バカとテストとオリ主と召喚獣   作:黒っぽい猫

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活動休止と言いながら小説書いてます、黒っぽい猫です。今回はバカテスのSSを書きます。

更新、とても遅い
文章、とても固い

それでもいいよって方は読んでいってください!


第一問〜プロローグ

早くもほとんど散った桜を眺めながら歩いていると、校門の前に見慣れた教師の顔を確認する。

 

「おはようございます鉄じ──西村先生」

 

鉄人こと、西村宗一先生だ。

 

「おはよう八坂。今鉄人と言いかけなかったか?」

 

「気のせいですよ西村先生」

 

「そうか、ならいいが……」

 

危ない、なんとかごまかせたようだ。この人の特徴で最も目を惹くのはその体つきだろう。最初に見た時はプロレスラーかなにかだと思ったが、れっきとした教師である。趣味はトライアスロンだそうだ。

 

「それはそうと、停学中の課題は持ってきたか?」

 

「あ、はい。ここに全てありますのでチェックお願いします」

 

鞄から紙の束を取り出して渡す。

 

「そうか、しっかり勉学にも向き合えていたようで何よりだ」

 

そう、俺は昨日まで停学処分を受けていた。それによって本来なら一昨日行われるクラス分け試験を受けていない。

 

「今更渡すまでも無い気もするが、一応その目で確認しておけ」

 

そういいながら西村先生は封筒を渡してくる。恐らくはクラス分けの紙が入っているのだろう。

 

「そこがお前の新しいクラスだ」

 

『八坂晴人 2-F』

 

「まあ、当然ですね」

 

分かりきっていたことだけに、ショックはない。

 

「俺はもう教室に行くので、失礼します」

 

「そうか。俺はまだ来てない生徒を待つのでな」

 

軽く礼をすると俺は自分の教室へと向かう。まあ俺は別にどのクラスになってもあまり関係ない。設備に差があってもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、思ってたんだが、これは少し予想外だ……」

 

目の前に広がるのは教室というより廃墟に近い。いくら各クラスに設備のランク差があると言ってもこれは学習環境としてどうなんだろうか?

 

(住めば都とも言うからなんとかなるか……?)

 

とりあえずドアを開けるが、外観に違わず酷い所だ。ボロボロの畳に綿の抜けた座布団。所々足の外れた卓袱台。クラスメイトの有様はそれぞれでスマホゲームは勿論マンガ、携帯ゲーム機や不審なフードを被った集団だったりと……後者は普通にやばい奴らじゃねえの…?

 

「とんでもねぇ教室に入っちまったのかもな……」

 

そうボヤいてるとその中に見知った顔を見つけた。あちらも気づいたらしく声を掛けてくる。女子っぽい顔立ちをしているが男子制服を着ている一見ちぐはぐに見える男子生徒だ。

 

「晴人ではないか!どうしたのじゃ?Fクラスに用事かの?」

 

「いや、別に用事で来たわけじゃない。俺はこの教室に入る事になっただけだ。それとおはよう、秀吉」

 

木下秀吉。それがこの生徒の名前だ。今の所この教室にいる唯一の知り合いで、俺の友人だ。

 

「うむ、おはようなのじゃ。自由席だからわしの隣に座ったらどうじゃ晴人よ。なぜお主がFクラスに居るのかも気になるからの」

 

差し支えなければ聞かせて欲しいのじゃ、と微笑みかけてくる秀吉の言葉に従う事にして俺は隣に腰を下ろす。

 

「まあ別に大げさに話すことじゃないんだけどな。いつも通り喧嘩だよ。今回は西村先生より先にあちらさんの教師が来たのもあって一方的に悪者扱いされちまってな」

 

簡単に説明をする。

 

「ふむ……と言ってもお主には非がない場合がほとんどなのじゃし処分を受ける理由がわからんのじゃ…」

 

「喧嘩両成敗って奴なんだろうし、実際暴力はあまり褒められた解決手段でもない。学園としては当然の対応なんだからお前が気にすることじゃねえよ」

 

「いや、晴人よ。わしが納得しても他は……特に姉上は納得しないと思うのじゃよ」

 

こいつの姉である木下優子は俺の苦手な人物の中でもトップに入ってくる女だ。口うるさくて堪らんから、別のクラスになってよかったのかもしれない。

 

