魔剣事件は終わってもアドシアードはまだ終わらない。
そしてこのアドシアードの最後を飾るのは───
不知火 「I'd like to thank the person・・・」
不知火とキンジや武藤が第二グラウンドで行うバンド。
閉会式のアル=カタ、だったよ。
このバントに関して言えば、予想以上に個人の技術が高い。
流石に雇われほどではないものの、かなりのバンドだと私は思う。
全く詳しくない素人意見だけどね。
不知火 「Who flash the shot like the bangbabangbabbng'ba?」
曲のテンポが上がると、ステージ左右からチアガールが現れ、舞台の注目させる中央には白雪とアリアがドーンと登場する。
そしてチアガールの登場によって、会場は更にヒートアップして盛り上がる。
中央に居た白雪の表情が少し硬い気がするけど、きっとそのうち慣れるよね。
それにチアガールは武偵高の生徒だけあって、全員が運動神経が良いから純粋に派手なショーになる。
不知火 「Who was the person, I'd likm to hug the body,」
チアガール達が手に持っていたボンボンを天高く放り投げ、隠し持っていた空砲を複数回鳴らす。
それと同時に観客から一気に声援を送って、最後にチアガール達が集まってポーズを決めて、銀紙の紙吹雪が周辺に巻き上がる。
不知火 「It makes my life change at all drbmatic!」
ボーカルも終わり、観客席から大量の拍手と歓声がグラウンド全体に響き渡る。
そしてアドシアードの後、ちょっとキンジと会って話そうと連絡したら、その時アドシアードの集まりの二次会に誘われて開催場所のファミレスに向かったよ。
キンジと合流してメンバー聞いてみると、どうにも二次会のメンバーは偶然魔剣を逮捕したパーティーと同じ。
アリアと白雪はクラブで一次会をしていたらしく、キンジは何処かなって思ったら、またこのファミレスだったみたい。
一瞬キンジに可哀想な視線を送ってしまったのは秘密の話。
まぁ他の場所にしようにもキンジの事だから、言い出しっぺのアリア相手に言い返せる訳ないよねぇ。
それに今日はアリアの奢りということで、皆が好きな物を選んで注文する。
この中で一番値段の張るステーキを頼んだキンジは、アリアに対してささやか過ぎるレベルの抵抗したのかな?
しかし注文を終えた後、なんかアリアと白雪がお互いにチラチラと見合っている。
アリア・白雪 「「先に言うけど───」」
言い出したタイミングが完全同時でハモる。
それによって、更になんも言えない微妙な雰囲気が流れる。
ここ最近変な空気になりやすいのをどうにしたいよね。
白雪 「アリアから話していいよ。」
アリア 「いや、アンタから話しなさい。」
数十秒の無言時間を過ぎた後、結局アリアの無言の圧力に根負けして、先に口を開いたのは白雪だった。
白雪 「えっと。私、嘘ついてたの。」
キンジ 「嘘?いつの話だ?」
白雪 「その・・キンちゃんが風邪ひいた時、お薬を買ってきたのって・・・多分、アリアじゃないの?」
不意を突かれた白雪の発言にキンジは大混乱して呆然になる。
若干時間を置いてキンジはアリアに視線を合わせる。
キンジ 「・・・何?そうなのか、アリア?」
アリア 「あ、あら?しっ白雪が言いたいのは、その程度だったのね!」
思いっきり噛んでいるよアリアさん。
どう考えても図星ってのがピンポイントでわかるよそれ。
アリアって普段から攻めばっかりだから、こう守りに入ると弱いのよね。
白雪 「私って、本当に嫌な女だよね。他の人の頑張った事を、自分がしたみたいに言って・・・」
自己嫌悪から白雪が喋れば喋べるだけ下を向いて小さく萎縮していく。
そんな白雪の姿にアリアが白雪の首根っこを掴んで持ち上げて言い聞かす。
アリア 「今さら気にしないわよ。それでも反省するって言うなら、次に私の言う事をしっかり聴きなさい。」
白雪 「う、うん。」
アリア 「白雪もアタシのドレイになりなさい!」
その瞬間、またテーブル内の空気が硬直した。
ねぇアリア、頼むからそうやっていちいち雰囲気を凍らせるのやめて、本当に。
アリア 「今回魔剣を逮捕して分かったのよ。あの戦いは、アタシ一人だったらきっと・・・いえ、確実に負けていたわ。たとえアタシと優秀なパートナーが居たとしても、二人で出来る内容は限られる。だから沢山の仲間を集めれば、いろんな戦闘に対応出来ると思っているの。」
へぇー、アリアもだいぶ協調性を知り始めたのかな。
内容は最初に比べたらかなり良くなっていると思うよ。
ただしさっきの発言は今後でも治らない気がするけど。
うーん。ストレートな言い方に入るか分からないけど、少しは取り繕った方がいいんじゃない?
まぁアリアの良いところでもあるから難しかったね。
アリア 「だからアンタもその仲間に入りなさい。あと、ちゃんとチームワークを作る為にいつでも一緒に居るのよ!え~と何処にやったかしら?あっこれ渡しておくわね。」
アリアはポケットから一つの鍵を取り出して、白雪に差し出す。
白雪 「何処の鍵?」
アリア 「キンジの部屋の鍵。自由に使いなさい。」
白雪 「嘘っ!ありがとうアリア!!」
キンジ 「おーい待て待て待て待てッ!」
まさか突拍子も無く自室の鍵を渡されると思わず、キンジが声を張り上げる。
そんなキンジを不満げにアリアが睨む。
キンジ 「やめろやめろ!!勝手に鍵を渡すなって言うか作るな!」
アリア 「アタシは聞く気ないわよ!」
キンジ 「おいそれはふざけるな!本当にやめ───」
ガチャ!ガチャ!
