タイトルは変えておきますw
具体的にはラブコメもあるよ!を消しますw
謎の勢いで二話目もスイスイと投稿できる運びとなりました。これも読者様がいて下さるおかげです。
このあとガクッとペースが落ちる可能性も大いにありますがお楽しみくださると幸いです。
それではどうぞ!!
※本話の投稿後、タグにシリアスを追加いたします。今回はシリアスではありませんが一応ご報告致します
雄二の進言に教室がざわめく。
『無理だ…勝てるわけがない……』
『これ以上設備が落とされてたまるか!俺は降りるぞ!』
『姫路さんがいれば何もいらない…!』
2番目は死亡フラグっぽいし、最後に至っては姫路にラブコールしてるじゃねえか。やっぱまともな奴いねえなこのクラス。
「大丈夫だ、ちゃんと勝算もある!!」
その一言でクラスメイトは期待のこもった目を雄二に向ける。そして雄二はまず俺を呼ぶ。
「さっきも壇上に出たところ悪いがもう一度出てこい」
「わかったよ……」
教室中の注目を再び集める。
「ここにいる八坂晴人は、自己紹介で本人が言った通り文系科目においては学年トップクラス、総合科目も5位以内に必ず入る戦力だ。平均的なAクラス3人くらいなら一人でも戦えるだろう」
科目によるってのは黙っておく。一部の科目だと下手をしたらこいつらにも負けかねない。
『確かに……現代文だけであんなに取れるなんて…総合科目は化け物なのか…!』
『素晴らしい戦力だ……!』
「それだけじゃない、姫路瑞希だっている。八坂同様、Aクラスの中でもトップクラスだ」
『そうだ!俺達には姫路さんもいる!!』
「木下秀吉もいる!!」
『木下……って確かAクラスの木下さんの弟だよな?』
『って事は凄いやつなのか…!!』
『頼りになるかもな!!しかも演劇部のホープとも聞いた!』
『そして可愛いしな!!』
『勝てそうな気がしてきたぞ!!』
安心しろ最後の奴。絶対気のせいだ。
「当然、俺も全力を尽くそう」
『坂本って確か神童って呼ばれていたよな?』
『まさか、このクラスには首席級が1人、Aクラス上位級が3人もいるって言うのか?!』
『それなら勝利にも可能性が出てくるぞ…!』
んなわけあるか!とツッコミを入れたいところだが、クラスの士気を下げそうなのでやめておく。
雄二が頭のキレるやつだってことは認めるが勉強面に回していないからな。この演説にしたって俺や姫路を前に出す事によって勝手に勘違いさせてるだけだ。
「それだけじゃない、総合的にはFクラスでも一科目に秀でた人間はいるさ。おい康太、姫路のスカートを覗いてないでこっちに来い」
「はわっ!」
「……!」ブンブンブン!!
必死に首を振っているがさっきから覗いてたのは周りも気づいているようだ。頬に畳の跡がついてるし。
「こいつは土屋康太。かのムッツリーニ本人だ」
『なんだと……アイツが寡黙なる性職者だってのか…?!そんな馬鹿な!』
『だが見ろ、バレバレなのに必死に証拠を隠滅しようとしているぞ!』
『ムッツリの名に恥じない行動……本物か!』
ムッツリーニ……一部を除く男子からは畏敬の念を、殆どの女子から軽蔑をもって呼ばれる二つ名だ。
まあわかりやすく言ってしまえば盗撮する変態だ。そして、撮影した写真を売り捌く『ムッツリ商会』の元締めでもある。一年の頃から知っているので別に驚く事ではない。
「それだけじゃない!!吉井明久だっている!!」
『誰だそいつ…なあ、知ってるか?』
『いや、知らんな…そんなに凄い奴なのか?』
「ちょっと雄二?!どうして僕の名前を呼ぶのさ?!みんな困惑してるじゃないか!!」
「みんな、コイツはわが校始まっての観察処分者第一号だ!」
『それって、確かバカの代名詞じゃなかったか?』
「違うよ!ちょっとお茶目な高校生に付けられるあだ名だよ!」
「その通り、バカの代名詞だ」
「肯定するなバカ雄二!」
時々入ってくる明久を無視しながら話を進めるのを見る限り雄二は明久の反応を見て楽しんでるようにしか見えない。実際かなり生き生きとしている。