「何故そこであの女が出てくるのかはわからんがとりあえず俺は眠いから寝るぞ秀吉。HRが終わったら起こしてくれ」

 

俺はカバンから枕を取り出しながら秀吉に頼む。

 

「始まったらではない辺り、お主もお主じゃの……そして人の好意に疎い所も変わらずか」

 

「ほっとけ」

 

呆れたような秀吉を無視して枕に頭を預ける。しばらくすると喧騒が遠のいていくと共に底に引っ張られるような感覚が始まる。そのまま俺は意識を手放──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よし………さです。き……に……と………さい』

 

………ん?何やら騒がしいな…。というより、眠ってからどれくらい経ったんだ……?

 

『ダーーーーーアリーーーーーン!!!』

 

…最悪の目覚めだな。まさか野郎共のダーリン呼びで目を覚ます日が来るなんて思ってもみなかったぜ畜生…。教卓に目をやるとどこかで見たような馬鹿面が目に入る。アイツが戦犯か。

 

「む……目覚めたのか、晴人よ」

 

こちらを覗き込んでくる秀吉に多少不機嫌気味に答える。八つ当たりだとはわかっているがこればっかりは仕方ない。

 

「最悪の目覚めだけどな……何やってんだ?」

 

「今は自己紹介なのじゃ。今明久が終えたから、あと終わってないのは晴人と雄二だけなのじゃ」

 

「そうなのか……」

 

「あ、やっぱり晴人じゃないか。寝てるからもしやって思ったんだけど…」

 

教卓に立っている馬鹿が俺に声をかけてくる。

 

「失礼な!僕は馬鹿じゃないよ!!」

 

「じゃあヨーロッパ連合の略称を言ってみろ」

 

答えは勿論EUだ。それくらい分かって当然──

 

「……UBW!僕にだってそれくらいわかるよ!」

 

「やっぱり馬鹿じゃねえか明久」

 

目の前の馬鹿こと吉井明久はキョトンとしている。まさかこいつ本当にヨーロッパ連合を何処ぞのアーチャーと勘違いしてるのかよ…だから馬鹿なんだな、うん。

 

「あ、起きたのですね八坂君。自己紹介をお願いできますか?私はこのクラスの担任をする事になりました福原です」

 

脇にいた小柄な先生──福原先生が遠慮がちに声をかけてくる。

 

「は、はぁ…わかりました福原先生」

 

どうして寝てる俺を起こそうともしなかったのだろうか?とかさっきのダーリンは止めなくてよかったのか?とかこの先生にツッコミたい所は沢山あるけど今はスルーしよう。

 

教卓に立って周りを見渡すと意外と知り合いがいることに驚く。秀吉に明久、眠そうにしている雄二に去年同じクラスだった姫路まで…。まあいい、今は自己紹介だな。

 

「あー、訳あってFクラスに入る事になった八坂晴人です。趣味はゲーム、得意科目は文系科目、苦手科目は数学と英語です。よろしくお願いします」

 

まばらな拍手の中で一人が手を挙げる。

 

「質問があるんですけど…いいですか?」

 

そう投げ掛けてきたのは姫路瑞希。学年末テストでは確か学年4位だった実力者だ。

 

「別に構わんぞ?そのあと俺からもお前がどうしてこのクラスにいるのか教えてくれ」

 

「あ、はい。わかりました。えーっと、八坂君はどうしてこのクラスにいるんですか?確か前回のテストでは久保君を抜いて学年次席でしたよね?」

 

その発言に教室全体がざわめく。そんなに大袈裟な話じゃないと思うんだが…。

 

「停学だったんだよ、俺は。喧嘩をやらかしてな」

 

「そ、そうだったんですか…ごめんなさい」

 

「別に謝らんでもいいさ。俺だってわかっててやったんだ。それよりもお前がこの教室にいる理由も教えてくれ」

 

「あ、はい。私は熱を出してテスト中に倒れてしまって、無得点扱いになっちゃったんです」

 

「お前の方がよっぽど大変じゃねえかよ。もう身体は平気なのか」

 

「あ、はい。大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。質問は終わったので座ってますね。また後でお話しましょう」

 

ふわふわと笑っている姫路を見ているとこちらも毒気を抜かれるな。

 

