「う、ここは、何処でござるか?」
一人の男がひと気のない森の中で目を覚まし辺りを見渡し気づく。
「某が先程いた山と違う?あの広場に草はここまで生い茂ってはおらなかったはず•••!!佐助は?!佐助!!佐助何処にいる!!」
「そんなに大声で叫ばなくても聞こえてるよ大将」
幸村の後ろの木から木の葉がこすれ合う音がし幸村が振り返ると佐助が居た。
「おお!!佐助、無事だったか。しかし佐助何処に行っておったのだ?」
佐助に駆け寄りながら幸村は佐助に質問する。
「ああ、目が覚めたら見知らぬ土地に居たからね、俺様たちの身に何が起こったのかは分からないけどさ、忍の仕事は情報収集だからね一先ずこの辺りに何があるか調べてたのさ」
「そうか•••してどうだったのだ?」
「まず此処は俺様たちがいた山とは違う場所だね、見事に平地だよ。まぁ、それ以外は対した情報はなしかな?」
佐助の報告に幸村は腕を組みながら頭を傾げていた。
「しかし、今更ではあるがあの銅鏡はなんだったのでござるうか•••」
「さあね、それこそ訳が分からないね砕けたと思ったら光だして俺様たちを飲み込んだんだからね。」
元を辿ればあの銅鏡が原因だろうが何故銅鏡がああなったのかはわからない、結果わからないことを考えても仕方が無いといつ結論にたどり着いた二人はこれ以上銅鏡については話さなかった。
「まあ、いつまでも此処にいても仕方ないしねそろそろ行動しますかね大将?」
「そうだな、取り敢えずこの近くに某ら以外の者を探し、此処が何処なのかを聞くと仕様ぞ」
今後の方針が決まったところで幸村と佐助はこの森を抜けるために歩き出した。
「切り株があるね、切られた後を見ると人の手で切られたものだねこれは」
「そうでござるか、ならば村が近くにあるのでござろうか?」
森を当てもなく歩いていた二人はようやく人が近くに居ると思われる痕跡を見つけた、此処に来るまでに、野生の熊などに襲われたりもしたがそこは一騎当千の二人である難なく撃退していた。
「そうだね、早いとこその村見つけますか。空も赤くなってきたしね夜になる前にはみつけだしたいね」
「そうか、もう夕方でごさるな」
佐助の言葉に頷きながら幸村は言う、日は沈んで行きもうすぐ夜になろうとしていた、そして空を見て気付く赤い空に一筋の黒い煙が上がっていることに。
「佐助!!」
「わかってるよ大将、行きますか!!」
二人は煙が上がる方に走り出す、その様はまるで紅い風と黒い風の様であった。
森を抜けた幸村と佐助の目に飛び込んできたのは、燃え尽きて真っ黒になった木造の家が幾つも建ち並び荒らされた畑に血を流し死んでいる人。かつて天下布武を掲げ日ノ本を統一しようとした第六天魔王織田信長が行っていた虐殺の光景に似ていた。
「こ、これは•••な、なんということでござろうか!!」
「真田の大将、まずは生き残りがいないか探すぞ」
「んっ、そうでござるな生き残りがいれば何があったのかわかるでごさるな」
「そういうこと」
佐助はそう言うと先に村に向かって行く、幸村は一歩遅れる形で佐助を追い掛ける。村は悲惨な状態であった。死骸も多くあった、幸村はその亡骸を一人一人丁寧に埋葬した佐助は村を捜索した。
程なくして亡骸を埋め終わった幸村も佐助と共に生き残りがいないか探し始めた。そしてあらかた探したところで一度集合する。
「いないでごさるか」
「ああ、これだけ探してもいないとなると•••皆殺しにされたか」
「いや、某が埋葬した亡骸は男の者はがりで女がいなかった、それに子供もでごさる」
「だとすると女、子供を攫っていったってことか。だとしたら食物がなくなってたところを見ると」
「それではまるで野盗ではないか!徳川殿が日ノ本を統一し平和な世になったというのに何故野盗などがいるのでござるか!!」
「そいつはわからないよ、でもこの現場は受け入れないといけないね」
「う、うううぅぅ」
幸村は顔を下にさげ唸る、佐助はただ黙ってそれを見ていた。沈黙する二人、しかし。
「•••!!」
幸村が何かに気付いた様に顔を上げる。
「大将?どうしたんだ?」
「佐助、いま声がしなかったか?」
「ん?声?いや、俺様は•••」
「た•••け•••、だ•••か•••、助け•••誰•••」
「「!!」」
二人は顔を見合わせ別々に別れて声の主を探し始めた、そして。
「大将!!此処だ!!」
佐助が一つの瓦礫を指す、幸村と佐助は瓦礫をどかしていく。そして見つけた一ヶ所に固まり震えている子供とそれを抱きしめるかの様に守っている女の子を。