バカとテストとオリ主と召喚獣   作:黒っぽい猫

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お久しぶりですと黒っぽい猫です。書き溜めをしていた最後の文章に加筆をしていたら間が空いてしまいました。
まあ不定期更新ですし(((殴

本日も最後までお付き合い願えると幸いです
それでは、本編へどうぞ!


第四問〜Dクラス戦、後編〜

『まずいっ!こっちも三人やられたぞ!!誰か増援に来い!』

 

『こっちのフィールドはもう俺しか残ってない!!突破されちまうぞ!!』

 

 

古典

 

Fクラス 八坂晴人 73点

 

vs

 

Dクラスe 93点

Dクラスf 114点

Dクラスg 23点

 

 

戦場の旗色は刻々と悪くなる一方だ。ある程度点数に余裕があった俺ですらこのザマだ。当然俺と操作力がずば抜けた明久以外は次々補習室へ送られる。

 

「チッ!オラッ!!」

 

苦し紛れの投擲ナイフも…

 

『ハッ!効かないな!!』

 

盾持ちに防がれてしまう。相変わらず相手の攻撃はこちらに当たらないが。細剣を突き出されるがバックステップで躱す。

 

『Fクラスなのにこいつはなんで死なねぇんだよ!くそ、当たれ!』

 

『無茶しないの!確実に少しずつ削ればいいんだから!!』

 

『八坂を囲む様に近づくぞ。この点数なら怖くない!』

 

ぐっ……まずいな。相手も冷静になってきている。ここでやられたら戦場に残ってる自陣の士気が落ちきってしまうだろう。

 

自惚れている訳じゃないが、姫路と俺を主戦力として雄二が演説している事を考えると俺と姫路の戦死は極力避けるべきだろう。

 

(使いたくなかったが……仕方ないか)

 

「おい!明久!!俺は腕輪を使う!!誰か一人を逃がして本陣に伝えてくれ!!」

 

『腕輪だとっ?!馬鹿な!こいつの点数は…!!』

 

『ハッタリだ!騙されるな!!!』

 

明久は困惑しながらも気丈に返してくれる。

 

「やってみるけど、なんて伝えてもらえばいいの?!」

 

「あと5分、それ以上は耐えきれないってな!」

 

もう俺が戦場に来て一時間はたった。そろそろ姫路の補充も終わってる頃だろう。

 

「わかった!!必ず伝えさせる!!!!」

 

言葉ではなく俺はサムズアップで返す。余裕が無いからな。

 

躱すことに徹していたのもあってまだあれ以上の被弾はしていない。よし、いけるな!!

 

「出来ることなら、これは次の戦争まで温存していたかったが…腕輪発動!!《限界突破(オーバーリミット)》ッ!!」

 

俺の召喚獣に付いている腕輪が緑色に輝く。

 

『なんで腕輪が発動するんだ?!あれは点数が400点を超えた科目でしか発動しないはずじゃ……?!』

 

「さぁな、俺にもよく分からんが、俺の腕輪の発現条件は科目に点数が残っていること、だ。つまり戦死するまでは使う事が出来ると言える」

 

点数の消費もないからな、と付け加えると戦場の至る所からざわめきが生まれる。

 

『そんなバカな…!無茶苦茶だ……!!』

 

『ぶ、ブラフに決まってる!!』

 

「突破率は130%が限界か……いくぞっ!!」

 

俺は先程までと同じように召喚獣を動かす──が、明らかに速さが違う。

 

『何っ?!早くなってるぞ!!』

 

『落ち着け、早いだけならまだ凌げ…クッ?!パワーも上がっている?!』

 

ナイフで切りつけると、先程までは完璧に防がれていた片手盾による防御を弾き飛ばせる。

 

ナイフを両手に二本ずつクローのように装備させるとそのまま盾持ちに突っ込む。

 

「オラオラ!!お前は攻撃しないのかっ?!」

 

『クソッ!ちょこまかと鬱陶しい!!』

 

必死に盾と細剣で俺のクローを防いで一撃を食らわせようとしてくるが、こちらの攻撃が早いのもあって追いつけないようだ。そして、焦りはミスをうみやすい!!決定的な隙が相手の脇腹に生まれる──!!