「まあ落ち着け、確かに観察処分者はバカの代名詞だが…」
雄二がアイコンタクトをしてくるので溜息をしながら3度前に出る。
「盛り上がってるところ悪いが俺も観察処分者だ。そして俺から観察処分者についての利点と悪い点を説明しよう」
そこで言葉を切って周りを見渡すと全員がこちらを見ている。
「観察処分者は、まあ知っての通り問題を起こした生徒に課されるものだ。その仕事は教師の雑用。プリント運びや設備の配置替えの時に呼ばれる。
そして、その時には召喚獣の召喚が認められる。つまり、今の時点で自分の手足のように召喚獣を扱えるのは俺と明久のみってことだ。
召喚獣の扱いは1年の時にみんな少し触れたからわかっているとは思うがこれは扱い次第で戦場をどうとでも変えられる。わかりやすく例えるのなら、点数が高いだけの相手に対してなら明久でも互角に戦うことが出来る、という事だ。
自分で言うのもおかしな話だが、操作技術という点において俺と明久はかなり有利であると言える。
それだけではなく俺達の召喚獣は物体に干渉できる。これもまた雄二なら上手く作戦に組み込んで活用してくれるだろう。
そしてデメリットだが、俺と明久の召喚獣にはフィードバックというものがついている。つまり召喚獣が受けた痛みの何割かは召喚者に跳ね返るというものだ。
俺には1割の、明久には3割のフィードバックが付いていると考えると、俺たちはおいそれと召喚できない足でまといだと思われるかもしれないが……俺も明久もこの戦争には全力を尽くす。どうか信頼してほしい」
シン…と、一瞬教室が静まり返ったが……
『なるほど…難しいことはわからんが、要するに2人は操作がAクラスよりもうまいって考えていいと…』
『戦争をする以上はやっぱり操作も大切だって考えると物凄いアドバンテージを俺達が持ってるんじゃないのか?!』
良くやった、と言わんばかりに肩を叩かれて振り返ると雄二が俺の前に立つ。
「わかってくれたか?明久は点数的には大して高くもないが戦力にはなる。そして、ここで姫路から一言もらおう」
「えっ…私ですか?わかりました…」
姫路が激励するのか…?確かコイツはそんなに演説が上手いやつじゃなかった筈だが。
「えっと……私も全力を尽くします!みなさんも一緒にがんばりましょう!!」
まあ、そんな感じになるだろうしそれで何か変わるとも思えな──
『よっしゃぁ!!やったるでぇぇええ!!』
『姫路さん最高!!!』
『姫路さんの為なら戦死者補習なんて怖くねぇ!』
『姫路さん結婚してください…!!』
なるほどな…雄二が狙ってたのは口の上手さで扇動することじゃなくて姫路の見た目を使ってクラスの士気を上げることか。
「よしお前ら!!全員に紙を配るから名前と振り分け試験の点数と得意科目、不得意な科目を書いて提出してくれ。それを見て隊の構成と補充を考える。
そして明久はDクラスに宣戦布告してきてくれ」
「え…でも雄二。下級クラスの使節ってだいたい酷い目に合わされるよね?」
その通りだ明久。自分を信じろ。
「大丈夫だ明久、俺を信じろ」
両肩を掴みながら言うが雄二は酷い目に遭わないとは一言も言ってないのがずるい所だな。
「でも……」
「俺が親友のお前をそんな死地にわざわざ送り込むと思ってるのか?」
「……わかった、引き受けるよ」
あーあ、明久ボコボコにされるな。そんな感想を抱きながら明久を送り出して10分後…
「だまされたぁ!!」
目に涙を浮かべながら雄二に詰め寄る明久の姿があった。
「よし、計画通りだ」
「少しは悪びれろよバカ!」
明久のツッコミも最もだ。だがその突っ込みも虚しく雄二は全員に指示を出す。
「よし皆!それぞれに科目を書いた紙を渡すからそれを受けてきてくれ。採点が終わったら俺に忘れずに報告も頼む!」
『おう!!』
「集合時間は13:20。試験が終わったやつは休憩に入って英気を養ってくれ」
「秀吉、明久、姫路、島田、康太、晴人は集まれ。配置の説明をする」
解散の声とともに補充試験を受けに行くクラスメイトを尻目に俺は雄二の元へと向かう。隣からは『調教』とか『折檻』とか聞こえるが聞こえないフリをする。
