バカとテストとオリ主と召喚獣   作:黒っぽい猫

3 / 10
一週間ぶりの黒っぽい猫です。
お気に入りが2桁のみならず感想まで頂いて小躍りしております。

そんな中今回はとうとうDクラス戦です。
それでは、どうぞ!


第三問〜Dクラス戦、前編〜

『代表!報告だ!!前線部隊が痛手を被った!!!秀吉を殿に撤退している!』

 

『裏手の階段が手薄になってる!!今は5人で抑えてるが長くは耐えられないぞ!増援を求む!!』

 

正直、状況はかなり悪い。それはそうだ、いくらこちらの士気が高く作戦が良いものでも明らかに点差がある。

 

「おい雄二、これも想定の範囲内なのか?」

 

隣で書類でテキパキと指示を出す悪友に聞いてみる。

 

「ん?ああ、大丈夫だ、予想の範囲内だよ」

 

「それならいいんだがな、おい、階段側が全滅してるぞ。こりゃなだれ込んでくるな」

 

トランシーバー(何故か開戦直後に土屋に渡された)から階段に行った奴らの断末魔が聞こえてきたから伝えるも雄二はドライに答える。

 

「来たらお前が倒せよ晴人。その為に自陣に現文の寺井先生を呼んでるんだからな」

 

「わーってるよ…っと、早速お客みたいだな」

 

ドアを乱暴に引き開ける音と共に数人の生徒が入ってくる。

 

『居たぞ!Fクラス代表だ!!』

 

『隣にいる銀髪は無視しろ!!代表さえ討ち取れば俺たちの勝利なんだからな!!』

 

『待って!彼は次席よっ……!』

 

『次席がこのクラスにいるわけないだろ!!』

 

『所詮Fクラスなんだ、この人数で負けるわけがない!』

 

世間話のような調子で話しているとDクラスの生徒が五人ほど攻め込んでくる。俺を無視して代表を狙うようだ。一人は俺を知ってる…てか玉野じゃん。まあいい、玉野だけ残しとくか。

 

「寺井先生、入ってきたDクラス五人に戦闘を申し込みます」

 

「わかりました、承認します」

 

『ちっ…邪魔だな!瞬殺してやるぜ!!サモン!』

 

『『『『試験召喚獣、サモン!!』』』』

 

一人の掛け声で全員が召喚する。

 

「瞬殺ね……面白い、やってみろ!!試験召喚獣、サモン!!」

 

寺井先生が展開したフィールドに六体の分身体──召喚獣が現れる。そして、その上には点数が表示される。

 

現代文

 

Fクラス 八坂晴人 420点

 

vs

 

Dクラス 玉野美紀 126点

Dクラス ① 117点

Dクラス ② 122点

Dクラス ③ 99点

Dクラス ④ 84点

 

敵は全体的に文系で固めているらしい。Bクラス下位に近い奴もいるようだな。

 

俺の召喚獣は得点の割に軽装だ。前がはだけた学ランに日本刀という不釣り合いな装備。そして学ランの裏にある計20本の投擲ナイフ。まあ、ナイフは点数を使えばいくらでも量産できるが。

 

「んー…手を抜きすぎたな」

 

『『『『………へ?』』』』

 

「ん?どした、かかってこないと……」

 

左右の学ランにあるナイフを両手で2本ずつ掴むと一人を除く4人の脳天に突き刺す。

 

ドドドドッ

 

点数差もあって、あっさりと点数が削りきられる。

 

「死ぬぞ?」

 

 

Dクラス4人 戦死

 

「戦死者は補習!!」

 

『『『『ぎゃああああああああ!!!』』』』

 

ドアを突然開けて入ってきた西村先生は軽々と四人を担いで去っていった。やっぱあの先生は色々と規格外だ。さて…

 

「寺井先生、この生徒と『対談』をするので召喚フィールドをうっかり解除してください」

 

頷くとフィールドを解いてくれる寺井先生に会釈をしつつ怯えている女子生徒に声をかける。

 

「久しぶりだな、玉野。まさかお前がDクラスにいるとはな」

 

「それは、私ならCクラスだろうって褒めてるのよね、八坂君?」

 

「いや、お前はEクラスだろって言いたいんだ」

 

玉野の眉がぴくりと跳ねるが状況を理解してるのか襲いかかってくるような事は無い。

 

「随分な物言いだけど、対談の内容を聞かせてもらえるかしら?」

 

「あぁ、お前に頼みたいのは──」

 

内容を言うと目を見開いてこちらを凝視してくる。

 

「さあ、どうする?ここで今選択してくれ」

 