 

「そこだぁぁっ!!!」

 

右側のクローが敵召喚獣の脇を深く抉ると点数を削り切る。

 

『しまった──!!』

 

 

古典

 

Fクラス 八坂晴人 70点

 

vs

 

Dクラスe 戦死

Dクラスf 114点

Dクラスg 23点

 

 

『これでもう七人目よ!なんなのよこのバケモノ!!』

 

ビクッ!

 

 

自分の体が無意識に跳ね上がるのを感じる。胸がざわついて心が波立ってくる。そして、俺の視界から色が抜け落ちていく。

 

(バケモノ──バケモノ、ね……)

 

ドクン!黒い何かが渦巻いて、俺の心を支配する。これに呑まれてはいけない……だが。

 

(俺をバケモノって言ったアレは──「テキ」だよな)

 

完全に視界が白と黒の二色に変わった刹那、俺は体の主導権を失う。ガクンと首が項垂れるがそれを直すことすらできない。ただその動きによって下に落ちた髪の隙間から確実に俺、いや、ソイツは捉えていた。

 

敵の召喚獣の動きを。

 

『何かわからないけど動きが止まったわね!!今の内に、行くわよ!!』

 

『あ、ああ!!』

 

──あれは敵だから、俺をバケモノって呼ぶ「テキ」だから──コロシテヤロウ。

 

「ヴヴヴヴ……ガッ!!」

 

『『へっ……?』』

 

それは、俺の召喚獣の声なのか、俺の喉から漏れた音なのか分からなかった。ただはっきりしていることは──

 

バリッ!ボリッ!グチャ……バキンッ!

 

俺の召喚獣が、片方の敵の喉笛を噛みちぎって咀嚼している、ということだ。もう片方の頭にはナイフが二本突き刺さってるところを見るにこちらも即死のようだ。

 

『な……なによこれぇ…っ!』バタンッ!

 

『うッ……』

 

女子生徒はあまりのグロさに卒倒し、男子生徒はトイレへと駆け込んでいった。無論、彼らも補習行きなのだろうがそこまで頭を回すことすら出来ない。ただ目の前の状況を眺めているだけだ。

 

(モット壊そうぜ──なぁ、アイボウ)

 

「──ると!晴人!!」

 

いきなり後から肩を掴まれる。それを認識した途端、また不意に視界に色が戻る。

 

「悪い明久!!戦況は?!」

 

「今の不意をついて敵幹部の塚本君をこちらの生徒が討ち取ったよ!後方からは雄二の声が聞こえてるから中堅部隊は本隊との合流のために撤退だ!晴人は真っ先に下がって!!」

 

「ああ……わかった」

 

心ここに在らずで返す俺を除いて心配そうな顔をしてくる明久。

 

「晴人、大丈夫?戦争は今回で終わりじゃないんだし今日はもう戦わなくてもいいよ?あとは僕達でなんとかするからさ」

 

「悪いがそうさせてもらおう……簡単にはいかなそうだがな」

 

いつの間にか周りには多数のDクラス生徒がいた。

 

「くっ……まずいな」

 

『八坂晴人を見つけたぞ!先生!俺がFクラスの八坂に──』

 

「そうはさせない!!吉井明久が受けます!晴人!!今の内に引いて!あと雄二を一発殴ってくれると嬉しい!さっきの放送の分を宜しく!!」

 

「バカ言うな……それはお前が生き残ってやれ!!」

 

俺は明久の指示通りに後退する。流石に精神的にも物理的にももう耐えられる気がしない。

 

「晴人!無事だったか!!明久は?!お前の体は大丈夫なのか?腕輪を使ったんだろ」

 

目の前から雄二が率いる本隊が来るのが見えた。安心したからか体の痛みが一気に押し寄せてくる。一割とはいえフィードバックはやはり痛い。腕輪の効果でより痛みが強く出る状況で先程不自然な体のひねりをしたのも悪影響だったようだ。

 

その痛みを堪えながら矢継ぎ早にされる雄二の質問の一つ一つに答えていく。

 

「──ッ!大丈夫だ。明久はまだ戦ってるよ。俺に向かってきたやつの足を止めるためにな。早く行ってやってくれ」

 

俺も満身創痍ではあるが、拳を作って雄二に向ける。ニヤリと笑うとコイツも拳を作って俺の拳にぶつける。

 

コツンッ!