キンジ 「───て頂きたいです・・・」
アリアがガバメントを取り出すと同時に、強気だったキンジの声のトーンが急激に下がる。
そんな状況の中、ウェイトレスさんが全員の料理を運んで来る。
キンジにはステーキセットと水。
白雪は烏龍茶と炊き込みごばん御膳。
私はミルクココア。
アリアはコーラとももまん丼・・・?
あれ?ももまんを乗っけた丼って、ゲテモノに入るのじゃないのそれ?
大和 「と言うかアリアがガバメント抜いているせいで、ウェイトレスさんが怯えて手元が震えているから。アリアは取り敢えず銃を下ろそうよ。」
アリア 「何?ドレイの癖に主に文句を言う気?」
周りの迷惑を伝えた私に対して、アリアはどう考えても注意を聞くがない。
これ以上はウエイトレスさんが困るし今回は仕方ないかな。
許してねアリア。
大和 「アリア。そろそろ銃を仕舞わないと、またあの三時間鑑賞会させるよ?」
アリア 「ヒッ!?」
この前のトラウマを軽く抉ると、予想通り効果抜群だったご様子で、悲鳴のように高い声を発してからびっくりする位高速で銃を仕舞う。
そして俯向いて顔を真っ赤に染める。
と、こんな感じにアリアの光景を見てしまった私の隣に座るキンジが思わず質問してくる。
キンジ 「なぁ大和。お前とアリアに何があったんだ?」
大和 「これは秘密。アリアの面子に関わるから、仕掛けた私が言うのもだけど勘弁してあげて。」
こうして静かになったアリアに安心したのか、ウエイトレスさんが私に軽く会釈して料理を並べ続ける。
料理を配り終えてからウェイトレスさんが離れて行き、ちょっと顔が赤いながらも復活したアリアから私に話し掛けられた。
アリア 「アンタはそれだけいいの?」
大和 「私はこれで十分だよ。」
アリアが私にそう質問したのは、私がミルクココアが一つしか頼んでないから。
今回私がミルクココアを頼んだのは、残念ながら胃に入りきりそうな量の料理がなかったのと、単純の苦いのとても苦手だから。
ブラックなんてとてもじゃないけど無理、他にもミント系も苦手なのよねぇ。
ひとまず納得したアリアがコーラの入ったコップを持ち上げる。
そして私もアリアに習ってココアのカップを持つ。
アリア 「それじゃあドレイ三号の誕生にCheeeeeers(乾杯)!」
白雪 「かんぱーい!フフフッやったぁ!合鍵なんて嬉しいよ!!」
大和 「はいはい、乾杯~。」
キンジ 「あぁ、もう・・・はぁー。」
キンジも鍵の事を諦めて、同じようにコップを鳴らす。
その後は四人で様々な話をした。
最初はジャンヌの処遇や白雪の使っていた技などを話していて、後半では最近あった面白い出来事とかキンジの駄目な点にシフトしていった。
他には最初の方に予想していた通り、白雪が私の刀についてさりげなく探りを入れてきたから、それは適当にはぐらかしたけどね。
こんな風に大体三十分位会話をして、それなりに楽しんでいる所である事が思い浮かんだ。
大和 「あっ、そうだ!魔剣も解決しておめでたいから、あれのヒント言っちゃおうかな?」
白雪 「ヒントって?」
白雪が首をかしげる。
大和 「勇者の問題のヒントだよ~。」
キンジ 「あー、あの意味不明のあれか。」
アリア 「それ、前にキンジから聞いたわよ。確か答えられたらアンタの秘密を教えてくれるヤツよね!アタシも気になっていたのよ!」
アリアは本当に興味を持っているようで、机に体を乗り出して言う。
大和 「言うから落ち着いて、ね。ちなみにこれ、ヒントというよりは続きかな?」
アリア 「そんな事はどうでもいいから、早く教えなさい!」
急がせるアリアを前に、話す順序を思い浮かべてから口にする。
大和 「えーとね。前に言った問題の続きで、〈しかし、力尽きた勇者は気がつくと、全く知らない世界に居ました。そこで勇者はとりあえず生きる為にある組織に入り、活躍しました。その組織で一人の男性と出会い、一緒に手を組んで数々の事件を解決しましたが、男性の家族が居なくなってしまい、男性が別の人生を歩むと宣言して、離れて行ってしまいました。〉までかな。」
各自が首を捻らせ、悩む。
アリアと白雪には完全に?が浮かんでいたけど、キンジはなんか引っ掛かるみたいで、二人とは違う別の挙動をする。
すると様子の異なるキンジにアリアも気づく。
アリア 「キンジ。アンタなんか知ってそうね。」
キンジ 「・・・知っている。とは違うが、なんか覚えがあるんだよなぁ。だが全くと言っていいほど心当たりがねぇ。」
アリア 「ほら、早く思い出すのよ!」
キンジ 「いやいや、思い出せねぇんだからしょうがねぇだろ!おい、首元持って揺らすな!苦しい!!」
アリアがさっさと思い出せとばかりに、キンジの首元を持って振り回す。
それを白雪が、アリアがキンジを虐めていると思って怒り、アリアに襲いかかる。
まさにカオスの状態、でも────混沌ほど面白い物はないよね。
ただ他の人の迷惑になるのですぐに間に入ったけど。
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アドシアードがあった日の熱気が収まり、寝静まった月の上がる深夜。
月光に照らされて現れる、女子寮のとある部屋のドアの前に佇む人影。
??? 「くふふっ!ここがみーちゃんのお部屋かぁ~!」
未来視の嘆き:一度でも見られれば、煙と共に永遠に何度でも襲われる。