとは違い拡散する砲撃だ。威力は若干落ちてしまうが、相手の動きを封じるには便利な砲撃だ。
「プロテクション・フルパワー!」
私の砲撃は、千尋君の周りを護るように展開された漆黒のカーテンで全て弾かれた。てか、プロテクションを昇華させるとか、千尋君の頭脳は改めて凄いと認識させられるよ……。普通は、魔法を次の段階に昇華させるとか無理だもん……。
そして千尋君は、爆風に紛れるようにして私に突激して来るが、あれはバスターの形態だ。接近戦じゃないってことは、
「(ゼロ距離射撃ってことっ!?――レイジングハート!)」
“Protection”
桜色の魔法壁が展開されるが、
「――放て、
私は、千尋君の砲撃を受け吹き飛ばされた。
私は体勢を立て直し、
「……それにしても、あの砲撃」
“mastarのDivine Busterの改良版と見て間違えなさそうです”
「だよね」
千尋君、今までディバインバスターしか使わなかったから、不意を突かれた感じになった。
ディバインバスターは放つまでにチャージが必要になるが、千尋君の“
「レイジングハート、私も
“All right。my.mastar”
レイジングハートの声と共に、デバイスが剣の形状に変化していく。
“cherry blossom、sword”
光が収まると、私のデバイスが綺麗な桜色の片手剣に変わる。でも……まだ未完成だから、ちょっと不安だけど。
「レイジングハート、行こうか」
“Yes.my.mastar
私は加速し、加速を力にして剣を打ち付けてから、ソードデバイスに変更された千尋君と剣撃を応酬する。
鍔競り合いが起こった所で、千尋君が口を開く。
「俺の剣を複製って感じだな。性能も本物そっくりだぞ」
「うん、千尋君のを真似て見たんだ。私は、接近戦ではデバイスで攻撃しかなかったから、ソードデバイスもあればなぁ。って」
「そっか。それにしても、なのはのイメージ能力と、レイジングハートがそれに答える性能は、凄ぇの一言だな」
「ありがとう、千尋君。続き、しようか」
私と千尋君は、剣を弾き空中戦へ意向し、桜色の魔弾と漆黒の魔弾を10つ展開させぶつけ合う。時には、落としたと見せかけ魔弾を操作し後方から襲いかかせるが、千尋君はそれを事前に察知し、防御魔法陣で弾き落とす。逆も然りだ。だが、戦っている内に経験の差が明確に出始め、結果として私は負けてしまった。やっぱり、千尋君に勝つにはまだまだ鍛錬が必要なようだ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
俺たちは家に帰り、風呂に入って朝食を食べてから、なのはの部屋に集合した。何でも、フェイトからビデオメール便が届いたらしい。このビデオメールも、もう半年になるだろうか。あの後フェイトには黄緑色のミサンガを贈り、利き足首に付けてお揃いにしようともメールを送付した。なので、俺となのは、フェイトは、利き足首に黄緑色のミサンガを付けていることになる。
ともあれ、DVDプレイヤーにCD-ROMを入れて、体育座りと胡坐座りで、一定の距離でテレビを見る俺となのは。
ソファーに座りながらフェイトが、
《えっと、久しぶり?でいいのかな。やっぱりこんにちは?いや、こんばんわ?かな?……ど、どうしよう。何て挨拶すれば……》
フェイトの後ろから姿を見せたのは、何と――――プレシアだった。
《フェイト。こんにちわでいいのよ》
《母さん!もう裁判はいいんですか!?》
《ええ。千尋のお陰で懲役2年までに落としてくれるそうよ。やっぱり、ジュエルシードを使っての暴走を消すことはできなかったわね。まあ、本局から出ることはまだ叶わないでしょうけど》
本来の懲役10年が2年ということは、裁判所に行った時の俺の証言と、証拠品とビデオメールが役にたったということだ。まあ、本局での隔離?は、仕方ない処置なのかも知れないけど。
《それよりもフェイト。カメラが回っているのだけど》
と、プレシア。
それにしても、プレシアとフェイトが仲違いしてなくて、本当に良かった……。
《わっ!本当だ!ね、ねぇアルフ。さっきの会話、編集で切り取れるかな?》
《はいはい。切り取れるから、早く挨拶しな。てか、なのはも千尋も、挨拶なんて気にしないから何でもいいと思うけどね》
それからは、これまでの経過報告や今後のこと。フェイトが俺たちと近い内に会えること。などを話してくれた。
ちなみ、会えるのは12月の半ば頃になるということだ。今は12月1日なので、後数週間ちょいといった所だ。
《その、会えるの楽しみにしてます。早くお返事くれたら嬉しいな》
これを最後に、ビデオメールは終わりを告げた。
なのはがテレビを消し、
「……フェイトちゃんとプレシアさん。関係を修復できそうで良かったね」
「フェイトは、アリシアのたった1人の妹だ。プレシアさんも思う所があって、それに気付いたって所じゃないか……まあ俺の予想だけど」
「うん、きっとそうだよ。私たちもビデオメールの返信を撮ろっか」
「おう、そうだな」
俺となのはは立ち上がり、リビングに片してあるビデオカメラを取りに行った。
そしてこれは、物語の序章の話になるのだった。
内容が少しマンネリした所(戦闘とか)があるがご了承をm(__)m
話が進むのは次回からかな。
では、また次回。
追記。
千尋君がリミットブレイクすれば、今までの枷は外れる感じです。