 

「任せとけ晴人。絶対に勝つからな!お前は休んどけ!」

 

そう行って進軍していく本隊を見送ると俺は自分の教室──補充が行われている部屋に入る。

 

(なんとかなったみたいだ…な。後は雄二に任せ──)

 

そこまでが限界だった。気がつけば畳が目の前にあり、テスト監督している先生が近づいてきたような気がした。だがそこで俺の意識は完全に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』

 

歓…声?なんだってんだ……?確か俺はDクラスと──

 

「ハッ!!」

 

慌てて起きようとする、が…

 

グラッ

 

「ッ…!」

 

頭痛によって体が揺れる。

 

「動くでない!先程まで倒れておったのじゃぞ!!」

 

隣から見慣れたショートカットの生徒が声をかけてくる。

 

「優子……いや、秀吉か」

 

「うむ、わしじゃ晴人。間違えなかったようじゃの」

 

「お前の話し方はわかりやすいし、何よりもお前と優子じゃ声の質自体が違う。黙って全く同じ服を着られたら悩みそうだが」

 

そんな他愛のないことを話してる時の秀吉の表情から今回の戦争がどうなったのかは容易に想像がついた。

 

「……勝ったんだな?俺達」

 

「うむ……薄氷の勝利、じゃがな」

 

「……やったな、秀吉」

 

「お主がMVPかもしれんの」

 

口許が緩むのを抑えきれないまま俺は秀吉に拳を突き出す。これは俺達5人の間での合言葉のようなものだ。

 

コツンッ!

 

小さく、俺たちの勝利を祝福する音が鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、起きられるようになった俺と秀吉は戦後対談が行われているDクラスへと向かったが既に大まかな方針は決まってしまっていた。

 

なんと、雄二は勝利者の権利である教室の設備の入れ替えをしない代わりに、こちらのクラスの指示でBクラスの室外機を壊すことを条件として取り付けたらしい。

 

設備の交換が行われなかったことによってDクラスとの戦争は講和による解決として幕を閉じた。

 

「ちょっと雄二!どういうつもりなのさ!!せっかくの設備のランクアップのチャンスだったっていうのに!」

 

「うるさいぞ明久、それについては今から説明してやる。教室にいるのはこれで全員だろ?」

 

先程までは放送の件で包丁で雄二を殺しにかかっていた明久が今度は設備の事で食ってかかっている。

 

今教室にいるのは俺と明久、雄二、姫路、土屋、秀吉、あともう一人は…誰だ?

 

「おい、雄二。そこにいるポニーテールの女は誰だ?見るからにアホそうだな」

 

「んなっ!あんたねぇ…初対面でそれは失礼でしょうよ!!」

 

「うるせぇぞ、お前──あぁ、島田だっけか?戦争中に暴れだしたとかいう迷惑千万な今回の戦犯か」

 

確かこいつが須川に取り押さえられているところをチラッと見たような気がするな。

 

「誰が戦犯よ!!そんな覚え方しないでよね!ウチは島田美波よ」

 

怒りながらも自己紹介してくれる島田。明久や雄二と違って常識的なようだ。

 

「だったら理由を聞かせてもらおうか、一体どんな理由があって暴れたんだ?」

 

「よ、吉井が……ウチの胸がないって言ったからよ!!」

 

「明久、お前本当にそんなこと言ったのか…?」

 

無言で目を逸らす明久にため息を混じりつつ教えてやる。

 

「明久、いくらコイツの胸が小さくてもコイツは気にしてるんだからわざわざ胸が小さいって言ったら怒るのは当たり前だろ?人が傷つく事は言うもんじゃ──危ねぇじゃねえか!!」

 

いきなり島田が釘バットを振ってきたので慌てて避けると、顔を真っ赤にして殺意を俺に向けていた。

 

「理不尽だろ島田!バットをしまえ!!」

 

いくらなんでもそんなものに殴られたら死ぬ!

