イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか? 作:カルビン8
「なあリリ!腕相撲しようぜ!」
「腕相撲?腕を組んでこうですか?」
「そうだ、じゃあ逝くぞ・・・よーいどん!!」
「自分でスタートを言うなんてずるいですよ!えい!!(バタン!)」
winner↑ リリルカァ↓
「orz」
「あ、あれ?勝っちゃいました?ハッ!?これはシエン様に勝つという偉業を遂げたのでは!?」
ランクアップは出来ませんでした。
ザニスに1億ヴァリスを払いリリを無事退団させてウチのファミリアに改宗することが出来た。
オラリオに戻ろうかと思ったがリリを鍛えるのにわざわざオラリオに行く必要がない気がして、ベルと爺さんのところに住むことにした。
しばらくしたらヘルメスからの手紙でザニスは1億ヴァリスを手に入れて気分が良かったのか酔い潰れて寝ていた所、神酒(ソーマ)中毒の団員が金を手に入れるためにザニスを殺害したそうだ。奴に相応しい最後だな。
ギルドはこんな危険なファミリアを存在させておくわけにはいかなくなって、ソーマファミリアは解散。神ソーマをどうしようかと悩んでいると、美の女神に引き取られたようだ。
1億ヴァリスはオレのところに戻ってくるみたいだがアスフィに返して、約束通りもう1億ヴァリスをアスフィに支払うと返事をしておこう。
リリが改宗してから9ヶ月、この世界に来てから1年と少し経った。その9ヶ月の間はギルドからの依頼をこなしたり、その際にロキファミリアに行き鍛錬、ダンジョンの遠征にも付き合ったりした。こっちに戻ってきたらリリの鍛錬をしている。そのリリは期待以上の成長をしていた。
オレが部屋で新しい魔法の杖について考えているとオレの部屋の前に【魔力】を感じ取った。
「入っていいぞ」
「失礼します、シエン様!遂に出来ましたよ!!
とうとうやりやがった、こいつ・・・改宗した際にレアスキル【魔道士の助手】が発現してそれの影響でオレと同様の魔道具が作れるようになったのだ。
しかもこのリリの魔道書は、共通語で作られている。オレが作る魔道書の魔法文字を共通語にして作り上げた。文字通り、リリの魔道書。
この世界で初の魔道書だ。間違いなく偉業だ。
おそらくこれはランクアップしたな・・・いいなぁ
オレは魔道書の中身を確認する。精神力を流して本も光る。・・・問題ないな。
「問題点はないぞ。おめでとうリリ。完成だ!」
「・・・ッ!やったぁぁぁ!!」
努力の報われた瞬間だ、リリの気分は最高潮だろうな。
この魔道書はオレが単独で作る魔道書より4倍近く分厚い、何故そんなに分厚い物になったかというと一冊の魔道書の内容を4回書き記した物だからだ。このアイデアはリリが考えたものでもある。
最初に【ファイアー】の魔道書を使って鍛錬し始めた時は、たくさん【魔法】が使えると驚いたがしばらくするともっと使えるようにしないとリリはダンジョンでは使えないと言った。
オレはスキルの影響で無限に使えるから問題ないがリリはそういう訳にはいかないのでどうすればいいか一緒に考えた結果、リリが魔道書の内容をさらに書き足したら使用回数が増えるのではないかと考えついた。そうして魔道書を書いた結果、分厚くなった。
これは何回使えるんだろうな、最低でも180回は使えるだろうが数えるのが大変そうだ。
魔道書を作るのはかなり時間がかかったがそれよりも治療の杖を作るのが非常に上手い。あんなこともあったしな。
とある日
「シエン様、怪我を治す杖はありますけど状態異常を治す杖はないのですか?」
「あるにはあるんだが・・・今手元にある材料ではオレは作れないんだ。ダンジョンに行くのにそういう杖は絶対必要なんだけどな」
「どんな杖か教えてください!リリが作っちゃいます!」
「えぇ・・・出来るのか?まあいいか、杖の名前は【レスト】、作り方はこうしてこんな感じだ」
「分かりました!任せてください!」
5日後
「出来ました!どうですか?」
「はやッ!?え、もう出来たの!?と、取り敢えず村の外にいるモンスターを状態異常にして何回治せるか実験だ!」
実験終了
「え・・・20・・・回・・・?」
「うーん、少ないですねぇ。もっと改良が必要ですね」
「・・・・・(いやいやいや、レストは使用回数は10回までなんですけど・・・というかなんで作れるの!?改良ってマジでかよ・・・)」
「シエン様?」
「リリ先生!オレに作り方をお教えください!!orz」
「ええッ!?」
なんて事もあったしなぁ。全くとんでもないやつだ・・・
作り方を教えたらオレより凄いもの作って今度はオレが教えてもらうことになってしまったじゃないか!
