砦の前で言葉を交わした幸村と孫策、互いに視線を逸らさずに相手を見ていた。
(中々の覇気、相当な腕前を持っているとみた)
(なんなのこの男、纏ってる覇気にそれに雰囲気が母様に似ているわ。敵に回したくないわね、なんとしても呉に組み入れたいわね)
互いに見つめるだけでまったく自体が進展しない、それを見かねた佐助が切り出す。
「真田の大将、睨み合ってんのはいいんだけどさ。早いとここの黄巾党の遺体を処理しようや。牢屋にいる村人たち何時までも外に出せないからさ」
「お、おお。そうであったな」
佐助の言葉に反応し応える幸村、そして幸村は孫策のほうを振り返ると。
「よければ貴殿らの手を借りたい、人数が多く某と佐助では時間がかかり申す。貴殿らがよいならば手を貸してもらいたい」
幸村の申し出に少し戸惑った孫策であったが敵対している訳ではないのでその申し出に応えることにした。
「わかったわ、手を貸しましょう。」
「かたじけない、行くぞ佐助!!」
「はいはいっと、それじゃ失礼しますよっと」
幸村と佐助は砦の中に消えていった、その様子を見ていた孫策はゆっくりと胸を撫で下ろす。
「ふぅ〜、なんか緊張しちゃうわね。雰囲気が母様に似ているせいかしら」
「あながち間違ってはいないかもね、私も萎縮してしまったわ」
「儂もじゃ、まるで目の前に堅殿がおるかの様な錯覚に陥ってしもうたわい」
「私なんで怖くてまともに見れませんでしたよ〜。」
「そうね、それにあの佐助って男も只者じゃないわね。幸村って男とは違う何かを感じたわ」
「なんにしてもあれほどの逸材だ、何もしても呉に加えたいものだな」
「そうね、まあ。今は黄巾党共の遺体処理が先よ。冥琳班分けお願いね♪」
悪げもなく言う孫策に周瑜はやれやれと首を振りながら班の編成を始めた、他の者達も動き出す。
そのあとは死んだ黄巾党の遺体を処理し村人を助け出し、ひとまず村に戻ることにした。村に戻る際にも幸村は馬にも負けない速さで走り、佐助は馬より速く走っていた。
その光景に呉は全員が唖然としていた、その際孫策が呟いた。
「母様以上の人物どころじゃないわねあれ、本当に私たちと同じ人間かしら?」
との呟きは臣下者達にしか聞こえなかったそうな。
日が暮れ始めたので今日はこの村で一晩過ごすこととなった、村人たちにも食料が配割れた。その際にも食料を調達に行った幸村が巨大な猪を狩って担いで帰って来た光景に佐助以外は驚いていた。
そして幸村と佐助は孫策たちがいる天幕に呼ばれていた。
「今回の件は本当に助かったわ、改めてお礼を言わせて頂戴。」
「いや、礼など不要でござる。この幸村己が成すべきことを成そうとした結果こうなっただけのことでござる」
孫策の言葉に幸村がそう返す。
その様子を見ていた周瑜はいかにしてこの二人を呉に組み入れるかを考えていた、そのさなか幸村が一つ尋ねた。
「孫策殿、昨今大陸中に黄巾党がいるなかで何故この村には兵がおらぬのでござるか?多少たりとも兵が居れば村人を逃がす時間稼ぎはできたのではないだろうか?」
幸村の質問に孫策たちが押し黙る、しかし、周瑜が直様口を開き語る。
「幸村殿、その原因はこの国の君主にあるのだ」
「君主にでござるか?」
「ああ、そうだ」
周瑜はこの国の君主、袁術について語り始める。ここは元々孫策の母孫堅が収めていた土地であり。その孫堅が戦で亡くなった後に袁術がやって来て瞬く間に土地を奪われてしまった。
そして袁術自体が無能な人物であることを。
話を聞いた幸村と佐助は唖然としていた、日ノ本では徳川をはじめとして民を大切に思う君主が大勢いる。親方様はもちろん、宿敵奥州の伊達。越後の上杉。前田に小田原の北条もである。
「そんな奴がよく君主なんかやれてるよね」
「財力と力はあるからな、まあ。それ以外は何もないが」
「辛口だね。」
「•••佐助、某にはこの槍を振るうことしか出来ぬ。だがこの槍が再び何かの役に立つとゆうのならば某はこの者達の力になりたい」
幸村の言葉に佐助は。
「そう大将が決めたのなら俺様はそれに従うまでだよ」
そう返す、その返事に満足したのか幸村は孫策を見る。
「この真田幸村貴殿らの力となることを約束致しましょうぞ!!」
「ありがとう、幸村。貴方の力頼りにさせてもらうわ」
孫策は満足げにそう答えた、その様子を見ていた佐助はこう切り出した。
「それじゃ、真田の旦那俺様たちの身の話を話そうかね?」
次回婆娑羅者達の前にあの漢女があらわれる!?
なんか分かりやすいネタバレですね。