 

「あんた二回も言ったわね!!どうせウチは貧乳よ!でもその前にあんたと吉井の息の根を止めてやるわ!!」

 

「なんで僕まで?!」

 

理不尽な暴力に俺と明久が晒される前に雄二が仲裁してくる。

 

「まあ落ち着け島田、明久の処刑は話が終わってからにしろ」

 

「何よ、これじゃウチがバカにされ損じゃないのよ!」

 

実際バカだろ。戦争中に私情を挟んで職務放棄してる時点で。

 

「晴人はお前が下がってから中堅部隊の指揮を執ったんだ、云うなら抜けたお前の役目を代わりに果たしたんだぞ?」

 

「うっ……」

 

「さて…今日は次に戦う予定のクラスの発表と今回教室交換をしなかった理由を説明させてもらう、構わないな?」

 

痛い所を突かれて黙り込んだ島田を尻目に雄二が話を進める。

 

「それについてなんだが、Dクラスに室外機を破壊させるメリットが何より気になるんだが、そこの説明は別の日になるのか?」

 

「それについては明日行う予定だ、ここだと誰に立ち聞きされてるかわからないからな。明日の昼に屋上でそれは話そう」

 

「じゃあ設備交換をしなかった理由はなんなのさ?」

 

「まず一つは、このFクラスの立地が次戦うクラス──Bクラスと戦う時に好都合だからだ」

 

「つまりどういうことなのさ雄二?」

 

「見取り図で考えてみろ、DクラスとBクラスは目と鼻の先だろう?圧倒的な点差がある俺達が攻め込まれる未来が容易に予想できるだろ?」

 

「あ、確かに……隣接してる以上は作戦を立てても物量で押し切られちゃうんだね」

 

「それだけじゃない、もしDクラスの設備を得て、失いたくないって言い出す連中がいたらうちのクラスの士気はダダ下がりだ」

 

なるほどな…Fクラスの強みは失うものがないことだっていうことも雄二はよく理解してるんだな。

 

雄二の頭の回転に下を巻いていると会議が締めくくられる。

 

「そしてさっき言ったように俺達は今度はBクラスを狙う。明日の昼に、今ここに居るメンバーに招集をもう一度かける、詳しい戦略方針はまた後日言うから今日はゆっくり休んでくれ!解散!」

 

そう言って、雄二も自分のカバンを担いで去っていった。その後を追いかけるようにして俺以外の全員が教室から出ていく。

 

「んじゃあ俺も帰るか」

 

下駄箱へと向かっていると曲がり角からよく見知った女子生徒がいた。

 

「あら、晴人。偶然ね」

 

「おー、八坂君じゃーん、お久しぶりだね♪」

 

「優子と工藤か。居残り勉強でもしてたのか?」

 

工藤愛子、Aクラスに所属する緑色の髪をした少女だ。成績はある科目を除いてはAクラス平均程度。だが、そのある科目においてはある一名を除いて学年の誰をも凌駕する実力者だ。

 

「違うよ、先生からの頼まれごとだよ、八坂君は戦争後のミーティングが終わった感じかな?」

 

「まあそんなところだな」

 

ふうん、と興味なさげに言う工藤。コイツの考えてる事は読めないから苦手だ。

 

「アタシ達はまだ仕事があるわよ、愛子。行きましょ。晴人も寄り道しないで帰りなさいよ?疲れてるんでしょ」

 

「そーだね。それじゃあ八坂君、お疲れ様〜、またね♪」

 

「ったく、優子。俺はガキじゃねぇぞ…じゃあな」

 

去っていく二人の後ろ姿を眺めていると、視界がボヤける。

 

「──!まずいな…早く帰らねぇと」

 

少し急ぎ足で学校をあとにする。俺のマンションは学校から歩いて五分もすれば到着するのだが、それまでがとても長く感じられる。

 

 

 

ガチャ!バタン!!

 

ふらつく体に鞭打って自分の部屋に入ると箱から薬を──精神安定剤を取り出して口に放り込む。そのまま台所へ行ってグラスに水を注ぎ薬を流し込む。

 

嚥下して肩を使って呼吸を整えると頭の中に声が響く。

 

(チッ、もう少しだったのになァ……)

 

頭の中に響く声に自分でも驚く程に低い声を返す。

 

「うるせぇよ……諦めてさっさと寝やがれクソ兄貴が」

 

今のあんたを表に出すわけにはいかねえよ…。

 

(へっ、そうかい…まあいいさ、今は大人しくしておいてやるよ)

 

それっきり声は聞こえなくなったが体勢が崩れるのを感じる。

 

「これじゃあマトモに飯を作る気にもならねぇや……寝るか」

 

こうして俺の2年生としての初日は幕を下ろした。




彼を襲った謎の意識。一体なんなんだろー(棒読み)

この作品のラストまで実は大まかに考えてはありますが遅筆なもので最後まで行くのに何話かかるのか…(苦笑)

今回もここまで読んでくださりありがとうございました!

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