軽くこちらを睨むと溜息と共に声を絞り出した。

 

「やるわ、やらせていただきます。それで契約は違えないのよね」

 

「それなりに付き合いがあるお前ならわかるだろ、俺は嘘は吐かねぇよ」

 

「ええ、そうだったわね」

 

「契約は成立だ、さっさとお前は引き上げろ。フィールドも出てないんだから別に規約違反でもないからな」

 

「わかってるわよ、この事は内密にしなさいよね?」

 

そう言い残して去って行く玉野に、ふと悪戯心が芽生えた俺は投げかけてみる。

 

「秀吉によろしく伝えておくからな♪」

 

「なっ!?秀吉ちゃんには何も言わないでよっ!!」

 

おーおー、顔を真っ赤にして面白い反応だこと。こいつもからかいがいがあるな。

 

「貴方のことは絶対地獄にたたき落とすから覚悟してなさい!」

 

捨て台詞を残していった玉野を見送った俺は教室に戻って雄二に言っておく。

 

「よし、雄二。防衛ラインを渡り廊下のみに集中させろ。階段からの奇襲はもう無いと考えていいだろうからな」

 

訝しげな表情を浮かべる雄二だったが少しするとハッとする。

 

「なるほどな……生半可な数では太刀打ちができないならわざわざ奇襲もしてこないってことか。うまく考えたな」

 

俺が玉野に頼んだのは一つ、『俺の現文の点数を200点高く報告すること』だ。そしてその代わりにこの場では戦死させないことを交換条件に差し出した。

 

目撃者は補習室だから、戻ってくる頃には点数なんて曖昧になってるだろう事まで計算に入れてのことだ。

 

「まあな、それよりも姫路の補充はまだ終わらないのか?」

 

「姫路には五科目を補充して貰ってるからな。下校時刻までは引っ張るつもりだ」

 

「あと1時間かよ……スマホでゲームやってていいか?」

 

「おいおい、気を抜かないでくれよ副官、お前は中堅がやられたら時間を稼いでもらうんだからな」

 

「そんな展開そうそうあるわけが……」

 

『くっ、まずい!!一気に七人やられた!どうする?!』

 

『島田が暴れだした!!本隊に下げたが誰か指揮を頼む!指揮系統が乱れていて収集がつかない!!』

 

「前線部隊戻ったのじゃ!わしを含めて八人瀕死の重傷じゃ!今はまだ明久達が凌いでおるが突破されるのも時間の問題じゃ!」

 

そんな展開があったようだ。秀吉が戻ったということは前線部隊は突破されて中堅部隊が交戦してるってことか。

 

「秀吉、今の科目は?!」

 

多少慌てた様子で雄二が聞く。島田が暴れるのは予想外だったようだ。

 

「化学なのじゃ!どうするつもりじゃ雄二?!」

 

「晴人、確か化学受けてそこそこ取ってたよな?」

 

「そうだな、Dクラス相手に問題ない程度は取れてたな」

 

「なら任せる、大至急最前線に出て指揮を取れ。できるだけ長引かせてくれよ?」

 

「長引かせて欲しいなら増援をよこせよな雄二」

 

「そこはお前達の粘り次第だな」ニヤリ

 

いい性格してやがるなこの悪友は!俺は教室を飛び出して戦場となっている渡り廊下へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい………なんだこいつは」

 

戦場に到着した真っ先に目に入ったのは連行されていく生徒達。全員戦死者なのだろう、顔を真っ青にしている。

 

『いやだぁぁぁぁあ!!鬼の補習はいやだァ!!!』

 

『誰か助けてくれぇぇぇえええ!!殺されるぅぅ!!』

 

よく見ると運ばれてる生徒の八割はFクラスのようだ。どうやら劣勢どころじゃないらしい。

 

「あ!晴人!!増援って晴人の事?!戦えるの?!」

 

『このっ!ちょこまかとっ!』

 

戦闘中にも関わらずこちらに顔を向けてくる明久。いいから集中して相手してやれよ。

 

 

化学

 

Fクラス 吉井明久 43点

 

vs

 

Dクラスα 87点

 

 

うん……お前よりはまともに戦えるぞ。

 

「助太刀はいるか?」

 

「僕の方は大丈夫だから他のクラスメイトを助けてくれるかな?できれば彼らには補充試験を受けさせたいんだ、言伝も頼みたいし」

 

「あいよ、一応隊長はお前だろうしお前に従うよ」

 

他のやつ、他のやつ……お、劣勢なのがいたいた。

 

『くッ……誰か来てくれ!補習にされちまう!』

 