「で、雄二。配置ってなんだ?俺一人でお前の護衛は十分だろうから他の奴らに攻めさせたらどうだ?今回の目的は経験を積ませるためなんだろ?」
近付いて耳打ちすると一瞬驚いた顔になるがすぐに不敵な笑みを浮かべる。
「流石は晴人だ。よく分かってるじゃねえか」
「お前の軍略なら始めからAクラスに挑まないのにはなにか理由があるはずだしな」
無駄な事が嫌いな雄二の性格から類推すればなんとなくわかる。
「俺に対しての科目のオーダーはあるか?」
「お前が一番弱い科目はなんだ?」
「数学1桁だ。それ以外で400点を超えないのは物理と保健だけだな」
「怪物だな……とりあえずお前は得意科目の現代文と古典、生物を受けてきてくれ。他の科目は任せる。お前は昼には上がってゆっくり休め。少しでも集中力を高めておけよ」
怪物とは失礼なやつだな。まあいい、そのオーダーに乗ってやろう。
「わかった」
教室を出て職員室近くに居た学年主任の高橋先生に声をかける。
「高橋先生、補充試験をお願いします」
「わかりました。隣の空き教室に入ってください。科目は何にしますか?」
「現代文、古典、生物、化学をお願いします」
我が校では点数の上限は無い。あるのは60分という時間制限のみだ。いまの時刻が10:00、12:30までとすれば三科目は受けられるが今回は現代文も古典もある程度まで取れたら切り上げよう。
慢心する訳でもないが、振り分けられた初日で相手は所詮Dクラス。操作も素人ならば問題は無いだろう。
「わかりました。このテストの点数があなたが次に召喚する時の召喚獣の力となります、宜しいですね?」
「はい」
「それでは……始めっ!!」
予定通り12:30に補充を終わらせると教室へと一旦戻って雄二に点数の報告をし、その後カバンから昼飯を取り出すと屋上へ。
「先客はいない……と。ありがたい限りだ」
もっとも、今はFクラスとDクラス以外は自習となってるはずなので本来の昼休みの時間までは誰もいないのだが。
「さて、今日はさっさと食って昼寝だな」
昼飯……というよりも日常と化しているカロリーメイトを取り出す。カロリー摂取ならこれを食べていれば十分なのであとは一緒に持ってきたカットフルーツを食べる。ビタミンもこれで摂取できると考えると別に体に悪くもない。
「あいつに見つかる前にさっさと全部食べてしまえば…「誰にバレないように、かしらね八坂クン?」……なんで居るんだよお前」
先程まで誰もいなかった位置に仁王立ちしている女子生徒。Fクラスに居るある生徒に似てはいるが別人である。
「自習を抜け出してきたに決まってるでしょ?代表にはお手洗いって言ってあるから平気よ」
「おいおい……優等生がそれでいいのかよ。優子」
木下優子。前回のテストで学年5位の女だ。上位陣の中では珍しく常識を身に付けている貴重な女子生徒であり俺の仇敵だ。
「サラッと自分が普通じゃないことを認識してるのね…」
「そういうお前はサラッと俺の心を読むな。それと俺より順位低いお前に何を言われてもそんなに関係無いし」
「ふーん……そう。それよりも晴人、これはどういう事かしら?説明してくれる?」
優子が手に持つスマートフォンから音声が流れてくる。ん?この声は──
『いつも通りの喧嘩だよ──』
あ、ヤバッ。
「逃がすと思うの?」
恐ろしい速度で俺の腕を掴むのそのまま締め上げてくる。顔には満面の笑みを浮かべながら。
「いててててっ!馬鹿やめろっ!死ぬだろうが?!」
「逃げようとするからでしょ!とっとと!説明!!しなさい!!」
言葉を区切る毎にギリギリと腕の締め上げが強くなる。
「わかった!!わかったから放せ!!」
そこまで言ってやっと解放される。
「お前が会話を盗み聞きしていた通り、ただの喧嘩だ。それ以上でもそれ以下でもない。ほれ、見た通り怪我もないから問題ねぇよ」
「で、今回は誰絡みだったのよ?」
「さあな。小学生が高校生に絡まれてたから鉄拳制裁しただけだ。名前まで一々聞くわけないだろうが恩着せがましい」
