赤城さんと少し血迷った提督のお話し

1 / 1
提督「ふえぇ…ホイップクリームこぼしちゃったよぉ…」

―提督はひどく狼狽していた

 

提督「まさか………まさかあんなことになるなんて……」

 

~回想~

 

加賀「今日は赤城さんの誕生日です」

 

~回想終わり~

 

誕生日

 

それは大切な記念日

 

提督は艦娘の誕生日を祝う事を生きがいにしていた

 

彼女達の誕生日には沢山の食べ物を用意する

 

ケーキだのなんだの…

 

ただし…赤城などの大飯喰らいは別だ

 

彼女達にはケーキと言って大量のホイップクリームを差し出すのが恒例になっている

 

そう…つまり赤城の誕生パーティーにはホイップクリームが欠かせないわけなのだが…

 

………

 

「どうしてこんなことになっちまったんだよ…」

 

嘆く提督のズボンには大量のホイップクリームがぶちまけてあった……

 

……そう…

 

提督は一航戦である赤城の誕生日に欠かせてはいけない“ホイップクリーム”を自分の下半身にぶちまけてしまったのである…

 

赤城の誕生日まであと1時間という短い時間の中でもう一度クリームを取り寄せ、さらに

 

泡立てるという事は不可能に近い

 

……もう絶体絶命だ……

 

本来の人間ならそう思うところだろう

 

しかし、常に死と隣り合わせの戦場で生きている彼は違った

 

提督(そうだ…肉を焼こう……それも最高級のA5ランクの国産黒毛和牛を……)

 

彼は狂ってしまった

 

彼はどこからともなくA5ランクの国産黒毛和牛のサーロインを取り出し

 

ウッヘッヘッヘ…

 

不気味な笑い声をあげながら一口大に切っていった

 

~~~

 

加賀「ねえ赤城さん」

 

赤城「あら、加賀さんどうしましたか?」

 

加賀「実は……提督が一時間後に来てほしいと……」

 

赤城「わかりました、ありがとうございます」

 

~~~

 

司令室に行くと扉の前に

 

―赤城、お誕生日おめでとう!!-

 

という掛け軸がかかっていた

 

赤城「あ…そういえばそうでしたね」

 

思い出しました

 

誕生日の日はサプライズで提督に祝ってもらえるんでしたね

 

そう思い掛け軸をめくってみると

 

―ホイップクリームを投げるので口を大きく開けて下さいー

 

―尚、入るときはノックしてね♡―

 

と書かれていた

 

赤城「成る程…分かりました…」

 

赤城は正直にノックをし…扉を開けた…

 

……それが悲劇の始まりとは知らず…

 

~~~

 

1時間で火の準備をし、A5ランク国産黒毛和牛のサーロインを完璧に焼き上げる事など造作もない…

 

提督は既にお肉を焼くことに関しては料理人の域に達していた…

 

ククッ…後は赤城が来るのを待つだけだ…

 

綺麗に焼けたA5ランク国産黒毛和牛のサーロインを箸で掴む

<コンコン

 

どうやら来たようだ

 

提督「どうぞ…」

 

赤城「失礼いたします」

 

その瞬間

 

提督「お誕生日おめでとう!!」

 

と言い、赤城の口にA5ランク国産黒毛和牛のサーロインをねじ込んだ

 

~~~

 

赤城は困惑した

 

今、自分の口に入れられた‘それ’が自分の予想していた食べているものとは違っていたからだ…

 

底の見えない旨み…噛めば噛むほど口の中に広がる肉汁…

 

赤城の旨みの認識能力では‘それ’の旨さはもはや感知できない域にあった

 

―これ以上噛むと死ぬー

 

上手く思考出来ない状態であってもそれだけは分かったようである

 

しかし…

 

口が止まらない

 

自分の口が自分の‘もの’では無くなったような感覚だった

 

止め方が分からなかった

 

赤城(もう…ら…め…)

 

赤城が死を覚悟したその時

 

提督「赤城!ゴックン!」

 

その一言で思わず‘それ’を飲み込む…

 

喉に広がる‘それ’の旨み、香りが赤城の脳の働きをおかしくしていった

 

赤城(あ………ああ……)

 

赤城はもう虫の息だった

 

自分の体を支えることすらままならず

 

…その場に倒れこむ…

 

赤城「………て……てい…と……く……」

 

提督に助けを求める赤城

 

もう目の焦点はあっていない

 

その赤城にむかって

 

提督は優しい顔を見せた

 

~~~

 

赤城は虫の息だ

 

提督「…赤城……ほら……白米だ……」

 

そう言うと赤城は

 

赤城「ていとく……ありがとうございます……」

 

と言って涙を流しながら口を開けた

 

提督「……よく頑張ったな…」

 

提督は赤城をほめたたえた…そして…

 

その口に向かってA5ランク国産黒毛和牛のサーロイン(焼きたて)をねじ込んだ

 

―白米は優しさであり、肉は暴力である、優しさと暴力が合わさる事によってそれは強さへと変わる- 

 

白米を受け入れる準備しかしていなかった赤城にはもう耐えられなかった

 

旨みが大爆発

 

………

 

……

 

 

・・・

 

提督「死んだか」

 

―完―




別なサイトで投稿したものです

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。