『さっさと落ちちまえよFクラスのゴミが!!』

 

思いっきり悪役のセリフだなぁ……。

 

 

化学

 

Fクラス 森川 17点

 

vs

 

Dクラスβ 137点

 

 

ふーん、Cクラス下位くらいか。まあ森川もよく粘ったなここまで。

 

「森川、助太刀するからお前は補充に回れ、そこの須川も一緒に回収してやれ、おい、そこのDクラス二人!俺がその喧嘩は引き継いでやるよ。一人じゃ相手にならねぇからな」

 

『『上等だ!!』』

 

『悪い八坂!恩に着る!』

 

『死ぬなよ!!』

 

二人の離脱を確認してから俺も敵の二人に向き合う。

 

「さて、始めるか!試験召喚獣、サモン!!」

 

 

化学

 

Fクラス 八坂晴人 230点

 

vs

 

Dクラスβ 137点

 

Dクラスγ 141点

 

 

『『なにぃっ?!』』

 

「さぁ、待たせて悪かったな。ここからは俺が相手をしよう」

 

『ふざけるな!点数では俺達が勝ってるんだ!いくぞっ!』

 

『ああ!カンニング野郎なんざぶっ潰してやる!!』

 

 

ブンッ!

 

片方の召喚獣は小ぶりな斧を両手に持っている。俺のナイフでは威力の相殺は難しそうだ。なら…

 

「懐に潜り込むだけだ!」

 

『なにっ?!』

 

両手を振り上げながら迫ってくる召喚獣の腹へ突っ込むとそこにナイフを突き立てる。

 

「おらよっ!!」

 

そのまま突き刺したナイフの部分を押し込むように柄を蹴る。

 

『く、くそッ!喰らえっ!!』

 

だがこちらも距離を取る前に頬を斧がかすめたようだ。

 

 

Fクラス 八坂晴人 225点

 

vs

 

Dクラスβ 53点

 

Dクラスγ 141点

 

 

『落ち着け!!突っ走っても仕方ない。俺の召喚獣で奴の攻撃をしのぎながら少しずつ削っていくぞ』

 

何やら作戦会議をしてるようだが…

 

「お前らを待ってやるつもりは無い!」

 

召喚獣を突っ込ませる。ここは派手に立ち回って敵を引きつける方が得策だから、このまま派手にやるか。

 

『このっ!生意気なっ!』

 

『よし!!後ろをとった、そのまま抑えてろ!!』

 

二人目の日本刀をナイフを両手に構えて受け止めると、斧持ちが後ろから斬りかかってくる──予定通りだな!

 

『おらァっ!!今度こそ喰らいやが──なっ?!』

 

『バカやめろぉぉおお!!』

 

斬りかかってくる直前に俺の召喚獣はナイフに込めていた力を抜いて横に避ける──その結果。

 

 

Dクラスγ 戦死

 

場所が入れ替わり日本刀持ちの召喚獣の脳天に相方の斧が直撃。

いくら点数が高かろうが急所を割られてしまっては戦死だろう。

そして当然──

 

「補習室に案内してやろう!」

 

『ぎゃぁぁぁああ!!たすけてくれぇぇぇええ!』

 

『………』

 

「スキを見せるなよ、逃がさねぇぞ?」

 

『なっ……しまっ…!』

 

「遅いな!」ズバッ!

 

呆気に取られているもう1人に容赦なくナイフを叩き込む。

 

「む、追加の戦死者か!補習室へようこそ!!」

 

『んな馬鹿なぁぁぁぁあ!!』

 

よし、ひとまず二人は終わったな。

 

『ま、まずいぞ。あいつを文系科目へ誘い出すんだ!』

 

『ああ、Fクラスで理系科目があそこまで取れているなら文系科目は弱いはずだ!!』

 

ほう…こいつは好都合だな。近くに古典の先生もいるし。

 

「いいだろう!そこにいる二人に古典で戦争を申し込む!」

 

『科目古典、承認します!!!』

 

『 俺も助太刀するぞ!サモン!!』

 

『よくも二人をやってくれたな!!サモン!!』

 

『『サモン!!』』

 

「さて、三回戦目と行きますかぁ!!サモン!!」

 

 

古典

 

 

Fクラス 八坂晴人 337点

 

vs

 

Dクラスa 83点

 

Dクラスb 95点

 

Dクラスc 147点

 

Dクラスd 104点

 

 

『『『『嘘だろぉぉお?!』』』』

 

「悪いが現実だぜ♪さぁ、かかってこい!!」

『こうなりゃヤケだぁぁああ!!!』

 