数十秒の沈黙とジト目。その後、諦めの溜息。
「全くアンタは……わかったわ。隣、失礼するわよ?」
「好きにしろよ」
隣に座った優子を尻目に俺は仰向けに寝る。昼休みにはこの場所でゆっくり過ごすのがお気に入りだ。見つかって以来はほぼ毎回こいつも付いてくるのだが。
「なぁ、優子さんよ?なんでお前はそんなに俺に構おうとするんだ?どんなに暴力沙汰を起こそうが、下がるのは別に俺の評価だけでお前は俺に関わらなけれぼ別に被害は被らないだろ?」
隣で弁当を少しずつ食べている優子に疑問をぶつける。
「なによ晴人。藪から棒に。アンタのさん付けは気持ち悪いわね」
会った時のことを思い出したって俺はこいつに好かれる様なことをした覚えもない。秀吉にこれを話したら『姉上も大変じゃ…』と馬鹿を見る目で俺を見てきたがそれはそれ。
そもそも、俺が喧嘩したところでこいつに被害はないはずだ。処分は先生方がやってくれてるし。それなのにコイツは突っかかってきては俺にぎゃあぎゃあ言ってくる。慣れてきていたがふと気になったのだ。
「別に?アタシがあんたと一緒にいるのが楽しいからそうしてるだけよ。それに、あんたの前じゃ態々優等生になる必要も無いし気が楽なのよ」
楽しい……か。
「あっ!べ、別にアンタに特別な感情を抱いてるとかじゃないわよ!?その辺りは勘違いしないでよね!!」
「わかってるよ、大体俺がお前に好意を向けられるって状況がありえないからな」
「もう……少しは気づけバカ…」
「あ?なんか言ったか?」
「何でもないわよバカ!!」
いや、なんで今俺は罵倒されたよ?
「そんなの自分で考えなさいよ……」(ボソッ)
?突然顔を赤くしたり何なんだコイツ…まあいいか。切り換えるように優子は話題を振ってくる。
「そんな事よりも晴人、初日から試召戦争するなんてアンタのクラスの代表は何を考えてるのよ?」
「さあな…Aクラスへの下克上らしいが俺も詳しい事までは雄二から聞いてない」
「ふうん……坂本君ならなにか腹案でもあるんでしょうね、まあアタシ達に拒否権は無いんだし、もしも挑戦して来たら全力で叩きのめすわよ」
「物騒だな……お、お前のその唐揚げ美味そうだな、一つくれよ」
「はいはい、どうぞ」
「サンキュー、ん、やっぱうめえな」
「そ、それは良かったわ」
そんなくだらないやり取りが続いて腕時計を確認すると既に集合の五分前となっていた。
「お、もうこんな時間か。俺はもう行くけどお前も授業遅れんなよ優等生」
「あら、アタシの心配してられるなんて余裕なのね」
優子は不敵に俺に笑い返してくる。
「余裕なんてねぇよ、戦場じゃ何が起こるかわかんねえしな」
ただ、俺は決めた事がある。
「どんな逆境にいようが笑ってるもん勝ちだからな」
そう言って俺は屋上から立ち去る。階段を飛ばしながら駆け下りてFクラスの扉を開ける。そこには既に、俺以外の全員が揃っていた。
「なんだ……俺が最後か?」
「おう、ミーティングまで済ませちまってるぞ。お前は今回護衛だから済ませたんだけどな」
教壇に立つ雄二が声をかけてくる。
「教師の確保は?」
「俺が仕損じると思うのか、晴人?」
まさか、こいつに限って自分の立てた作戦に穴があることなんて早々ありえない。
「さぁお前ら!!覚悟はいいか!!」
『おう!!』
「俺たちはこれから学力が全てじゃないってことをこの学園の全ての人間に証明する!!各々全力を尽くしてくれ!!」
チャイムが校舎に鳴り響いた。開戦の合図だ。
「全員!!出撃しろ!!!」
その代表の合図とともに俺たちの初戦、対Dクラス戦が開戦された。
はい、どうでしたでしょうか。ヒロインの優子さんを上手く書けているのかが最も困っているところです(苦笑)
あ、この作品は毎日投稿ではありませんので悪しからず
ここまで読んでいただきありがとうございます。
末尾にはなりましたがお気に入り登録をして下さっている3名の方にも重ね重ねお礼を申し上げます。
今後ともこの作品をどうぞよろしくお願いします。