・・・べ、別にいいし!オレ、物作るより戦う方が得意だし!く、悔しくなんてないし!(震え声)
「シエン、部屋に入るね。リリ、どうしたの?そんなにはしゃいで」
「ベル様!これがはしゃがずにいられませんよ!いやっほー!!」
う、うるせぇ・・・けど昔より元気になったと思えばいいか。今ではちゃんと毎日食事をして健康体になっている。元気になってホント良かったよ。
それとベルに対して様付けをしている。どうも自分より背が高かったり冒険者だったりするとその相手に様付けしてたらしくその癖が抜けないらしい。
でも爺さんは名前がバレたらヤバイからお爺さんと呼んでいる。最初爺さんがゼウスだと知った時は目を大きく見開いて驚いていたが今では女性にちょっかいをかけるスケベジジイだとわかり若干距離を置いている。ゼウスだからねしょうがないね・・・
「ベルが来たってことは鍛錬の時間か?」
「うん!そうだよ!僕だって【魔法】を使えるようになるんだ!」
村でリリが魔道書を持って鍛錬していたところをベルが見ていて、また【魔法】の鍛錬を始めた。精神力を持ってないと無理と言ったがやると言って聞かない。ベルは意外と頑固なところがあるようだ。
もしいつか冒険者になって【魔法】手に入れるため、使いこなすための鍛錬はしている。【魔法】の勉強、【魔法】を使うにあたっての心構え、精神力を上昇させるトレーニングとかをだ。
必死に頑張るベルを見て思う、オレとリリとベル、3人でいつか一緒に冒険できるといいな。
夜、爺さんの部屋にて
「・・・よくやったのう、ランクアップじゃ」
「!?〜〜〜〜ッッ!」
どうやらリリは無事ランクアップしたらしい、良かったな。叫び声をあげなかったのもナイスだ。
オレは今部屋の外にいる。ベルが起きてこっちに来るかの確認とリリの裸を見ないようにするためだ。そろそろもう入っていいかな?
「爺さん、リリ、入っていいか?」
「おう、構わんぞ」
「大丈夫ですよ」
オレは部屋に入る。リリの目が少し赤いな、感動のあまり泣いたか?
リリルカ・アーデ
Lv.1 →Lv.2
力 :I42 → I0
耐久 :E475 → I0
器用 :SS1097 → I0
敏捷 :F357 → I0
魔力 :SSS1398 → I0
【魔道】: I
《魔法》
【シンダー・エラ】
・変身魔法
・変身像は詠唱時のイメージ依存。具体性欠如の際は失敗。
・模範推奨
・詠唱式【貴方の刻印は私のもの。私の刻印は私のもの】
・解呪式【響く十二時のお告げ】
《スキル》
【
・一定以上の装備過重時における補正
・能力補正は重量に比例
【魔道士の助手】
・【魔力】と【器用】が成長しやすくなり、限界を超える
・ 支持している人物のスキルを習得する
【魔道具作り】
・(FEにある)武器、魔道書、杖を作ることができる。
【
・複数の魔法を同時に発動、または魔法を発動しながら別の魔法も発動できる。
「なぁにこれぇ、インチキスキルもいい加減にしろ!!」
「お前が言うな」
ギルドやオラリオの人々から見たシエン
シエン
男 ヒューマン 23歳 所属ファミリア 不明
見た目は普通で背はそこまで高くはない。酷い目にあっている小人族を助けたりギルドの仕事を手伝うなど性格は悪くない方だ。しかし常識を知らなく、喋り方がコロコロ変わるかなり変わった人物。
見た事も無い魔道具を所有しており、手に入れようとしたものは死にかけたらしい。
お酒には弱く少し酔うと寝てしまうほど、だが酒場で寝ている彼に触れるのは死を意味するそうだ。
敵対する者には容赦が無い。音も無く敵に近づき一撃で仕留める。仕留め損なっても追跡し確実に消す、人質を取られても人質ごと殺すなど冷徹な部分もある。
私が付いて来ていることを知っており、一切隙を見せない恐ろしい男(????情報)
L v.1(L v.7クラス?)
どうみてもL v.1とは思えない力を持っており、噂によるとオラリオ最強の【猛者】を倒したらしい。
神々がL v.を尋ねたところ嘘をついてはいなかった。
友好関係
都市最強派閥のロキファミリアの冒険者達と買い物をしていたり、鍛錬をしたり遠征にも行ったりと仲が良いようだ。
特に【九魔姫】には頭が上がらないらしく、悪さがバレて逃げようとしていたところに現れた【九魔姫】からは逃げることを止め、手を掴まれロキファミリアに連れていかれる光景があったようだ。
エルフが相手に触れるのは基本的に信頼できる人物だけなのでかなり親しい間柄の様子。オラリオのエルフ達の評価は賛否両論。
ヘルメスファミリアの神ヘルメスと【万能者】とは友人らしい。神ヘルメスもシエンのことをマブダチと呼ぶほどだが神ヘルメスの事なので胡散臭い。
【万能者】との間柄は友人、仕事仲間といった感じのようだ。時々喫茶店で神ヘルメスに対する愚痴をシエンに話す【万能者】の姿があったという。
オラリオにいる時はヘルメスファミリアにて寝泊まりしているようだ。
戦闘スタイル
【精神力】を使用するものしか使わない。【攻撃魔法】【防御魔法】【回復魔法】【特殊魔法】といった様々な【魔法】を使う。
驚く事に【魔法】を使いながら他の【魔法】を使ったりするところや3つ以上【魔法】を使えることから何かしらのレアスキルを持っているようだ。
【力】は極端に低くオークの腹に短剣が刺さらないほど低いそうだ。