『『『うおおおおおおお!!!』』』

 

デタラメに突っ込んでくる。雄二は確か長引かせろと言っていた気がするが…

 

「別に倒して時間を稼いでもいいんだよなぁ!!あはははは!!」

 

楽しくなってきたじゃねぇか!!召喚獣を操って敢えて4人のど真ん中に分け入る。

 

『せめて一矢報いてやるぅぅう!!』

 

『お覚悟っ!!』

 

「甘い、甘いぞ!!」

 

右側から迫ってくる槍を避けて掴むとそのまま引っ張って反対側から迫ってくる召喚獣にその切っ先をぶつける。スレスレで回避すると言い合いを始める。

 

『危なっ?!何しやがる!!』

 

『当たってないんだからいいだろ!!』

 

『なんだと?!』

 

「喧嘩は補習室でやれや!!邪魔だ!」

 

『『しまっ──』』

 

喧嘩してる二体の後から今度は脇差しで切りつける。当然耐えられるわけもなく二人は戦死する。

 

Dクラスa,b 戦死

 

そちらにはもう目もくれず次の標的を見るが目の前には一体しか見えない。

 

「チッ!何処にいるっ?!」

 

迫ってくる一体の攻撃を正面から受け止める。が…

 

「後ろからもう一体だとっ?!」

 

目の前の召喚獣の背後から現れたもう一体が鎖鎌を背中に突き刺してくる。この戦争で始めて受ける痛みに一瞬顔が歪む。

 

Fクラス 八坂晴人 302点

 

「グッ!」

 

『なんだ?!召喚者がダメージを……おい!相手は観察処分者じゃないのか?!』

 

『まさか…そうだとしたらコイツは学年次席だぞ!!』

 

チッ、知られちまったか。

 

『だとしたら数学だ!!フィールドを数学に変えるために船越先生を呼んでこい!!』

 

まずいな……。流石に弱点も知られてるってわけか。

 

「とりあえずお前らはここで切り伏せる!!」

 

背中に突き刺さった鎖鎌の鎖を掴んでそのまま奥にいる召喚獣を引っ張り込む。当然、手前にいる召喚獣とぶつかって一瞬だが動きにムラが生まれる。

 

「そこだっ!!」

 

Dクラスc,d 戦死

 

「まずったな……バレちまった」

 

一先ず明久と合流するしかなさそうだ。幸いそんなにフィールドが離れていなかったこともあってすぐに合流できた。

 

「おい、明久。まずいぞ、フィールドが数学に変更されそうだ」

 

「えぇっ?!そしたら晴人が戦えなくなるじゃないか!」

 

そんな話をしている中、不意に放送を告げるベルが校舎に鳴り響く。

 

《えー、船越先生、船越先生》

 

声の主は須川だ。何をするつもりなんだ…?

 

《吉井明久君が、体育館裏で先生をお待ちです。生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事なお話があるそうです》

 

船越先生は女性の先生で独身だ。本人も婚期を逃した自覚があるそうで、生徒に内申点を盾に交際を迫ったりするという恐ろしい噂がまことしやかに囁かれている。

 

「明久……お前マジか。頑張れよ?」

 

「いや!これは作戦のつもりなんだろうけど僕の貞操とか体裁が大ピンチだよ!!」

 

「お前のことは忘れない……」

 

「やめてくれ晴人!!勝手に僕を死人にするな!!」

 

だが、この放送の効果は覿面のようだ。

 

『おい…聞いたか今の放送』

 

『ああ。Fクラスの奴ら、本気で勝ちに来てるぞ』

 

『こんな確固たる意志を持ってる奴らに勝てるのか…?』

 

男子は同情と畏敬の念を、女子は物好きを見る目で明久の事を見ている。

 

『吉井隊長の死を無駄にするな!!残存兵力をかき集めて時間を稼ぐぞ!!』

 

『おおぉぉーーーーっ!!!』

 

味方の士気をも上げている。さすが雄二、良い作戦だ。

 

「良かったじゃないか明久、これはいけるんじゃないか?」

 

「ふ………」

 

「ふ?」

 

わなわなと震えてるな。これは怒り心頭って所か。

 

「ふざけるなぁぁぁああ!!!!須川ぁぁぁぁあ!!」

 

そんな明久の恨み節とともに、戦争は折り返しへと向かった。




ここまで読んでいただきありがとうございます。

この作品では、玉野さんは(基本的に)常識人として扱います。

戦闘描写、もう少し改善点があるような気がするのですがどうにもこうにも……。御意見がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。

次回の更新は2週後になるやもしれませんがお待ちくださると幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。