村を飛び出した幸村と佐助は女の子から聞いた黄巾党が根城にしている砦へとひた走っていた、幸村の手には朱羅がにぎられていた。
その幸村の後ろを佐助が走る。
「佐助!!某に構わず先に行けお前の脚ならば某より早く砦に辿り着くであろう!!」
「大将の御命令とあらば」
そう言うと佐助は瞬く間に幸村を追い越し前方えと消えていった、忍の仕事は情報収集。更にはその情報をいかに早く主の元に届けるかである。なのでその脚の早さは軍馬にも匹敵する程の速さである、並大抵の忍はこうはいかないが佐助は一流の忍、こんなこと朝飯前である。
「流石は佐助、なんと早きことか•••この幸村も負けてはおれん!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
幸村も佐助に追いつく為に走る速度を上げる、自分が先に行けと命じておきながらそれに追いつこうとするのは意味がないような気がするが。
「?今、大将の声が聞こえたような?気のせいだよね」
しばらく走ると佐助は目の前にそびえ立つ砦を発見する、砦の門の前には見張りが居り佐助は離れた場所から様子を窺う。
「うーん、大きさはまずまずだね。でも砦の大きさを考えると黄巾党の数はそれ程多くはなさそうだね•••まあ取り敢えず大将が来るのを待ちますかね」
佐助は相手から肉眼では捉えられない距離を保ち幸村を待つことにした、砦があるのは何もない平地にあり身を隠す所など何処にもない。しかし忍である佐助は別である暗闇の中を走ることがあるため忍は目も鍛えるのだ。
佐助が砦の近くに到着してしばらく経ってから幸村が合流する。
「して佐助どうするのだ?」
「まあ、やっぱ俺が砦に侵入して内部の情報を探り人質がいれば俺が内部で騒ぎを起こす。大将はその騒ぎを合図に真正面から門を突破して騒ぎをより大きくしてくれ、俺はその隙に人質を逃がす」
「心得たぞ佐助、しっかりな」
「俺様にお任せよ、ってね。じゃ行ってくるよ大将」
佐助はそう言うと自分の影に沈んでいった、はたから見れば異常な光景ではあるがこれは佐助の忍術であり忍の修行をつめば習得できるそうだ。
忍術で難なく砦に潜入した佐助、身を隠し黄巾党の奴等から情報を聞き出す。
(ふ〜ん、黄巾党の人数は約五千か。人質は一階の牢獄のなかと•••さあていっちょ派手にやりますかね)
佐助は懐から竹の水筒を取り出す、中には油が入っている。
「そらよ」
佐助は油を辺りに撒き散らす、そして火打石で火花を起こし油に引火させる。
「さあて、俺様の仕事は人質の救出だね。後は任せたよ大将」
そう言い残して佐助はその場から消える。
「ん、なんだが焦げ臭かないか?」
「んあ?そうか?きのせいじゃないか?」
「いや、本当に焦げてる臭いがする•••っておい!燃えてるぞ!!」
「み、水だ!!水を持ってこい!!」
佐助の策略により砦内部に火を付けることに成功し黄巾党は慌てふためいていた、それを砦の外で様子を伺っていた幸村は。
「合図か!!この幸村一点突破はお手の物!!うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ撃破、撃破!!」
そう叫ぶと同時に幸村は砦へと駆け出した。
「お、おい!!誰か来たぞ」
「ま、まさか敵襲か?!」
「て、敵襲!!敵襲!!数は•••」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ひ、一人だ!!」
「虎炎!!」
焔を纏った幸村の拳が砦の門とぶつかる、そして砦の門が吹き飛ばされた。
「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
吹き飛ばされた門に巻き込まれるように黄巾党の兵たちが叫ぶ、砦の中広場に集まっていた黄巾党の視線が幸村に注がれる。そんな中幸村は。
「天覇絶槍!!真田幸村見参!!黄巾党よそなたらの悪事は許されるものでは無い!!民の人の安息のためこの幸村槍を振るわん!!来たれ黄巾党この幸村全力でお相手仕る!!」
今ここに戦国屈指の武将真田幸村と黄巾党との戦いが幕を開けた。