魔法少女リリカルなのは~光と闇の物語~   作:舞翼

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第13話 出会いと始まり

 あれから数日が経過し約束の日が訪れた。俺となのは私服姿で待ち合わせの場所まで向かうと、ボストンバックを置いて海を見ていたフェイトが立っていた。

 

「フェイトちゃん!」

 

 フェイトは此方を振り向き、

 

「なのは!」

 

 走り出し、抱き合うフェイトとなのは。俺も遅れてその場まで歩み寄る。

 

「久しぶりだな、フェイト」

 

 フェイトとなのはは抱擁を解いた。

 

「うん。久しぶりだね、千尋!」

 

 それから俺は、プレシアのことについて礼をフェイトから貰ったのだが、いつも通りの回答をした為、「やっぱり捻くれてるなぁ」と、なのはとフェイトから言われました、はい……。

 

「んで、フェイトはこれからどうするんだ?」

 

「リンディさんがこっちに住める手配をしてくれてるんだ。学校も、なのはと千尋と同じ所に通えるって」

 

 フェイトはかなり嬉しそうに言う。

 

「そっか。楽しみにしてるな」

 

「うん。千尋の友達も紹介してね」

 

 俺は口籠り、

 

「俺は学校ではほぼボッチなんだよ。友達って言ったら、なのはしか居ないな」

 

 目を丸くするフェイト。てか、俺がほぼボッチだったのがそんなに意外だったのか。

 

「え?本当なの、なのは?」

 

「う、うん。でも、私が友達を紹介しようとすると逃げるんだよね、千尋君」

 

「いやまあ、極力人に関わりたくないから、ほぼボッチなんだけどな」

 

 突然、なのはが「あ!」と声を上げる。

 

「そういえば千尋君、今日は病院の日だよね?」

 

「行かなくてもいいと思うんだけどなぁ……。もう完治してるって」

 

「ダメだよ!医療魔法で外部が完治しても、内部で疲労が蓄積してるかも知れないんだから!」

 

「大丈夫だって。なのはは心配しすぎだ。実践練習でも問題ないだろ」

 

 すると、なのははジト目で俺を見る。

 

「……魔法の練習では、力をセーブしてるから問題ないって、セレイナちゃんとレイジングハートも言ってたけど――じゃあ、アースラでの診断結果を言ってみて。フェイトちゃんにも判断してもらうから」

 

 俺は内心で「マジか」と呟く。

 

「……打撲に骨折、火傷に血管破裂。……ドライブバーストとリミットブレイクの副作用、加えて、次元の狭間での活動の負担で、その他諸々です……」

 

「――だよね。フェイトちゃんは今のを聞いてどう思う?」

 

「えっと、私のせいもあるのかも知れないかもだけど、半年じゃ完治は難しんじゃないかな?本来なら、入院が必要な怪我だと思うし」

 

 俺もそう思ってたりするが、体に異常はないし、リンカーコアにも負担がない。ダメージが蓄積してるなら表面に出てる筈だし問題ないと思うんだけどなぁ。

 だが、俺は溜息を吐き、

 

「……俺の負けだ。大人しく病院に行くよ」

 

 俺は両手を挙げ、降参のポーズをする。

 

「じゃあ、私は就き添いね。フェイトちゃんはどうする?」

 

「私は引越しの手伝いとか、編入の手続きとかがあるから、今度の就き添いってなるかな」

 

 ……俺って病人扱いなんだね。この通り元気なんだけどなぁ。

 ともあれ、フェイトとの再会を終え、フェイトは引っ越す家へ、俺となのはは病院に向かったのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

~海上病院~

 

 現在俺は、丸椅子に座り担当医師と対面している。

 

「ふぅむ。いつものように外部からは異常が見られませんが、体の一部の臓器が弱くなってる傾向がありますね。……現状を鑑みると薬を処方するだけで問題ないと思いますが、万が一を想定して入「――いえ、それは大丈夫です」」

 

 俺は先生の『入院した方がいいかも知れない』という言葉を遮った。なんつーか、最近嫌な予感がするのだ。そんな時に入院は遠慮したい。てか、なのはに外で待ってもらって正解だった。なのはなら『千尋君は入院するべきだよ!』って言ってかも知れんし。ちなみに、セレイナもなのはと一緒だ。

 

「無理はしませんし、今も問題なく生活できます。薬を飲んでれば、時期に良くなってきますよ」

 

「わかりました。今日は薬を処方するだけにしましょう。でも、何か異常があればすぐに入院ですからね」

 

「了解です。じゃあ、今日はこれで」

 

「ええ、お大事に」

 

 俺は籠から持ち物を取り、病室のドアを開けて外に出ると、なのはが誰かしらと話していた。車椅子に座る少女で、年齢は俺たちと同じ位か?

 保護者として、ピンク色の髪をポニーテールにした女性と、短髪で清楚な感じの女性がいる。てか、あの人たちから微弱に魔力を感じるんだが……。俺の第六感みたいなものなんだが、意外に当たる確率があるのだ。

 

「千尋君。こっちこっち」

 

 俺はその場まで歩み寄り、

 

「初めまして、俺は神矢千尋」

 

「よろしゅうな、千尋君。うちは八神はやて(・・・・・)や」

 

 お互いに自己紹介をし、俺とはやては握手をする。

 

「この子らは、私の大事な家族や。シャマルとシグナムも挨拶をせんと」

 

「はい。初めまして、はやてちゃんの親戚のシャマルです」

 

「初めまして。主はや……んんっ、同じくはやてさんの親戚のシグナムです」

 

 綺麗にお辞儀をくれる二人。

 なのはやはやては気づいていないかも知れないが、シグナムとシャマル、俺の間では僅かに緊張感に似たものが漂っている。……もしかしたら、俺がこの中で一番の魔力の持ち主だからかも知れない。……考えすぎかも知れないが、この場は慎重に接した方が得策だろう。

 

「(……なのはだけなら二人で事足りると思ったが、俺が来たことでそれが怪しくなったって所か?)」

 

 と言っても、八割方俺の予想でもある。

 

「……なのは。俺の診療も終わったことだし、帰るか」

 

「りょうかい!――またね、はやてちゃん」

 

「――なのはちゃんも、また会おうな」

 

 そして俺たちは、薬を処方して貰い帰路に着いた。

 これが、八神はやてたちと、俺となのはの初邂逅であった。




なのはと千尋君の存在がシグナムたちにバレてしまいました(^_^;)
そして、As編では欠かせない、八神はやてとの初邂逅でしたね。

千尋君の怪我は数年単位の入院が必要になると思うなぁ。てか、魔法医学は万能すぎでしょ。と書いてて思いました。まあ、ぼちぼち病院には顔を出していたんですけどね。

では、また次回。
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