悪役令嬢モノ(大嘘)
王立学園の食堂、【王立】の通り広大でほぼ全員の生徒が食事をとっている……筈だがこの日はそうではなく視線が食堂の中心に集中していた
大部分の視線の先には煌びやかな服を着た男貴族が3人と王子、守られるように立っている少女、男達達は敵意を込めた視線を一人の少女に向ける
向けられた少女は只々困惑しており「え、なんでこんな風に見られてんの?」とでも言いたげな表情をしている
「エラ・ファンダーソン!貴様との婚約を破棄し、メアリ・クァルタと婚約する!」
「…はぁ」
「……え?」
エラ・ファンダーソンと呼ばれた少女は生返事を返し、メアリと呼ばれた少女は驚いた表情をする
王子は更に牢獄にぶち込むと宣う
「はぁ?」という表情をするエラを見て自らの罪状を知らないようだな、と叫びエラの【罪】とやらを言い始める
『平民出身のメアリに対して身分差別を行った』『メアリのモノを隠し、ある時はズタズタに引き裂いた』『メアリを誘拐するように盗賊を唆した』『陰鬱なイジメを行った』『挙句メアリを階段から突き落とし重傷を負わせた』
これらを聞かされ、エラは訳が分からないという表情をする
「……え?なんですか?それは…」
「とぼけるな!貴様がしたことだろう!」
「ただの一つも心当たりがない上に最後のに至っては転んでしまった彼女を介抱してたのですが……」
「そんな嘘に騙されるとでも思っているのか!?」
「あ、あのぅ……」
その時、メアリが声を出す
「なんだメアリ、エラ・ファンダーソンがした証拠が出たのか?」
「その…介抱されたのは事実です」
「……?」
「王子達が『何をされた!?』って言ってきたので『転んで階段から落ちてしまったらエラ様に』って言ったら『またエラか!今度こそ許さん!』って言ったでは無いですか」
「な!?」
「……はぁ?」
ないわー…という表情をしたエラを見て、更にメアリは言う
「あとイジメや私物隠しは──さんと──さんが主犯でエラ様は関わりありませんし」
名指しで指名されたいじめの主犯の顔色が真っ青になる
「多分身分差別は最初期に言われた『貴方はここで唯一の平民なんだから精進しなさい』…ですか?アレは『平民なんだから貴族から作法を見て盗みなさい』という意味だと思ったのですが…」
「な、な……」
口をパクパクする
「私の方から婚約を破棄させてもらいます…確たる証拠もなく悪者にしてくる方と婚約など…有り得ないです」
「……王子」
「め、メアリ?」
縋るような目をする王子……メアリは冷めた目で切り捨てる
「唯一の学友であったエラ様に対し、証拠もなく言い掛かりだけで牢獄に入れようとするなんて……最低です」
崩れ落ちる王子と慰めるメアリに惚れてる腰巾着……メアリはエラに駆け寄る
「エラ様!昼食にしましょう!」
「1年経ったのだからいい加減食事のマナーをマスターして欲しいのだけれど…」
「エラ様と食事をする為にマスターしてないのでお断りです♪」
「そういう黒いところを隠さないところ変わらないわね……」
呆れたようなエラとペットのように懐いているメアリ……この2人が本来の道筋をガン無視した結果、悪役令嬢とヒロインが仲良くなるという未来が構築された
その先のお話
王子…色々と策略を巡らせるがエラにより失敗、バレて王位を剥奪、次男に継承される、当然監視付きの身に
取り巻き…自分がないため言いなり状態
エラとメアリ…別の貴族と結婚、家族ぐるみの親友に