「まあそうだな。世間話は後でやるとして他に俺に質問ある人は居ますか?」

 

「ああ、俺から一つ聞いてもいいか?」

 

「なんだ、雄二か?」

 

坂本雄二。俺の悪友の一人にして悪鬼羅刹の異名を持つ男だ。異名の由来は喧嘩が強い事だが、決して腕っ節だけでなく悪巧みに関してなら凄まじく頭が良く回る。敵に回したくないタイプの男だが味方にいるのならここまで心強い奴も中々いない。

 

「ああ、お前の一番得意な科目の最高点と総合点を教えて欲しい」

 

「……お前、また何か企んでるだろ」

 

「さぁ、どうだろうな?」

 

明らかに何かを企んでいる顔をしているのだがこいつは中々にポーカーフェイスも上手いからボロは出さないだろう。ここは乗ってやろうか。

 

「最も得意な科目は現代国語で最高点は670点、総合点は前回の学年末が4498点だ」

 

『な、なにィィィィイイイイイイ!!?!』

 

「は、晴人そんなに点数高かったの?!」

 

「姉上より点数が高いと言っておったがまさかここまでとは?!」

 

「………想定外っ?!」

 

「やっぱり点数高いですね八坂君……!」

 

「ウチの出番無くなっちゃうじゃないの!」

 

驚きすぎだと思うし、出番が無くなるって何の話だ?

 

「他にはなさそうだから俺は席に戻らせてもらおう。雄二、あとはお前の仕事だろ?」

 

「あぁ、助かったぜ晴人。おかげで士気も上がりそうだ」

 

どうやらこの騒ぎも予定通りだったらしい雄二は笑みを崩さずに返してくる。

 

「最後に坂本君自己紹介をお願いします。坂本君はFクラスの代表ですよね?」

 

「ああ、その通りだ。皆!聞いてくれ!!」

 

ダンッ!バキッ!!

 

教卓が壊れた。

 

「………」←俺が絶句する

 

「……………」←雄二が唖然としている

 

『……………』←クラス全体が驚いている

 

いや、あまりに予想外すぎて全員度肝を抜かれている。まさか教卓がそんなに脆いとは誰も思わなかっただろう。

 

「それでは、教卓の替えを持ってくるので坂本君は自己紹介を続けてください」

 

福原先生は何処までもマイペースというか、ブレないな…流石と言うべきか、このクラスの担任を引き受けるだけのことはあるのか。福原先生が去っていった後、改めて雄二が自己紹介を始めようと咳払いをする。再び雄二に視線が集まる。

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。坂本とでも代表とでも好きなように呼んでくれて構わない」

 

なんだ、普通の自己紹介か。面白みがない──

 

「ところで、みんなに一つ聞きたい」

 

そこで言葉を切って教室を見渡し始める。周りのヤツらの視線も自然とそちらへ誘導される。なるほど……教室の現状を把握させようって事か。

 

かび臭い教室

 

古くて汚れ綿がほとんど無い座布団

 

薄汚れた卓袱台

 

「Aクラスは冷暖房完備の上座席はリクライニングシートらしいんだが──」

 

一人一人の顔に目をやりながら言葉を続ける。

 

「──不満はないか?」

 

『大ありじゃあっ!!』

 

無いわけがなかった。俺だって少なくとも腐った畳だけはなんとかして欲しい。案の定クラスの殆どが叫ぶ。

 

「そうだろう?俺だってこの現状は大いに不満だ」

 

『いくら学費が安いからってこの設備は納得いかねえ!!』

 

『改善を求める!!』

 

『姫路さんマジ天使!』

 

最後の奴は何言ってるんだ?!

 

「みんなの意見は最もだ。そこで代表としての提案だ」

 

ギリギリまで高められた不満に対して期待を持たせる言い方をする雄二。この学園で設備の質を向上させる方法はたった一つだけ──他クラスから奪う事だ。

 

「俺達Fクラスは、最上位クラスAクラスに『試験召喚戦争』を申し込みたいと思う」

 

この瞬間、試験召喚戦争の引き金が引かれた。




ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の更新も出来るだけ早くしたいと思いますが勉強との兼ね合いもありますので保証しかねます。
次回も宜しくお願いします。
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